転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

違和感 (セバス視点)

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「寝たな。」

「そのようですね。」

 私はルーゼルト公爵家で侍従長という立場にいるセバスという。今、私の目の前にあるソファーにはスヤスヤと眠る女の子がいる。




♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 私が初めて女の子に会ったのはエリック様の久しぶりのお帰りの時でした。旦那様と奥様からはエリック様が子供を連れてくるとしか伝えられていませんでしたのでいったいどんな子だろうかと思いました。この公爵家に仇をなすような者であれば子供でも容赦はしないつもりでいました。扉が開きエリック様が帰って来られました。エリック様の腕の中には可愛らしい女の子がいました。

「「「おかえりなさいませエリック様」」」

 どうやら女の子はびっくりしたようでエリック様に頭を押し付けてしまいました。旦那様と奥様は早く女の子の事を知りたいようで紹介するように急かします。全く…これでは女の子も困るというものです。

「「旦那様、奥様落ち着いて下さい!!」」

 私とマリーはいつもの如くお二人に声をかける。少しは落ち着いて下さい。本当に。

 エリック様が女の子に顔を上げるように言う。そろりと顔を上げる様子はなんとも可愛い。エリック様の腕から降りると女の子は挨拶をする。

「はじめまして、ティアでしゅ。よろしくお願いします。」


 ……可愛すぎかよ。おっと失礼。言葉が乱れましたね。ですが噛んで顔を赤くして恥ずかしがりエリック様の足にしがみつく姿を見れば可愛いとしか思えないのですよ!!その姿を見た侍従や侍女達が悶えているのは仕方ないと言えるでしょう。だが、次の瞬間私は呆れることとなる。

 旦那様と奥様が自分の紹介をしたのだが、自分達のことをグレイおじいちゃんやらジュリアンおばあちゃんなどと呼ぶように言ったのだ。これには呆れましたよ。マリーと共に冷めた目を送ってしまいましたよ。

 ふと女の子と目があったので私も挨拶を軽く交わしました。






 夕食では女の子のパジャマを見て思わずガン見をしてしまいました。天使だったのです。そう天使!!天使のような子だとは思ってましたが本当に天使だったようです。え?パジャマだろって?そんなのは知ってますよ!ですがこの姿を見れば天使ですと言われても納得がいくのですよ。マリーを含めた侍女達が鼻血を出したのも納得です。


 ティア様=天使で良いのではないでしょうか?心から思います。


 天使パジャマはエリック様の趣味…オッホン。趣味は失礼ですね。エリック様のセンスかと思われましたが違ったようです。ティア様のという方のチョイスだそうです。エリック様のチョイスでしたら完全に引いていたかもしれません。



 しかし、のパパとはいったい……の家族はどんな方だったのでしょう。気になりますね。旦那様も調べるそうですが私の方でも調べてみますかね。


 結局ティア様は公爵家で保護する事になりました。その為一時的であってもエリック様の養子にする事になったのです。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 ティア様がソファーで寝ている事を確認し、旦那様に新しいお茶を出す。

「セバスよ、どう思った?」

「どうとは?」

 本当は旦那様が言いたいことが分かる。私も違和感を感じたのだから。


「ティアの事だ。さっきまで見ていただろう?書類を見て間違いを見つけていたではないか。ティアはまだ4歳だと聞いた。この歳で文字が読めるのだぞ?しかも簡単な計算ではなくややこしい計算まで出来ていた。」


「そう、ですね。文字に関しては他国の文字も混ざっていたのに難なく読めていましたね。」


「どんな教育をしたら王族でも貴族でもない子供がこうなるんだ?そもそも4歳だぞ?いつから勉強していたんだ。どんな家庭だったんだ。疑問を挙げればキリがない。」


 本当にそうですよ。たった四年程しか生きていない女の子がどうして。


「クッキーもそうだ。相手を伺って食べていただろう?無意識だろうが。」

「ええ。そしても無意識なのでしょうね。」

 
 そうソファーで寝ているティア様は何かから身を守るようにただでさえ小さい身体をさらに小さくするように丸めてソファーの端に寄って寝ているのです。どうしてなのでしょう。見ていて悲しくなります。

 ここは安全な場所なのだと。この公爵家の人たちは家族であると。あなたは1人ではないと。これから先たくさんの良いことが待っていると。伝えたい。

 どうか笑顔を見せて下さい。私はティア様の味方です。












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 マリーさん天使パジャマのティアを見て鼻血を出していたんですね笑笑
 マリーさん視点も用意しようと思います!
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