本日のディナーは勇者さんです。

木樫

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十四皿目 おいでませ精霊王

54※

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 絶体絶命。
 アゼルに命の危機を感じたのは、初めて戦った時以来だ。

 羽織るだけの状態だった夜着の上を、グイッと噛んで項を晒される。

 アゼルはあらわになった項を舐め、甘噛みし、俺を懐柔しようと擽った。

「ひぅ……っそ、そんなことをしてもだめだぞっ。それを挿れるのだけは、仕方ないなで許してやれない! 物理的に無理だっ」
『しゃる? なんでそんなに嫌がるんだ? うぅ……俺のこと、きらいなのか? そんなのいやだぁ……っ』
「あっ、ぅ、耳、耳を舐めるのはちょっと、あ、アゼルー……っ!」

 キューン、と悲しげに鳴き、アゼルは強請るように耳腔を舐める。

 ちょっと待て。
 ドサクサに紛れて、入り口をグリグリしないでほしい。

 もうなにを言っても言うことを聞いてくれないアゼルに、頑張って受け入れるしかないのか、と覚悟を決めて、自分の身体のポテンシャルを考える。

 まぁ、結局のところアゼルが相手なのは変わらない。

 アゼルならば、スライム姿だろうが受け入れよう。抱かれること自体はやぶさかではないのだ。

 だから俺の人間サイズの後ろに、ペットボトルサイズのアレだって、ちゃんと入るはず。

(……いや、どうしたって裂けるぞ……?)

 受け入れる方向性で真剣に考えてみたが、やはりダメだった。

 この一回で今後、普通にすらできなくなる予感しかない。

 クッ! と涙を飲んで、俺は拳を握る。

「わ、わかった。俺も男だ、できるだけ頑張ろう……! だけど、アゼル……その姿でシたら、もう今後、俺を抱くのは諦めてくれ……!」
「あぅっ……!?」

 俺の泣けなしの侠気を集めて、どんとこいと許可の言葉を口にした。

 するとアゼルはしょんぼりとした悲鳴をあげ、硬直する。

 しかし、これは仕方のないことだ。

 括約筋の限界を越えるので、介護が必要な有り様になりそうだからな。

 もう締まりが戻らない覚悟である。

 そうしていると、急に俺に乗りかかっていたフカフカの身体が光った。

「ん……? っ、ぅあ!? は…ん……っ」

 そしてなにかおかしいな、と思ったと同時に、強引に中へ突きこまれる。

 解れた後孔をトンと一突きにするのは、馴染み深い怒張だ。

「いやだ、ばか、なんでもうしないって言うんだよぅ……! お、おこったのか? いやだ、シャル……っ」
「あぁ……っ、アゼル、やっと人型になったのか? ぁ……ん、ぁっ」
「うう~。俺が一番、おまえがすきなのにっ……ごめんだから、シャル、馬鹿め……っあ、あきらめないぃ……」

 舌っ足らずに泣き言を耳元で漏らしながら、アゼルは俺に甘える。

「ふっ……ぅん……」

 体内を擦る屹立にゆっくりと中を犯され、押しつぶされる前立腺が快感を疼かせた。

 俺は結局話が通じてないことに困ってしまったが、大惨事は回避できただろう。

 ふーむ。なんでかはわからない。

 甘えたモードの酔っ払いアゼルは、俺の腰を抱き寄せて緩慢な律動を送り込みながら、愛撫した。



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