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第二章
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しおりを挟む「ガキはあっち行ってろ」
こっちに来て一月、慣れてきた上、血を見ると興奮するのか溜ってきた。ハーレムの女たちは相変わらず媚びてくる宇宙人に見えていたが、発散させることを優先する。女を連れて戻れば、荷物の整理をしていた雑用係は慌てて部屋を飛び出して行った。
これで少しは寝れるだろ。倒れられたら困るんだよ。飯がマズいのは耐えられねぇ。
だが、女共を抱いてみて……ヒいた。喘ぎが酷すぎる。萎えるレベルだった。全員演技かって。
抱いた翌日には目にハートが浮いているのが見えた。今まで媚びてたのが、本気になったらしい。それは淡泊だった息子が絶倫になり、筋力もテクニックも上がった所為だろう。『身体能力補正』が効いてるのか? おいこれ、エロゲかよ。
そんな本気の女共にベッタリとしがみ付かれている俺の顔色を複雑そうに窺う男を見て、そういえば、と男の鑑定を行った。名前を聞いたことはあったが、覚えていなかったからだ。鑑定するのは初めて会ったあの部屋以来。
【ベルネ・シュミッツ(17)】
種族 人
職業 勇者の雑用係
属性 尽くす系男子(72)
LV 41
HP 583/583
MP 217/217
STR 10
VIT 8
……
名前はベルネか。勇者の雑用係…てか、待てよ、ありえねぇ…弱すぎだろ。散々な値が並べられているのを愕然と見ながらも、スクロールしていけば、ギフトスキルに行きつく。そこには一つだけスキルがあった。
【ギフトスキル】
勇者のお世話
…これってスキルなのか? 謎だ。
今問題なのは、ここらのモンスターに一発殴られれば死ねる底を這う様な能力値。レベルの割に能力値が低すぎるが、レベルも低すぎる。俺のレベルはもう300超えしてるにも拘らず、こいつはまだ二桁。パーティ登録すれば経験値分配システムで同じように上がるんじゃねぇのかよ。
ギルドの受付嬢に聞けば、俺を召喚した国の王都を出発してすぐの街で解消されたことが履歴に残っていた。俺のランクは勇者待遇でFからBに一気に上がったが、ランクFのあいつがいると低いランクの依頼しか受けられなくなる。だから外したのだろうと。
あいつが自ら解消したのか、女共が解消させたのかは知らないが、このレベルの差を埋めるのは完全に無理だ。
置いて行くべきか。連れて行くべきか。
あいつの用意する飯が無くなるのは死活問題。どこかで買ってきてるのかと思いきや、あいつが作っていたのだ。昼食だけでなく宿が出してると思っていた朝食も。
あいつの作るカーヴを使ったカレーと肉じゃが、唐揚げがうますぎる。全部『もどき』が付くが。しかも臭くて硬い魔物肉でさえうまい料理に変わるのだ。
あいつを置いて行って、代わりに俺ができるかといえばNO。女達も身分が高そうなこともあって、調理技術は絶望的だろう。女共は美味い美味いと飯を食いながらも、それを作っているあいつを追い出そうとしている。めでてぇ奴等だ。
結局、余裕のある俺があいつを守り、置き去りにされないように声をかける役目をしなければならなくなった。
「退け、のろま!」
「ボサっとするな、マヌケ!」
「邪魔だ、愚図!」
と、攻撃を受けそうなあいつを軽く蹴飛ばし、魔力を最小まで絞って吹き飛ばした。全ては飯のためだ。
だが、俺がどれだけ酷く扱おうとも、あいつはへらっと笑って嬉しそうに俺の機嫌を取ってくる。しかも終いには「ありがとうございます」と礼まで言ってきやがる。どうも気が削がれる。
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