異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん

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13話 厨房への入り方は回し蹴り? 謎の物だらけの厨房?

「アンドリュー、いつもの護衛の時以外、リアとピィには近づかないでよ!」

「きちんと反省するまでは、これ以上リアとピィに、何かしなくなるまではね!!」

『ぴぴぴぃっ!!』

「……すみませんでした」

 ピィ君は、『そうだそうだ』とでも言い、アリシアさんとチェルシーさんがアンドリューさんに注意し、アンドリューさんの謝罪を聞くと、私たちは治療室を出る。

 私とピィ君が倒れた理由を聞いたあと、私はアンドリューさんに、たくさん文句を言わせてもらって。その最中に、総団長さんたちは仕事へ戻って行き。
 それから、私の文句がひと段落ついた頃、ちょうどお昼ご飯になったから、みんなで治療室でお昼ご飯を食べて。

 私たちは今、午後見学予定だった厨房へ向かっているところだよ。

 ちなみに、ご飯を食べている間も、アンドリューさんは正座のまま。少しでも動こうとすると、ピィ君とアリシアさんとチェルシーさんが、まるでその眼差しだけで、人を倒せるんじゃないかってほどアンドリューさんを睨んで。

 それで小さくなり、動かなくなるアンドリューさん。なんかそれを見ていて、アンドリューさんは本当に団長なのか? って思ったよね。

 それと、今アリシアさんたちが言っていたことだけど。ほら護衛の時以外、私とピィ君に近づかないようにってやつ。

 あれはね、ほら、私は記憶がないことになっているでしょう? そして、その記憶喪失になった原因の1つとして、総団長さんたちは、事件に巻き込まれたのかもしれないと思っていて。

 だから、もし本当に事件だった場合、その件で私が誰かに襲われる可能性があると、必ず私に獣騎士さんの誰かを、護衛としてつけてくれることになったの。

 ちょっと気が引けたけど、でもこの世界のことを知らない私にとっては、助かることも多くて。とてもありがたく思っているんだ。
 
 ただ、その護衛してくれる獣騎士さんの中に、アンドリューさんも入っていてね。

 私は結構文句を言わせてもらったから、かなり気持ちは落ち着いていたんだけど。ピィ君とアリシアさんとチェルシーさんは……。

 初日のスープ事件と、今回の靴下事件でしょう? その2つの件で3人の怒りがまったく収まらなくて。だから護衛している時以外は、私とピィ君に近づくなって言われちゃったんだよ。

 ピィ君の怒りが収まったら、普通に接することはできるようになると思うけど、いつになる事か……。まぁ、初日とお手伝い最初から、大変な目にあったのは確かだから仕方ないかな。

「ちゅぼの、おてちゅだい、がんばる!!」

『ぴぃ!!』

 今日は倒れただけで、まだ何もお手伝いできていないんだから、せめて厨房では何かお手伝いをしたい! そう思い、声に出して気合を入れる私。ピィ君も、僕もだって。

「そういえば、リア、ピィ。厨房は2人がお手伝いをする場所の中で、1番バタバタしている場所なのよ」

「そうね。静かな日なんてないわね」

 ん? 1番バタバタしてる? 静かな日がない? そういえば確かに、ライトノベルや漫画だと、厨房ってバタバタしていて、ちょっと煩い感じに書かれていることが多いよね。それにたくさんの料理人さんが、働いているって感じ。

「じゅじんしゃん、いっぱい。だからばたばた? しじゅかじゃない?」

「あ、確かに、他よりも人数は多いわね」

「全部で25人いて、必ず15人は働いているものね。でも、人数が多いからバタバタしているわけじゃないよ」

 え? そんなに? 確かに100人規模の食事を作るには、それなりの人数が必要だろうけど、全部で25人? 必ず15人は働いてる?

「厨房の中でも、いろいろな係があるのよ」

「料理人さんだけど、その日にやる係によっては、料理を作らないこともあるし、なんだったら厨房に入らない人もいるわ」

「ごはん、ちゅくらない? ちゅぼにはいらない?」

 なんか、どんどん頭の中がこんがらがってくる。この世界の料理作りってどうなってるの? 地球と全然違う?

「あら、考え込んじゃったわね」

「始めから言いすぎたかしら。大変そうって気後れしちゃった? あっ! でもね、リア、ピィ。きっと2人にとっては、お手伝いの中で1番楽しいお手伝いになるはずよ」

「そうそう。ここではお祭りっていう、楽しいイベントがあるんだけど。その時は街中の子供たちも、料理のお手伝いをして、みんないつも遊んでいる時以上に、お手伝いを楽しんでいるんだから」

「おてちゅだい、たのちい? みんな?」

 え? お手伝いだよ? あくまでもお手伝い。私はこの世界へ来て、自分からお手伝いしようと思っているけれど、普通、子供が喜んでお手伝いする?

 絶対にお手伝いをしないってことじゃないよ? お小遣いとか、自分が食べたい物を作ってもらうからとか、お手伝いする理由はいっぱいあるからね。
 ただ、私の印象だと、お母さんが手伝ってって言うと、子供はぐずるんじゃない? えー! 面倒臭い、って感じに。

「ん~?」

『ぴぃ~?』

「嫌だは、余計に考え込んじゃったわね」

「まぁ、行けば分かるでしょう。それで午前中も嫌なことも吹き飛ぶはずよ」

「そうね」

 余計に分からなくなったまま着いたのは、1階の1番奥の部屋の前。宿舎は4階建で、1階には厨房と食堂があって、医療室も同じく1階にあるんだ。獣騎士さんたちや私とピィ君の部屋は、3階と4階って感じ。

 ちなみに、厨房のドア? いや、扉か? その厨房の扉は、どう考えても私じゃ開けられないだろうって思うくらい、めちゃくちゃ重量感のある扉だったよ。

「サイラス!! リアとピィを連れてきたわ!!」

「おう! 入れ!!」

 とてもダンディーな低い声が聞こえてきた。サイラスさん。来る前に教えてもらったけど、サイラスさんが料理長さんだって。

「じゃあ、入るわね!! それっ!!」

 バイーンッ!!!!!!

 チェルシーさんの、まさかの扉の開け方だった。どんな開け方かって? 回し蹴りだよ。それも物凄い威力のね。思わず固まる私と、私の肩で固まるピィ君。

「さぁ、入りましょう! リア? ピィ?」

「あ、あい」

『ぴ、ぴぃ』

 声をかけられ、ハッとしてアリシアさんの後を続く。と、部屋の中へ入る前に扉を見てみたら、扉の厚さが20センチくらいあって。ちょっと触らせてもらったら、ピクリともしなかったよ。


「大丈夫よ。リアとピィがここへ来る時は、必ず誰かが開けてくれるから」

「う、うん」

『ぴ、ぴぃ』

 厨房にこの厚さの扉いる? 不思議に思いながら、前を向いた私。すると厨房の中には、また別の意味での衝撃が待ち受けていたんだ。

 虫取り網みたいな物があって、隣には虫籠のような物が10セット。さらに蓋付き鍵付きの入れ物が10個。に、鉄製だか石製だか分からないけど、重そうな網かごが3つ。
 それから大きなタライが5つに、小さなタライが5つ。

 と、今私が言った意外にも、厨房に何の関係が? と思われる品々が、たくさん置いてあったんだ。
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