最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

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195話 - 戦闘訓練開始

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 皆と農作物の収穫をしてから1週間程。
 ハイエルフ皆で作業していたので1週間で収穫は完全に終わったみたい。

 今後は一旦自分達で畑等の区画を考えていくとの話だ。
 養蜂箱はハイエルフの中でも年長者の方がたくさん作ってくれた。
 専用の区画を農場の奥に設けている。

 ちなみに会話の流れでエルノアママの年齢がわかった。

「今この養蜂箱の作り方がわかるのは私含め5人程ですかねぇ。私がその中では一番若いので……」

『ハイエルフの最年長の方って何歳くらいなんです?』

「最年長のアルフさんでも500を超えたくらいだったと記憶しておりますね。皆あの集落のせいで短命になってしまっていたので亡くなった方々もおおく……私の主人もそのせいで……」

『あ!すみません!ぶしつけな事を聞いてしまいました……』

「いえいえ、主人は皆を守る為に命を張りましたので満足して召されましたよ?お気になさらず。ちなみに私が今306です」

 ハイエルフの寿命は1000年くらいあるんだけど魔の森で魔物に襲われたりもする為に700年生きることが出来て長寿と言われていたそう。

 ただ、エルフのせいで現在平均寿命がものすごく縮んでしまっていて、そのアルフさんと言う方がダントツで今高齢らしい。
 人で言うところの40代後半くらいって話だ……

 沢山栄養を取ってのびのび過ごして元の寿命より長生きできるような生活をしてもらいたい。

 その流れで色々ハイエルフのことを聞いてみたんだけど、
 どうやらエステルが10何番目の兄弟って言っていたのは皆血がつながった兄弟という意味ではなくこの集落の人は皆生まれた順でそう呼ばれているみたいだ。

 エステルが1番歳が近い兄っていう言葉を使うから僕が勝手に認識違いをしていた。

『そうなんだ!殆どエルノアママの子供なのかと思ってた』

「私が皆家族や兄弟って言っていたからですね。そういう文化なもので……すみません」

『あ、いやいや、なんも差し支えないから気にしてないよ?』

「皆私の子だなんて、そんな訳ありませんよ、ふふふ♪ハイエルフは出生率がとても低いのです。あと……」

 エルノアさんの子供はエルンさんとエステルだけらしい。
 エーデルフェルトって苗字に関しても世界樹の集落ニヴルヘイムに住んでいる者には皆その苗字が与えられるだけとのことだった。

 ただ、実際問題長い間集落に閉じ込められていて外部の者が入ってこなかった為に血がかなり濃いくなっていて出生率はさらに下がってしまっているみたいだそうだ。

 今エルノアママが知っている中で1番ハイエルフの人口は少ないんだって。
 エルフの監視が本格化して集落への監禁生活が始まってからは誰も出生できなかったそうだ。

 エステルは亡くなってしまった旦那さんの忘れ形見だそう。
 だからエステルだけ年齢がかなり離れているんだそうだ。
 皆で末の妹を大切に守っていたんだって。

『ここ以外にも世界にハイエルフはいるんですか?』

「その昔どうしても外の生活に興味があるハイエルフが数名居たそうです。冒険者の方に連れ出してもらった者もいると。ただ、その者が存命かどうかは私にもわかりません……。一切の外部との接点を消されてしまっていたものですから……」

『わかりました。もしハイエルフを見つけたらこの拠点のことを伝えてみますね!』

「ありがとうございますクロム様。お願い致します」

『クロム様なし!!』

「はいはい、ふふふ♪」

 僕等の旅にもう1つ目的が加わった。
 もし、世界にまだハイエルフがいるならこの集落のことを伝えてみよう。
 今暮らしている環境が気に入っているならそれでいいし、行き来してもらってもいいしね。

 ・
 ・
 ・

 さて、今日は初めてハイエルフの希望者の人と戦闘訓練を行う手筈になっている。
 家と食料問題は一旦最低限は何とかなりそうだからね。

 そもそも戦いが苦手な種族なので人数は少しずつ。
 と思ったんだけど割と希望者は多かった。

 実際エステルが強いのを見て強くなれるならと胸を膨らませているようだ。
 今日は12人だね。

 付き添いは僕とおばあちゃんとクラマとハチ。
 おばあちゃんはハイエルフのみんなと戦闘訓練。

「わ、我も一緒に訓練してほしいのじゃ……」

『おばあちゃん本当に訓練要らないとおもうけどねぇ……』

 でもまぁ気持ちって大切だもんね。
 少しの自信につながればいいと思って色々試してみるつもりだ。

 エステルとクラムは住宅地の方で皆の生活相談を受けている。
 他に何が必要か聞いて街で買い出しする品をまとめている感じだね。

 って役割分担のはずだけど……
 クラマとハチどこ行ったんだ?

 とりあえず今拠点の北の森の方へ来た。
 魔物が来ない拠点エリアからさらに5km程北に進んだところに数百メートルの草原作ったんだ。
 ここが練習場。

 転移魔石を置いていたからさくっとみんなでここまで飛んできた。

 じゃあ先に練習場にクラマとハチが居てそこで何やら喋っている。

「コン!コンコンコン!」

 クゥーン……
(申し訳ない……)

 クラマが珍しく狐形態だな?

『2人でなにしてるの?』

 ボワンッ

「……戦い……教えてた」

 先にハチの戦闘訓練してたのか!
 狐形態だと話せるんだ。すごいなクラマ。

「……ハチ……強い……でも下手」

 クゥーン……
(クラマ様はとてもお強いですね。不甲斐なく申し訳ない……)

「……動きが大きい……無駄がおおい。……大きく動くならママくらい……ん、っと……」

『予測不可能に、大胆にって感じだね?』

「……それ。ただ大きいだけなのはよくない。……それなら隙なく動いたほうがいい」

 ほえ~。
 クラマの戦闘訓練っていいよな。
 戦闘技術すごいからなぁ。

 エステルの動きは真似して出来るものじゃない。
 クラマは講師にピッタリだね!

 クラマって獣形態だと口下手じゃないっぽいんだよね。
 ハチは僕等がダンジョンに連れていくのはちょっと厳しいしありがたいな。

『ハチに教えてくれるの助かる!またクラマの運動がてら教えてあげて?』

 ワンワンッ!
(お願いいたします!)

「……うん。……獣化のまま戦う練習になる」

『さって、じゃあどうしよっかなぁ……じゃあハイエルフのみんなー!とりあえずここ登ってくれる?クラマとハチは敵こっちに連れてきてー!』

 ドッシーンッ!!

「……わかった」

 ワンッ!(かしこまりました!)

「こ、これはなんだい……?」

 エルンさんも今日のメンバーに入ってるんだ。
 率先して色々やってくれようとしてるみたい。
 新しい事を始めるときは絶対に来てくれる。

 ありがたいなぁ。
 終わったら集落の皆に活動報告をしてくれているんだって。

『20mのただの塔だよ。僕が石作りまくるから投げて?』

 とりあえず訓練用にクラムにタワー作ってもらった。
 これは後日外部の監視タワーになるんだよね。
 上が広くなっていてみんながそこから攻撃できるようになってるんだ。

「この上から石投げるだけでいいの?」

 今日は女性が多いんだ。
 参加メンバーは男性3人女性が9人。
 女性はパワフルだなぁって実感するよね。

『うん、対面で戦うにはちょっとまだ厳しいと思う。それに怖いでしょ?さすがにみんなレベル1とか2だからこれでもレベル上がるよ。最低限の力をつけてから集落の近くに行ってゴブリンとかと戦おっかなと思ってね』

「なるほど?順を追ってやっていくわけだね?」

『そうそう、レベル上げに関する効率はすごく考えたから。多分これが最速だと思う。クラムが作った塔だからね。絶対壊れないし僕も上乗せでシールド張るから大丈夫だよ』

「もうあなた達の魔法の凄さは何度も見せてもらったわ……」

「あぁ……きっと微動だにしないんだろうな……」

 よかった。
 これでも怖いかと思ったんだけど大丈夫そうだね。
 僕等の魔法への信頼度がいつの間にか凄く上がってるなぁ……

『うん、殴られても振動すらしないよ?試したから大丈夫。もし遠距離魔法使うやつが来たら今日のところはおばあちゃんが倒すからね』

「我かッ!?」

『本当に大丈夫だから……おばあちゃんなら瞬殺だって……』

「そ、そうなのかのぉ……まともに戦ったことがないからのぉ……」

「まぁとりあえずみんな塔に登ろうか!」

「「「「おー!!!」」」」

 ハイエルフ皆の平均ステータスって60位しかないんだよね。
 攻撃力、防御力、敏捷の平均ね?

 一般的な他の人種は大体100くらいだと思うんだけどそれよりかなり低い。
 エルンさんに至っては50くらいしかないの。

 皆と比べるとエステルは初期段階でも本当に強かったみたい。
 エステルはずっと弓の練習してたから命中とか覚えてたし器用のステータスが高かったんだよね。

 そういうのもないんだ。
 本当に5、60くらい

 そして戦闘意欲も低いからいきなりエステルみたいな対面戦闘はシールド張っててもキツイ。
 きっとすくみあがってしまうからね。

 僕無理矢理戦わせようとするタイプじゃないからね??
 エステルは戦闘意欲が高かったからあの訓練しただけだから。

 一旦ゴブリンの攻撃を受けても子供にはたかれたと思うレベルになってからだな。

「わ、我も登ればよいかの?」

『おばあちゃんはダメかな?さすがにそこまでになると特訓にならないと思うから。空飛んでたらいいよ?でも出来るだけ敵に近づいてみて?どうせ攻撃躱せるでしょ?』

「わ、わかったのじゃ!……怖いんじゃがのぉ」(カタカタカタ)

『たぶん怖がる暇もないと思うんだけどねぇ……』



 5分後……

「……パパ……オークキング」

『お!ベスト!ありがとうクラマ!』

「ん。……逃げないように見とく」

 ブヒーッ!!(ガンッ!!)

 ブヒッ!?

 クラムの塔叩いて自爆ダメージ食らってるじゃん……。

「本当に振動すらしないね……」

『でしょ?あいつそんな速くもないし的大きいしうまいし最高だよ。じゃあみんな石投げまくってー!当たらなくてもいいからー』

「「「「「おーーーー!!!!」」」」」

 ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン……

 HP2000くらいあるけどこっち10人以上いるからね。
 魔物のランクはB+級レベルだったかな?

 まぁひたすら石投げまくってるだけだし。
 エステルの時よりだいぶ優しいよ。

 たださすがにほぼダメージ入らないな?
 数発当たるか当たり所がよくて1、2削れるかなって感じだ。

 かなり固い石用意したけど石補正入っててそれかぁ……。
 まぁ最初はこんなもんだよね。

『安全だけど結構長丁場になるとおもうから頑張ってね!』

「わかったよ!休憩は各自取っていいんだね?」

『うん、でも腕あがらないくらいへとへとになるまでは頑張って!交互に休んでいいよ!5人ずつくらいで!』




 ワンッ(連れてまいりました!!)

 あ、こっちオーガか。
 オーガは多分投石はキツイな。

『ありがとハチ!オーガはおばあちゃんにお願いするね!』

「わ、我じゃの……がんばるのじゃ……」

 南の方はオークキングとオーガが多いんだよね。
 あとたまーにキラーマンティスっていう巨大カマキリが出てくる。

 あいつ食べたくないしなぁ……。
 鎌って良い素材になるのかなぁ?

『じゃあおばあちゃん頑張って!とりあえず当てたら勝ち!』

「う、うむ……。んんん……”ウォーター”……”水質変化”……」

『でっか!!ちょっとばあちゃん!?』

「”あ、アシッドボール”ッ!!な、なんじゃ!?間違えたかの!?」(ドウッ)

 GYA…………(ジュウウウウ……)

 あー。
 おばあちゃん怖がって直径10mくらいの巨大濃酸球つくった……

 この魔法はオートでモザイクをお願いしたい……
 そして視聴者の皆様には追加でセルフモザイクもお願いしたい……。

「溶けてしもうたのじゃ………」

『うん……。だからおばあちゃん戦闘訓練いらないって……。水質変化とかチートもいいとこだよ』

「水は……これほどに強かったのか……」

『いや、おばあちゃん限定ね?僕もできるけど塩か海水が要るもん』

「我にしか使えない魔法……」

 おばあちゃん実質水&海の神だもんなぁ。
 今まだボールだからマシだよ。
 濃酸に敵沈められるんだよ?めちゃくちゃだよ……

『ただ、たぶん効果が弱い魔物もいると思うんだ。だからこればっかりに頼るのは良くないかも。素材ぐちゃぐちゃになるからあんま使わない方がいいしね?最悪濃酸の水利用した技使って?』

「わ、わかったのじゃ!!」

 とりあえず絶対倒せる技から覚えてもらった方が恐怖感は薄れるよね。
 気持ち悪いけど……

『あとは気持ちが慣れてきたら僕やクラムがつかう水、氷系の練習かな?とはいえこの辺りの魔物なら一刀両断だと思うよ?』

「次はそれを試してみるのじゃ!」

『うん、おばあちゃんの場合強い技からどんどん下げて行ってみて?次範囲は狭めにして蒼氷つかっていいからね。多分この辺の魔物ならこの程度で倒せちゃうのかってなると思う』

 おばあちゃんはそもそも魔力攻撃力に直結する知能とかめちゃくちゃ高いんだよ。
 科学を知らないだけ。速攻蒼氷も覚えたしね。

 おばあちゃんの知力なら水球でも一撃だよ。
 速度感は僕が散々電磁砲とか打ってるから馴染んできただろうしね?

 実はその為に最近電磁砲打ちまくってたんだ。
 この世界の人って音速とかに馴染み無いからさ。
 でもおばあちゃんは音速飛行するからどうなのかわかんないけど……

『でも、どっちにしろ戦い嫌いなんでしょ?』

「うむ……。食事の為だけでいいのじゃ……」

『本当に自衛の為だけでいいからね?嫌な事はしなくていいんだよ?』

「そう言ってもらえると……

『隙アリッ!”サンダーボルト”ッ!!』(ドカーンッ)

「”純水球”。隙は無いのじゃ?余裕じゃの!うっふっふ」(シュン……)

 おお、僕が発動する前に水バリア張ってた。
 不純物がない水は電気通さないからね。

 水って雷弱点ってイメージだけど逆なんだよ。
 性質しっかり考えて不純物を完全に無くせるレベルなら無敵だ。

 普通に魔法で水を作ると電気通るんだよね。
 超純粋を瞬時に出せるのはおばあちゃんならではだ。

 そしておばあちゃんは魔力にすごい敏感。
 雷みたいな超スピードの攻撃も発動前に察知しちゃうんだよね。

「魔法の発動を見極めるのは得意なのじゃ!クロムだからしておらんが本格的に逃げるときには読心や心眼もつかうのでの?」

『うんうん。回復&守備に超向いてるよ。そっちだけに専念してくれるのとってもありがたい。怖がらないように慣らすくらいに考えてね?』

「気が楽なのじゃ!ではオーガが来たら我が色々練習してみるのじゃ!」

『そうだね!あ……できればもはや残骸とも呼べないそれをちょっと掃除してからで……』

「そうじゃの……」

 ・
 ・
 ・

 2時間後……

「まだ……倒れないのかい……?」

『うんー!あと半分くらいかな~?』

 ブヒーッ!!

 あのオークキングも良く戦おうとするよなぁ……
 まだ戦闘意欲落ちないんだ。
 ってかそっからじゃ届かないって……。

 ボア系程じゃないけどオークもかなり知能低いんだよな。
 食い意地がはってるのかなぁ……

 4時間後………

「も、もう疲れたわ……魔物ってこんなに強いのね……」

「まだ……なのかい……」

『うんー!あと半分くらいかな~?』
 ”ウォーターエイド”

「2時間程前も同じこと聞いた気がするんだよね……」

 出来る限り特訓はして欲しいからねぇ?
 そんなスムーズには倒させないよ?

 6時間後……

「クロムくん!敵の方回復してるよね!?」

『あ、さすがに気付いた??じゃあもうしないよ~』

『パパきびしいんだよ~?』

「そうですよ?クロムさんは実はスパルタなんです、ふふ♪」

「すぱるたってなんだい!?もう……そろそろ勘弁してほしいかな……」

『そうかなぁ?これ実質筋トレみたいなもんじゃん。あ、クラムとエステルこっちきたんだ?』

『うん~!エステルとおかいものいってきた~!』

 8時間後……

 カーカー

 お、日が暮れて来たな。
 じゃあ調節はこの辺でっと。

 ブヒ……バタッ

『はーい本日の勤務はおしまいで~す。お疲れさまでした~!』

「も、もう……ダメだ……」バタッ……

「皆喜ぶ体力も残ってないですよ?」

 ”鑑定”……うん。おっけ。
 この感じでも一気に10程レベル上がったね。

『そうだろうねぇ。でも悪気があってじゃないんだ。ずっと鑑定見ながら調節してたんだよ。エステルみたいにみんな命中覚えてないからさ?今日中に投擲と命中だけでも覚えて欲しかったの。これで次から石投げるだけである程度の敵は倒せるかな?』

「それなら城壁があればある程度は追い払えますね!」

『うん、自衛って考えるとそれがまず第一かなと思ってね?』

『くり~ん~!』(キラキラキラキラ……)

『お、ありがとクラム。じゃあみんな帰って初めて自分達で倒したオークで焼肉しようぜー!お酒も飲み放題だよ!!』

「お、おーっす……よっこらせっと……あれ?なんだ?」
「体が……軽いわ……」「ほんとだ……」

『だろうね?レベル10上がってステータスも400位上がったもん。あと1回頑張れば集落に来てた殆どのエルフより強くなると思うよ』

 さすがにエステル程の上昇はしなかったな。
 加護なしだから仕方ないね。
 でも1匹の討伐でこれなら上等でしょ?

「本当に……僕達でも強くなれるんだ……」

『命かかってるから当たり前だけど自分よりなるべく格下の敵と戦おうとするでしょ?それするとあまり経験にならないんだ。特にハイエルフはそれが顕著。今のオークキングって結構強めだったんだよね。さすがに平均ステータス2000弱の魔物を平均60のみんなが一方的とは言え自力で倒したらレベル10くらい上がるよ。強くなった実感あるでしょ?僕に向けてその石投げてみなよ。シールドで弾くから』

「わかった!いくよ!?」(シュッ)

 バコッ……パラパラパラ……

「すごい……全然威力が違う……。しかも小さいクロムくんに一発で当たった……」

『努力は無駄にならないってことだね?今日大変だったと思うけどちょこちょこ頑張ろ?』

 ちなみに僕が言うステータスの概念ももうエルンさんが抗議してくれてるからみんなに伝わるんだ。
 本当に村長お任せしてよかったなぁ。

「あと1回石投げてるだけでいいのか……」

『いや、ちゃんと訓練したい人は次からゴブリンとかと戦う方がいいかな?もう攻撃痛くないと思うから戦い方を覚える方がいいかも。クラマが教えてくれるよ。防衛を重視にするなら投石部隊でもいいけどね?そこはみんなに任せるよ』

「……うん……任せて」

「そうだね。今日は基本の土台作りって話だったね?」
「俺……クラマさんに教わってみようかな……」
「私も!」「ぼくも……そうしようかな」

「私も教えますね!!」

「ママはちょっと……」

「何故です!?」

 何故って……。
 エステルって自分の動きがとんでもない自覚がないんだよなぁ……。

『エステルのまねはできないよ~?』

「そうですか……私も力になりたかったです……」(シュン)

『ま、まぁ基本を覚えた後かな?エステルの動きはかっこよすぎるからさ?難易度高すぎるんだよ、ね?』

 ハイエルフみんなが空中で何回転もしながらかかと落とし決めるようになったらヤバいよ……。
 いや、出来るならいいけどさ?
 どこの特撮ヒーロー集団だよってなるなぁ……

 あ、そう考えるとクラマに鍛えてもらったら忍びの一族が出来上がるかもしれない……
 いいや、強けりゃ何でもいい!うん!!
 各々の好みに任せる!!

『あ!そうだ~!みんなこっちきて~!』

「わ、なんだいこれ!?精霊が……」

 あれ?クラムが精霊呼んでる?

『ハイエルフのみんなてつだってあげて~?……うん、そっか~、じゃあそれでいいよ~?』

『何て言ってるの?』

『なかよくできそうなひとのならだいじょうぶって~!エステルみたいにみんなはできないっぽい~』

 そうか……
 ハイエルフが精霊魔法使えるのはそもそもの種族特性か。
 加護がないハイエルフは協力してもらえないってことにはならないんだ。

 ハイエルフ各々とそもそも相性がよさそうな精霊となら協力はしてもらえると。

『ありがとうクラム!じゃあエステルは精霊魔法の使い方を教えてあげるといいかも?集落を防衛する人は精霊魔法が得意な人中心でもいいかもね?』

「わかりました!協力できる部分があってよかったです、ふふ♪」

「お主らが鍛えるととんでもない組織になるんじゃないのかのぉ……」

『ま、まぁおばあちゃんも精霊とコミュニケーション取れるんでしょ?水精霊に回復の水のイメージ教えてあげてよ』

「うむ、わかったのじゃ!」

 ・
 ・
 ・


「くぅ……やりますねクラマくん……」

「……ママ……やりにくい……強いね」

『エステルそっちふんすい~!あぶない~!』

「ごめんなさい!白熱してしまいました!!」

『なんでこうなった……』「わからんのじゃ……」

 その夜はまた公園で宴会だった。
 楽しい事があればここで宴会するのが恒例になりそうだ。
 宴会用にちゃんと場所作ってもいいかもね。

 初めて自分達で狩ってきたお肉で焼肉パーティー。
 お肉もひと際美味しく感じるよね!
 とても楽しい夜になった。

 で、その最中……
 実際の僕らの戦いが見たいって話になったんだよ。
 で、余興に軽くエステルとクラマが模擬戦をしだしたんだ。

 2人も本気でやってないから本当に形だけって感じでね。
 本気でやるとみんな見えないし。
 ってか公園壊れる。クラムが怒る。

「クロムくんとクラムちゃんはやらないのかい?」

「エルン!!2人を呼ぶでない!!エデンが消えるのじゃ!!」

「そ、そうなんだね……それはやめてもらおうかな……あはは」

『いや、手加減はするけども……』

『きえないよ~?し~るどするもん~』

 まぁ僕とクラムが組手するとほぼ魔法合戦になるからね。
 あまり得るものはないかもしれないな?

『あ!森のほうたたかうところにしよっかなぁ~?』

『お?訓練場?いいんじゃない?』

『アテナのふんすいそこにつくる~!』

≪お?楽しみにしてるぜ!そん中で怪我しにくくしてやるからな!≫

『やった~!』
『助かります!ありがとうございます!』

 おお、それはめっちゃ助かるじゃん。
 僕等の訓練にもいいね!

 ダメージカットの魔道具ってすごいんだけどどうしてもゲーム感出ちゃうんだよね。
 ダメージ完全に受けないって本来の戦い方とちょっと変わってくるんだよ。
 あまりそればっかりで訓練すると油断につながっちゃうんだよなぁ。



 模擬戦が終わった後はハイエルフで今後の訓練について熱く議論が繰り広げられていた。
 主に精霊魔法を使ったド派手な格闘術や暗殺術について熱く語られていた。

「俺はクラマさんについていくぜ!鮮やかでかっこいいんだよなぁクラマさんは」

「ぼく……エステルみたいな格闘術が使えるようになりたいなぁ……」

「2人ともカッコ良かったわよねぇ……。華麗に戦えるようになりたいわぁ……」

 水の精霊魔法は殆ど皆が使えるので回復に関しては皆覚えるそうだ。
 エステルも一緒に教わるみたい。
 と、言うより精霊さんが覚えるって感じだね。



 精霊魔法ってなんだろうね~。
 もう手遅れだ。
 し~らないっと。
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旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

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