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二部
◇あなたが邪魔なの◆
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翌日、ランヴァルドが騎士団に向かうと、その日は午後からの護衛任務のみで、午前は自由にしろと告げられた。
その意味が分からず、彼は団長であるアードルフに問いかける。
「いったいどういうことです?」
「午前はアニタだけ護衛にいれば良いと言われてな、事情はよく分からん」
なんだか嫌な予感がする、と直感が告げていた。
ようするに、ランヴァルドに居られては困る事情なのだろう。
そうなると、すぐに脳裏をよぎるのは愛しい妻のことだった。
……。
その日のアーノルト伯爵邸には突然の来客があった。
それは想定外の人物で、オデットは名前を聞いて紫色の瞳を見開いた。
長話をする気はないと、玄関ホールで待っているらしいその相手。
急いで向かうと、金色の長い髪に青い瞳の少女――隣国の王女であるツェリアはにこにこと微笑んでオデットに一通の封筒をさしだした。
「あなたが誰であるかにも、あなたのことにもなにひとつ興味はないから、なにも言わなくていいわ。
ただ、この中身にサインして、提出してくれればいいの」
ふふっと笑うツェリアに困惑しながらも、オデットはそれを受け取り中身を見て、愕然とした。
中に入っていたのは――離縁届。
オデットが口を開く前に、ツェリアが遮るように言う。
「嫌なら捨ててくれてもかまわないのよ? あなたのお姉さまと、あなたの実家がどうなってもいいのならね!」
「――っ」
その笑みは、まるで小悪魔のようで。
ツェリアの隣に立つアニタはにこりと微笑んでいるが、その笑みが真実でないこともよく分かる。
だがアニタは騎士だ、姫君を止めることはできない。
「じゃあね、あぁ、三日以内に提出してくれなかったら……おぼえておいてよね。
あと、そう、今日すぐにでもここから出て行ってちょうだい」
そう言い残して姫君は優雅に去っていく。
それを見送って、オデットは唇を噛みしめた。
その意味が分からず、彼は団長であるアードルフに問いかける。
「いったいどういうことです?」
「午前はアニタだけ護衛にいれば良いと言われてな、事情はよく分からん」
なんだか嫌な予感がする、と直感が告げていた。
ようするに、ランヴァルドに居られては困る事情なのだろう。
そうなると、すぐに脳裏をよぎるのは愛しい妻のことだった。
……。
その日のアーノルト伯爵邸には突然の来客があった。
それは想定外の人物で、オデットは名前を聞いて紫色の瞳を見開いた。
長話をする気はないと、玄関ホールで待っているらしいその相手。
急いで向かうと、金色の長い髪に青い瞳の少女――隣国の王女であるツェリアはにこにこと微笑んでオデットに一通の封筒をさしだした。
「あなたが誰であるかにも、あなたのことにもなにひとつ興味はないから、なにも言わなくていいわ。
ただ、この中身にサインして、提出してくれればいいの」
ふふっと笑うツェリアに困惑しながらも、オデットはそれを受け取り中身を見て、愕然とした。
中に入っていたのは――離縁届。
オデットが口を開く前に、ツェリアが遮るように言う。
「嫌なら捨ててくれてもかまわないのよ? あなたのお姉さまと、あなたの実家がどうなってもいいのならね!」
「――っ」
その笑みは、まるで小悪魔のようで。
ツェリアの隣に立つアニタはにこりと微笑んでいるが、その笑みが真実でないこともよく分かる。
だがアニタは騎士だ、姫君を止めることはできない。
「じゃあね、あぁ、三日以内に提出してくれなかったら……おぼえておいてよね。
あと、そう、今日すぐにでもここから出て行ってちょうだい」
そう言い残して姫君は優雅に去っていく。
それを見送って、オデットは唇を噛みしめた。
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