ネガポジコンプレックス

むすめっすめ

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「だーかーらっ!皆お前に魅力があるから周りにいるんだろーがっ!」

兄、四宮陽太はブサイク

「でも!それって本当の僕じゃないし!やっぱみんなこんな僕みたら引いちゃうよねぇ~
!?」

で弟、四宮日向はイケメン

「やっぱり受け入れてくれるのは兄さんしかいないよぉー!!」

弟は涙目になりながら俺に抱きついてくる。

「いや、泣きたいの俺だから!!」


弟はドのつくブラコンネガティブ野郎だ。


ーーーーーー




...そうなったのは俺が中学三年生、日向は1年生だった頃

俺の弟は“完璧“そんな言葉が似合うやつだった。
まったく俺とは違い、アイツがいると場が和むしスゲーくらいに思ってた。

けどたまにアイツが家に帰ってくると、自室に籠って出てこなくなることがあって、泣き声のようなものもするし、あんな弟の事だから両親も勿論心配するに決まってて、
両親曰くここは兄貴の出番らしいので、人肌脱いでやろうとか思った昔の俺をぶん殴ってやりたい。

弟の部屋に強行突破した俺が悪かった。あの時ノックでもしていれば良かったのかもしれない。 

弟は自室で


自分の腕を切ってた。


...状況を理解するのに数秒かかった。

弟は驚いた様子で俺を見つめてる、
片手には血の着いたカッター、
...もう片方の手首は血だらけ。

俺は決して落ち着いてる訳じゃない、ただ信じられなくて固まってるだけ。

頭の回転が速い弟の事だ、俺が状況を理解するために固まってる間にも、近くにあったスクールバックから何かを探してる。

何を考えてるのか、弟は自身の学校のテスト用紙を傷口に当てはじめた
...止血しようとしてるのか?
さすがの弟でも焦りすぎでは?いや俺もこの状況に焦ってないわけじゃないが、

あーあ、せっかくの100点のテストが...
赤ペンで綺麗に100と書かれているのが、血が滲んで0点にみえる。

...じゃなくて...

俺は弟の傍にゆっくりと近づいた

「にっ、にいさん...?」

「あのなぁ、日向、テスト用紙は止血するためのものじゃない。」

こんなセリフ、人生で言うと思ってなかった。
俺は日向からカッターを取り上げ刃をしまう

「...この部屋、救急箱とかあったっけ?...そういや、お前の部屋なんもないんだったな...」

「だっ、だいじょぶ!...ほっとけばなおるから...」

...なんだよ、それ
なんかもう俺は色々と冷めていた。
今のコイツの発言にも、コイツが100点のテスト用紙で傷を止血しようとした時にはもう冷めていた。
怒りとか、驚きとか、色んな感情が一気に出てきて、けどもう冷めた、冷めたとしか言えない。いや、収まったっていうのか?

けどそんなこと、どうでも良くて、

俺は弟の傷だらけの手首に、傷口に触れないよう、そっと触れた。

弟は俺の反応に怖がってるのか、怯えながら目をつぶっている。
その弟の様子からも、この自傷行為の事実からも、俺が思い浮かぶ感情は一つ。

...何もせず、ただ自身の傷口に触れず、見つめているだけの兄に弟は何も言え無かった。唯一言えるのは、


「ごっ...ごめ...」

謝罪
なのに、

「あぁ...」

「痛かった...よなぁ...」


そう言う兄は薄ら涙を浮かべ、悲痛な表情をしていた。

俺は、なぜだか自傷行為をしている弟に対しての怒りでもなく、ただ悲しくなった。

そしたら弟が急に泣き出して、

弟がバカでかい声で泣くので、親にも自傷行為の事実がバレて、なんかもう家族はすごいことになった。
その後、弟は精神科やカウンセラーに連れてかれたみたいだが...

「兄がいるから大丈夫です。」

としか言わなかったらしい...怖い。

そこからだ、弟、日向がおかしくなったのは

日向は高校に上がってからよく笑うようになった。

...が、

そのかわり俺の前ではネガティブオーラを隠さなくなった。

「兄さぁん...」

今も距離感がバクりながら俺の腕に縋りついている、自分のことを傷つける事は無くなったものの、俺がいないとコイツ死ぬんじゃね?...と度々思う。
事実、日向のおかげで幸せな周りの裏には俺がいる。

あぁ...ほんと...


大っ嫌いだ。


俺は自身の腕に巻きついてくる弟をひっぺがす、

別に昔から嫌いだったわけじゃない、俺に執着してくるようになってからだ。
例えば、好きだった子を取られたり...なぜか俺の周りの数少ない友達が居なくなったり...俺へのスキンシップが増えたり...

俺がしていた世界の線引き...
陽と陰の線引きを易々と超えてきやがるんだ。俺みたいなブスでも生きられる世界だったのに、弟により尽く壊された。

弟を問い詰めても、

「僕と兄さんだけでいいよ、」

「...ふざけんな」

...と、最初は弟が明るくなって周りも幸せになるならと思っていたが...俺の世界をぶち壊して来た時から我慢ならなかった。
俺の不幸で陽の世界が成り立ってんなら...

ぶち壊してやる...!!!

今に見てろよ日向...

もうそろそろだ...!
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