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激塩な兄妹と名前を知った愚か者
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「だっ旦那様!大変です!旦那さまぁぁぁ!!」
転がるように屋敷に駆け込んでくる使用人にドレイン伯爵家の当主テリーは何事かと至って冷静。
その隣には婚約者でもうすぐこの家に嫁いでくるご令嬢がいます。
「お、お嬢様が…暴漢に!暴漢に襲われっ…ングッ…」
走ってきて呼吸の荒い使用人は声を絞り出し、窮状を伝えます。
あ~でも、この兄妹、激塩だからねぇ・・。放っとけとか言うんじゃね?
だって、先程までテリーに渡してと言われた封筒をローゼが届けに来てた時も要件済んだらさっさと別れる兄と妹なんだよ?ほんと、使用人の方が情が厚いってどういう事よ??
巻き戻してみる??数秒(数行)で終わるよ?
ジーコジーコ‥‥巻き戻し中‥‥
「お兄様、久方ぶりでございます」
「うむ。本日はどうされた」
「母よりこの封筒をお兄様に渡すようにと言付かりました」
封筒を開けて書類を見るテリー君、いえドレイン伯爵。少し表情が曇りましたね。
「貴女はこれで良いのか?」
「えぇ。わたくしは母の決めた事に異論も反論もございません」
「しかし、これでは貴女には何もないではないか?本当に良いのか」
「構いません。早くに所有権を放棄したほうが、お兄様、そしてお義姉さま、今後生まれてくる御子にも煩わしさは残りませんでしょう?」
「判った。母上に感謝すると伝えてくれ」
「承知いたしました」
「あの‥‥今夜はこちらに泊って…」
「いいえ。お義姉さま、実はもう御厄介になっているお方がおられますので」
「まぁ、それは‥‥ご結婚を考えられているの?」
「まだ判りませんわ。先の事ですもの」
「そう……王都に来たらいつでも寄って頂戴。沢山お話したいわ」
「もういいだろう。セノ。何時までも引き留めるんじゃない」
「で、ですがテリー様…」
っとすんなりカーテシーをして引き上げるローゼ。ここまで所用時間6分!
前回の対面からはちょっとだけ長いですが、本当につれない兄妹だなっ!!
スクロール必要ない程度の行数で終わっちゃったじゃないか!!書き甲斐のない兄妹だよ!
ちなみに暴漢が乱入するまでの使用人との別れの時間が15分超えってどういう事?
ねぇねぇ!誰か教えてよ!この塩兄妹の態度!いいの?これでいいの!?
☆~☆~☆~☆
「やっと会えた!あぁ‥‥神よ!!感謝します!」
ぺちっ!
肩に置かれた手をペチリと叩くローゼ。
思わず掴んだ手をライドが離すと、デザモンドが背後からライドに殴りかかろうとします。しかし!
「デザモン!!」
ローゼの声にピタリと動きを止めています。
ライドはローゼの前に膝をつき、ローゼを見上げます。
(チッ!アーシモトピッカの灯りを下から当てたいわ!)
「何の御用でしょう。乱暴な」
「君の…君の名を呼ぶ権利を僕に与えて欲しい」
パタパタとドレスのポケットからハンカチを取り出すと掴まれた肩をフキフキ。
噴き終わると汚いものを摘まむように指先でハンカチを摘まんで「核廃棄物同等の処分をして頂戴」と使用人に渡します。
ライドを見据えると、ジィィィっと細くした目で見ていますね。
「わたくしの名前?あらおかしいですわね。ご存じないのかしら?」
「そ、その‥‥あの時は聞ける状況ではなくて…探してたんだ!君を!」
「まぁ…わたくしを探していたと?不思議ですわね…だってわたくし…」
キっとライドを睨みつけると
「マーベル侯爵家子息、クイレスズライドル様、忘れておりませんわ。かの日…貴方はわたくしにこう言われましたわ
【俺は迷惑してるんだ。絶対に婚約破棄してやるからな!】
っと。流石殿方です。有言実行。本当の内容は別としてわたくしたちの婚約は貴方様のご希望通りに解消されましたのに今更名前を呼ぶ権利??
片腹痛いわ!犬の糞を踏みつけたヒールのトップリフト!鼻の穴にねじ込んで喜ばせて差し上げましょうかっ!!」
衝撃の自分だけが忘れている事実に思わず目が見開くライド。
目の前で腕を組んで、斜め45度。鼻息の荒いローゼ!とどめを刺すまでカウントダウン開始!!
転がるように屋敷に駆け込んでくる使用人にドレイン伯爵家の当主テリーは何事かと至って冷静。
その隣には婚約者でもうすぐこの家に嫁いでくるご令嬢がいます。
「お、お嬢様が…暴漢に!暴漢に襲われっ…ングッ…」
走ってきて呼吸の荒い使用人は声を絞り出し、窮状を伝えます。
あ~でも、この兄妹、激塩だからねぇ・・。放っとけとか言うんじゃね?
だって、先程までテリーに渡してと言われた封筒をローゼが届けに来てた時も要件済んだらさっさと別れる兄と妹なんだよ?ほんと、使用人の方が情が厚いってどういう事よ??
巻き戻してみる??数秒(数行)で終わるよ?
ジーコジーコ‥‥巻き戻し中‥‥
「お兄様、久方ぶりでございます」
「うむ。本日はどうされた」
「母よりこの封筒をお兄様に渡すようにと言付かりました」
封筒を開けて書類を見るテリー君、いえドレイン伯爵。少し表情が曇りましたね。
「貴女はこれで良いのか?」
「えぇ。わたくしは母の決めた事に異論も反論もございません」
「しかし、これでは貴女には何もないではないか?本当に良いのか」
「構いません。早くに所有権を放棄したほうが、お兄様、そしてお義姉さま、今後生まれてくる御子にも煩わしさは残りませんでしょう?」
「判った。母上に感謝すると伝えてくれ」
「承知いたしました」
「あの‥‥今夜はこちらに泊って…」
「いいえ。お義姉さま、実はもう御厄介になっているお方がおられますので」
「まぁ、それは‥‥ご結婚を考えられているの?」
「まだ判りませんわ。先の事ですもの」
「そう……王都に来たらいつでも寄って頂戴。沢山お話したいわ」
「もういいだろう。セノ。何時までも引き留めるんじゃない」
「で、ですがテリー様…」
っとすんなりカーテシーをして引き上げるローゼ。ここまで所用時間6分!
前回の対面からはちょっとだけ長いですが、本当につれない兄妹だなっ!!
スクロール必要ない程度の行数で終わっちゃったじゃないか!!書き甲斐のない兄妹だよ!
ちなみに暴漢が乱入するまでの使用人との別れの時間が15分超えってどういう事?
ねぇねぇ!誰か教えてよ!この塩兄妹の態度!いいの?これでいいの!?
☆~☆~☆~☆
「やっと会えた!あぁ‥‥神よ!!感謝します!」
ぺちっ!
肩に置かれた手をペチリと叩くローゼ。
思わず掴んだ手をライドが離すと、デザモンドが背後からライドに殴りかかろうとします。しかし!
「デザモン!!」
ローゼの声にピタリと動きを止めています。
ライドはローゼの前に膝をつき、ローゼを見上げます。
(チッ!アーシモトピッカの灯りを下から当てたいわ!)
「何の御用でしょう。乱暴な」
「君の…君の名を呼ぶ権利を僕に与えて欲しい」
パタパタとドレスのポケットからハンカチを取り出すと掴まれた肩をフキフキ。
噴き終わると汚いものを摘まむように指先でハンカチを摘まんで「核廃棄物同等の処分をして頂戴」と使用人に渡します。
ライドを見据えると、ジィィィっと細くした目で見ていますね。
「わたくしの名前?あらおかしいですわね。ご存じないのかしら?」
「そ、その‥‥あの時は聞ける状況ではなくて…探してたんだ!君を!」
「まぁ…わたくしを探していたと?不思議ですわね…だってわたくし…」
キっとライドを睨みつけると
「マーベル侯爵家子息、クイレスズライドル様、忘れておりませんわ。かの日…貴方はわたくしにこう言われましたわ
【俺は迷惑してるんだ。絶対に婚約破棄してやるからな!】
っと。流石殿方です。有言実行。本当の内容は別としてわたくしたちの婚約は貴方様のご希望通りに解消されましたのに今更名前を呼ぶ権利??
片腹痛いわ!犬の糞を踏みつけたヒールのトップリフト!鼻の穴にねじ込んで喜ばせて差し上げましょうかっ!!」
衝撃の自分だけが忘れている事実に思わず目が見開くライド。
目の前で腕を組んで、斜め45度。鼻息の荒いローゼ!とどめを刺すまでカウントダウン開始!!
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