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194話 - 世界樹の力
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……そっか。
僕に恋愛ができるはずなかったんだ。
誰かに恋をする仕組みがスライムの体には恐らくない。
エステルにはそう気付くや否やすぐに話した。
黙っておく方がとも考えたんだけどせっかく気持ちを伝えてくれたのに僕も気持ちに嘘をつきたくない。
『エステルごめん……。この体……どうやら恋愛感情がでてこないらしい……。というより、スライムの体は恋愛が出来るような仕組みを持ち合わせていないらしいんだ……』
「……! ……いえ……よく考えればそれはそうです。クロムさんがお話できるからつい……。スライムが恋愛しているような話は聞いたことがありません……」
『どうしよう……ごめん……』
「クロムさんが気に病む必要はありません!私が恋愛をできるかもしれないと勘違いして告白をしてしまったようなものですので!」
エステルは一瞬沈んだ顔をしてすぐに笑ってくれた。
本当は絶対悲しいはずだ……
『こんな言い方するのは変だけど僕エステルのこと絶対好きだよ!そう思うから!ただそれをスライムの体で感じられないってだけなんだ』
「ありがとうございます、ふふ♪……デートは今後もしてくれますか?」
『するする!楽しいって気持ちやエステルといて心地いい気持ちはちゃんとあるんだよ!だからいっぱいデートしよう!』
「わかりました!それに、しばらくすればスライムの体でもそういう仕組みが芽生えるかもしれませんよね?」
なるほど……
確かに元々なかった能力が環境によって芽生える話はよく聞くぞ……?
『それはそうかもしれないな……。生態って小さく進化していくものだと思うから……』
「それでは何も変わりはありませんね♪これからもゆっくりデートをしながら気持ちを育てていきましょ?では早速一緒にお風呂に入りましょう!!」
『ゆっくりってなに!?あ……でもショック療法とかはありなのか……いやでも!!』
・
・
・
「こっち向いてください!」(ギュー)
『物理的に振り向かせようとするのやめて!?まだ意識しだしてから1週間しかたってないの!』
「大丈夫です!クロムさんになら見られても構いません!」
『どうせ振り向くならドキドキ出来るようになってから振り向きたいですっ!!』(スッ)
あら、手が離れた?
「ふむ……。確かにそう言われれば私もその方が嬉しいかもしれません……」
エステルとの謎の攻防の後、お風呂から上がって考えていた。
精神耐性のせいもあるかと思ったんだ。
だからお風呂の中では精神耐性を頑張って切ってみた。
この世界にきて0にしたのはワカメの実験以来初めてだ……
でも結果的に耐性を切ればドキドキするなんてことはなかった。
精神耐性を切るとスライムの体を持っている自分への恐怖感がかなり強くなる気がする。
精神耐性が高いときの精神ダメージに耐えられるキャパとの相対的な問題なんだろうけど……
でもそろそろ耐えられなくはなくなってきている。
少し魔物の体に慣れてきているのかもしれない。
でも逆に人間から遠ざかっているとも言えるな……
この精神耐性を切って何も感じなくなった時、
きっと僕の心は完全に人間じゃなくなってしまうんだ……
僕は人間が嫌いだったはずなのに……
もう人間への未練はなくなってきていたと思っていた。
スライムの体が気に入ってきていたんだ。
それなのに今急に人間を失うのが怖い。
ダメだ。このことはあまり深く考えないでおこう。
恐怖がどんどん膨れ上がっているのがわかる。
動けなくなるほどになってはマズいから……
エステルとはデートを続けてスライムの体が変わってくれることを期待しよう。
あとは毎日楽しく生活するんだ!
・
・
・
さて、じゃあ休日は終わり!
終わりっていってもスローライフするから最低限の自給自足が出来る程度でいいんだ。
『今日はクラム農園で皆で収穫しよっか』
『クラムがもってたおやさいとくだものはぜんぶうえたよ~?』
実は今日までクラム農園には入らないことにしていたんだ。
多分みんな収穫始めちゃうから。
クラムの豊穣で育てるとしばらく枯れないんだよね。
多分野菜に恵みの力が満ち足りてるんだろうね。
休みと仕事のメリハリはしっかりとしないと!
だから今日からお仕事開始だ!
今日は初めてだからとりあえずハイエルフみんなで来た。
こっちの家族は僕とクラムとエステルの3人。
クラマとおばあちゃんは噴水から住宅地に川を引いてくれているみたい。
「すごいねぇ……」
「すごいですねぇ……」
何がすごいってこっちにも噴水があったからだ。
デメテル様仕様の……
農園の中央にまた広場があるんだ。
で、ここの噴水の水は既に農場にひかれているみたい。
広場を挟んで野菜と果物のエリアが分かれているんだよね。
『それにしてもクラム本当にすごいなぁ。デメテル様像もだけど、よくこんな仕組み1人で考えたね?』
『えへへ~!おうとでね~?ちっちゃいふんすいのまわりにおはながさいてたんだ~!まねしたの~!』
こういう瞬間って娘の成長をとても感じられて感動するなぁ……
立派になったなぁクラム……グス。
≪こっちの像もとってもかわいいわ~♪ありがとクラムちゃん♪≫
あ!デメテル像が光った!!
ちなみにこの像はデメテル様そのまんまですよ。
ってかハイエルフみんなどよめいてるって!?
ほら!あそこの男の人が神の奇跡だって言ってるよ!?
……いや、神の奇跡そのものだったな、これは。
『デメテル~?なにしたの~?』
≪この農場の植物を少し丈夫に育つようにしただけよ~?これくらいなら普段の整備とかわらないもの~♪早く育つようにはしていないからいつも通り農作物を育ててくれればいいわよ?うふふ♪じゃあね~≫
『デメテルありがと~!』
それめっちゃ助かるじゃん!
収穫量が安定するってことでしょ!?
農園にはこれ以上ない奇跡だよ!ありがてぇ!
今回は初回だからクラムの豊穣を使ってるけど今後は使うつもりないんだ。
それじゃあ自立はできないでしょ?
あと収穫に追われて大変になるし。
緊急時や品種改良以外に豊穣は使わないほうがいいかなって思うんだ。
食にはありがたみを持ちたいよね。
「一応僕達も農作物の種を持ってきたんだけどそれも植えていいのかい?」
『うん、好きにして?最初は僕らが持ってる作物を植えただけだから。その辺の調整もエルンさんや担当の人に任せるよ?』
「了解!効率がいい育て方を考えるね?」
その後はみんなで作物の収穫をした。
みんなとても楽しそうだった。
この作物は採れば採るだけみんなのものだしね。
『あ、僕は冷蔵用の倉庫とかを作る方がいいかもしれないな?クラム?何の仕切りもない1階建ての家建ててくれない?』
『まんなかでいい~?』
『おっけー!』
「僕らが収穫している間になにしてたんだい?家が一軒ふえてるけど……」
『ああ、これ納屋だよ。中入ると涼しいと思うんだ。ここに冷やしておいていた方がいい野菜を入れておいていれば長持ちすると思う。みんなの家にも冷蔵庫つくるね』
そうそう。
僕はここでは自重しないからね?超つくる!!
僕と引きこもりを共にする人は快適に過ごしてもらわないとダメなのです!
「随分綺麗な納屋だね……」
そう見えるよね。だってクラムが作ったら外装適当にすることなんてないんだもん。
普通におしゃれな一軒家にしか見えん。
「ちなみに冷蔵庫ってなんだい?」
『食料冷やして置いておける箱のこと。お肉とかもそこに入れていると長持ちするよ?凍らせておけばもっと長持ちするし』
「そ、そうなんだね?それもまた一瞬で作るのかい?」
『5秒かなぁ……』
「そ、そっか!僕等は収穫の方で頑張ることにするよ!」
だって、魔石とか使わなくていいもん。
冷たいエリア作って付与するだけだよ。
僕にとっては冷蔵庫作るより全然簡単だ。
『あー。ってかそのうち冷暖房完備にしようかなぁ……あ、あと水洗トイレも作らないと。僕スライムだからその辺忘れがちになっちゃうんだよなぁ。他何かやりたいことあったかなぁ……。住居と農園に転移ゲート張るのもいいかなぁ……ブツブツ……』
「……よくわからないけど好きにしてくれたらいいと思う……あはは」
「ふふ♪皆が快適に過ごせるようになってうれしいです♪」
そこにエルノアママが小走りでやってきた。
「あら、みんなもう集まってたんですね?スイートビーが巣を作ってましたよ?」
『蜜!?そんなのあるの!?』
『みつ~?』
「私も知りませんね?」
「僕も知らないなぁ?それは何?」
「蜂の密ですよ?昔は皆で専用の飼育箱、養蜂箱というものを作って蜜を集めていたのです。甘くておいしいですよ?舐めてみますか?私の好物だったものです」
そういうとエルノアママが野菜の葉の上に集めていた蜜を差し出してくれた。
『え、うんま!僕甘いの苦手だけどこれは好きだわ。』
『おいし~!!いちばんすき~!!いっぱいあつめてー!!』
「はい!私も砂糖菓子より好きかもしれません!」
「これは美味しいね!こんなものが集落にあったんだ……」
濃厚でほのかに花の香りがするんだ。
甘みもしっかりあるしお菓子とか紅茶にいれたらすごい美味しいと思う。
すごく深みのある味がする……
「では皆に養蜂箱の作り方を伝えましょうか、ふふふ♪」
『それにしてもなんでこんなものまで無くなったんだ……』
「あの集落では世界樹の資材以外は全部時間の無駄だということでしょう。あと劣化エルフに嗜好品は与えるべきではないと。自分達が格上だと見せる為のいやがらせみたいなものですね」
マジでふざけてんな。
本当に集落滅ぼしてよかったよ……
「これも他国ではかなり高価な品なんですよ?この蜂は魔の森にしか生息していないようです。昔はこの蜜がハイエルフの貴重な資金源でした。ちなみにこれを使ったお酒などもありますし、ここ200年程で生まれたハイエルフが知らない文化は沢山ありますね?また年長者を集めて少しずつ普及させましょうか、ふふふ♪楽しくなってきましたね?」
『おさけ!!絶対それ作って!ってか専門の人作っていい!僕が全部買い取る!!』
『そのままのみつも~!!』
「はいはい♪わかりました」
『ってか真面目な話、もしそういうハイエルフの文化的なこととかここでしか作れない……例えばチーズとかそういうの主体にしてくれたら多分かなり稼げるとおもうよ?仕入れ先は秘密にしてもらうし、何なら僕が殆ど買い取ってもいいしね?その辺の塩梅も全部任せるから好きにやってね?』
「うん!了解だよ!商人さんと会える日が楽しみだね!でも緊張しないようにしないと……外部の人と会うなんて久しぶりだよ……」
あ、そうだ。
全然イメージからきえてたけど一応気が小さい人だったんだ……
とりあえず農業の方も全く問題なさそうだ。
それにしてもエルフは本当にアホなのか?
この人達莫大な資金を生み出すぞ?
僕はお金要らないからそんな商売商売するつもりはないんだけどさ……
それが霞むくらい世界樹の恩恵ってすごいってことなんだろうな……
『そういえば世界樹の恩恵って具体的になにができるの?雫とか葉とか集めてたじゃん?』
「クロムさんは世界樹の恩恵の効果を知らなかったのですか!?」
『興味ないもん。欲しかったら勝手に拾ってくるし。それに誰か犠牲にして作ってるものなんか使いたくないし』
「世界樹の恩恵は高濃度な魔力を宿しているので葉や雫は主に魔力回復の為につかわれます」
あ、エルノアママ詳しいんだ。
ってかMPポーションなの!?
前ちょっと頭によぎったMPポーションあった!
それが世界樹の恩恵だったのか!!
『え!?どれくらい回復すんの!?』
「葉1枚で一般の民の100人分の魔力を賄えると言われています。雫は10人分ですね。だいたい薬品にすると1人分で200mlくらいでしょうか。それを魔術師や回復魔法が使える者に持たせるだけで戦争などでの戦況が大きく傾くのです」
あ、すごい!もう単位覚えてくれたんだ!
……ってか一般人っていった?
100の100倍ってこと?1万!?
『マジでいらない』
『クラムもいらな~い』
お、クラムもぱっと計算したな?
やるなうちの愛娘!!
割合回復じゃないともう意味ないでしょ僕等。
1万なんか自然回復待つ!!
しかも1人分200m!?
100回復するのにそんなに飲まないとダメ!?
1万回復するために20リットル飲むのか!?飲めるか!!
でも割合回復ってよく考えるとよくわからんシステムだよね。
同じ魔力封印されてる水でなんで効能が人によって変わるんだって話だ。
「いらないのかい?すごい効果なんだけどね……」
『葉っぱの80倍以上魔力あるし』
『クラムも50ばいくらいある~!』
「この2人は規格外ですので、ふふ♪でも私も20倍くらいは……」
「エステルは強くなったのですねぇ、ふふふ♪」
「2人のスライムちゃんはともかくエステルも強くなりすぎでしょ、あはは……」
魔力封入すればMPポーション作れるの?
そういえばHPばっかに気を取られてクリーン水ばっかり作ってた。
僕作れんじゃね?
『”ウォーター”』(ブクッ……)
これで100mlくらいかな?
「何をするのです?」
これに魔力をそのまま……
むむむむむむむむむむむむむむ……
ふぅ……ちかれた。
反応ないけどこんなもんかな?
10万くらい注いだけど。
”鑑定”
-----
★魔力神水
とてつもなく高濃度の魔力が込められた水。
100mlでMP約50000程回復可能。
尚、魔力が高濃度過ぎる為、体内での処理は不可能。
生物が飲むと即死する。
-----
あ、半分ほどロスったな。
そして高濃度過ぎる魔力って毒なんだなぁ。
MPポーションって作るの難しいんだな~。
ちなみに僕なら飲めるのかなぁ……
「クロムくんは何をしたんだい?」
『ん?えっと200分の1の量で5倍だから……。世界樹の葉の薬の1000倍の効力ある水作った。飲むと死ぬって。使えねー。捨てよっと』
「「「「「……」」」」」
僕に恋愛ができるはずなかったんだ。
誰かに恋をする仕組みがスライムの体には恐らくない。
エステルにはそう気付くや否やすぐに話した。
黙っておく方がとも考えたんだけどせっかく気持ちを伝えてくれたのに僕も気持ちに嘘をつきたくない。
『エステルごめん……。この体……どうやら恋愛感情がでてこないらしい……。というより、スライムの体は恋愛が出来るような仕組みを持ち合わせていないらしいんだ……』
「……! ……いえ……よく考えればそれはそうです。クロムさんがお話できるからつい……。スライムが恋愛しているような話は聞いたことがありません……」
『どうしよう……ごめん……』
「クロムさんが気に病む必要はありません!私が恋愛をできるかもしれないと勘違いして告白をしてしまったようなものですので!」
エステルは一瞬沈んだ顔をしてすぐに笑ってくれた。
本当は絶対悲しいはずだ……
『こんな言い方するのは変だけど僕エステルのこと絶対好きだよ!そう思うから!ただそれをスライムの体で感じられないってだけなんだ』
「ありがとうございます、ふふ♪……デートは今後もしてくれますか?」
『するする!楽しいって気持ちやエステルといて心地いい気持ちはちゃんとあるんだよ!だからいっぱいデートしよう!』
「わかりました!それに、しばらくすればスライムの体でもそういう仕組みが芽生えるかもしれませんよね?」
なるほど……
確かに元々なかった能力が環境によって芽生える話はよく聞くぞ……?
『それはそうかもしれないな……。生態って小さく進化していくものだと思うから……』
「それでは何も変わりはありませんね♪これからもゆっくりデートをしながら気持ちを育てていきましょ?では早速一緒にお風呂に入りましょう!!」
『ゆっくりってなに!?あ……でもショック療法とかはありなのか……いやでも!!』
・
・
・
「こっち向いてください!」(ギュー)
『物理的に振り向かせようとするのやめて!?まだ意識しだしてから1週間しかたってないの!』
「大丈夫です!クロムさんになら見られても構いません!」
『どうせ振り向くならドキドキ出来るようになってから振り向きたいですっ!!』(スッ)
あら、手が離れた?
「ふむ……。確かにそう言われれば私もその方が嬉しいかもしれません……」
エステルとの謎の攻防の後、お風呂から上がって考えていた。
精神耐性のせいもあるかと思ったんだ。
だからお風呂の中では精神耐性を頑張って切ってみた。
この世界にきて0にしたのはワカメの実験以来初めてだ……
でも結果的に耐性を切ればドキドキするなんてことはなかった。
精神耐性を切るとスライムの体を持っている自分への恐怖感がかなり強くなる気がする。
精神耐性が高いときの精神ダメージに耐えられるキャパとの相対的な問題なんだろうけど……
でもそろそろ耐えられなくはなくなってきている。
少し魔物の体に慣れてきているのかもしれない。
でも逆に人間から遠ざかっているとも言えるな……
この精神耐性を切って何も感じなくなった時、
きっと僕の心は完全に人間じゃなくなってしまうんだ……
僕は人間が嫌いだったはずなのに……
もう人間への未練はなくなってきていたと思っていた。
スライムの体が気に入ってきていたんだ。
それなのに今急に人間を失うのが怖い。
ダメだ。このことはあまり深く考えないでおこう。
恐怖がどんどん膨れ上がっているのがわかる。
動けなくなるほどになってはマズいから……
エステルとはデートを続けてスライムの体が変わってくれることを期待しよう。
あとは毎日楽しく生活するんだ!
・
・
・
さて、じゃあ休日は終わり!
終わりっていってもスローライフするから最低限の自給自足が出来る程度でいいんだ。
『今日はクラム農園で皆で収穫しよっか』
『クラムがもってたおやさいとくだものはぜんぶうえたよ~?』
実は今日までクラム農園には入らないことにしていたんだ。
多分みんな収穫始めちゃうから。
クラムの豊穣で育てるとしばらく枯れないんだよね。
多分野菜に恵みの力が満ち足りてるんだろうね。
休みと仕事のメリハリはしっかりとしないと!
だから今日からお仕事開始だ!
今日は初めてだからとりあえずハイエルフみんなで来た。
こっちの家族は僕とクラムとエステルの3人。
クラマとおばあちゃんは噴水から住宅地に川を引いてくれているみたい。
「すごいねぇ……」
「すごいですねぇ……」
何がすごいってこっちにも噴水があったからだ。
デメテル様仕様の……
農園の中央にまた広場があるんだ。
で、ここの噴水の水は既に農場にひかれているみたい。
広場を挟んで野菜と果物のエリアが分かれているんだよね。
『それにしてもクラム本当にすごいなぁ。デメテル様像もだけど、よくこんな仕組み1人で考えたね?』
『えへへ~!おうとでね~?ちっちゃいふんすいのまわりにおはながさいてたんだ~!まねしたの~!』
こういう瞬間って娘の成長をとても感じられて感動するなぁ……
立派になったなぁクラム……グス。
≪こっちの像もとってもかわいいわ~♪ありがとクラムちゃん♪≫
あ!デメテル像が光った!!
ちなみにこの像はデメテル様そのまんまですよ。
ってかハイエルフみんなどよめいてるって!?
ほら!あそこの男の人が神の奇跡だって言ってるよ!?
……いや、神の奇跡そのものだったな、これは。
『デメテル~?なにしたの~?』
≪この農場の植物を少し丈夫に育つようにしただけよ~?これくらいなら普段の整備とかわらないもの~♪早く育つようにはしていないからいつも通り農作物を育ててくれればいいわよ?うふふ♪じゃあね~≫
『デメテルありがと~!』
それめっちゃ助かるじゃん!
収穫量が安定するってことでしょ!?
農園にはこれ以上ない奇跡だよ!ありがてぇ!
今回は初回だからクラムの豊穣を使ってるけど今後は使うつもりないんだ。
それじゃあ自立はできないでしょ?
あと収穫に追われて大変になるし。
緊急時や品種改良以外に豊穣は使わないほうがいいかなって思うんだ。
食にはありがたみを持ちたいよね。
「一応僕達も農作物の種を持ってきたんだけどそれも植えていいのかい?」
『うん、好きにして?最初は僕らが持ってる作物を植えただけだから。その辺の調整もエルンさんや担当の人に任せるよ?』
「了解!効率がいい育て方を考えるね?」
その後はみんなで作物の収穫をした。
みんなとても楽しそうだった。
この作物は採れば採るだけみんなのものだしね。
『あ、僕は冷蔵用の倉庫とかを作る方がいいかもしれないな?クラム?何の仕切りもない1階建ての家建ててくれない?』
『まんなかでいい~?』
『おっけー!』
「僕らが収穫している間になにしてたんだい?家が一軒ふえてるけど……」
『ああ、これ納屋だよ。中入ると涼しいと思うんだ。ここに冷やしておいていた方がいい野菜を入れておいていれば長持ちすると思う。みんなの家にも冷蔵庫つくるね』
そうそう。
僕はここでは自重しないからね?超つくる!!
僕と引きこもりを共にする人は快適に過ごしてもらわないとダメなのです!
「随分綺麗な納屋だね……」
そう見えるよね。だってクラムが作ったら外装適当にすることなんてないんだもん。
普通におしゃれな一軒家にしか見えん。
「ちなみに冷蔵庫ってなんだい?」
『食料冷やして置いておける箱のこと。お肉とかもそこに入れていると長持ちするよ?凍らせておけばもっと長持ちするし』
「そ、そうなんだね?それもまた一瞬で作るのかい?」
『5秒かなぁ……』
「そ、そっか!僕等は収穫の方で頑張ることにするよ!」
だって、魔石とか使わなくていいもん。
冷たいエリア作って付与するだけだよ。
僕にとっては冷蔵庫作るより全然簡単だ。
『あー。ってかそのうち冷暖房完備にしようかなぁ……あ、あと水洗トイレも作らないと。僕スライムだからその辺忘れがちになっちゃうんだよなぁ。他何かやりたいことあったかなぁ……。住居と農園に転移ゲート張るのもいいかなぁ……ブツブツ……』
「……よくわからないけど好きにしてくれたらいいと思う……あはは」
「ふふ♪皆が快適に過ごせるようになってうれしいです♪」
そこにエルノアママが小走りでやってきた。
「あら、みんなもう集まってたんですね?スイートビーが巣を作ってましたよ?」
『蜜!?そんなのあるの!?』
『みつ~?』
「私も知りませんね?」
「僕も知らないなぁ?それは何?」
「蜂の密ですよ?昔は皆で専用の飼育箱、養蜂箱というものを作って蜜を集めていたのです。甘くておいしいですよ?舐めてみますか?私の好物だったものです」
そういうとエルノアママが野菜の葉の上に集めていた蜜を差し出してくれた。
『え、うんま!僕甘いの苦手だけどこれは好きだわ。』
『おいし~!!いちばんすき~!!いっぱいあつめてー!!』
「はい!私も砂糖菓子より好きかもしれません!」
「これは美味しいね!こんなものが集落にあったんだ……」
濃厚でほのかに花の香りがするんだ。
甘みもしっかりあるしお菓子とか紅茶にいれたらすごい美味しいと思う。
すごく深みのある味がする……
「では皆に養蜂箱の作り方を伝えましょうか、ふふふ♪」
『それにしてもなんでこんなものまで無くなったんだ……』
「あの集落では世界樹の資材以外は全部時間の無駄だということでしょう。あと劣化エルフに嗜好品は与えるべきではないと。自分達が格上だと見せる為のいやがらせみたいなものですね」
マジでふざけてんな。
本当に集落滅ぼしてよかったよ……
「これも他国ではかなり高価な品なんですよ?この蜂は魔の森にしか生息していないようです。昔はこの蜜がハイエルフの貴重な資金源でした。ちなみにこれを使ったお酒などもありますし、ここ200年程で生まれたハイエルフが知らない文化は沢山ありますね?また年長者を集めて少しずつ普及させましょうか、ふふふ♪楽しくなってきましたね?」
『おさけ!!絶対それ作って!ってか専門の人作っていい!僕が全部買い取る!!』
『そのままのみつも~!!』
「はいはい♪わかりました」
『ってか真面目な話、もしそういうハイエルフの文化的なこととかここでしか作れない……例えばチーズとかそういうの主体にしてくれたら多分かなり稼げるとおもうよ?仕入れ先は秘密にしてもらうし、何なら僕が殆ど買い取ってもいいしね?その辺の塩梅も全部任せるから好きにやってね?』
「うん!了解だよ!商人さんと会える日が楽しみだね!でも緊張しないようにしないと……外部の人と会うなんて久しぶりだよ……」
あ、そうだ。
全然イメージからきえてたけど一応気が小さい人だったんだ……
とりあえず農業の方も全く問題なさそうだ。
それにしてもエルフは本当にアホなのか?
この人達莫大な資金を生み出すぞ?
僕はお金要らないからそんな商売商売するつもりはないんだけどさ……
それが霞むくらい世界樹の恩恵ってすごいってことなんだろうな……
『そういえば世界樹の恩恵って具体的になにができるの?雫とか葉とか集めてたじゃん?』
「クロムさんは世界樹の恩恵の効果を知らなかったのですか!?」
『興味ないもん。欲しかったら勝手に拾ってくるし。それに誰か犠牲にして作ってるものなんか使いたくないし』
「世界樹の恩恵は高濃度な魔力を宿しているので葉や雫は主に魔力回復の為につかわれます」
あ、エルノアママ詳しいんだ。
ってかMPポーションなの!?
前ちょっと頭によぎったMPポーションあった!
それが世界樹の恩恵だったのか!!
『え!?どれくらい回復すんの!?』
「葉1枚で一般の民の100人分の魔力を賄えると言われています。雫は10人分ですね。だいたい薬品にすると1人分で200mlくらいでしょうか。それを魔術師や回復魔法が使える者に持たせるだけで戦争などでの戦況が大きく傾くのです」
あ、すごい!もう単位覚えてくれたんだ!
……ってか一般人っていった?
100の100倍ってこと?1万!?
『マジでいらない』
『クラムもいらな~い』
お、クラムもぱっと計算したな?
やるなうちの愛娘!!
割合回復じゃないともう意味ないでしょ僕等。
1万なんか自然回復待つ!!
しかも1人分200m!?
100回復するのにそんなに飲まないとダメ!?
1万回復するために20リットル飲むのか!?飲めるか!!
でも割合回復ってよく考えるとよくわからんシステムだよね。
同じ魔力封印されてる水でなんで効能が人によって変わるんだって話だ。
「いらないのかい?すごい効果なんだけどね……」
『葉っぱの80倍以上魔力あるし』
『クラムも50ばいくらいある~!』
「この2人は規格外ですので、ふふ♪でも私も20倍くらいは……」
「エステルは強くなったのですねぇ、ふふふ♪」
「2人のスライムちゃんはともかくエステルも強くなりすぎでしょ、あはは……」
魔力封入すればMPポーション作れるの?
そういえばHPばっかに気を取られてクリーン水ばっかり作ってた。
僕作れんじゃね?
『”ウォーター”』(ブクッ……)
これで100mlくらいかな?
「何をするのです?」
これに魔力をそのまま……
むむむむむむむむむむむむむむ……
ふぅ……ちかれた。
反応ないけどこんなもんかな?
10万くらい注いだけど。
”鑑定”
-----
★魔力神水
とてつもなく高濃度の魔力が込められた水。
100mlでMP約50000程回復可能。
尚、魔力が高濃度過ぎる為、体内での処理は不可能。
生物が飲むと即死する。
-----
あ、半分ほどロスったな。
そして高濃度過ぎる魔力って毒なんだなぁ。
MPポーションって作るの難しいんだな~。
ちなみに僕なら飲めるのかなぁ……
「クロムくんは何をしたんだい?」
『ん?えっと200分の1の量で5倍だから……。世界樹の葉の薬の1000倍の効力ある水作った。飲むと死ぬって。使えねー。捨てよっと』
「「「「「……」」」」」
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しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
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書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
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紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
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ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
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第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
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捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
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―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
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死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
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