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第六話
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「しかし、王子妃にこんな傷がありましたら、いろいろ支障がございましょう。私は父としても娘を見せ物にしたくないのです」
マリナー伯爵の反応は当然と言えた。国王もそれ以上口を開けなくなった。
「シュゼット嬢をこのままになんてさせませんわ」
王妃がシュゼットの背中をさすりながら、言う。
「治癒魔法以外にいろいろ試すべきです」
第二王子と第三王子も、力強く頷き、
「傷があっても、シュゼット嬢と結婚したい」
と主張し出した。
「無理です。もうこのまま忘れてください。王子さまは素敵な方々です。お似合いの婚約者をお探しください」
シュゼットは気落ちしていた。いつも強いシュゼットだったが、目立ちすぎる傷にはすっかり意気消沈してしまった。
「そういうわけにはいかない。王宮に留まり、治療を受けながら、婚約者を決めてほしい」
国王陛下の声が遠くに聞こえる。
治療を試してはがっかりするのを繰り返すくらいなら、伯爵邸に帰りたい。シュゼットはそう思っていた。
13歳のシュゼットは16歳になった。
傷跡は消えなかった。
治療はいろいろ試したが、効果はなかった。あのあと王宮から伯爵邸に帰ってきた。王子妃になっても、こんな顔では何もできない。
猫の姿になっても、傷跡は消えない。
だが、人間の姿よりも傷は目立たない。
シュゼットは一日中猫でいることが増えた。
父が心配しているのはわかっている。
だが、今のシュゼットには心の余裕がなかった。
「シュゼット様。あぁ、こちらにいらしたのですね。暖かくて気持ち良いですもんね」
侍女のマリは優しく声をかけて、木の上で日向ぼっこしている猫のシュゼットを抱き上げた。マリは猫好きで、シュゼットの侍女だ。イルドもまだ働いているが、少し年を取り、16歳の猫シュゼットを追いかけるのはやや難しい。
第二王子と第三王子はいまだ婚約者がいず、シュゼットに何回も声がかかったが、シュゼットは自分はもう猫として生きようと思うほど、ダメージが抜けていなかった。
マリナー伯爵の反応は当然と言えた。国王もそれ以上口を開けなくなった。
「シュゼット嬢をこのままになんてさせませんわ」
王妃がシュゼットの背中をさすりながら、言う。
「治癒魔法以外にいろいろ試すべきです」
第二王子と第三王子も、力強く頷き、
「傷があっても、シュゼット嬢と結婚したい」
と主張し出した。
「無理です。もうこのまま忘れてください。王子さまは素敵な方々です。お似合いの婚約者をお探しください」
シュゼットは気落ちしていた。いつも強いシュゼットだったが、目立ちすぎる傷にはすっかり意気消沈してしまった。
「そういうわけにはいかない。王宮に留まり、治療を受けながら、婚約者を決めてほしい」
国王陛下の声が遠くに聞こえる。
治療を試してはがっかりするのを繰り返すくらいなら、伯爵邸に帰りたい。シュゼットはそう思っていた。
13歳のシュゼットは16歳になった。
傷跡は消えなかった。
治療はいろいろ試したが、効果はなかった。あのあと王宮から伯爵邸に帰ってきた。王子妃になっても、こんな顔では何もできない。
猫の姿になっても、傷跡は消えない。
だが、人間の姿よりも傷は目立たない。
シュゼットは一日中猫でいることが増えた。
父が心配しているのはわかっている。
だが、今のシュゼットには心の余裕がなかった。
「シュゼット様。あぁ、こちらにいらしたのですね。暖かくて気持ち良いですもんね」
侍女のマリは優しく声をかけて、木の上で日向ぼっこしている猫のシュゼットを抱き上げた。マリは猫好きで、シュゼットの侍女だ。イルドもまだ働いているが、少し年を取り、16歳の猫シュゼットを追いかけるのはやや難しい。
第二王子と第三王子はいまだ婚約者がいず、シュゼットに何回も声がかかったが、シュゼットは自分はもう猫として生きようと思うほど、ダメージが抜けていなかった。
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