転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

パッチーナ攻防戦 22

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♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
~デュース視点~


「あっ!前から凄いスピードで人が来ます!あれは…バン隊長です!!」


 キャスが先ほど先行したバンが戻ってきたことに気づいたようだ。


「バン隊長!心配は特にしてませんでしたが無事で何よりです!」


 キャス…それは全く心配してなかったって言ってるのと同義だよ?



「それで、私たちはこのまま避難所である教会に向かって問題はないのですか?」


 決して歩みは止めず無理のないスピードで進んではいるが、バンが戻ってくるまでは避難所の最悪の事態を想定して進路を変更する可能性を残していた。


「避難所は安全だ。詳しいことは魔法師であるデュースたちの方が分かるだろうから、着いたら調べてくれ。あとは直接、見たほうが良いだろう。心配せず避難所に向かって大丈夫だ。避難所につけば一息つく暇もできる。」


 いや、調べるって何を??被害状況を??避難所に着いたら一息つけるの?今のバンの言葉からは全てを理解するには難しい。


「バン隊長の言っていることは私にはよく分かりませんが、これだけは間違いないのですね?避難所は無事で安全であると!!」


「あぁ。」


「承知しました。…皆さん、聞きましたね?信頼できるバン隊長が避難所は安全であると保証して下さいました!あと少しの辛抱です。少しペースを上げますが問題ありませんね?」


「「「おおっ!!!」」」


 キャスの声かけに内心不安に思っていただろう皆であったが希望の光を目に宿した。もう、いっそのことキャスが魔法師長になればいいのに…これ言ったら、キャス含め第2魔法師団の皆んなが反対して怒られるんだよね。






 避難所まであと数百メートル。バンを先頭にスムーズに進み教会の屋根が見えてきた。



「……なるほど。……確かに安全。」


 教会の敷地外は瓦礫の山が出来上がっているのに対し、教会のある敷地が安全な理由は屋根が見えてきた時点で分かった。
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