世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃

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ドイツ第三帝国 1940年 初春 西方電撃戦1

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乾いた空気が木々をすり抜け、心地よい自然音を奏でる。

何も無い様を装わせる自然とは裏腹に、人間の思惑、いや執念かもしれない行動は、人工音を響かせた。

「我々の要求は無下にされた。ならば武力行使以外の手段は存在しない!!我々ドイツ第三帝国はベネルクス同盟に宣戦を布告する!!1週間以内にブルリュッセル、アムステルダム、ルクセンブルクには我らの国旗が翻っていることだろう!!」

こうして始まった新戦線。ベネルクス同盟は直ちに英仏連合に加盟し、共同戦線の構築を始めた。

ただ連合の予想外となったことは、ドイツ第三帝国が取った作戦であった。

国境線での防衛を計画していた防衛ラインは、土嚢と塹壕、鉄格子を主体とし旧式な防衛線であった。そこに現れたのは装甲を持った、近代戦車で構成されたa軍団である。

鉄格子を踏み潰し、砲撃は土嚢を粉砕し、機関銃か置かれた塹壕に歩兵が侵入するまでの盾の役割を果たす。

冬季の期間に新たに考案された、戦車の新装備‘ガード’は車体両翼に設置され、戦車が守ることの出来る歩兵の数を従来の3倍程度増加させた。

近接航空支援機及び爆撃機は前線の支援ではなく、前線後方補給線の破壊、大型港湾施設の破壊を敢行した。また、戦闘機に護衛された輸送機から1000名を超える人員が空挺降下を行い戦闘は、前線以外でも巻き起こった。

この一連の作戦が後世で西方電撃戦として、語られることになる。そして、ベネルクス地域は早々にドイツ側の有利な形となった。

1週間後、ヒトラーの主張通りベネルクス地域はドイツ第三帝国の支配下となった。海上への撤退が出来なくなった多くの兵士はフランス国内へと撤退を開始したが、その過程で半数近くがドイツによる追撃等により、死亡又は捕虜となった。

このまま進むと思われたロンメルプランはフランス国境、カレー地域で侵攻が停止する。航空機及び戦車の一部が被害を受け、停止したa軍団に立ち塞がったのは、マジノ線を彷彿とさせるコンクリート防衛線であった。

「マジノ線がイギリス海峡にまで伸びているとはな…」

天幕の中で先程撮られた空撮映像を見ながらロンメルは唸った。

要塞戦がエルザス・ロートリンゲンからイギリス海峡にまで続いているのだ。初めからベネルクス地域は捨て駒とするかのような、防衛線である。良くもまぁその作戦を持ってしても、ベネルクス地域と連携を図れたものだと思う。

非難する気は無い。当たり前だ。我々もフランスいや、背後に見える大国の立場であれば、似たり寄ったりの作戦を立てるだろう。ただ少なくともこの民主主義・自由をうたう手前、しがらみを残しそうではあるなとは思う。私の知ったことではないが…。

この延長されたマジノ線は、a軍団の足止めには十分であった。無理矢理の突破は相応の被害を想定しなければならない。しかし、現在の状況で、それが許容できるほどの装甲部隊は存在していない。

要塞線の穴を探すために、無謀な突撃を敢行するのは歩兵を消耗するに過ぎない。しかし、ここで長期にわたって睨み合いを続けるのは愚策である。イギリス本土から近く、航空機によって装甲部隊に被害が出る可能性もはらんでいる。

装甲部隊a軍団の軍団長を務めるロンメルは装甲部隊の撤退を指示。歩兵及び野砲による防衛を行う決断を行った。

そしてa軍団がドイツ本国内に入った頃、英仏機甲師団によるベネルクス反撃が開始された。
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