転生先のご飯がディストピア飯だった件〜逆ハーレムはいらないから美味しいご飯ください

木野葛

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世界が広がる小学校(給食はない)

小学校に入学しました

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 月日の流れは早い。
 実は小学校に入学しました。入学式はなかったけど。
 ちなみに公立校。意外に思ったが女児を守るということは国の威信がかかっているせいか、女児に対するケアと警備が充実している。
 同級生は五人。つまり私含め六人。
 うーん、日本の未来は暗い。
 
 入学以来、豊華ちゃんはぴったり私にくっついて離れない。
 完全に同級生を警戒している。と言うか、同級生全員がお互いを警戒している。
 …小学一年生ってこんなのだっけ?
 もっと無邪気に友だち百人できるかなって感じじゃなかった?
 自己紹介しようか、と穏やかに笑う先生に出席番号順に始まった。

「あやせ、さなえです」
 
 おかっぱ頭が可愛い子。

「しむらめいこ」

 ボーイッシュな、ちょっと無愛想な子。

「せがわねねよ」

 勝ち気そうな美少女。

「て、てしまとよか、です!」

 ちゃんと自己紹介できてるよ、豊華ちゃん!(姉心)

「藤堂実です」

 自分の紹介はとっとと終わらせて、最後の一人を見る。
 
「えっ…とぉ、はま、まりあ」

 プルプル震えるチワワっぽい、ツインテール。

「はい、みんな上手に自己紹介できたね!今日から楽しくお勉強していこうね」

 爽やかな先生。女児を教えるにも特別な資格がいるらしいよ。
 しっかり監視カメラも教室内にあるし、定期的に色々な先生や国に雇われた警備員がランダムで様子を見にくるとか安全対策がされていた。
 先生が女児盗撮なんてしようものなら、一発で刑務所で臭い飯……はないから、シリアルバーを齧ることになる。

 教室内は前世の学校とあまり変わらない。黒板と掲示物、ランドセルを入れるロッカー。
 ただ、女児の場合、特別授業でもない限り午前中で授業が終わるのが、前世との大きな違いだ。
 基本的な国語算数理科社会を中心に、生きていくのには困らない知識を得ましょうねと言うことだ。
 男性が都合の良い社会を作りたいなら、女性から学を奪えばいい。それをしない時点で、優しいと言えば優しい世界かもしれない。
 もう滅びは確定しているから、女性の権利だなんだと騒がれるよりはある程度女性を自由に学ばせる方が楽なのかもしれないけれど。
 勉強も一種の娯楽なのかな。
 授業内容自体は、前世と同じだと思う。
 国語はひらがなから始まり、算数は足し算引き算。家庭内学習している子も多いから全員問題なく、勉強を進められる。
 ただ、三日目でまりあちゃんが消えた。
 おっと、小学生でドロップアウト?
 名誉のために言っておくが、いじめは無かった。
 気の強いお嬢様っぽいねねちゃんも、話してみると我の強いツンデレ気質なだけでいじめとかは嫌いそうなお嬢さんだった。

 豊華ちゃんにも問題が出てきた。

「お腹いたいぃ」

 緊張とストレスがお腹に来ているらしい。
 小心者なところがあるなと思っていたけど、思った以上に肝が小さい。どうやら勝ち気なねねちゃんが苦手のようだ。
 話してみるとおもしれー女の片鱗があるのに。まあ、人には相性ってものがあるか…。

 何も食べていないというので、一旦自宅に戻って牛乳と蜂蜜を持って豊華ちゃんの家で電子レンジでホットミルクを作る。
 一般的な食材を使っているので怪しまれない。

「おぃしぃぃ」
「そっか、良かった。学校行けそう?」
「みのりちゃんが行くなら行くぅ」

 随分と懐かれたものだ…。
 …もしかして、この状態はあまり良く無い…?
 ………。
 まあいいや!!!女児!難しいことよく分かんない!!!!
 問題があったら、明日の私に丸投げするね!

「あら、きたの?」
「来るよー学校だもん。ねねちゃんおはよー」
「ええ、おはよう」
 
 肘で突いて豊華ちゃんにも挨拶を促す。
 小さくぉはよ、と言うと、さっと私の後ろに隠れた。
 隠れられて無いけど。豊華ちゃん、ディストピア飯で育ってるくせに、小学一年生の割にデカい。
 私も低くは無いが、豊華ちゃん、にょきにょき背が伸びている。小学生の成長ってこんなもの?
 前世独身だったからよく分かんない。
 そんな豊華ちゃんを見てねねちゃんが、鼻で笑う。

「とよかちゃんはよわむしね」
「…ぅもん」

 ん?

「とよか、よわむしじゃないもん」

 わーん!と泣き始める。
 あ、これはあれだ。喧嘩というよりストレスの発露。
 思った以上に豊華ちゃん、ストレス溜まってる。

 タイミング悪く登校してきためいこちゃんがギョッとして立ち止まって、オロオロした。
 なんかごめんね!と思いながら、豊華ちゃん背中を摩る。
 ねねちゃんは気まずそうに、こちらを見て佇んでいた。

 なんと言うか、ねねちゃんは愛されて育っているのだろうな、ということがわかる。
 服はキチンとアイロンがかけられているし、髪の毛も丁寧にケアされて髪型も凝っている。
 対して豊華ちゃんは、身嗜みはちゃんとしているがの子特有の雰囲気がある。そこがどうにも相容れないのだろう。
 私?イヤほら、実家だと美味しいご飯食べられないから…。透子さんと美味しいものやっほーい!という精神だし…。

「豊華ちゃん、豊華ちゃん、気が合わないって子は人生でどうしても出てくるよ。親だって気が合わないしね」

 ぽろっと本音が漏れたら、聞こえたのかドン引きしたような顔でめいこちゃんに見られた。

「あなた、ほんとにおないどし?」

 豊華ちゃんが少しずつ落ち着いてくると、めいこちゃんの声。涼やかクール系である。

「同級生だから同い年!」

 中身は考えないものとする。
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