【完結】好きな人ができたら婚約破棄しよう。それは王子様と公爵令嬢が結んだ約束でした。一人ぼっちの公爵令嬢は今日も王子様を待っています

五月ふう

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25.愛していた!!!

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ボストール家令嬢アリアの部屋。

ミラント国の兵士に囲まれたアリアはぽろぽろと涙を流している。

「やめてよ。ステフ‥‥私たち友達でしょう?私、なんにも悪い事…していないのに…。」

アリアは、ステフとココの婚約を知る数少ない人間だった。ココへの想いがあふれてどうしようもなくなった時、アステフの相談を聞くのはアリアだ。彼女は、ステフが弱っていることに気づくのが上手い。

―――だがそれも…アリアの策略だったんだろうか?

ココに告白しようとするステフをアリアはいつも必死で説得していた。

”ステフの想いが、ココを不幸にするのよ?”

それがアリアの口癖だった。

「友人だと…思っていた。だが、今は違う。アリア・ボストールを捕まえろ!」

ステフの命令で、兵士はアリアをとらえた。

「何をするのよ?!」

アリアはさっきまでのしおらしい姿が嘘のように暴れまわった。

「アリア…君の企みには気が付いているんだ。これ以上罪を重ねないでくれ。」

ステフは冷静な口調で、アリアを見つめる。暴れまわるアリアは、今まで友人だと思っていた人間とまるで別人のように見えた。

「違う!!!私は違う!!!!ねぇ、信じてよ!ステフ!!」

ヒステリックに叫ぶアリア。

―――僕は今までアリアの何を見ていたんだろう?

ボストール家の悪行は決して許されるものではない。そこに加担していたアリアもまた、長い間牢屋から出ることはできないだろう。

「君の家族はもう明日には捕まる!隠したって無駄なんだよ!お願いだから、ココの居場所を教えてくれ!」

ルカ・ザイラスを利用してココを売り飛ばそうとしたアリア。同情の気持ちは一切わかなかった。ただ、一刻も早く、ココの元に行きたいのだ。

この状況でもなお、ステフはアリアを見ていない。アリアはそれがどうしても許せなかった。10年間、アリアはステフだけを見つめてきたのに。

「ああ。あああ!頭が痛い!!なんで貴方はココばかりなの?!」

金切り声をあげたアリアは、頭を大きく振り壁に顔を打ち付けた。

「何をしているんだ!やめろ!」

ステフはアリアの頭を押さえた。彼女の額から、血が一滴流れる。

「ステフのために顔を傷つけたら、ココみたいに守ってくれる?」

アリアは狂気じみた顔で笑う。

「本当は…私がステフを助けたかった!そのために、わざわざ部屋に火をつけたのに…!!」

「…どういうことだ?!」

心臓が、ドクリと音を立てる。ステフは唾を飲み込んだ。

「10年前、火事を起こしたのは…私よ!ココが顔に火傷を負ったのは私が火事を起こしてあげたからよ!!!」

勝ち誇った口調で、アリアがステフに吐き捨てる。アリアの顔は醜く歪んでいる。

「なんだと…?!」





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