神様のミスで死んだので、神獣もふもふと異世界インターネットで快適スローライフ始めます ~最強生活チートと1000万ポイントでポチりまくり!~

幸せのオムライス

文字の大きさ
85 / 132
第二章 ヤマネコ商会、爆誕!:新たな拠点探し

第85話 冒険者の宿で衝撃の事実。魔族って普通にいるんですか!?

しおりを挟む
「あ、あの……すみません」

 私は、思わず、おそるおそる女将さんに聞き返していた。

「今、『魔族』って……言いました?」

 私の質問に、女将さんは、きょとん、とした顔で私を見る。

「ああ、言ったが、それがどうしたんだい?」

「え、いや、その……魔族って、人間と敵対しているとか、そういうのじゃ……ないんですか?」

 私の問いに、今度は女将さんの方が、眉をひそめて怪訝な顔をした。

「敵対? はて、なんの話だい。二百年ほど前に、南の大陸でちょいと大きな戦争があったとは聞くがね。今じゃ、普通に商人や傭兵として、この街にもたまにやって来るじゃないか。まあ、見た目が怖いからって、泊めるのを嫌がる宿が多いのは確かだがね」

(にひゃくねんまえ!? 普通に交易してる!?)

 私の脳内は、大混乱だ。
 ゲームや小説で刷り込まれた、「魔王に率いられ、人類の存亡をかけて戦う邪悪な種族=魔族」という、あの鉄板の常識が、ガラガラと音を立てて崩れていく。
 この世界では、魔族は「ちょっと見た目が怖くて、昔ちょっと戦争したこともある、外国の人」くらいの認識なのかもしれない。

(うわー……マジか。異世界って、そういうところは全然ゆるくないんだ……じゃなくて、逆にゆるいのか!? どっちだ!?)

 そして、女将さんの言葉の裏にある、もう一つの事実。

 泊めるのを嫌がる宿が多い。

 それはつまり、獣人さんや魔族さんが、この人間社会で、必ずしも歓迎されているわけではない、ということだ。
 ギルドに色々な種族の人が集まっていたのは、実力さえあれば種族を問わないあそこが、彼らにとって数少ない「居場所」になっているからなのかもしれない。

(……この人、見た目以上に、ずっと格好いい人だ)

 目の前の、肝っ玉母さんみたいな女将さん。
 彼女の「泊めてやるさ」という言葉は、ただの商売文句じゃない。この街の、もしかしたらこの国の、歪んだ常識に対する、彼女なりの矜持(プライド)なのかもしれない。

 私の、女将さんに対する評価が、ぐんと上がる。
 でも、それと同時に、この宿の「リスク」も、はっきりと見えてしまった。
 色々な種族を受け入れるということは、それだけ、種族間のトラブルが起こる可能性もあるということだ。

 まさに、人種のるつぼ。活気があるといえば聞こえはいいが、一歩間違えれば、いつ噴火してもおかしくない火山のような場所。

『クゥン……』

 私の足元で、コロが不安そうな、甘えた声を出す。
 私が真剣な顔で黙り込んでしまったのを、心配してくれているらしい。
 その声に、女将さんは一瞬だけ表情を緩めたが、すぐに腕を組んで唸った。

「……まあ、静かにしていられるってんなら、考えなくもないがね。ただし、もし他の客から苦情が来たら、あんたたちまとめて叩き出すからね! それでもいいんなら、泊めてやってもいいよ」

(うーん、『条件付き』か。それに、この女将さんの気風の良さは魅力的だけど、やっぱり安定した拠点を求める身としては、そのリスクは看過できないわね。よし、情報は得られた。ここはプランBとしても、優先度は低いな)

 本格的な交渉に入る前に、お礼を言ってその場を離れることにする。深入りは無用だ。

「教えてくださって、ありがとうございます! 少し、考えさせてください!」

「おや、泊まっていかないのかい? まあいいさ。気が変わったらまた来な!」

 女将さんは、豪快に笑って店の中へと戻っていった。
 うん、人柄は悪くない。むしろ、好きだ。でも、やはり私の求める「静かで安全な拠点」とは少し違う。
 私は、女将さんにもう一度心の中でお礼を言うと、最後の、そして本命の候補である『木漏れ日の宿』を目指して、再び歩き始めた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) 【毎日18:00更新】 ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。 ※表紙画像はAIを使用しています

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

従魔と異世界スローライフのはずが、魔王と噂されていく日々

ソラリアル
ファンタジー
漫画やアニメでは、なぜか悪役として恐れられるドラゴンや魔獣たち。 だけど俺にとって彼らは、誰よりも癒やしをくれる愛おしい存在だった。 ――もっと、彼らが愛される物語が見たい。 そんな願いを抱いたまま命を落とした俺は、 女神アイリスに拾われ、異世界へと転生した。 そこで授かったのは、【無限の魔力】と、 見捨てられた命を救う力【救いの手〈Angelic Hand〉】。 目覚めた先で出会った従魔(かぞく)たちは、頼もしくて、可愛くて。 拠点を直し、畑を耕し、皆でごはんを食べて笑い合う。 ――俺が望んだ、理想の穏やかな日々が始まった。 ……はずだった。 それなのに―― 「あの森に、恐ろしい魔王が降臨したらしい」 「伝説の魔獣たちを力で従えているそうだ」 「裏で国王を操り、世界を支配しようとしているのでは?」 そんな噂が立ち始めた。 「いや、ただのんびり暮らしたいだけなんですけど!?」 それなりに強い力を持ちながら、ただのんびりしたいだけのヨシヒロが、 個性豊かな従魔たちと共に送る、 救っては誤解され、噂だけが膨らんでいく―― 勘違いだらけの、終わらない異世界救済スローライフ。 ※本作は旧題 『魔王と噂されていますが、ただ好きなものに囲まれて生活しているだけです』 の設定を整理し、加筆修正を行った改稿版です。 ※物語の大きな流れに変更はありません。 今後はこちらで更新を続けていきます。よろしくお願いいたします。

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

小さな小さな花うさぎさん達に誘われて、異世界で今度こそ楽しく生きます!もふもふも来た!

ひより のどか
ファンタジー
気がついたら何かに追いかけられていた。必死に逃げる私を助けてくれたのは、お花?違う⋯小さな小さなうさぎさんたち? 突然森の中に放り出された女の子が、かわいいうさぎさん達や、妖精さんたちに助けられて成長していくお話。どんな出会いが待っているのか⋯? ☆。.:*・゜☆。.:*・゜ 『転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました。もふもふとも家族になります!』の、のどかです。初めて全く違うお話を書いてみることにしました。もう一作、『転生初日に~』の、おばあちゃんこと、凛さん(人間バージョン)を主役にしたお話『転生したおばあちゃん。同じ世界にいる孫のため、若返って冒険者になります!』も始めました。 よろしければ、そちらもよろしくお願いいたします。 *8/11より、なろう様、カクヨム様、ノベルアップ、ツギクルさんでも投稿始めました。アルファポリスさんが先行です。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

処理中です...