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湖でワカサギ釣り part4
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「湖の魚を全部釣る勢いじゃの」
妾が話しかけると、ジョーは笑顔で振り返った。
「バーミリオン! あなたもさっさと釣りなさいよ。お茶したりお喋りしたりしてたでしょ」
「うむ。妾は飽きてきたのじゃ」
堂々と正直に答える。
ジョーは眉を寄せて「はぁ」とため息をついた。
「まだ始めたばかりじゃない」
そうは言ってもすでに二時間は経っている。
湖の上は吹きさらしで風もあるし寒いし、魚釣りは単調だし手は冷たくなって寒いし、じっと座ってるから寒いし、そう、とにかく寒いのじゃ。
「仕方ないわねぇ」
ジョーはお姉さんぶった口調で妾を笑った。
「じゃあ、もう少ししたら帰りましょう」
「うむ」
ジョーはよほど釣りが好きなのか、バケツいっぱいにワカサギを盛っているのにまだ上に積んでいく。
妾やシェン君と違い、手つきが慣れていてスムーズじゃ。
釣り上げてワカサギの口から針を外し、またエサのチーズを付けて糸を穴に放り込む。
これを繰り返すのじゃが、妾はもたもたしてしまい、魚はヌルヌルで落とすし、針が手に刺さるし、食いついたかどうか判別できないしで向いてない気がした。
ちなみにシェン君はまだやっているので、楽しんでいそうじゃ。
「それじゃあ、妾は向こうで休憩でもしておるからの」
ジョーの邪魔になるので、手を振って、その場から離れることにした。
ストーブの前に座っていようと思ったのじゃ。
背を向けて数歩進んだとき、足元でパリッと小さな音がした。
立ち止まって靴を見下ろす。
同時に背後で短い悲鳴が上がった。
続いて、バンッッ! と大きく破裂したような音に体がビクッと震えた。
「えっ?」
音に振り返ると、ジョーが座っていた場所に大きな穴が空き、彼女の姿が消えていた。
「ジョ、ジョー!?」
バキバキ音を立てて湖の表面の氷が砕けて、すごい速さで放射状に亀裂が広がっていく。
妾は思わず後ずさった。
足元の氷が割れ始めている。
このときになって、妾は湖の端に近いこの場所の氷が他より薄いことに気づいた。
「ミリィ!!」
「ひめ様!!」
氷が割れたのを知って、シェン君やミンミンたちが湖の上を走ってくる。
「き、来ちゃダメじゃ」
妾は手を突き出して彼らを止めようとした。
これ以上の重さに耐えられそうにない。
足の下で氷がミシミシと鳴っている。
亀裂はさらに伸びていき、今にも辺り一面が割れそうだった。
動けないでいると、目の前のジョーがいた場所で水音がした。
「・・・・・・た、たすけ、」
大きな穴が空いた水面からバシャバシャと水を掻きながら手が出て、端を掴もうと左右に揺れた後、また沈んでいった。
「ジョー!!」
消えたジョーが水の中に落ちたことに、妾はようやく気づいた。
沈んでいった手は必死にもがくように動いていたが、もう浮かんでこない。
「今助けるのじゃ!」
妾はすぐさま走り出した。
足元の氷が砕けて割れていく。
構わず穴に飛び込んだ。
「きゃあァァッッ!!」
「ひめ様ッ!!」
ミンミンとヤンヤンの悲鳴は、妾には聞こえなかった。
なぜならーーー。
ひぎゃあああぁァァ!!
妾も心の中で叫んでいたからじゃ。
湖に飛び込んだ瞬間、氷水が全身を刺してきた。
心臓が止まりそうなほど冷たかった。
いや、止まってもおかしくなかった。
とっさに魔術を使ったのは本能だったかもしれぬ。
『レ✳︎ガーエン✳︎』
体を覆うように炎の魔術を行使した。
じゃが、周りは水なので当然すぐに消火する。
妾は炎を出し続けた。
「魔力がすぐに尽きそうじゃ」
しかも全身を覆う炎は水を蒸発させ、辺りが白く煙って見えづらい。
目を凝らして水の中にいるはずのジョーを探す。
真下から泡が幾つも上がってきたので、妾はそこに向かって泳いだ。
水泳は得意なのじゃ。
というか、身を守るためのアレやコレやを一応習っておったのでな。
水を掻いて下へ進むと、すぐにジョーが見つかった。
完全に意識がなく、すでに口から出ていた泡が消えている。
「マズいのぅ」
手を伸ばしてジョーの腕を掴んだものの、二人分の服が重くて上に泳ぐより沈む方が早い。
とっくに帽子とマフラーはどこかに行っていたが、妾は着ていたコートとセーター、厚手のズボンを水中で脱いだ。
ジョーの服を脱がせている時間はない。
「このままでは妾の息も・・・・・・」
浮上するまで呼吸が持つかわからない。
すでにかなり息苦しい。
息・・・・・・?
空気じゃ。
『✳︎ドネル✳︎』
右手でジョーの腕を掴み、左手のひらから風の魔術を下に向かって発動した。
妾は火と風の魔術が使える。
じゃが、同時に使ったことはなかった。
魔術の授業で同時発動ができることは知っておったが、できた試しがなかったのじゃ。
しかし、このときは一度で成功した。
火事場のなんとやらじゃ。
風の噴射で浮上していく。
すると、頭上の水面から大きな影が下りてきた。
妾の横まで泳いでくる。
クラウゼンだった。
騎士は力強い腕で妾の腰を抱くと、あっという間に妾とジョーを湖の上に押し上げた。
そこに小柄な少女の使用人がいて、まずは妾を安全な場所に連れて行こうとした。
「先に・・・・・・先にジョーを」
妾は使用人の手を払った。
ジョーは青白くなり息をしていない。
少女は一瞬、迷ったようだが、ジョーを担いで行った。
表面の氷が薄いので、他の者は近づけない。
「殿下、大丈夫ですか?」
まだ水の中にいるクラウゼンが話しかけてくる。
「妾は平気じゃ。クラウゼン、助かったぞ」
「勿体ないお言葉」
クラウゼンは氷の厚みを確かめてから、そっと湖の上に上がった。
その格好は妾と同じでほぼ下着姿だ。
濡れそぼった妾とクラウゼンは、そろりそろりと岸辺に移動した。
「ミリィ!!」
「「ひめ様!!」」
シェン君やミンミンたちが駆け寄ってくる。
「ああ、こんなことになるなんて」
「ひめ様、ストーブで乾かしてください」
ヤンヤンとミンミンがタオルで妾をぐしぐしと拭く。
「痛い痛い。力が強いのじゃ」
容赦ない二人は妾の抗議を無視した。
「それよりジョーは大丈夫なのか?」
濡れてることなど正直どうでもよかった。
ジョーが心配で、連れて行かれた方を見る。
人だかりでジョーの姿は見えなかった。
「おれが見てくる」
シェン君が走って行き、妾も追いかけようとしたが、ヤンヤンとミンミンにタオルでぐるぐる巻きにされて無理だった。
妾が話しかけると、ジョーは笑顔で振り返った。
「バーミリオン! あなたもさっさと釣りなさいよ。お茶したりお喋りしたりしてたでしょ」
「うむ。妾は飽きてきたのじゃ」
堂々と正直に答える。
ジョーは眉を寄せて「はぁ」とため息をついた。
「まだ始めたばかりじゃない」
そうは言ってもすでに二時間は経っている。
湖の上は吹きさらしで風もあるし寒いし、魚釣りは単調だし手は冷たくなって寒いし、じっと座ってるから寒いし、そう、とにかく寒いのじゃ。
「仕方ないわねぇ」
ジョーはお姉さんぶった口調で妾を笑った。
「じゃあ、もう少ししたら帰りましょう」
「うむ」
ジョーはよほど釣りが好きなのか、バケツいっぱいにワカサギを盛っているのにまだ上に積んでいく。
妾やシェン君と違い、手つきが慣れていてスムーズじゃ。
釣り上げてワカサギの口から針を外し、またエサのチーズを付けて糸を穴に放り込む。
これを繰り返すのじゃが、妾はもたもたしてしまい、魚はヌルヌルで落とすし、針が手に刺さるし、食いついたかどうか判別できないしで向いてない気がした。
ちなみにシェン君はまだやっているので、楽しんでいそうじゃ。
「それじゃあ、妾は向こうで休憩でもしておるからの」
ジョーの邪魔になるので、手を振って、その場から離れることにした。
ストーブの前に座っていようと思ったのじゃ。
背を向けて数歩進んだとき、足元でパリッと小さな音がした。
立ち止まって靴を見下ろす。
同時に背後で短い悲鳴が上がった。
続いて、バンッッ! と大きく破裂したような音に体がビクッと震えた。
「えっ?」
音に振り返ると、ジョーが座っていた場所に大きな穴が空き、彼女の姿が消えていた。
「ジョ、ジョー!?」
バキバキ音を立てて湖の表面の氷が砕けて、すごい速さで放射状に亀裂が広がっていく。
妾は思わず後ずさった。
足元の氷が割れ始めている。
このときになって、妾は湖の端に近いこの場所の氷が他より薄いことに気づいた。
「ミリィ!!」
「ひめ様!!」
氷が割れたのを知って、シェン君やミンミンたちが湖の上を走ってくる。
「き、来ちゃダメじゃ」
妾は手を突き出して彼らを止めようとした。
これ以上の重さに耐えられそうにない。
足の下で氷がミシミシと鳴っている。
亀裂はさらに伸びていき、今にも辺り一面が割れそうだった。
動けないでいると、目の前のジョーがいた場所で水音がした。
「・・・・・・た、たすけ、」
大きな穴が空いた水面からバシャバシャと水を掻きながら手が出て、端を掴もうと左右に揺れた後、また沈んでいった。
「ジョー!!」
消えたジョーが水の中に落ちたことに、妾はようやく気づいた。
沈んでいった手は必死にもがくように動いていたが、もう浮かんでこない。
「今助けるのじゃ!」
妾はすぐさま走り出した。
足元の氷が砕けて割れていく。
構わず穴に飛び込んだ。
「きゃあァァッッ!!」
「ひめ様ッ!!」
ミンミンとヤンヤンの悲鳴は、妾には聞こえなかった。
なぜならーーー。
ひぎゃあああぁァァ!!
妾も心の中で叫んでいたからじゃ。
湖に飛び込んだ瞬間、氷水が全身を刺してきた。
心臓が止まりそうなほど冷たかった。
いや、止まってもおかしくなかった。
とっさに魔術を使ったのは本能だったかもしれぬ。
『レ✳︎ガーエン✳︎』
体を覆うように炎の魔術を行使した。
じゃが、周りは水なので当然すぐに消火する。
妾は炎を出し続けた。
「魔力がすぐに尽きそうじゃ」
しかも全身を覆う炎は水を蒸発させ、辺りが白く煙って見えづらい。
目を凝らして水の中にいるはずのジョーを探す。
真下から泡が幾つも上がってきたので、妾はそこに向かって泳いだ。
水泳は得意なのじゃ。
というか、身を守るためのアレやコレやを一応習っておったのでな。
水を掻いて下へ進むと、すぐにジョーが見つかった。
完全に意識がなく、すでに口から出ていた泡が消えている。
「マズいのぅ」
手を伸ばしてジョーの腕を掴んだものの、二人分の服が重くて上に泳ぐより沈む方が早い。
とっくに帽子とマフラーはどこかに行っていたが、妾は着ていたコートとセーター、厚手のズボンを水中で脱いだ。
ジョーの服を脱がせている時間はない。
「このままでは妾の息も・・・・・・」
浮上するまで呼吸が持つかわからない。
すでにかなり息苦しい。
息・・・・・・?
空気じゃ。
『✳︎ドネル✳︎』
右手でジョーの腕を掴み、左手のひらから風の魔術を下に向かって発動した。
妾は火と風の魔術が使える。
じゃが、同時に使ったことはなかった。
魔術の授業で同時発動ができることは知っておったが、できた試しがなかったのじゃ。
しかし、このときは一度で成功した。
火事場のなんとやらじゃ。
風の噴射で浮上していく。
すると、頭上の水面から大きな影が下りてきた。
妾の横まで泳いでくる。
クラウゼンだった。
騎士は力強い腕で妾の腰を抱くと、あっという間に妾とジョーを湖の上に押し上げた。
そこに小柄な少女の使用人がいて、まずは妾を安全な場所に連れて行こうとした。
「先に・・・・・・先にジョーを」
妾は使用人の手を払った。
ジョーは青白くなり息をしていない。
少女は一瞬、迷ったようだが、ジョーを担いで行った。
表面の氷が薄いので、他の者は近づけない。
「殿下、大丈夫ですか?」
まだ水の中にいるクラウゼンが話しかけてくる。
「妾は平気じゃ。クラウゼン、助かったぞ」
「勿体ないお言葉」
クラウゼンは氷の厚みを確かめてから、そっと湖の上に上がった。
その格好は妾と同じでほぼ下着姿だ。
濡れそぼった妾とクラウゼンは、そろりそろりと岸辺に移動した。
「ミリィ!!」
「「ひめ様!!」」
シェン君やミンミンたちが駆け寄ってくる。
「ああ、こんなことになるなんて」
「ひめ様、ストーブで乾かしてください」
ヤンヤンとミンミンがタオルで妾をぐしぐしと拭く。
「痛い痛い。力が強いのじゃ」
容赦ない二人は妾の抗議を無視した。
「それよりジョーは大丈夫なのか?」
濡れてることなど正直どうでもよかった。
ジョーが心配で、連れて行かれた方を見る。
人だかりでジョーの姿は見えなかった。
「おれが見てくる」
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