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りんじん
りんじん
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女はアパートに住んでいた。
かなり古いアパートだが特に不満はない。
しいて言えば、隣人が少し不気味なくらいだ。
隣人も悪い人間というわけではない。
ただ不気味なのだ。
どう不気味なのか。
ひきこもり、というわけではないが、女は隣人の男が部屋から出てたところ見たところがない。
もう数年前になる話だが、引っ越してきたときに、あいさつに一度、隣の部屋のチャイムを鳴らしたことがある。
扉を開け、その隣人は顔だけを出す。
少し年老いた中年で、やせ細った顔の男だった。
神経質そうにも見える。
女があいさつすると、愛想笑いだけして扉の中へ帰って行った。
それ以来何度か、隣人が扉を開けているところは見るが、顔しか見たことがない。
あと、外に出ている様子も観たことはない。
逆に隣の部屋には荷物などは頻繁に届く。
そう考えるとお金のあるひきこもりなのだろうが、色々とおかしいことがあるのだ。
このアパートは古いせいか壁が薄い。
隣の部屋の生活音が割と丸聞こえだったりする。
だが、不気味な男が住む部屋から生活音を聞いたことがない。
足音一つしないし、テレビや音楽の音が聞こえてくることもない。
食器を洗うような音も、何ならトイレを流す音すら聞いたことはない。
逆にその男と反対側の隣人の生活音は嫌というほど聞こえて来るのだが。
後、このアパートには回覧板がある。
アパートに関することが回覧板で回ってくるのだ。
今時珍しいと、そう女もそう思いつつ、女は隣人に回覧板を渡しに行く。
だが、隣人の男は顔は出すが回覧板を受け取らない。
男が言うには、腕に酷い傷があり、人に見せたくない、という話だ。
だから、回覧板はドアの前に置いておいて欲しい、ということだ。
女はそれに従う。
チャイムを押して挨拶をして、回覧板をドアの下に置いておく。
隣人の男はドアから顔だけ出して、すまないね、いつも悪いね、と女に声をかける。
悪い人ではないと、女は思うがやはり不気味だ。
なぜなら、女がこっそりと、回覧板を置いた後を覗いていると、回覧板を口ではさんで回収しているところを見てしまったからだ。
しかも、その時、隣人の男は異様に首が長く見えたのだ。
女はその光景を見てゾクゾクとしたものを感じた。
以後、盗み見するようなことは女もやめた。
隣人に興味があるわけでもないし、出来れば関わり合いになりたくはない。
それにもうすぐ大学を卒業して、このアパートもお別れなのだ。
わざわざ波風立てることもない。
そして、女は大学を卒業し、このアパートを後にする。
それから更に三年がたった。
風の噂であのアパートが火事になったというのを聞いた。
それと同時におかしな話を聞く。
そのアパートの住人が一人がその火事で死んだのだが、なぜか首と体が離れた位置にあったそうだ。
しかも、体の部分には腐敗したような痕跡があったのだと。
女はなんとなくあの隣人なのだろうと、思い、本当に関わらなくてよかった、そう思ったそうだ。
かなり古いアパートだが特に不満はない。
しいて言えば、隣人が少し不気味なくらいだ。
隣人も悪い人間というわけではない。
ただ不気味なのだ。
どう不気味なのか。
ひきこもり、というわけではないが、女は隣人の男が部屋から出てたところ見たところがない。
もう数年前になる話だが、引っ越してきたときに、あいさつに一度、隣の部屋のチャイムを鳴らしたことがある。
扉を開け、その隣人は顔だけを出す。
少し年老いた中年で、やせ細った顔の男だった。
神経質そうにも見える。
女があいさつすると、愛想笑いだけして扉の中へ帰って行った。
それ以来何度か、隣人が扉を開けているところは見るが、顔しか見たことがない。
あと、外に出ている様子も観たことはない。
逆に隣の部屋には荷物などは頻繁に届く。
そう考えるとお金のあるひきこもりなのだろうが、色々とおかしいことがあるのだ。
このアパートは古いせいか壁が薄い。
隣の部屋の生活音が割と丸聞こえだったりする。
だが、不気味な男が住む部屋から生活音を聞いたことがない。
足音一つしないし、テレビや音楽の音が聞こえてくることもない。
食器を洗うような音も、何ならトイレを流す音すら聞いたことはない。
逆にその男と反対側の隣人の生活音は嫌というほど聞こえて来るのだが。
後、このアパートには回覧板がある。
アパートに関することが回覧板で回ってくるのだ。
今時珍しいと、そう女もそう思いつつ、女は隣人に回覧板を渡しに行く。
だが、隣人の男は顔は出すが回覧板を受け取らない。
男が言うには、腕に酷い傷があり、人に見せたくない、という話だ。
だから、回覧板はドアの前に置いておいて欲しい、ということだ。
女はそれに従う。
チャイムを押して挨拶をして、回覧板をドアの下に置いておく。
隣人の男はドアから顔だけ出して、すまないね、いつも悪いね、と女に声をかける。
悪い人ではないと、女は思うがやはり不気味だ。
なぜなら、女がこっそりと、回覧板を置いた後を覗いていると、回覧板を口ではさんで回収しているところを見てしまったからだ。
しかも、その時、隣人の男は異様に首が長く見えたのだ。
女はその光景を見てゾクゾクとしたものを感じた。
以後、盗み見するようなことは女もやめた。
隣人に興味があるわけでもないし、出来れば関わり合いになりたくはない。
それにもうすぐ大学を卒業して、このアパートもお別れなのだ。
わざわざ波風立てることもない。
そして、女は大学を卒業し、このアパートを後にする。
それから更に三年がたった。
風の噂であのアパートが火事になったというのを聞いた。
それと同時におかしな話を聞く。
そのアパートの住人が一人がその火事で死んだのだが、なぜか首と体が離れた位置にあったそうだ。
しかも、体の部分には腐敗したような痕跡があったのだと。
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