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14話 筋肉ムキムキ、ワイルドボディー、カッコいいツノ、ふぉー!!
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「リア、ピィ、こっちよ」
「……」
『……』
「リア? ピィ?」
「リア! ピィ!」
「あ、あい!?」
『ぴ、ぴぃ!?』
本来厨房にはない物の数々に、思わずそれを見入ってしまっていた私。チェルシーさんに大きな声で呼ばれて、慌てて返事をしたよ。ピィ君もね。
……はて? ピィ君は何でボケっとしていたのかな? ピィ君は厨房を見るには初めてだろうけど、私みたいに地球の記憶があるわけじゃないから、驚くことはないと思うんだけど。何かあるのかな? 後で聞いてみるか。
そう思いながら、急いでアリシアさんとチェルシーさんの元へ向かった私とピィ君。だけど……。うん、また固まりました。ピィ君もね。
ただ、これに関しては、お互い同じ理由で固まったんだと思う。今、私たちの前には、あまりに迫力があって、とってもカッコいい獣人さんが立っていて、その素晴らしさに、見惚れちゃったんだよ。
「さぁ、リア、ピィ、料理長のサイラスよ」
「……」
『……』
「……また固まってるわね」
「やっぱりか?」
「サイラスと初めて会う子供は、どうしてもあなたの迫力に驚いてしまうのよね」
「連れ出した方が良いんじゃないか? 現実に戻ったら泣き出すぞ」
「う~ん、どうかしらね」
「もう1度呼んでみましょう。それでダメなら一旦外へ行くわ」
「おい、この小さいのは、いろいろと手伝いをしたいと言ってるんだろう? なら別に、無理してここに来なくていい。他にも手伝いはあるんだからな。外へ出て泣き出したら、怖い思いをさせて悪かったと言っておいてくれ」
「まだ分からないわよ」
「はっ、いままでに、泣かれなかった事があるか?」
「リアとピィは大丈夫かもしれないじゃない。リア、ピィ!」
「2人とも、ほら、料理長のサイラス挨拶して。お手伝いするんでしょう?」
「リア! ピィ!!」
「『!?』」
またまた呼ばれた声に、ほぼ同時にハッ!! とした私とピィ君。そしておもむろにお互いを見る。
この時の私とピィ君に、言葉はいらなかった。お互いが思っている事が、しっかりと分かったから。そして……。
「は、はじめまちて!! よろしくおねがちましゅ!!」
『ぴ、ぴぴぴ!! ぴっぴぴぴっ!!』
急いで挨拶をする。そしてその後は、どうにも止まらずに、私とピィ君は私たちの気持ちを、サイラスさんに伝えたんだ。
「しゃいらしゅしゃん!! かっこいいでしゅ!!」
『ぴぴぴぴぴっ!! ぴぃぴぴぴぴぴ!!』
「はくりょくがあっちぇ、じぇんぶがむきむきで、しょれからとってもつよしょうで、つのもかっこよくて……」
『ぴぴぴぴ~、ぴぴぴ、ぴっぴぴぴ、ぴぴぴぴぴ……』
言いたいことがありすぎて、言葉を止めることができない。ピィ君も、細かくしっかりとは分からないけど、サイラスさんの良いところを、次々と伝えているって言うのは分かるよ。
「しょれから、しょれから……」
『ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ……』
「……」
「……」
「……」
「えっちょ、しょれから……」
『ぴっぴ、ぴぴぴぴ……』
「ハッ!! っと、リ、リア、落ち着いて!」
「ピ、ピィもよ。そんなに興奮して近づいたら、サイラスが驚いてしまうわ!」
ん? 近づいたら? 私はアリシアさんとチェルシーさんの言葉に、自分の状況を確かめる。
と、挨拶した時は、もう少し後ろの方で挨拶していたはずなのに、すぐ目の前にサイラスさんがいて。サイラスさんは私たちじゃなくて、真っ直ぐに前を向いていたよ。
どうも、あまりのカッコ良さに興奮して、いつの間にかサイラスさんの目の前にまで近づいていたみたい。目の前と言っても、私の目線の高さは、サイラスさんの膝下くらいだけどね。
「ありちあしゃん、ちぇりゅちーしゃん?」
「って、リア!? あなた鼻血出てるじゃない!?」
「ピィも、顔が赤くなってるわ!? 熱が出たんじゃ!?」
アリシアさんが私の鼻をハンカチで抑えてくれて、肩に乗っていたピィ君は、チェルシーさんが手で包んで落ちないようにしてくれたよ。うん、確かにピィ君、顔がほんのり赤いかも。
「サイラス、ごめんなさい! 一旦休ませるわ!!」
「たぶん興奮したからだと思うけど、念のために先生に見せるわ!」
「……」
あれ? どうしたんだろう? アリシアさんたちの言葉に、何も答えないサイラスさん。
おかしいなと思って、顔は動かせなかったから、目線だけでサイラスさんを見てみる。すると、私が確認した時と同じ、真っ直ぐ前を向いたままのサイラスさんがいたんだ。
そんなサイラスさんの様子に、アリシアさんたちもおかしいと思ったみたい。もう1度サイラスさんに声をかける。
「サイラス、聞いてる? 一旦リアたちを休ませるわ」
「たぶん大丈夫だと思うけど、先生に見せてから判断するから、もしかしたら今日は中止になるかもしれないわ……。って、サイラス、本当にどうしたのよ。私たちの話を聞いてる?」
チェルシーさんがサイラスさんの肩に、ポンと手を乗せて軽く揺する。と、その瞬間だった。
バターンッ!!
大きな音を立てて、サイラスさんがその場に倒れたんだ。突然のことに静まり返る厨房。厨房には、まだ挨拶していなかった他の料理人さんたちもいたんだけど、その人たちも何も言わずに、サイラスさんを見ていたよ。そして……。
その後は大変だったよ。すぐに料理人さんが、レーノルド先生を医療室へ呼びに行き。その間に厨房にあったタオルを床に敷いて、そこに6人がかりでサイラスさんを寝かせてね。
私は厨房に置いてあった椅子に座らせてもらって、アリシアさんに引き続き鼻を押さえてもらい。ピィ君はチェルシーさんから受け取って私の膝に乗せ、レーノルド先生を待ったんだ。この時のピィ君、鼻息荒く、でもとても嬉しそうな顔をしていたよ。
そして、すぐに来てくれたレーノルド先生の診断は……。
まず、私とピィ君は、やっぱり興奮しすぎによる鼻血と熱で。ササッとレーノルド先生の治癒魔法で治してもらって値量は終わり。すぐに元気になったんだ。
そして、私たちよりも問題だった、サイラスさんの方だけど。サイラスさんも、別に何か悪いことがあったわけじゃなかったみたい。
レーノルド先生が来た時に、意識が回復したサイラスさん。そんなサイラスさんにレーノルド先生が話しを聞いたら、先生が急に笑い出したの。
「ハハハハハッ!! 衝撃が大きすぎて、鼻血や熱じゃなく倒れたかのか!」
「笑い事ではない。……この小さな者たちは、大丈夫なのか?」
「何がだ? 鼻血と熱なら、もう大丈夫だぞ?」
「そうではない。オレのことであんなことを言ってくるなど。……言いにくいが、目がよく見えていないとか、何かおかしいとか、そういうのではないのか?」
「まさか! 私がしっかり診察しているんだ。悪いところはどこもない。リアとピィは、本当にお前のことを、カッコ良いと思っているんだろう。リア、ピィ!」
呼ばれて、レーノルド先生の方へ。
「リア、ピィ、サイラスのことをどう思っているか、もう1度言ってやってくれ。だが、興奮はするなよ。さっき言ったこと全部じゃなくて良いから、静かに話すんだ」
この時には、かなり落ち着きを取り戻していた私とピィ君。レーノルド先生に言われた通り、できる限り静かに、私たちのサイラスさん大好きを伝えたよ。
「? あい。えっちょ、しゃいらしゅしゃんは、とってもかっこよくて……」
『ぴっぴぴ、ぴぴぴ……』
でもね、話し終えたら、なぜかサイラスさんが、顔を押さえたんだ。
「しゃんしぇ、どちたの? しゃいらしゅしゃん、まだぐあいわるい?」
「クククッ。いいや、別に具合は悪くない。今はあまりの感動に、何も言えなくなっているだけだ」
感動? 何が? 理由が分からず、首を傾げてしまった私とピィ君。
というかね、私とピィ君は今日だけで何回、レーノルド先生の治療を受けるのか。まぁ、今回は、サイラスさんがカッコ良すぎるのが問題なんだけどさ。だから、今回はしかたがないんだよ、うん。
「……」
『……』
「リア? ピィ?」
「リア! ピィ!」
「あ、あい!?」
『ぴ、ぴぃ!?』
本来厨房にはない物の数々に、思わずそれを見入ってしまっていた私。チェルシーさんに大きな声で呼ばれて、慌てて返事をしたよ。ピィ君もね。
……はて? ピィ君は何でボケっとしていたのかな? ピィ君は厨房を見るには初めてだろうけど、私みたいに地球の記憶があるわけじゃないから、驚くことはないと思うんだけど。何かあるのかな? 後で聞いてみるか。
そう思いながら、急いでアリシアさんとチェルシーさんの元へ向かった私とピィ君。だけど……。うん、また固まりました。ピィ君もね。
ただ、これに関しては、お互い同じ理由で固まったんだと思う。今、私たちの前には、あまりに迫力があって、とってもカッコいい獣人さんが立っていて、その素晴らしさに、見惚れちゃったんだよ。
「さぁ、リア、ピィ、料理長のサイラスよ」
「……」
『……』
「……また固まってるわね」
「やっぱりか?」
「サイラスと初めて会う子供は、どうしてもあなたの迫力に驚いてしまうのよね」
「連れ出した方が良いんじゃないか? 現実に戻ったら泣き出すぞ」
「う~ん、どうかしらね」
「もう1度呼んでみましょう。それでダメなら一旦外へ行くわ」
「おい、この小さいのは、いろいろと手伝いをしたいと言ってるんだろう? なら別に、無理してここに来なくていい。他にも手伝いはあるんだからな。外へ出て泣き出したら、怖い思いをさせて悪かったと言っておいてくれ」
「まだ分からないわよ」
「はっ、いままでに、泣かれなかった事があるか?」
「リアとピィは大丈夫かもしれないじゃない。リア、ピィ!」
「2人とも、ほら、料理長のサイラス挨拶して。お手伝いするんでしょう?」
「リア! ピィ!!」
「『!?』」
またまた呼ばれた声に、ほぼ同時にハッ!! とした私とピィ君。そしておもむろにお互いを見る。
この時の私とピィ君に、言葉はいらなかった。お互いが思っている事が、しっかりと分かったから。そして……。
「は、はじめまちて!! よろしくおねがちましゅ!!」
『ぴ、ぴぴぴ!! ぴっぴぴぴっ!!』
急いで挨拶をする。そしてその後は、どうにも止まらずに、私とピィ君は私たちの気持ちを、サイラスさんに伝えたんだ。
「しゃいらしゅしゃん!! かっこいいでしゅ!!」
『ぴぴぴぴぴっ!! ぴぃぴぴぴぴぴ!!』
「はくりょくがあっちぇ、じぇんぶがむきむきで、しょれからとってもつよしょうで、つのもかっこよくて……」
『ぴぴぴぴ~、ぴぴぴ、ぴっぴぴぴ、ぴぴぴぴぴ……』
言いたいことがありすぎて、言葉を止めることができない。ピィ君も、細かくしっかりとは分からないけど、サイラスさんの良いところを、次々と伝えているって言うのは分かるよ。
「しょれから、しょれから……」
『ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ……』
「……」
「……」
「……」
「えっちょ、しょれから……」
『ぴっぴ、ぴぴぴぴ……』
「ハッ!! っと、リ、リア、落ち着いて!」
「ピ、ピィもよ。そんなに興奮して近づいたら、サイラスが驚いてしまうわ!」
ん? 近づいたら? 私はアリシアさんとチェルシーさんの言葉に、自分の状況を確かめる。
と、挨拶した時は、もう少し後ろの方で挨拶していたはずなのに、すぐ目の前にサイラスさんがいて。サイラスさんは私たちじゃなくて、真っ直ぐに前を向いていたよ。
どうも、あまりのカッコ良さに興奮して、いつの間にかサイラスさんの目の前にまで近づいていたみたい。目の前と言っても、私の目線の高さは、サイラスさんの膝下くらいだけどね。
「ありちあしゃん、ちぇりゅちーしゃん?」
「って、リア!? あなた鼻血出てるじゃない!?」
「ピィも、顔が赤くなってるわ!? 熱が出たんじゃ!?」
アリシアさんが私の鼻をハンカチで抑えてくれて、肩に乗っていたピィ君は、チェルシーさんが手で包んで落ちないようにしてくれたよ。うん、確かにピィ君、顔がほんのり赤いかも。
「サイラス、ごめんなさい! 一旦休ませるわ!!」
「たぶん興奮したからだと思うけど、念のために先生に見せるわ!」
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あれ? どうしたんだろう? アリシアさんたちの言葉に、何も答えないサイラスさん。
おかしいなと思って、顔は動かせなかったから、目線だけでサイラスさんを見てみる。すると、私が確認した時と同じ、真っ直ぐ前を向いたままのサイラスさんがいたんだ。
そんなサイラスさんの様子に、アリシアさんたちもおかしいと思ったみたい。もう1度サイラスさんに声をかける。
「サイラス、聞いてる? 一旦リアたちを休ませるわ」
「たぶん大丈夫だと思うけど、先生に見せてから判断するから、もしかしたら今日は中止になるかもしれないわ……。って、サイラス、本当にどうしたのよ。私たちの話を聞いてる?」
チェルシーさんがサイラスさんの肩に、ポンと手を乗せて軽く揺する。と、その瞬間だった。
バターンッ!!
大きな音を立てて、サイラスさんがその場に倒れたんだ。突然のことに静まり返る厨房。厨房には、まだ挨拶していなかった他の料理人さんたちもいたんだけど、その人たちも何も言わずに、サイラスさんを見ていたよ。そして……。
その後は大変だったよ。すぐに料理人さんが、レーノルド先生を医療室へ呼びに行き。その間に厨房にあったタオルを床に敷いて、そこに6人がかりでサイラスさんを寝かせてね。
私は厨房に置いてあった椅子に座らせてもらって、アリシアさんに引き続き鼻を押さえてもらい。ピィ君はチェルシーさんから受け取って私の膝に乗せ、レーノルド先生を待ったんだ。この時のピィ君、鼻息荒く、でもとても嬉しそうな顔をしていたよ。
そして、すぐに来てくれたレーノルド先生の診断は……。
まず、私とピィ君は、やっぱり興奮しすぎによる鼻血と熱で。ササッとレーノルド先生の治癒魔法で治してもらって値量は終わり。すぐに元気になったんだ。
そして、私たちよりも問題だった、サイラスさんの方だけど。サイラスさんも、別に何か悪いことがあったわけじゃなかったみたい。
レーノルド先生が来た時に、意識が回復したサイラスさん。そんなサイラスさんにレーノルド先生が話しを聞いたら、先生が急に笑い出したの。
「ハハハハハッ!! 衝撃が大きすぎて、鼻血や熱じゃなく倒れたかのか!」
「笑い事ではない。……この小さな者たちは、大丈夫なのか?」
「何がだ? 鼻血と熱なら、もう大丈夫だぞ?」
「そうではない。オレのことであんなことを言ってくるなど。……言いにくいが、目がよく見えていないとか、何かおかしいとか、そういうのではないのか?」
「まさか! 私がしっかり診察しているんだ。悪いところはどこもない。リアとピィは、本当にお前のことを、カッコ良いと思っているんだろう。リア、ピィ!」
呼ばれて、レーノルド先生の方へ。
「リア、ピィ、サイラスのことをどう思っているか、もう1度言ってやってくれ。だが、興奮はするなよ。さっき言ったこと全部じゃなくて良いから、静かに話すんだ」
この時には、かなり落ち着きを取り戻していた私とピィ君。レーノルド先生に言われた通り、できる限り静かに、私たちのサイラスさん大好きを伝えたよ。
「? あい。えっちょ、しゃいらしゅしゃんは、とってもかっこよくて……」
『ぴっぴぴ、ぴぴぴ……』
でもね、話し終えたら、なぜかサイラスさんが、顔を押さえたんだ。
「しゃんしぇ、どちたの? しゃいらしゅしゃん、まだぐあいわるい?」
「クククッ。いいや、別に具合は悪くない。今はあまりの感動に、何も言えなくなっているだけだ」
感動? 何が? 理由が分からず、首を傾げてしまった私とピィ君。
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