チョイス伯爵家のお嬢さま

cyaru

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番外編

王太子殿下の苦悩

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私はポンタ王国の王子としてこの世に生を受けた。
名を、ケラストゥトデフォン・キング・ポンタという。
あまりに長く、略すと不敬だと作者の独断で本編では王太子殿下、殿下とされた男である。

25歳で父の後を継いで国王となった私は自称陰の立役者だと思っている。
側近であるスタンレィフォリナー魔導士団長の妻であるシェマヴィレローゼ嬢いや、シェマヴィレローゼ夫人は今でも私の想い人だ。

立太子の話が本格的になりそのための教育が朝から詰め込まれて辟易していた時にお爺様(前国王)が亡くなった。葬儀の日、美しい白髪(若い頃は金髪だったという)をお婆様はバッサリと切った。
女性の髪は夫となる男性にその愛と生涯を誓い、切る事はないのだという。
死別の場合は、喪に服すという意味もあるが、一緒に居た期間の愛の証だとして棺に入れるのだ。
離縁の場合は、それまでの全てを断ち切るという意味があると教えられた。
髪はポンタ王国の女性にとって非常に大切なものだと知った。

ある日、教会からの帰りに整備工事の話をするため馬車停に立ち寄った。
多くの人が行き交う馬車停は勉強ばかりだった私にはとても新鮮だった。
思わず護衛の手を離れ、人混みの中に入った私は瞬時に後悔をした。
いつもは誰かが必ず側にいて守ってくれるのだが、誰も私を気にも留めない。一人である事が怖くなり護衛を探し彷徨っていた。

そんな時だ。私の服の袖が何かに引っ張られた。
振り返ると女の子がいた。彼女の髪とボタンが絡まっている事に慌てた。
慌てているのでなかなか髪が解れなかった。仕方ない。ボタンを千切ろうと思った。

「やめて!」

と彼女は言った。そして流れるような仕草で自分の髪を切ったのだ。
髪はまた伸びるが…私の服の方を心配してくれたのだ。
私の心はその時、彼女にガッチリとホールドされた。運命の人なのだ。そう思った。

だが翌日、その翌日、時間を作り出来るだけ馬車停に出向いたが彼女はいなかった。
来ている服は平民とは思えなかったから14歳のデビュタントで城に来ると思った。
しかし、あのプラチナブロンドの紫がかった赤い瞳の令嬢はいなかった。

同じころ、閨の教育も始まった。お婆様と同じくらいの年齢の女性が講義をした。
最初は座学だった。簡単な絵と文字だけだったが、すまない。好奇心もあり下半身が疼いた。
実技は思いのほか気持ちよかった。最初は夫人(と、言っても未亡人だが)が奉仕をしてくれた。
しぼんで垂れている私のモノを咥えられて舌で扱かれていくとあっという間に膨らんだ。
何かが出た。最初は彼女たちの口の中に粗相をしたと思った。
だが、手や足(えっ?)などで扱かれるようになると自分でも夜復習をした。
排尿とは考えられない程の心地よさで白い液体が飛び出した。

閨の講義はついに彼女たちの中に入る過程となった時、その時に一番年齢の若い未亡人が来た。
47歳だという彼女は夫とは数回の経験しかないのでうまくできないかも知れないと言った。
そして初めて女性の秘部を見た。自分にはないモノを弄っていると滑りが良くなった。
弄っているうちに膨らんだ自分を言われるがままに差し込んだ。
締め付けられるような、吸い取られるような心地よさで頭の中が溶けたかと思った。

未亡人たちの中にはこういってはなんだが、フィットする感じのする者と、緩い者がいた。
そんな時である。繋がり方にはいろいろあるのだと言われ、教本を片手に閨の実技をした。
それが四十八手だという事には16歳で気が付いた。
ならば極めてやろうと私は精を出した。それが失敗だったのだ。

講義の中で私は、彼女たちに甘えても良いのだと知った。
母はいるが、いつもそばにいたのは乳母だった。甘えさせてくれる者はいなかった。
なので、赤子のように甘え、彼女たちの乳を吸うのが堪らなく私を癒した。
それが変態の領域だとは知らなかったが、学園で級友たちが面白半分に話しているのを聞いて【普通】ではない事と、それが【癒し】ではない事を知った。誰にも知られてはいけない秘密を抱えてしまったのだ。

閨の講義は私にとって、勉強の一つに過ぎなかった。
数学でも外国語でもトップを取れば誰だって褒める。
だが、閨の講義については極めれば極めるほど女性が嫌うとは思わなかった。

やっと会えた馬車停の君に、そんなモノを見せられる気持ちになってみろと言われ混乱した。
そして彼女は私の癒しである性癖を知っていた。衝撃だった。

目が覚めた私は隣国の姫と顔合わせをした。
ハッキリ言う。絵姿がローゼ嬢にそっくりだったからこちらから打診をした。
だが、王族の結婚は他の国は知らないが、ポンタ王国の近辺では結婚式の誓いの場で初めて顔を見る事が普通である。
ヴァージンロードを歩いてくる姫がなんとなく大きいな?とは感じた。
だが、手を引いている隣国の王が2mほどの身長なのでそれよりも低かったので近くに来たとき私は驚いた。

私よりも10cm程高い彼女。そして肩幅も私よりも大きかった。
だがもう断ることも出来ない。わたしは初夜に挑んだ。
私には、全ては合格点ではないがほとんどを履修している四十八手がある。
しかし、そんなものは子供の遊びに過ぎなかった。確かに王女は純潔だった。散らしたのは私だ。
私の上に跨り、王女は自ら苦痛に顔を歪めながら貫いたのだ。

翌日から寝台の上では私は彼女のオモチャである。
彼女は確かに私の下にいる。だが、喘がされるのは私だ。
【許して】と懇願しても、途中で萎えても彼女は許してくれない。

ジェームスは言った。【修行】だと。
世継ぎが出来るまで私の修行は続く。それも1人ではダメだという。
そして、子が出来ても王族は男児が優先だ。
王子を最低でも3人。気が遠くなりそうだ。

今日はもう4回戦目だ。おそらく朝まで搾り取られる修行が続くだろう。
あぁ…オスカマキリの気持ちがよくわかるよ。ジェームス。
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