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湖でワカサギ釣り part3
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この場を離れたくて、妾とシェン君はそそくさと釣りに戻った。
後ろからミンミンが「ちょっと~ヤンヤン、いつまで照れてるのよ! 片付け手伝って!」と叱る声が聞こえてくる。
シェン君と丸椅子に座って釣りを再開しながら、妾は訊いてみた。
「のぉ、シェン君や」
「ん? なんだ?」
「サイファは恋人がおるのか?」
「・・・・・・」
シェン君が黙ってしまったので顔を向けると、同じくこっちを見ていたので、黒い瞳と目が合った。
「なんでそんなこと聞くんだ?」
「えっ? なんでって・・・・・・」
大事な侍女のヤンヤンがサイファのことを気にしているからじゃが、そう答える前にシェン君が不機嫌そうに呟いた。
「あいつに恋人はいない」
「そ、そうか」
なぜかここでも不穏な空気になってしまった。
なぜじゃ・・・・・・?
妾はさらに訊いてみた。
「それで、サイファは何才なんじゃ? 二十才くらいかの?」
「・・・・・・十七だけど」
「じゅっ!? 十七!」
思ってたより若かった。
ヤンヤンは十九じゃから二つ下か。
「サイファは年上でも大丈夫かの?」
「ん? 年上? 何が?」
「だから、ヤンヤンは十九だから年上になるじゃろ」
「ヤンヤン?」
なんだか話が噛み合ってないような。
「サイファとヤンヤンが付き合うことになったら、という話をしておるんじゃが」
シェン君が目を丸くして妾を見ると「あ、ああ、なるほど」と一人納得したように頷いた。
今まで何を考えておったんじゃ?
シェン君はもしかして〝鈍感さん“なのかもしれぬな。
「一応これでもヤンヤンは姉のように慕っている侍女なのでな。変な男にはやれぬ。シェン君から見てサイファはどんな感じじゃ?」
「うーん。そうだなぁ。いいヤツだぞ」
「いや、もっと具体的に」
「具体的? うーん。服を着せるのが早い」
「それは従者の仕事じゃろ。そうじゃなくて、こう・・・・・・一人の男としてじゃ」
シェン君は釣り糸を垂らすのも忘れて考え込んでしまった。
妾がワカサギを五匹釣った後、ようやく思いついたらしく笑顔でシェン君が答えた。
「そうだ! サイファは怒ると長い。クドクドうるさくなる」
「それ長所じゃないぞ」
ヤンヤンをやるわけにはいかぬかも。
「ああ、それから、サイファは水龍になれる」
「・・・・・・」
妾は固まってしまった。
それは困る。
長所と言われたら長所じゃ。
けど、確かアラガンで龍になれるのは王族の中でも王位継承権がある者だけだったはずじゃ。
「も、もしかして・・・・・・、サイファはアラガン王家の者かの?」
「まあ、そうだけど?」
「ひぃ・・・・・・!」
「ひぃ?」
シェン君はまったく理解しておらぬが、ヤンヤンは普通の中級貴族の娘じゃぞ。
サイファがよその国の王族とか、身分差がありすぎじゃろ~!
「なぜサイファはシェン君の従者などしておるのじゃ?」
「ああ、それはーーー」
シェン君の説明によると、サイファは今のアラガン王の非嫡出子らしい。
つまり、愛人に産ませた子どもということになる。
シェン君とは異母兄弟だが、王位継承権はなく、水龍になれるしツノもあるが、身分は貴族ですらなく庶民として扱われているということじゃ。
それはそれでなんだかモヤるのぅ。
「サイファがおまえの侍女と結婚するなら別におれはいいけど」
「あっさりしておるの」
「身分とかより、好きなヤツと結婚した方が幸せだろ」
それもそうじゃ。
妾もヤンヤンには幸せになって欲しい。
「何か問題があったら手を貸せばいいんじゃないか?」
「うむ。そうしよう。妾とシェン君で二人のキューピッドになるのじゃ」
「いや、おれはそんな大層なことはしないからな」
「でも今、手を貸すと言ったじゃろ」
「困ったことがあったらな。それ以外は関わらない」
「ええ~。せっかくおもしろ・・・・・・」
ゲフゲフと咳払いをして誤魔化したが、シェン君は横目で妾を睨んで釘を刺してきた。
「余計なこと禁止!」
つまらないのじゃ。
よし、後でミンミンと作戦会議を開こう。
妾はすっかり釣りに飽きてしまったので、シェン君を置いて立ち上がると、ジョーの所へ移動した。
ジョーはひと所に留まらず、湖のあちらこちらに穴を開けて、バケツ四杯目のワカサギ釣りを続けていた。
後ろからミンミンが「ちょっと~ヤンヤン、いつまで照れてるのよ! 片付け手伝って!」と叱る声が聞こえてくる。
シェン君と丸椅子に座って釣りを再開しながら、妾は訊いてみた。
「のぉ、シェン君や」
「ん? なんだ?」
「サイファは恋人がおるのか?」
「・・・・・・」
シェン君が黙ってしまったので顔を向けると、同じくこっちを見ていたので、黒い瞳と目が合った。
「なんでそんなこと聞くんだ?」
「えっ? なんでって・・・・・・」
大事な侍女のヤンヤンがサイファのことを気にしているからじゃが、そう答える前にシェン君が不機嫌そうに呟いた。
「あいつに恋人はいない」
「そ、そうか」
なぜかここでも不穏な空気になってしまった。
なぜじゃ・・・・・・?
妾はさらに訊いてみた。
「それで、サイファは何才なんじゃ? 二十才くらいかの?」
「・・・・・・十七だけど」
「じゅっ!? 十七!」
思ってたより若かった。
ヤンヤンは十九じゃから二つ下か。
「サイファは年上でも大丈夫かの?」
「ん? 年上? 何が?」
「だから、ヤンヤンは十九だから年上になるじゃろ」
「ヤンヤン?」
なんだか話が噛み合ってないような。
「サイファとヤンヤンが付き合うことになったら、という話をしておるんじゃが」
シェン君が目を丸くして妾を見ると「あ、ああ、なるほど」と一人納得したように頷いた。
今まで何を考えておったんじゃ?
シェン君はもしかして〝鈍感さん“なのかもしれぬな。
「一応これでもヤンヤンは姉のように慕っている侍女なのでな。変な男にはやれぬ。シェン君から見てサイファはどんな感じじゃ?」
「うーん。そうだなぁ。いいヤツだぞ」
「いや、もっと具体的に」
「具体的? うーん。服を着せるのが早い」
「それは従者の仕事じゃろ。そうじゃなくて、こう・・・・・・一人の男としてじゃ」
シェン君は釣り糸を垂らすのも忘れて考え込んでしまった。
妾がワカサギを五匹釣った後、ようやく思いついたらしく笑顔でシェン君が答えた。
「そうだ! サイファは怒ると長い。クドクドうるさくなる」
「それ長所じゃないぞ」
ヤンヤンをやるわけにはいかぬかも。
「ああ、それから、サイファは水龍になれる」
「・・・・・・」
妾は固まってしまった。
それは困る。
長所と言われたら長所じゃ。
けど、確かアラガンで龍になれるのは王族の中でも王位継承権がある者だけだったはずじゃ。
「も、もしかして・・・・・・、サイファはアラガン王家の者かの?」
「まあ、そうだけど?」
「ひぃ・・・・・・!」
「ひぃ?」
シェン君はまったく理解しておらぬが、ヤンヤンは普通の中級貴族の娘じゃぞ。
サイファがよその国の王族とか、身分差がありすぎじゃろ~!
「なぜサイファはシェン君の従者などしておるのじゃ?」
「ああ、それはーーー」
シェン君の説明によると、サイファは今のアラガン王の非嫡出子らしい。
つまり、愛人に産ませた子どもということになる。
シェン君とは異母兄弟だが、王位継承権はなく、水龍になれるしツノもあるが、身分は貴族ですらなく庶民として扱われているということじゃ。
それはそれでなんだかモヤるのぅ。
「サイファがおまえの侍女と結婚するなら別におれはいいけど」
「あっさりしておるの」
「身分とかより、好きなヤツと結婚した方が幸せだろ」
それもそうじゃ。
妾もヤンヤンには幸せになって欲しい。
「何か問題があったら手を貸せばいいんじゃないか?」
「うむ。そうしよう。妾とシェン君で二人のキューピッドになるのじゃ」
「いや、おれはそんな大層なことはしないからな」
「でも今、手を貸すと言ったじゃろ」
「困ったことがあったらな。それ以外は関わらない」
「ええ~。せっかくおもしろ・・・・・・」
ゲフゲフと咳払いをして誤魔化したが、シェン君は横目で妾を睨んで釘を刺してきた。
「余計なこと禁止!」
つまらないのじゃ。
よし、後でミンミンと作戦会議を開こう。
妾はすっかり釣りに飽きてしまったので、シェン君を置いて立ち上がると、ジョーの所へ移動した。
ジョーはひと所に留まらず、湖のあちらこちらに穴を開けて、バケツ四杯目のワカサギ釣りを続けていた。
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