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第一章『性なる力に目覚めた勇者!?』
第3話 娼館・ミルキィフラワー
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一か月前。
大陸を統べる王国から遠く離れた街、トーラス。
都心に比べれば田舎だが、夜になると怪しげなランプの明かりに照らされた娼館が目を覚ます。
店の名はミルキィフラワー。
ヒミカはここで、今日も男性の寂しさを紛らわす仕事をしていた。
本来、成人になった子供の大半は冒険者として近くのギルドに就職するのが一般的だ。
魔物に襲われて命を失う危険もあるが、その分給料は高い。
冒険者人口はとても多く、ギルドやクエスト先での出会い、各地を旅しながら世界平和に貢献する仕事内容は老若男女人気がある。
ヒミカも小さい頃から、冒険者になることを夢見ていた。
素敵な仲間に恵まれて、協力してクエストをこなして。
パーティで一緒になった、王子様みたいな男の子と恋をしちゃったり。
脳裏に浮かんだ甘い夢は突如としてかき消される。隣に座る男性客の大声によって。
「ごくっごくっ、かぁ――ッ! 仕事終わりの酒は美味いし、ヒミカちゃんは可愛いし、ほんと天国だよ!」
「うふふっ、ありがとうございます。あっ、グラス空いてますよ」
愛想笑いを浮かべながら常連客──トーマの空いたグラスに追加の酒を注ぎ込む。
トーマは一気に煽ると一際大きなゲップをし、酔っぱらいながらヒミカの白い太ももをすりすりと撫でる。
(またいやらしい触り方。いつも指名してくれるのは嬉しいけど、正直トーマさん苦手なんだよね)
ここは男の楽園。
可愛くて美しい女の子が男性客について、会話やお酒でもてなすお店。
真っ当な人間や冒険者には縁のない場所だ。
「ヒミカちゃん、いつもの踊りやってよ。ヒミカちゃんの身体ってどこから見てもエッチだからさぁ。オイラ、とても元気になって明日も仕事頑張れるんだよ」
「もう、仕方ないですね」
にこりと微笑んで、薄いドレスのジッパーに手をかける。
未だに少し抵抗感はあるけど、感情を殺して耐える。
これは、ヒミカと、妹のユミカが食べていくためのお仕事だから。
【踊り子】のジョブは魔物相手には役に立たず、冒険者にはなれないから。
時々嫌になることもあるけど、ここがヒミカの居場所だから。
ドレスを脱ぎ捨てると、身体を覆うのは下着となんら変わらないビキニと呼ばれる極小サイズの布だけ。
乳首や陰部を申し訳程度にしか隠しておらず、衣服としての機能はほぼない。
(他のお店だと、お客さんとエッチするって聞くし。布がある分まだマシ、かも)
裸同然の姿で、薄暗い店内の中央に設置されたステージに立った。
始まるのは娼館・ミルキィフラワーのサービスタイム。
一呼吸おいて、踊り子のスキル【魅惑の舞】を披露する。
艶めかしくて蠱惑的な踊り。
リズムに乗って妖艶に身体を揺らし、触手のように全身をうねらせる。
存分に身体のラインをアピールし、胸の谷間を強調し、誘うように尻を振る。
追って流れる漆黒の髪が、照明の光を宝石のように反射した。
「ふおおお! これ、これだよ! ヒミカちゃんの恵体! 眼福だぁ!」
五十代半ばのトーマはもう辛抱たまらんという様子で鼻息を荒くしている。
彼だけではない。店内にいる男性客の全てがヒミカに釘付けになり、歓声が沸き立つ。
ヒミカの踊りは【踊り子】のジョブにより、一挙一投足にわずかながら魔力が込められている。
その効力は、相手の理性を酔っぱらったように緩ませ、自身へと惹きつける程度の力。
けれど、客が熱狂する理由はそれが本質ではない。
(ああ、見てる。見られちゃってる)
小柄に不釣り合いなハリのあるおっぱい。
ビキニに透ける乳首はツンと斜め上を向き、大きな乳輪が男性客の視線を掴んで離さない。
身体のラインは細いのに、腰のくびれはまるで芸術作品のように整っている。後ろを向けばシミの一つない白い背中と、むしゃぶりつきたくなるような大きなお尻がぶるんと揺れる。
唯一の才能とでも言うのか、女性としてすこぶる恵まれた身体つきをしていた。
トーマ曰く『それでいて、流れるような黒髪と年齢に不釣り合いな童顔が背徳感マシマシでイイ!』とのことだ。
誉め言葉と素直に受け取るのは複雑な気分だが、こうして大勢の異性から熱狂的な視線を向けられる事に、ヒミカは内心満たされるかのような不思議な感覚を持て余していた。
踊り終えて、男性客だけでなくキャストからも惜しみない拍手が送られる。
元の席に戻ると、トーマが鼻息荒くしながら待っていた。
大陸を統べる王国から遠く離れた街、トーラス。
都心に比べれば田舎だが、夜になると怪しげなランプの明かりに照らされた娼館が目を覚ます。
店の名はミルキィフラワー。
ヒミカはここで、今日も男性の寂しさを紛らわす仕事をしていた。
本来、成人になった子供の大半は冒険者として近くのギルドに就職するのが一般的だ。
魔物に襲われて命を失う危険もあるが、その分給料は高い。
冒険者人口はとても多く、ギルドやクエスト先での出会い、各地を旅しながら世界平和に貢献する仕事内容は老若男女人気がある。
ヒミカも小さい頃から、冒険者になることを夢見ていた。
素敵な仲間に恵まれて、協力してクエストをこなして。
パーティで一緒になった、王子様みたいな男の子と恋をしちゃったり。
脳裏に浮かんだ甘い夢は突如としてかき消される。隣に座る男性客の大声によって。
「ごくっごくっ、かぁ――ッ! 仕事終わりの酒は美味いし、ヒミカちゃんは可愛いし、ほんと天国だよ!」
「うふふっ、ありがとうございます。あっ、グラス空いてますよ」
愛想笑いを浮かべながら常連客──トーマの空いたグラスに追加の酒を注ぎ込む。
トーマは一気に煽ると一際大きなゲップをし、酔っぱらいながらヒミカの白い太ももをすりすりと撫でる。
(またいやらしい触り方。いつも指名してくれるのは嬉しいけど、正直トーマさん苦手なんだよね)
ここは男の楽園。
可愛くて美しい女の子が男性客について、会話やお酒でもてなすお店。
真っ当な人間や冒険者には縁のない場所だ。
「ヒミカちゃん、いつもの踊りやってよ。ヒミカちゃんの身体ってどこから見てもエッチだからさぁ。オイラ、とても元気になって明日も仕事頑張れるんだよ」
「もう、仕方ないですね」
にこりと微笑んで、薄いドレスのジッパーに手をかける。
未だに少し抵抗感はあるけど、感情を殺して耐える。
これは、ヒミカと、妹のユミカが食べていくためのお仕事だから。
【踊り子】のジョブは魔物相手には役に立たず、冒険者にはなれないから。
時々嫌になることもあるけど、ここがヒミカの居場所だから。
ドレスを脱ぎ捨てると、身体を覆うのは下着となんら変わらないビキニと呼ばれる極小サイズの布だけ。
乳首や陰部を申し訳程度にしか隠しておらず、衣服としての機能はほぼない。
(他のお店だと、お客さんとエッチするって聞くし。布がある分まだマシ、かも)
裸同然の姿で、薄暗い店内の中央に設置されたステージに立った。
始まるのは娼館・ミルキィフラワーのサービスタイム。
一呼吸おいて、踊り子のスキル【魅惑の舞】を披露する。
艶めかしくて蠱惑的な踊り。
リズムに乗って妖艶に身体を揺らし、触手のように全身をうねらせる。
存分に身体のラインをアピールし、胸の谷間を強調し、誘うように尻を振る。
追って流れる漆黒の髪が、照明の光を宝石のように反射した。
「ふおおお! これ、これだよ! ヒミカちゃんの恵体! 眼福だぁ!」
五十代半ばのトーマはもう辛抱たまらんという様子で鼻息を荒くしている。
彼だけではない。店内にいる男性客の全てがヒミカに釘付けになり、歓声が沸き立つ。
ヒミカの踊りは【踊り子】のジョブにより、一挙一投足にわずかながら魔力が込められている。
その効力は、相手の理性を酔っぱらったように緩ませ、自身へと惹きつける程度の力。
けれど、客が熱狂する理由はそれが本質ではない。
(ああ、見てる。見られちゃってる)
小柄に不釣り合いなハリのあるおっぱい。
ビキニに透ける乳首はツンと斜め上を向き、大きな乳輪が男性客の視線を掴んで離さない。
身体のラインは細いのに、腰のくびれはまるで芸術作品のように整っている。後ろを向けばシミの一つない白い背中と、むしゃぶりつきたくなるような大きなお尻がぶるんと揺れる。
唯一の才能とでも言うのか、女性としてすこぶる恵まれた身体つきをしていた。
トーマ曰く『それでいて、流れるような黒髪と年齢に不釣り合いな童顔が背徳感マシマシでイイ!』とのことだ。
誉め言葉と素直に受け取るのは複雑な気分だが、こうして大勢の異性から熱狂的な視線を向けられる事に、ヒミカは内心満たされるかのような不思議な感覚を持て余していた。
踊り終えて、男性客だけでなくキャストからも惜しみない拍手が送られる。
元の席に戻ると、トーマが鼻息荒くしながら待っていた。
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