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まよなかのでんわ
まよなかのでんわ
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真夜中に電話がかかってきた。
スマホではなく家の電話にだ。
電話が鳴っているのに夫は起きない。
仕方なく女が電話に出る。
こんな時間の電話だ。誰か親戚に不幸でもあったのかもしれないと。
女が電話に出ると、機会音声のような声で、ガ、ナ、ル、ノ、デ、オ、ク、リ、マ、ス、と一言ずつ言葉が発せられていた。
女がいたずらか、と思っていると、もう一度同じ言葉が繰り返される。今度は最初から聞くことができた。
ナ、シ、ガ、ナ、ル、ノ、デ、オ、ク、リ、マ、ス。
女にはそう聞こえた。
梨が生るので送ります? 女はそんなことを考える。
そして、電話口に向かって、悪戯なら迷惑なのでやめてください、とそう言って電話を切る。
ついでに着信拒否しようとして、電話番号を見るが、電話のディスプレイには不明と表示されていた。
女は朝、夫が起きた時に、そのことを話す。
そうすると朝食を食べていた夫が、青い顔をして箸を落とした。
そして、妻に言うのだ。
すぐに引っ越す、ナシが届く前に、引っ越すぞ、と。
それだけではなく、しばらくお届け物だけは絶対に受け取るな、と夫は顔を真っ青にしてそう言った。
女には理由がわからないが、夫が本気なのはわかる。
夫はその時は理由は言わなかったが会社に出ていった。
絶対に届け物は受け取るな、居留守を使え、と、女に何度も念を押して、出ていったのだ。
その日、確かに何か届き物が送られてくる。
女は言われた通りに、居留守を使って荷物を受け取らなかった。
宅配便の人には悪いと思ったが、宅配便ではなく郵便局の制服を着た人が歩きで持って来ていた。
女もそれを見て、どこかおかしい、そう思って居留守を使った。
しかも、不在届け票もない。
夜になり夫が帰ってくる。
その事も話す。
そして、女が荷物を受け取らなかったことに一安心する。
夫の田舎には、女には信じられない噂があるのだという。
それは、その土地の誰かが死ぬと、その死んだ者の頭部が届けられるという物で、届けられる前に真夜中に電話でお知らせが来るのだという。
しかも、届けられた顔は笑顔で、次はおまえだ、と言い残して消えるのだ。
ただ、頭部を受け取ったからと言ってすぐに死ぬわけじゃない。
夫の叔父もそれを受け取りはしたが今も生きている。
夫は女にそう話だ。
だが、次の瞬間、家の電話が鳴る。
夫が恐る恐る電話を取る。
女も夫を見守る。
夫の顔は真っ青だが、それでも受け答えはしている。
昨夜の様な電話ではなく、普通の電話のようだ。
しばらくして、夫が電話を切り、妻に言った。
叔父さんが昨日の晩になくなっていたそうだ、と。
女は、夫の話していた意味を理解する。
お届け物を受け取らなくてよかった、と、本気でそう思った。
夫の話では引っ越さない限り、毎日、届け物としてやって来るという話だ。
女は早く引っ越そうと、そう夫に提案し、夫も力強く頷いた。
そうやって女はなんとか難から逃げることができた。
スマホではなく家の電話にだ。
電話が鳴っているのに夫は起きない。
仕方なく女が電話に出る。
こんな時間の電話だ。誰か親戚に不幸でもあったのかもしれないと。
女が電話に出ると、機会音声のような声で、ガ、ナ、ル、ノ、デ、オ、ク、リ、マ、ス、と一言ずつ言葉が発せられていた。
女がいたずらか、と思っていると、もう一度同じ言葉が繰り返される。今度は最初から聞くことができた。
ナ、シ、ガ、ナ、ル、ノ、デ、オ、ク、リ、マ、ス。
女にはそう聞こえた。
梨が生るので送ります? 女はそんなことを考える。
そして、電話口に向かって、悪戯なら迷惑なのでやめてください、とそう言って電話を切る。
ついでに着信拒否しようとして、電話番号を見るが、電話のディスプレイには不明と表示されていた。
女は朝、夫が起きた時に、そのことを話す。
そうすると朝食を食べていた夫が、青い顔をして箸を落とした。
そして、妻に言うのだ。
すぐに引っ越す、ナシが届く前に、引っ越すぞ、と。
それだけではなく、しばらくお届け物だけは絶対に受け取るな、と夫は顔を真っ青にしてそう言った。
女には理由がわからないが、夫が本気なのはわかる。
夫はその時は理由は言わなかったが会社に出ていった。
絶対に届け物は受け取るな、居留守を使え、と、女に何度も念を押して、出ていったのだ。
その日、確かに何か届き物が送られてくる。
女は言われた通りに、居留守を使って荷物を受け取らなかった。
宅配便の人には悪いと思ったが、宅配便ではなく郵便局の制服を着た人が歩きで持って来ていた。
女もそれを見て、どこかおかしい、そう思って居留守を使った。
しかも、不在届け票もない。
夜になり夫が帰ってくる。
その事も話す。
そして、女が荷物を受け取らなかったことに一安心する。
夫の田舎には、女には信じられない噂があるのだという。
それは、その土地の誰かが死ぬと、その死んだ者の頭部が届けられるという物で、届けられる前に真夜中に電話でお知らせが来るのだという。
しかも、届けられた顔は笑顔で、次はおまえだ、と言い残して消えるのだ。
ただ、頭部を受け取ったからと言ってすぐに死ぬわけじゃない。
夫の叔父もそれを受け取りはしたが今も生きている。
夫は女にそう話だ。
だが、次の瞬間、家の電話が鳴る。
夫が恐る恐る電話を取る。
女も夫を見守る。
夫の顔は真っ青だが、それでも受け答えはしている。
昨夜の様な電話ではなく、普通の電話のようだ。
しばらくして、夫が電話を切り、妻に言った。
叔父さんが昨日の晩になくなっていたそうだ、と。
女は、夫の話していた意味を理解する。
お届け物を受け取らなくてよかった、と、本気でそう思った。
夫の話では引っ越さない限り、毎日、届け物としてやって来るという話だ。
女は早く引っ越そうと、そう夫に提案し、夫も力強く頷いた。
そうやって女はなんとか難から逃げることができた。
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