【完結】深く青く消えゆく

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4.レオは

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レオは騎士としての鍛錬をしていた。ミッシェルも一緒だ。ふたりはもうすぐ騎士に叙任されるだろう。今は訓練生として、いろいろな任務についている。
「なぁ」
ミッシェルが話しかけてきた。いつものことなのに、なんだか緊張した。
「レオは俺が女だと困るのか?」
「え?困らないよ。でも、なんか胸が騒ぐ」
そう言うとミッシェルはにこりと笑った。
「まぁしょうがないだろ。レオは俺に惚れてるんだから」
何気なく言われて、レオは驚いた。
「今まで通りって言わなかったか?」
ミッシェルはさらに笑みを深めて、
「レオは俺を男と思ってるときから、俺一筋だろ」

「そんなことないよ」
と言えばよかったのだ。でも、レオは自分の混乱がミッシェルの言葉で、すとんと胸に落ちた。そうか、ミッシェルが男でも女でも自分はミッシェルが好きなんだ。ただそれだけだ。そう考えると、レオは今までの自分を取り戻した。
「ミッシェル、訓練に行こうぜ」
「おう」
ふたりはいつも通り連れ立って、訓練に向かった。

レオは、ミッシェルへの気持ちが温かく優しいもので、人によっては恋というものかもしれないと思った。けれど確信はない。ミッシェルと今まで通りに過ごして答えを出そうと思った。それと同時に今は訓練に集中して、少しでも強くなろうと思った。ミッシェルのような魔法が使えない自分はただひたすら、鍛錬するしかないのだ。

「レオ、調子がいいな」
鍛錬が終わると、ミッシェルはレオの元へ再びやって来た。これもいつも通りだ。レオはなんだか、納得した。
「もしかして、ミッシェルも俺のこと、好きなの?」
「ばーか」
ミッシェルはちょっと微笑んで続けた。
「お前は鈍すぎるんだよ」
「それってどういう意味?」
「だから、バカなんだ。答えなんて一つしかないだろ」
レオは自分に都合のよいように解釈することにした。
「ミッシェルも俺と同じなんだね」
ふん、とミッシェルは横を向いた。少し頬が赤い。レオはなんだかほわほわと胸が温かい。

「騎士になったらさ、結婚しよ」
「ばーか」
レオのプロポーズは失敗に終わる。ように見えた。
「約束したからな」
ミッシェルは、そう言って、ウインクしてみせた。
「ばかじゃ、返事にならないよ」
「でも、レオがバカなのは本当だろ?そういうのもいいんだから、いいだろ?」
ミッシェルはこれ以上の言葉をくれる気はなさそうだった。レオは思う。騎士になって活躍してかっこいいって言わせる。そしたら、プロポーズをやり直す。レオの夢だ。


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