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粘着男の勝利宣言
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あれから7年の月日は流れて、王太子殿下は隣国の王女と婚姻をし昨年王位を継ぎました。
王女様と言っても辺境の地で育ったようでかなり屈強な王女様。
殿下よりも背も高く、男装をすれば王女の方が男性に見えるほど肩幅も広いという・・・。
噂では、王女が下、殿下が上という【至って通常】っぽく見える閨のようですが、殿下の方が啼かされているようです。上には上がいたのですね。殿下、ご愁傷様です。
ライドは側近をしておりますが、未だに独身。お見合いを打診しても女性側からお断りをされているようです。
噂では娼館の女性に入れ上げているとか…殿下もそろそろ側近の一人を変えるのではと言われております。
ここチョイス領の伯爵様のお屋敷から徒歩30分の場所にこじんまりとした屋敷をもらったローゼ。
もう一人で麻袋片手に草原を滑り降りたり、木に登って飛び降りることはありませんが加護を使っての駄賃稼ぎは続けております。
「今日は判定が2件だけだそうだから昼には帰りますわ」
「承知いたしました。ご昼食はどうされますか」
「そうねぇ…わたくしは軽めでいいのだけど…」
「料理長が毎回挑んでおりますからね。今回は大丈夫でしょう」
「だといいのだけど」
執事と話をしていると、ばたばたと走ってくる足音がしますね。
ノックもなしに扉が開きます。誰でしょうか。
「母上!みてください!ダンゴムシです!」
黒い髪に、赤紫の瞳をした男の子がバケツにダンゴムシを捕まえたと得意顔になっております。
「ディオ。逃がしてあげなさい」
「いやだよ!折角捕まえたんだもの」
「あら、でも見て‥‥まぁ可哀想に」
「どうしたの?母上?」
「このダンゴムシが泣いているわ。お家に帰りたいよ~お兄ちゃんが待ってるの~って」
「嘘だ。聞こえないもん」
「おやおや、若様、わたしにも聞こえますよ。お母様に会いたいってこのダンゴムシ泣いております」
「えっ?本当?‥‥どうしよう」
「ディオ。捕まえたところに放してあげなさい。きっとお迎えが来ているわ」
「うん、わかった」
ダンゴムシを逃がしている男の子の後ろ姿を見ながらドランチの背に跨るローゼです。
「では、行ってきますわ」
「はい、お気をつけて」
「フフっ‥‥転んだみたい。あとはお願いね。ハイッ!(ぱしっ)」
ドランチを軽快に教会まで走らせます。
ドランチももうおばあちゃん馬になっているのでそんなにスピードは出ませんが軽快な走りです。
教会には判定を待つ2組の夫婦とその見届け人が来ていますね。
「では番号札1番の方、お入りください」
その言葉に男性が立ち上がり、見届け人と話をして顔をそむけた女性と入室してきます。
「離縁をされるための判定ですね」
「えぇ。わたくしがこの男だけだという事と、この男が浮気をしている証明が欲しいのです」
「フンっ‥俺が浮気だと?バカも休み休み言え」
「奥様は綺麗ですよ。旦那さん以外の方と閨を伴にされた事はございませんね。最後の日は2年前の霧の月1日むしろ旦那さんのほうは最近ですと2日前ですね。相手は娼婦をされているライキングスペーマさん。結構このかたとは長いですね。他には5か月前なので弦の月18日に純喫茶の給仕をしているマネラブソダァケ嬢」
「ま、待ってくれ…それ以上は…」
「では、日時とお相手のお名前…場所と回数、体位、可能限り囁いた言葉も書き出してお渡しいたしますわ」
ギャーギャ―と騒ぎながら出ていくもうすぐ他人の夫婦と見届け人。
2組目は息子が嫁にと連れてきたという女性を連れての息子の両親。
女性は純潔と伝えると両親は女性に平謝りして御帰宅です。
「神官様、今日はこれで終わりなんですよね?」
「そうだよ。どうだい?テラスでいい梅昆布茶が入ったんだ」
「ウフフ。でも昼食をディオと食べますの。また今度誘ってくださいまし」
「いい加減にサインをしてあげたらどうだい?」
「考えておきますわ。ではごきげんよう」
教会を出るとドランチのいる厩舎に向かいます。
相変わらずリュックです。ただし豹系は卒業しております。
おや?ドランチだけじゃなく黒くて大きな馬がいますね。もしや??
「ローゼ!!」
「なんですの?また来たのですか?仕事はどうされたのです」
「片づけて来たよ。休暇も1か月貰って来た」
「休暇をもらったのならお屋敷で休息を取られればよろしいのです」
「僕の心も体も癒せるのはここだけだよ」
「え?厩舎でございますか?今夜は雨ですよ?」
ドランチの手綱を取ろうとするとニコニコ笑いながらレイ君がローゼを手を取ります。
「視て!見て!みて!!タグは綺麗だろう??」
「えぇ、おひとり様もないようですわね。そろそろ奥様を娶られては?」
「考えてはいるんだけどね…返事をくれないんだ。子供も作ったのに」
「そうですか。それはお可哀想に」
「可哀想だと思うだろう?通い夫でも可なんだけどなぁ」
「嫌ですわ。レイは変な人ですもの(くすっ)あら…ドランチ…」
「ハハッほら、ドランチもファイヤーバードと余生を過ごしたいと思ってるよ」
☆~☆~☆~☆
「父上っ!」
「おぉ!ディオ!また重くなったなぁ」
「聞いて下さい!今日はダンゴムシを逃がしてあげたのです」
「逃がした?どうして折角捕まえたんだろう?」
「妹ダンゴムシが兄さまダンゴムシに会いたいというのです!父上!僕も妹が欲しいです」
「ディオ。却下です」
即答のローゼにシュンとなるディオ。ですが・・・
「大丈夫だ。すぐに妹が出来る。優しくできるよな?」
「はいっ!」
「いい子だ。すぐに妹を作ってやるからな。そのためには一人で寝る事をしないとダメだぞ」
「僕は1人で寝られるよ!絶対妹を連れて来てね!おやすみなさい!」
ディオが部屋に戻るとレイ君迫ります!年を重ねてイイ男になっております!!
「と、いう事だ。息子の願いを叶えるのは父の務めだ」
「わたくしは知りません。あの時だってキスだけだといったのに!」
「だから事実婚の条件を飲んだじゃないか。そろそろそれも時効だよね」
「なっ!それでは約束が違い…ングッ…」
おぉぉ~レイ君やるじゃないですか。唇を塞いでしまえばローゼも何も言えませんもんね。
「今日から1か月の間、結婚するっていうまで抱きつぶすよ」
「なっ何を…ウグッ…」
キスをするごとに寝台に近づいておりますよ!レイ君策士です!!
「結婚しよう?奥さんだってみんなにいいたい!」
「ダメで…んんっ…」
「プハッ…何を脱がせているんですの!」
「脱がないと出来ないでしょう?それともこのままがいい?」
「だめです!今日は女の子の…ウウッ…」
「お月様なの?確かめてみよう。本当なら諦めるけど、違ってたら朝までお仕置きするよ」
「うあっ!嘘です。ごめんなさい!」
「じゃぁ、大丈夫だね。5年ぶりだから止まらないかも。ごめんね」
「ニャゥゥゥゥ!!」
事実婚が普通に結婚になったのは3か月後です。レイ君…手加減しようよ♡
ドヴォルザー公爵家はルぺが婿養子を取りレイ君はチョイス領に移住。
毎日転移で王宮にご出勤です。
仲の良い?夫婦はその後‥‥なんと4男2女の子供に恵まれました。
レイ君のタグにはローゼの名前だけでラスベガスか!と思うほど輝き、
ローゼのタグにはレイ君の名前だけがボォォォっと点滅しておりましたよ。
ま、レイ君は一途ですが晩年には【可愛いな】って目移り…と言っても散歩中の犬や我が子の寝顔といった事にまでタグに書かれてるのがローゼには視えました。
後は…レイ君、寝台でちょっとだけ涙目になりながらも恥じ入るローゼが見せる顔も大好き。そんな気持ちまで「視えて」しまうタグ。
うっかりあんな事やこんな事を想像されるとなれば…。
「視える」のもほどほどに??
Fin
☆~☆~☆~☆
本編終了です。長い話にお付き合いくださりありがとうございました<(_ _)>
リクエストにお答えして、番外編として王太子殿下。
おまけで【ディオ】が出来てしまった話を投稿して完結ボタンを!と思います。
王女様と言っても辺境の地で育ったようでかなり屈強な王女様。
殿下よりも背も高く、男装をすれば王女の方が男性に見えるほど肩幅も広いという・・・。
噂では、王女が下、殿下が上という【至って通常】っぽく見える閨のようですが、殿下の方が啼かされているようです。上には上がいたのですね。殿下、ご愁傷様です。
ライドは側近をしておりますが、未だに独身。お見合いを打診しても女性側からお断りをされているようです。
噂では娼館の女性に入れ上げているとか…殿下もそろそろ側近の一人を変えるのではと言われております。
ここチョイス領の伯爵様のお屋敷から徒歩30分の場所にこじんまりとした屋敷をもらったローゼ。
もう一人で麻袋片手に草原を滑り降りたり、木に登って飛び降りることはありませんが加護を使っての駄賃稼ぎは続けております。
「今日は判定が2件だけだそうだから昼には帰りますわ」
「承知いたしました。ご昼食はどうされますか」
「そうねぇ…わたくしは軽めでいいのだけど…」
「料理長が毎回挑んでおりますからね。今回は大丈夫でしょう」
「だといいのだけど」
執事と話をしていると、ばたばたと走ってくる足音がしますね。
ノックもなしに扉が開きます。誰でしょうか。
「母上!みてください!ダンゴムシです!」
黒い髪に、赤紫の瞳をした男の子がバケツにダンゴムシを捕まえたと得意顔になっております。
「ディオ。逃がしてあげなさい」
「いやだよ!折角捕まえたんだもの」
「あら、でも見て‥‥まぁ可哀想に」
「どうしたの?母上?」
「このダンゴムシが泣いているわ。お家に帰りたいよ~お兄ちゃんが待ってるの~って」
「嘘だ。聞こえないもん」
「おやおや、若様、わたしにも聞こえますよ。お母様に会いたいってこのダンゴムシ泣いております」
「えっ?本当?‥‥どうしよう」
「ディオ。捕まえたところに放してあげなさい。きっとお迎えが来ているわ」
「うん、わかった」
ダンゴムシを逃がしている男の子の後ろ姿を見ながらドランチの背に跨るローゼです。
「では、行ってきますわ」
「はい、お気をつけて」
「フフっ‥‥転んだみたい。あとはお願いね。ハイッ!(ぱしっ)」
ドランチを軽快に教会まで走らせます。
ドランチももうおばあちゃん馬になっているのでそんなにスピードは出ませんが軽快な走りです。
教会には判定を待つ2組の夫婦とその見届け人が来ていますね。
「では番号札1番の方、お入りください」
その言葉に男性が立ち上がり、見届け人と話をして顔をそむけた女性と入室してきます。
「離縁をされるための判定ですね」
「えぇ。わたくしがこの男だけだという事と、この男が浮気をしている証明が欲しいのです」
「フンっ‥俺が浮気だと?バカも休み休み言え」
「奥様は綺麗ですよ。旦那さん以外の方と閨を伴にされた事はございませんね。最後の日は2年前の霧の月1日むしろ旦那さんのほうは最近ですと2日前ですね。相手は娼婦をされているライキングスペーマさん。結構このかたとは長いですね。他には5か月前なので弦の月18日に純喫茶の給仕をしているマネラブソダァケ嬢」
「ま、待ってくれ…それ以上は…」
「では、日時とお相手のお名前…場所と回数、体位、可能限り囁いた言葉も書き出してお渡しいたしますわ」
ギャーギャ―と騒ぎながら出ていくもうすぐ他人の夫婦と見届け人。
2組目は息子が嫁にと連れてきたという女性を連れての息子の両親。
女性は純潔と伝えると両親は女性に平謝りして御帰宅です。
「神官様、今日はこれで終わりなんですよね?」
「そうだよ。どうだい?テラスでいい梅昆布茶が入ったんだ」
「ウフフ。でも昼食をディオと食べますの。また今度誘ってくださいまし」
「いい加減にサインをしてあげたらどうだい?」
「考えておきますわ。ではごきげんよう」
教会を出るとドランチのいる厩舎に向かいます。
相変わらずリュックです。ただし豹系は卒業しております。
おや?ドランチだけじゃなく黒くて大きな馬がいますね。もしや??
「ローゼ!!」
「なんですの?また来たのですか?仕事はどうされたのです」
「片づけて来たよ。休暇も1か月貰って来た」
「休暇をもらったのならお屋敷で休息を取られればよろしいのです」
「僕の心も体も癒せるのはここだけだよ」
「え?厩舎でございますか?今夜は雨ですよ?」
ドランチの手綱を取ろうとするとニコニコ笑いながらレイ君がローゼを手を取ります。
「視て!見て!みて!!タグは綺麗だろう??」
「えぇ、おひとり様もないようですわね。そろそろ奥様を娶られては?」
「考えてはいるんだけどね…返事をくれないんだ。子供も作ったのに」
「そうですか。それはお可哀想に」
「可哀想だと思うだろう?通い夫でも可なんだけどなぁ」
「嫌ですわ。レイは変な人ですもの(くすっ)あら…ドランチ…」
「ハハッほら、ドランチもファイヤーバードと余生を過ごしたいと思ってるよ」
☆~☆~☆~☆
「父上っ!」
「おぉ!ディオ!また重くなったなぁ」
「聞いて下さい!今日はダンゴムシを逃がしてあげたのです」
「逃がした?どうして折角捕まえたんだろう?」
「妹ダンゴムシが兄さまダンゴムシに会いたいというのです!父上!僕も妹が欲しいです」
「ディオ。却下です」
即答のローゼにシュンとなるディオ。ですが・・・
「大丈夫だ。すぐに妹が出来る。優しくできるよな?」
「はいっ!」
「いい子だ。すぐに妹を作ってやるからな。そのためには一人で寝る事をしないとダメだぞ」
「僕は1人で寝られるよ!絶対妹を連れて来てね!おやすみなさい!」
ディオが部屋に戻るとレイ君迫ります!年を重ねてイイ男になっております!!
「と、いう事だ。息子の願いを叶えるのは父の務めだ」
「わたくしは知りません。あの時だってキスだけだといったのに!」
「だから事実婚の条件を飲んだじゃないか。そろそろそれも時効だよね」
「なっ!それでは約束が違い…ングッ…」
おぉぉ~レイ君やるじゃないですか。唇を塞いでしまえばローゼも何も言えませんもんね。
「今日から1か月の間、結婚するっていうまで抱きつぶすよ」
「なっ何を…ウグッ…」
キスをするごとに寝台に近づいておりますよ!レイ君策士です!!
「結婚しよう?奥さんだってみんなにいいたい!」
「ダメで…んんっ…」
「プハッ…何を脱がせているんですの!」
「脱がないと出来ないでしょう?それともこのままがいい?」
「だめです!今日は女の子の…ウウッ…」
「お月様なの?確かめてみよう。本当なら諦めるけど、違ってたら朝までお仕置きするよ」
「うあっ!嘘です。ごめんなさい!」
「じゃぁ、大丈夫だね。5年ぶりだから止まらないかも。ごめんね」
「ニャゥゥゥゥ!!」
事実婚が普通に結婚になったのは3か月後です。レイ君…手加減しようよ♡
ドヴォルザー公爵家はルぺが婿養子を取りレイ君はチョイス領に移住。
毎日転移で王宮にご出勤です。
仲の良い?夫婦はその後‥‥なんと4男2女の子供に恵まれました。
レイ君のタグにはローゼの名前だけでラスベガスか!と思うほど輝き、
ローゼのタグにはレイ君の名前だけがボォォォっと点滅しておりましたよ。
ま、レイ君は一途ですが晩年には【可愛いな】って目移り…と言っても散歩中の犬や我が子の寝顔といった事にまでタグに書かれてるのがローゼには視えました。
後は…レイ君、寝台でちょっとだけ涙目になりながらも恥じ入るローゼが見せる顔も大好き。そんな気持ちまで「視えて」しまうタグ。
うっかりあんな事やこんな事を想像されるとなれば…。
「視える」のもほどほどに??
Fin
☆~☆~☆~☆
本編終了です。長い話にお付き合いくださりありがとうございました<(_ _)>
リクエストにお答えして、番外編として王太子殿下。
おまけで【ディオ】が出来てしまった話を投稿して完結ボタンを!と思います。
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