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アルベルトのお悩み相談
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「どうだ?新婚生活は」
気さくに話しかけるのは王太子エリクサー。
すっかり肩の荷が下りて1カ月。私生活共に満喫するという幸せを噛み締めているのです。
騎士団の中でも群を抜いて腕が立つ男、アルベルトの肩を抱き満面の笑み。
しかし、肩を抱かれたアルベルトは沈んだ顔をしているのは何故。
「どうしたんだ?楽しくないのか」
「辛いんだ…どうしたらいい」
まさか!拗らせに拗らせて国家をも揺るがすほどのド変態が悩んでいる?辛い?どういうことだ!
王太子エリクサーは一応報告では休暇中は、見知ったアルベルトではなく別人かと思うような報告を次官から受けているがそれはどれもが夫婦仲良くやっていると言うものだったのに。
「どうしたんだ?奥方の調子でも悪いのか?」
懐妊したと判るまでにはまだ早い。
婚約者時代に体の関係をもったという夫婦も多い中、あれだけ拗らせていたのにちゃんと籍を入れるまでは紳士であり続けたアルベルト。懐妊をしていてもまだ判る時期ではない。
報告では長年のコレクションが全て消滅したと聞いているエリクサーは戸惑っている。
もう一度最終防壁となるのは是非とも遠慮したい。両親ですらお手上げなのだ。
それはこの国の国民でなく全世界の願いである。
「俺に言ってみろ。出来る事なら力になるぞ」
「無理だ…エリクサーにもこの問題は解決できない」
「何だって?王太子で次期国王。誰もが頼りになると言ってくれている俺だぞ」
ウルウルとした瞳の色は王族の血を引く証。自分と同じ瞳の色の男が泣いている?
一体何があったというのだ!
「言えないんだ」
「好きだって言えないのか?」
「誰よりも近いところにいるんだが…言えないんだ」
「恋だとも言えないのか…拗らせているな」
「違うんだ。届きそうな唇が…」
「ん?まさか…まだ…いや、そんな筈はない。もうDT卒業したんだろう」
「あぁ、童貞は潔くエトランゼに献上した」
――献上?貰っても後々遺恨を残しそうな童貞だな――
「何といったら良いんだ‥‥」
「まさか!浮気をしたのか?まだ新婚だろうが!」
「浮気?そんなものするはずがない。僕は何時だってエトランゼに全力投球だ」
「なら、そんなに悩む必要はないだろう?夫婦だ。話し合え」
「それが出来れば苦労はしない」
――まさかもう、会話もない程に冷え切っているのか――
「まだ新婚だ。一緒の寝台で寝て飯も一緒に食えばいい」
「一緒に寝てるし、あーんって食わせてもらっている」
「は?なら問題ないじゃないか」
「いや、違うんだ。今まで何度も‥‥妄想したのに違うんだ」
――妄想?‥‥まさかと思うが理想と現実の区別がつかないのか?――
「アルベルト。ここではなんだ、俺の部屋に来るか?人払いをするぞ」
「いや、大丈夫だ。多分ここにいる者で未経験は僕だけだ。指南をしてほしい」
「指南‥‥まぁお前はエトランゼ嬢だけに一途だったからな。口説き方か?」
「そうだ。どうやって口説いたらいいか教えてくれ」
騎士団の副長ともあろう男が指南をしてくれと懇願をしているのである。
騎士団長も、「俺に出来る事なら」と肩を叩いてくれているのであるが…。
【口でしてほしい時はどうやって口説けばいいんだ?】
無限に広がる大宇宙…真っ暗で光も届かない暗黒と静寂の世界が広がる。
そこにいる誰も目線を合わせない。だが立ち去るにも立ち去れない。
あるものは、ここは現実かと自分の覚醒を疑う。
あるものは、幼い日、家族で出かけた高原を思い出す。
ハァァ~アァァ~ハァア~ア~♪
全員の頭の中に川島和子先生のスキャットが鳴り響く。
澄んだ歌声。そしてまた静寂が訪れる。
ハっと我に返ったのは流石は王太子エリクサー。気を置けるものがほとんどいない王宮で生き抜いてきた男はリカバリーも早かった。
「アルベルト‥‥」
「エリクサー」
お互いの目を見て、エリクサーは頷く。
【その場の流れに任せろ】
そう。正解はないのである。そして間違いもない。
エリクサーの回答に年配の騎士団団長も満点回答だと大きく頷いたのだった。
「その場の流れ‥‥」
「そうだ。いきなりはおそらくはダメだ」
「ありがとう。エリクサー。今まで妄想の中では欲しがるから考えた事もなかった。現実は欲しがってくれないんだ。人生に行き詰まるところだった」
――そこまで、思い詰めていたのか――
薄っすらとエリクサーの目にも涙が浮かぶ。
そしてエリクサーをはじめ、騎士団の面々は心に誓うのだった。
【迂闊に相談にのるぞ!などと言ってはいけない】と。
気さくに話しかけるのは王太子エリクサー。
すっかり肩の荷が下りて1カ月。私生活共に満喫するという幸せを噛み締めているのです。
騎士団の中でも群を抜いて腕が立つ男、アルベルトの肩を抱き満面の笑み。
しかし、肩を抱かれたアルベルトは沈んだ顔をしているのは何故。
「どうしたんだ?楽しくないのか」
「辛いんだ…どうしたらいい」
まさか!拗らせに拗らせて国家をも揺るがすほどのド変態が悩んでいる?辛い?どういうことだ!
王太子エリクサーは一応報告では休暇中は、見知ったアルベルトではなく別人かと思うような報告を次官から受けているがそれはどれもが夫婦仲良くやっていると言うものだったのに。
「どうしたんだ?奥方の調子でも悪いのか?」
懐妊したと判るまでにはまだ早い。
婚約者時代に体の関係をもったという夫婦も多い中、あれだけ拗らせていたのにちゃんと籍を入れるまでは紳士であり続けたアルベルト。懐妊をしていてもまだ判る時期ではない。
報告では長年のコレクションが全て消滅したと聞いているエリクサーは戸惑っている。
もう一度最終防壁となるのは是非とも遠慮したい。両親ですらお手上げなのだ。
それはこの国の国民でなく全世界の願いである。
「俺に言ってみろ。出来る事なら力になるぞ」
「無理だ…エリクサーにもこの問題は解決できない」
「何だって?王太子で次期国王。誰もが頼りになると言ってくれている俺だぞ」
ウルウルとした瞳の色は王族の血を引く証。自分と同じ瞳の色の男が泣いている?
一体何があったというのだ!
「言えないんだ」
「好きだって言えないのか?」
「誰よりも近いところにいるんだが…言えないんだ」
「恋だとも言えないのか…拗らせているな」
「違うんだ。届きそうな唇が…」
「ん?まさか…まだ…いや、そんな筈はない。もうDT卒業したんだろう」
「あぁ、童貞は潔くエトランゼに献上した」
――献上?貰っても後々遺恨を残しそうな童貞だな――
「何といったら良いんだ‥‥」
「まさか!浮気をしたのか?まだ新婚だろうが!」
「浮気?そんなものするはずがない。僕は何時だってエトランゼに全力投球だ」
「なら、そんなに悩む必要はないだろう?夫婦だ。話し合え」
「それが出来れば苦労はしない」
――まさかもう、会話もない程に冷え切っているのか――
「まだ新婚だ。一緒の寝台で寝て飯も一緒に食えばいい」
「一緒に寝てるし、あーんって食わせてもらっている」
「は?なら問題ないじゃないか」
「いや、違うんだ。今まで何度も‥‥妄想したのに違うんだ」
――妄想?‥‥まさかと思うが理想と現実の区別がつかないのか?――
「アルベルト。ここではなんだ、俺の部屋に来るか?人払いをするぞ」
「いや、大丈夫だ。多分ここにいる者で未経験は僕だけだ。指南をしてほしい」
「指南‥‥まぁお前はエトランゼ嬢だけに一途だったからな。口説き方か?」
「そうだ。どうやって口説いたらいいか教えてくれ」
騎士団の副長ともあろう男が指南をしてくれと懇願をしているのである。
騎士団長も、「俺に出来る事なら」と肩を叩いてくれているのであるが…。
【口でしてほしい時はどうやって口説けばいいんだ?】
無限に広がる大宇宙…真っ暗で光も届かない暗黒と静寂の世界が広がる。
そこにいる誰も目線を合わせない。だが立ち去るにも立ち去れない。
あるものは、ここは現実かと自分の覚醒を疑う。
あるものは、幼い日、家族で出かけた高原を思い出す。
ハァァ~アァァ~ハァア~ア~♪
全員の頭の中に川島和子先生のスキャットが鳴り響く。
澄んだ歌声。そしてまた静寂が訪れる。
ハっと我に返ったのは流石は王太子エリクサー。気を置けるものがほとんどいない王宮で生き抜いてきた男はリカバリーも早かった。
「アルベルト‥‥」
「エリクサー」
お互いの目を見て、エリクサーは頷く。
【その場の流れに任せろ】
そう。正解はないのである。そして間違いもない。
エリクサーの回答に年配の騎士団団長も満点回答だと大きく頷いたのだった。
「その場の流れ‥‥」
「そうだ。いきなりはおそらくはダメだ」
「ありがとう。エリクサー。今まで妄想の中では欲しがるから考えた事もなかった。現実は欲しがってくれないんだ。人生に行き詰まるところだった」
――そこまで、思い詰めていたのか――
薄っすらとエリクサーの目にも涙が浮かぶ。
そしてエリクサーをはじめ、騎士団の面々は心に誓うのだった。
【迂闊に相談にのるぞ!などと言ってはいけない】と。
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