転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

パッチーナ攻防戦 23

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「おーーい!こっちだー!頑張れ~」


 バンの話を聞いていたのであろう。教会に避難する人たちが集まっている。


 無事に到着し、発動していた魔法を解除する。怪我人や保護した子たちはバンに任せる。


「……ふぅ」


「師長、お疲れ様です。」


「…ん。」


 汗を拭っているとキャスが駆け寄ってきた。それとなんか知らない奴を引き連れて。この男は救出隊にも攻撃隊にも、それこそ防衛隊でも見ていない。キャスと合流した時に初めて見た。間違いなく、かなり強い。一度見たら覚えていたはずだ。だが見覚えはない。途中参加の冒険者?にしてはキャスの警戒は少し違うような…


「師長、この避難所が安全なのは…」


「…ん。四方に…あるね。」


「攻撃対象範囲とは見做さない術式魔法が組み込まれているとみても?」


「…そう。荊はパッチーナ…覆っている鳥籠内のみ…発動している…」


「ええ。無差別攻撃ですから範囲指定がされているのでしょう。そこで、その範囲指定に引っかからないがある。そうですよね?」


 キャスの言う通り。街中はあの荊の雨で有機物無機物関係なく攻撃に晒されていた。バンに先ほど軽く話を聞いたが、どうやら他の避難所も無事と見ていいらしい。何者かがこの荊の攻撃を見越してあらかじめ各避難所に「守」の準備をしていたと見ていいだろう。それこそ今日の計画を知っていて、避難所の位置を把握しており、この魔法の性質を熟知している者とかね。………モッサしかいないよね。


 
「なぁ、キャス~。そろそろいい?」



「馴れ馴れしいわね!」



「背中痒くなってさ!そこ掻いたらまたコレしていいから!」


バチっ


「あぁーー!また勝手に!!」



 何こいつ。キャスの魔力糸の拘束を簡単に解除した?いや、解除というより力で引きちぎるように破壊したという感じかな。キャスの魔力糸は相当強いはずなのに。彼は一応味方なんだよね?


「…だれ?」


 キャスにこの謎の男の正体について聞く。

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