本日のディナーは勇者さんです。

木樫

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十四皿目 おいでませ精霊王

56※

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「お前が一番俺を愛していること、俺が一番お前を愛していること、とっくにご存知だからな」
「っ、ぁうぅ……ほ、ほんと、か?」
「ほんとにほんとだ。……酔っていても、ちゃんと覚えているんだぞ? お前以外にこんなこと、許すわけない」

 少しドヤ顔でにんまりと笑って見せ、極めつけに内壁を蠢かせ、キツく締め付けてやった。

 そうするとアゼルは、姿を戻しても狼の耳が見えそうな程わかりやすく破顔する。

 嬉しげににへら~とした笑顔を返し、感極まったように俺の足を抱えて、ぎゅーっと抱きついた。

「シャル、かわい~……ん」
「っん……ぁ、う……」

 触れるだけじゃ足りないとばかりに、荒々しいキスに唇を奪われる。

 かわいいのはお前だろうに、と言い返す間もなく、入り込んできた舌が口内をくまなく味わった。

 呼吸がままならず、鼻から抜ける吐息が熱を持つ。

 腕を回せないのがもどかしい。
 したがりの性が疼いて、抱きしめたくてたまらなくなってくるのだ。

 けれど言葉は独占欲の強い子犬に食い尽くされて、伝えられない。

 ゆっくりと再開される律動が、背筋を粟立てる。腰の痺れが瘙痒感をもたらすのだ。

「はっ……っう、ンん……ん……」

 焦れた俺が足を回して抱き寄せても、アゼルはちっとも気がつかない。

 終始にへにへぐるぐると唸り、俺の背骨や乳首を指先で捏ねて、舌を絡め、離さなかった。

 スローな突き上げが、意識を無理矢理敏感な襞へ集める。

 相変らず、人型でも喉元まで押し上げられるような長大な怒張だ。

 いつも口から出るんじゃないかとか、腹が突き破られるんじゃないかだとか、密かに思っていた。

 なのに二、三倍はありそうな凶器を挿れるなんて、串刺しになってしまう。

 そう思うと、改めてほっとした。

「あ…は……っ」
「うぅー……」

 ふっと息を吐くと、ようやくくアゼルの舌が俺の口内から引き抜かれる。

 肉厚の舌はそのまま火照った首筋を舐め上げ、唾液の糸が顎を伝って溢れた。

「シャル、俺のこと、好きか? いっぱい、好きか?」
「ふ……っ好き、だ、いっぱい好きだぞ……? ん、あ……あっ……」
「ふふん、ふふふん。シャル、じゃあ、な? 俺に、してくれよう……?」
「ん、ん……っ?」

 くぅん、と鼻を鳴らす。

 爪の先でキツく潰された乳頭の僅かな痛みと、じんわりと広がる快感に、背筋が丸くしなった。

 浅い箇所をかき回し、中のしこりを狙って引っ掛け、煽ってくる。

 言っていることは甘えたなオネダリなのに、やっていることが意地悪だ。

「そしたら、もっとがんばる。いっぱい、うぅ~……こくはく、おれにして……? いいだろぅ、だいすきだもん……」
「ひぅ、あ……っ」

 互いの体の間でドク、と質量を増した肉茎の先端から、蜜が零れる。

 汗や淫液でグチャグチャとぬかるんだ腹筋を更に濡らし、筋肉の凹凸をなぞった。

 もう少し強く肉穴の奥を突いてくれればイけるのに、それをしてくれない。



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