男女比バグった世界で美女チート無双〜それでも私は冒険がしたい!〜

具なっしー

文字の大きさ
11 / 14
第1章はじめての異世界

賑やかな夕食会

しおりを挟む
夕暮れの光が庭をオレンジ色に染めるころ、玄関の扉が静かに開いた。
「ユノ……ちょっと紹介したい人物がいる」

父の声に、私はぱっと顔を上げる。
「お父さん、帰ってきたんだ!」

父は私の目を見て、少し微笑む。
「ユノ、君の冒険に彼を入れるのはどうかなと思ってな、紹介したくて連れてきたんだ。」

扉の向こうに立つその人物は、背が高く、がっしりとした体格の青年だった。赤い髪と真紅の瞳が夕陽に照らされて輝いている。騎士っぽい服を装い、立派な剣を携えている。それに、虎の耳がちょこんと見えている。まるで物語から抜け出したような騎士そのものの風格だ。

「初めまして、ユノさん。私はアルベルト。尊敬するガロ様の娘である、君の冒険に興味があって来たんだ。よろしくお願いします。」

声は落ち着いていて、低く響く。けれどどこか柔らかく、安心感を与えるような雰囲気がある。
私は少し照れくさそうにお辞儀する。
「は、はじめまして!ユノです!よろしくお願いします!」

アルベルトはポカーンとした顔をしてユノを見ていた。

そんなアルベルトの様子を見てお父さんは軽く笑い、私の方を向いた。
「さて、ユノの仲間も紹介してもらおうか。」

「はい!まずはバルド兄様です!」

「親父~!俺ユノの仲間になったぞ~」
「おうよ!見ればわかる!ユノに怪我一つでも許したらお前のことぶっ殺すからな!」
「こっわ!」

「2人目はイリスです!」

「お義父様はじめまして。攻撃魔法を専門にしております、魔術師のイリスです。」
「お前におとうさまと呼ばれる筋合いはない!」
「ちょっと!お父さん!」
「あぁ、ごめんよユノ」
「フッ、…脳筋親子はすぐ頭に血が上るな」
「なんだと!おらぁああ!やんのか?あーん?」
「ちょっと!お父さん?どうしちゃったの?」
「うぅ、ごめんよぉ、ユノ、だってさー、こいつがさ…」

そのやりとりを見ていたバルドは
「俺ってあんな感じなのか?」
「はい。とても滑稽ですよ」
「くそがきぃー!やんのかぁ?あぁん?」
とエルとバトっていた。

~気を取り直して~

「3人目はエルです!!」
「はじめましてユノのお父さん!エルです。僕は、結界が得意です。ユノお姉ちゃんのこと、頑張って守ります。(きゅるん)」
「エルぅー!ありがとう!かわいい!お姉ちゃんも守るからね、大好きぃ」
「お、おう…(ガロは本能で腹黒を感じ取った。こいつは、敵に回すとやべぇな。ユノ…どんまい!)エル……よろしくな。」

その後、父の提案で、みんなでテーブルを囲んでの夕食会が始まった。
テーブルの上には、父が用意してくれた料理が並ぶ。焼きたてのパン、煮込み料理、香ばしい香りが漂うスープ、そして私が昨日作ったパンケーキも少し置かれている。(お父さん用)

「さて…アルベルトうちの娘と冒険に出る気はあるかな?」
「はい!ぜひご一緒したいです!」
「ユノは?」
「まだ、少し話しただけだけど、アルベルトさんは真面目で誠実だし、信頼できると思います。仲間になってくれるならとても心強いです!」
「じゃあ、決定だね、ということで、ここにいる全員、ユノの秘密を守る為に血の契約にサインをしてもらえるかな?」
「「「「「もちろん」」」」」
「血の契約?」
「血の契約っていうのはね、破ると命を持って償う契約のことだよ。」
「えぇ!!そんな重い契約…みんな本当にいいの?」
「ユノと一緒にいるなら当たり前だろむしろ足りないくらいだ。」
「ただでさえ、女性は貴重な上、ユノは美人で、強いのです。特別なのでこれくらい当たり前ですよ」
「僕!ユノお姉ちゃんと強い繋がりできるの嬉しいなぁ」
「ユノさんのことを守りたいと思ったので、ガロさんともみんなとも信頼を共有したい!」

「みんな…ありがとう!」

そう言って1人ずつ契約書に血を垂らしていった。
契約内容はこうだ
一、ユノの種族、ステータスについてユノの許可なく他人に教えてはいけない
二、ユノの嫌がることを強要しない
三、ユノにできるだけ力を使わせない

血を垂らして契約内容をガロが読み上げた後、

「「「「同意する」」」」
みんなが言うと、紙が光った。

「これで契約完了だ。まぁ、あと1人メンバーを見つけないといけないがな…うむ、困ったなぁ、」
「あ!それなんだがな、親父。」
「どうした?バルド」
「ジンはどうかと思ってたんだ」
「あいつか…うん、あいつならお前との連携もできるし、なんだかんだで面倒見が良さそうだからな。よし、その方向でいこう」

「ジンさんって?」
「あぁ、ユノは会ったことないよな、ジンは俺が昔から冒険者パーティを組んでる相棒なんだ。」
「会ってみたい!バルド兄様の武勇伝聴きたーい」
「おう!じゃあ、明日エル、アルベルト、お前達も一緒にギルド登録しにいくぞ」
「ほーい」
「了解した」
「ちょっと!私だけ仲間外れなんて酷いじゃないですか!私も行きますよ。」




みんなが夕食を食べ終わってひと段落ついた

「さて、せっかくだ。ユノ、ステータスをみんなに見せたらどうだ?俺も1週間でどのくらい伸びたのか気になるな」
「わかった。あ、じゃあまず変身とくね、よいしょっと」

するとふわぁ~っと神秘的な羽が生えた。
初見の3人はほぅっと息を吐きながら、頬を赤く染め、ユノに身惚れた。
何度も姿を見ている、バルドやガロだって、ユノの尊さに悶えていた。

「ん?みんなぼーっとしちゃってどうしたの?…」

「「「「「「………ハッ!!!」」」」」」
やっと現実に戻ってきた男達

「ユノ、やっぱり何度見てもお前の羽かっけぇな!うちの娘最高!」
「もうっ!お父さんったら、親バカですよ!」
「ユノ…とても綺麗だ…」
「ふぁ!!??バルド兄様まで!も、もう!揶揄ってるんですか?」
「ユノ、君は天使だったんだね…」
「イリス!私は天使じゃないわ!白鳥兎獣人とかいうわけわかんない種族よ」
「ユノさん…私一生貴方に着いて行きます。」
「重い!いや、適度に着いてくる感じにしてください…」

ユノはみんなに褒められて真っ赤に、タジタジになっていた。それを見て面白そうに、愛おしそうに微笑む一同。

「ユノお姉ちゃん…可愛いのがもーっと可愛くなって凄いね」
「きゃー!エルありがとう!気に入ってくれた?エルにならいつでも触らせてあげるからね?」
(エルはユノにバレないよう、4人の方を向いてニターと笑った)

ーこの小僧…やっぱりヤベェ奴だ!ユノ…ドンマイ。
ーこいつっ!またやりやがったな。いつか化けの皮剥いでやる!
ーいつまでそのキャラでいられるのか実物ですねぇ…
ーまだ、関わったことはないが、多分…ちょっと…うん、苦手だ…

こうして、エルは大勝利をおさめた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ステータスみんなに見せるの次回になります…よろしくお願いします







しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

能天気な私は今日も愛される

具なっしー
恋愛
日本でJKライフを謳歌していた凪紗は遅刻しそうになって全力疾走してたらトラックとバコーン衝突して死んじゃったー。そんで、神様とお話しして、目が覚めたら男女比50:1の世界に転生してたー!この世界では女性は宝物のように扱われ猿のようにやりたい放題の女性ばっかり!?そんな中、凪紗ことポピーは日本の常識があるから、天使だ!天使だ!と溺愛されている。この世界と日本のギャップに苦しみながらも、楽観的で能天気な性格で周りに心配される女の子のおはなし。 はじめて小説を書くので誤字とか色々拙いところが多いと思いますが優しく見てくれたら嬉しいです。自分で読みたいのをかいてみます。残酷な描写とかシリアスが苦手なのでかかないです。定番な展開が続きます。飽き性なので褒めてくれたら続くと思いますよろしくお願いします。 ※表紙はAI画像です

異世界に転生したら溺愛されてるけど、私が私を好きでいるために努力はやめません!

具なっしー
恋愛
異世界に転生したら、まさかの超貴重種レッサーパンダ獣人の女の子「リア」になっていた元日本の女子高生・星野陽菜(ほしの ひな)。 女性の数が男性の1/50という極端な男女比のため、この世界では女性は「わがままで横暴、太っている」のが当然とされ、一妻多夫制が敷かれています。しかし、日本の常識を持つリアは「このままじゃダメになる!」と危機感を抱き、溺愛されても流されず、努力することを誓います。 容姿端麗なリアは、転生前の知識を活かし、持ち前の努力家精神でマナー、美術、音楽、座学、裁縫といったあらゆるスキルを磨き上げます。唯一どうにもならないのは、運動神経!! 家族にも、そしてイケメン夫候補たちにも、そのひたむきな努力家な面に心惹かれ、超絶溺愛されるリア。 しかし、彼女の夢は、この魔法と様々な種族が存在する世界で冒険すること! 溺愛と束縛から逃れ、自分の力で夢を叶えたいリアと、彼女を溺愛し、どこまでも守ろうとする最強のイケメン夫候補たちとの、甘くも波乱に満ちた異世界溺愛ファンタジー、開幕! ※画像はAIです

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

猫なので、もう働きません。

具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。 やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!? しかもここは女性が極端に少ない世界。 イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。 「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。 これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。 ※表紙はAI画像です

残念女子高生、実は伝説の白猫族でした。

具なっしー
恋愛
高校2年生!葉山空が一妻多夫制の男女比が20:1の世界に召喚される話。そしてなんやかんやあって自分が伝説の存在だったことが判明して…て!そんなことしるかぁ!残念女子高生がイケメンに甘やかされながらマイペースにだらだら生きてついでに世界を救っちゃう話。シリアス嫌いです。 ※表紙はAI画像です

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

処理中です...