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辺境伯領の森
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二人が辺境伯領へ来てはや一月が過ぎていた。高い山を超えて吹く風は秋を越えて冬の冷たさをはらんでいる。
ゲオハルトが辺境伯としての書類仕事を片付けるというのでリヒトは一人森へ向かって馬を駆っていた。供の一人でもつけるべきなのは分かっていたがどうしても一人になりたくて抜け出した。
王都から連れてきた騎士たちは辺境伯騎士団で鍛え直しを任せてある。騎士団長はリヒトが昔姫だった頃に見かけたことのある顔だった。彼の名前は覚えていなかったがリヒトが前世のことをすべて覚えているわけではないのでしょうがないことだった。
リヒトの魂に刻み込まれるほど大切に思っていたのはゲオハルトとのこと。現在の祖母である前世の実の母や妹、父である弟のことは切望するほど会いたいとは思わなかった。
前世の自分と現世の自分を比べて変わったところと変わってないところ色々あるのだが、一度死んでしまったせいか変なところで臆病になってしまったとリヒトは思った。
(前世の記憶があると告げたら、お前はどういう顔をする?)
王族なのだからしょうがない。そう諦めることのできた前世と違いゲオハルトに嫌われるのが怖い。
そんな殊勝な考えがあるなら常人は媚薬をもって襲いかかるような真似はしないものなのだがリヒトは自分の思考の歪いびつさには気づいていない。
だから二人は寝室は共にしているが王宮で過ごした二日間以降は数えるほどしか体を重ねていない。
閨でとろけているゲオハルトはリヒトを見ているがふとした日常の中でゲオハルトがリヒトを通して過去の自分を見ていることに気づいてしまえば肉欲を使ってゲオハルトの気持ちを自分に向けるのが嫌になったのだ。せっかく習った手練手管も半分以上実践しないまま最近では品行方正に隣り合って眠るだけとなっている。
奇妙にこじれた初恋が二人の間に気まずい空気を漂わせていた。
馬を木につなぎ茂みを散策する。この時期ならゲオハルトが好きなキノコが顔を出しているはずだというリヒトの読みは当たっていた。香りの強いキノコは鹿の肉あたりに添えるソースに使うのなら少量で十分。リヒトが一人で持って帰れる程度取れればいいと視線を走らせる。
リヒトが木陰に肉厚のキノコを見つけ手を伸ばしたその時足元の土が崩れ落ちた。
「な!!」
あわてて宙へ手を伸ばしたが掴むものもなく下方へ落ちていく。土塊と木葉がリヒトの上からも降り注いだ。
鈍い落下音が森の中に響いた。
鳥たちが驚き叫び飛び立ったあとには静寂がもどった。
---
ゲオハルトがリヒトの不在に気づいたのは侍従がリヒトが昼食も取りに戻らないと報告を上げてきた午後のことだった。仕事に集中しすぎて昼食の時間を大幅にすぎて食堂に現れた主に侍従は気まずそうに告げた。
「実は殿下は供もつけずに馬ででかけてしまった」のだと。
侍従たちに殿下の行動を止められるわけもない。誰よりも強い男を過保護に世話してまわるほど辺境伯家に暇な人材も余っていない。
侍従に気にするなと告げてゲオハルトは自ら探しに行くことにした。
森の方へ向かったという話を聞いてゲオハルトも馬を走らせる。日が沈むまではまだあるが風が冷たい。リヒトを見つけたら館で温かい果実酒でも飲みたいものだと彼は思った。
ゲオハルトはリヒトがつないだ馬をすぐに見つけた。自分が乗ってきた馬もつなぎおとなしく草を食んでいる馬をなでてやり茂みを奥に移動する。
「リヒト様!いらっしゃいますか?」
声をかけながら少し奥に進むと地面にあいた穴を見つけた。猟師が仕掛けた罠だろう。まさか落ちてないだろうと覗き込むと至近距離に黄金の瞳が現れた。
「リヒト様?」
穴の中に体中に土と木葉をつけてリヒトがぼんやりと立っていた。
「いや・・・」
ゲオハルトを見る視線もなんだかぼんやりとしている。
「何をなさってるんですか」
「穴を出ようとしていたんだ。空にキィが見えて」
そう言って空を仰ぐが彼らのいる場所の周囲の木にはまだまだ枝に葉が多く空は見えなかった。
「とにかくそこから出てください。さぁお手を」
手を掴み穴から引きずり出すとリヒトがゲオハルトに抱きついてきた。勢いで二人で土の上に座り込む。
「ゲオ?」
「なんですか?お怪我はありませんか?」
リヒトからは森の土の匂いがしていた。これは屋敷で風呂を用意させないと、とゲオハルトは神経質なメイド長を思い浮かべていた。
「お前に会いたいと思っていたんだ。さすがは私の騎士だな」
感心したというように何度も頷き、花の溢れるような笑顔でリヒトはゲオハルトを見た。
その笑顔の美しさにゲオハルトが息をのむ。半月に細められた瞳に白い歯の覗く口元。少しかしげた首の角度。子鹿のような愛らしい姿はリヒトのようであってリヒトではなかった。
その金の瞳からひとすじの涙がこぼれ落ちる。
「これからもゲオだけが私の騎士だ」
そう言ってリヒトはゲオハルトに土に汚れた手を差し出した。
彼女が彼に望んでいることは明白だった。
「……姫」
「幸せにな」
ゲオハルトにはなぜ姫が現れたのかわからなかったが震える指でその手をおし頂きゆっくりと口づけた。
最後の別れなのだとそのことだけがゲオハルトには分かっていた。
「フランツィスカ様」
返事はなかった。
リヒトの身体がゲオハルトに傾ぎポスリと腕の中に収まった。
強い風が上空を走ったのだろう枝がざわめきをあげた。
ゲオハルトは辺りが暗くなるまで動かなかった。
ゲオハルトが辺境伯としての書類仕事を片付けるというのでリヒトは一人森へ向かって馬を駆っていた。供の一人でもつけるべきなのは分かっていたがどうしても一人になりたくて抜け出した。
王都から連れてきた騎士たちは辺境伯騎士団で鍛え直しを任せてある。騎士団長はリヒトが昔姫だった頃に見かけたことのある顔だった。彼の名前は覚えていなかったがリヒトが前世のことをすべて覚えているわけではないのでしょうがないことだった。
リヒトの魂に刻み込まれるほど大切に思っていたのはゲオハルトとのこと。現在の祖母である前世の実の母や妹、父である弟のことは切望するほど会いたいとは思わなかった。
前世の自分と現世の自分を比べて変わったところと変わってないところ色々あるのだが、一度死んでしまったせいか変なところで臆病になってしまったとリヒトは思った。
(前世の記憶があると告げたら、お前はどういう顔をする?)
王族なのだからしょうがない。そう諦めることのできた前世と違いゲオハルトに嫌われるのが怖い。
そんな殊勝な考えがあるなら常人は媚薬をもって襲いかかるような真似はしないものなのだがリヒトは自分の思考の歪いびつさには気づいていない。
だから二人は寝室は共にしているが王宮で過ごした二日間以降は数えるほどしか体を重ねていない。
閨でとろけているゲオハルトはリヒトを見ているがふとした日常の中でゲオハルトがリヒトを通して過去の自分を見ていることに気づいてしまえば肉欲を使ってゲオハルトの気持ちを自分に向けるのが嫌になったのだ。せっかく習った手練手管も半分以上実践しないまま最近では品行方正に隣り合って眠るだけとなっている。
奇妙にこじれた初恋が二人の間に気まずい空気を漂わせていた。
馬を木につなぎ茂みを散策する。この時期ならゲオハルトが好きなキノコが顔を出しているはずだというリヒトの読みは当たっていた。香りの強いキノコは鹿の肉あたりに添えるソースに使うのなら少量で十分。リヒトが一人で持って帰れる程度取れればいいと視線を走らせる。
リヒトが木陰に肉厚のキノコを見つけ手を伸ばしたその時足元の土が崩れ落ちた。
「な!!」
あわてて宙へ手を伸ばしたが掴むものもなく下方へ落ちていく。土塊と木葉がリヒトの上からも降り注いだ。
鈍い落下音が森の中に響いた。
鳥たちが驚き叫び飛び立ったあとには静寂がもどった。
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ゲオハルトがリヒトの不在に気づいたのは侍従がリヒトが昼食も取りに戻らないと報告を上げてきた午後のことだった。仕事に集中しすぎて昼食の時間を大幅にすぎて食堂に現れた主に侍従は気まずそうに告げた。
「実は殿下は供もつけずに馬ででかけてしまった」のだと。
侍従たちに殿下の行動を止められるわけもない。誰よりも強い男を過保護に世話してまわるほど辺境伯家に暇な人材も余っていない。
侍従に気にするなと告げてゲオハルトは自ら探しに行くことにした。
森の方へ向かったという話を聞いてゲオハルトも馬を走らせる。日が沈むまではまだあるが風が冷たい。リヒトを見つけたら館で温かい果実酒でも飲みたいものだと彼は思った。
ゲオハルトはリヒトがつないだ馬をすぐに見つけた。自分が乗ってきた馬もつなぎおとなしく草を食んでいる馬をなでてやり茂みを奥に移動する。
「リヒト様!いらっしゃいますか?」
声をかけながら少し奥に進むと地面にあいた穴を見つけた。猟師が仕掛けた罠だろう。まさか落ちてないだろうと覗き込むと至近距離に黄金の瞳が現れた。
「リヒト様?」
穴の中に体中に土と木葉をつけてリヒトがぼんやりと立っていた。
「いや・・・」
ゲオハルトを見る視線もなんだかぼんやりとしている。
「何をなさってるんですか」
「穴を出ようとしていたんだ。空にキィが見えて」
そう言って空を仰ぐが彼らのいる場所の周囲の木にはまだまだ枝に葉が多く空は見えなかった。
「とにかくそこから出てください。さぁお手を」
手を掴み穴から引きずり出すとリヒトがゲオハルトに抱きついてきた。勢いで二人で土の上に座り込む。
「ゲオ?」
「なんですか?お怪我はありませんか?」
リヒトからは森の土の匂いがしていた。これは屋敷で風呂を用意させないと、とゲオハルトは神経質なメイド長を思い浮かべていた。
「お前に会いたいと思っていたんだ。さすがは私の騎士だな」
感心したというように何度も頷き、花の溢れるような笑顔でリヒトはゲオハルトを見た。
その笑顔の美しさにゲオハルトが息をのむ。半月に細められた瞳に白い歯の覗く口元。少しかしげた首の角度。子鹿のような愛らしい姿はリヒトのようであってリヒトではなかった。
その金の瞳からひとすじの涙がこぼれ落ちる。
「これからもゲオだけが私の騎士だ」
そう言ってリヒトはゲオハルトに土に汚れた手を差し出した。
彼女が彼に望んでいることは明白だった。
「……姫」
「幸せにな」
ゲオハルトにはなぜ姫が現れたのかわからなかったが震える指でその手をおし頂きゆっくりと口づけた。
最後の別れなのだとそのことだけがゲオハルトには分かっていた。
「フランツィスカ様」
返事はなかった。
リヒトの身体がゲオハルトに傾ぎポスリと腕の中に収まった。
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