花の舞散る季節

色音花絵

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季節一 夏

書の中身

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 七は、今布団に横になっている。書を見ようとした瞬間に、七が痛みに倒れてしまったので、春が医者を呼び、診療を受けていた。
「なるほど。分かりました。どうやら外傷だけのようですね。塗り薬を塗って安静にしていれば、すぐに治るでしょう。後は…過度な疲労ですね。この機会に、傷が治るまでっくりお休みください」
 春はほっと胸を撫で下ろした。七の傷がそれ程悪くなかったので、本当に安心した。医者が七の傷口に塗り薬を塗っていく。その度に、七が痛みに呻いた。やがて治療が終わると、医者はお大事に、と残して去っていった。
「…春、ごめんね。心配かけて」
「いいよ、気にしないで。それよりも、護ってくれて、ありがとう」
 七の頬が少し赤くなり、どう致しまして、と本当に小さな声で言った。無理矢理話題を変えるように、七は一言呟く。
「あたし、無理してたのかなぁ…」
「……そうなのかもしれないね」
 七の目には涙が光っていた。春がそれを指先で拭う。その行動に、七が驚いて春を見た。
「春…?」
「泣いていいよ。涙なら、私が拭ってあげる」
 その言葉を聞いた七は、一頻り声を上げて泣くと、布団から起き上がった。その途端に、痛みを感じたらしく、顔をしかめて、また目尻に涙が滲んだ。春が顔に残る雫をそっと拭う。今、目の端に新しく生まれた涙が頬を滑り落ちた。もう一度拭おうと手を伸ばした春を、七が制した。
「……もう大丈夫。ありがとう。それよりもさ、さっきの書」
「あ、はい」
 そう言われ、春は七に地下から持ってきた書を手渡した。七はあそこには何度も行っているのに、見たことが無い物があるなんて、とぶつぶつと呟きながら書を開いた。一枚一枚捲る度に、次第に七の顔が険しくなっていく。
「これは……百鬼夜行の封じ方なんかじゃない…」
「え?」
「春の、未来について書かれてる」
「えぇ!?」
「春は、一年後殺されかける……? 一体、何なの、これ……」
 疲れを感じた所為なのか、書かれていた内容に衝撃を受けた所為なのか、そこで七は意識を失った。春はそれを見て布団に寝かせ、毛布を掛けてやる。突然意識を失った割には、七はすぅすぅと穏やかな寝息を立てて眠っていた。
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