転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

計算は得意

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 エリック隊長がトボトボと出かけて行った後、私はセバスさんとお話していた。


「ねぇねぇ!セバスさんいつから近くにいたの?」

「そうですね。これからお世話になりますと言った所ですかね。」

 めちゃくちゃ始めの方じゃん!私がエリック隊長をからかってた時も居たってこと?

「気づかなかった……」

「それはそれは。エリック様も気づかれるまでに少し時間がかかっておりましたから、私もまだまだ衰えてないようですね。」

 え?エリック隊長気づいてたの?気づいていてセバスさんを居ない者として私と話してたの?エリック隊長もなかなか図太い。

「セバスさん忍者?」

「ニンジャ?それは何でしょうか。」

 ありゃ。忍者は知られてないのか。説明も難しいし適当に誤魔化そう。

「私もよく分かんなーい!なんとなく忍者って思ったんだよね。」

「……そうですか。何か思い出したら教えて下さいね。」

 はーいと返事をして2人でグレイおじいちゃんの所へ向かう。



 コンコン


「旦那様、セバスでございます。」


「ん~?勝手に入っていいぞー」


 勝手にって…いいのかそれで。てか、私も入って良かったんだろうか?部屋に入ると書類の整理しているのかこちらを見ないグレイおじいちゃん。


「それで何の用だ?ちょっと急ぎの案件があって忙しいんだが。」


 顔を上げる暇もないって感じだね。

「エリック様がティア様をルーゼルト家の養子にする件で、登録の為に先ほど外出なさいました。」

「おうそうか。分かった。」


「では私達はこれで。旦那様は忙しい様なのでティア様は私と遊びましょうね。」

 邪魔しちゃ悪いもんね!

「はーい!」

「待て待て待てー!」

 セバスさんと手を繋いで出て行こうとすると、顔を上げたグレイおじいちゃんが待ったをかけた。

「ティアも一緒に居たなら言わんか!」

「気づかなかった旦那様が悪いのでは?」

「そ、それは……」

「せっかく私がティア様を連れてきて上げたというのに。忙しいのでしょう?」

 うんうん。忙しそうだもんねー。

「だ、大丈夫だ!こんなものすぐに終わる」

 こんなものって言っちゃったよ。急ぎの案件なんでしょ!

「よし!ティアこっちにおいで~」

 いいのかな?ちらっとセバスさんを見ると、仕方ないって感じで頷かれた。なのでグレイおじいちゃんの方に行くと抱っこされて膝の上に乗せられた。なぜに?

「はぁ~癒しだ。」

 私を抱きかかえたまま書類整理を始める。これ必要か?

「ティアがいれば仕事がはかどるのさ。」

 顔に出てたかな?理由説明ありがとうございます。ってなるかー!!!!

「邪魔になるよー」

「ならんならん」

 プゥー!!諦めてグレイおじいちゃんが確認している書類を見ていると計算が違う箇所を発見した。

「ねぇねぇ、ここの計算間違ってるよ?」

「なに!?どこだ?」

「ここ!あ、あとそこも違う。そーすると全部がずれてくるから……」

「ちょっと待ってくれ。セバス!」

 側に控えていたセバスさんを呼ぶと私が言った所を確認する。

「確かに間違ってますね。」

「ティアは計算が出来るのか?」

 そりゃもちろん。これでも前世では有名な高校を目指して勉強してたからね!

「得意な方ではあると思うけど……」

「なら手伝ってくれないか?もし見ていて変だなと思ったりしたら遠慮なく言ってくれていいからな。」

「いいよー!まかせて!」








♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

「ふぅ…キリのいい所まで終わったし、一度休憩するか。」

「うん!」

 意外にも計算ミスや文章がおかしかったりと修正部分が多かった。なかなか疲れたや。ソファーに移動し、セバスさんが用意してくれたクッキーを食べる。サクサクしてて美味しい。でもね、私普通に食べたいの。横に座っているグレイおじいちゃんが食べさせてくれるんだけどさ。

「ほれ、ティアあーん」

「あ、あーん」

 うん美味しい。セバスさんは飲み物をタイミング良く渡してくれるし。もしかして、餌付けされてる?

「グレイおじいちゃんもほら!あーん」

 餌付けされてる気がした仕返しにグレイおじいちゃんにクッキーを口に入れてあげる。

「ありがとうティア!!これで残りの書類も頑張れる気がする!」

 大袈裟な……


「ふわぁ……」

 お腹が膨れたら眠くなってきちゃた。グレイおじいちゃんがソファーで横になっていていいと言うので遠慮なくさせてもらった。頭を使った事もあり、そのまま夢の世界に誘われるまま眠りについた。




 
 

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