4 / 7
4.レオは
しおりを挟む
レオは騎士としての鍛錬をしていた。ミッシェルも一緒だ。ふたりはもうすぐ騎士に叙任されるだろう。今は訓練生として、いろいろな任務についている。
「なぁ」
ミッシェルが話しかけてきた。いつものことなのに、なんだか緊張した。
「レオは俺が女だと困るのか?」
「え?困らないよ。でも、なんか胸が騒ぐ」
そう言うとミッシェルはにこりと笑った。
「まぁしょうがないだろ。レオは俺に惚れてるんだから」
何気なく言われて、レオは驚いた。
「今まで通りって言わなかったか?」
ミッシェルはさらに笑みを深めて、
「レオは俺を男と思ってるときから、俺一筋だろ」
「そんなことないよ」
と言えばよかったのだ。でも、レオは自分の混乱がミッシェルの言葉で、すとんと胸に落ちた。そうか、ミッシェルが男でも女でも自分はミッシェルが好きなんだ。ただそれだけだ。そう考えると、レオは今までの自分を取り戻した。
「ミッシェル、訓練に行こうぜ」
「おう」
ふたりはいつも通り連れ立って、訓練に向かった。
レオは、ミッシェルへの気持ちが温かく優しいもので、人によっては恋というものかもしれないと思った。けれど確信はない。ミッシェルと今まで通りに過ごして答えを出そうと思った。それと同時に今は訓練に集中して、少しでも強くなろうと思った。ミッシェルのような魔法が使えない自分はただひたすら、鍛錬するしかないのだ。
「レオ、調子がいいな」
鍛錬が終わると、ミッシェルはレオの元へ再びやって来た。これもいつも通りだ。レオはなんだか、納得した。
「もしかして、ミッシェルも俺のこと、好きなの?」
「ばーか」
ミッシェルはちょっと微笑んで続けた。
「お前は鈍すぎるんだよ」
「それってどういう意味?」
「だから、バカなんだ。答えなんて一つしかないだろ」
レオは自分に都合のよいように解釈することにした。
「ミッシェルも俺と同じなんだね」
ふん、とミッシェルは横を向いた。少し頬が赤い。レオはなんだかほわほわと胸が温かい。
「騎士になったらさ、結婚しよ」
「ばーか」
レオのプロポーズは失敗に終わる。ように見えた。
「約束したからな」
ミッシェルは、そう言って、ウインクしてみせた。
「ばかじゃ、返事にならないよ」
「でも、レオがバカなのは本当だろ?そういうのもいいんだから、いいだろ?」
ミッシェルはこれ以上の言葉をくれる気はなさそうだった。レオは思う。騎士になって活躍してかっこいいって言わせる。そしたら、プロポーズをやり直す。レオの夢だ。
「なぁ」
ミッシェルが話しかけてきた。いつものことなのに、なんだか緊張した。
「レオは俺が女だと困るのか?」
「え?困らないよ。でも、なんか胸が騒ぐ」
そう言うとミッシェルはにこりと笑った。
「まぁしょうがないだろ。レオは俺に惚れてるんだから」
何気なく言われて、レオは驚いた。
「今まで通りって言わなかったか?」
ミッシェルはさらに笑みを深めて、
「レオは俺を男と思ってるときから、俺一筋だろ」
「そんなことないよ」
と言えばよかったのだ。でも、レオは自分の混乱がミッシェルの言葉で、すとんと胸に落ちた。そうか、ミッシェルが男でも女でも自分はミッシェルが好きなんだ。ただそれだけだ。そう考えると、レオは今までの自分を取り戻した。
「ミッシェル、訓練に行こうぜ」
「おう」
ふたりはいつも通り連れ立って、訓練に向かった。
レオは、ミッシェルへの気持ちが温かく優しいもので、人によっては恋というものかもしれないと思った。けれど確信はない。ミッシェルと今まで通りに過ごして答えを出そうと思った。それと同時に今は訓練に集中して、少しでも強くなろうと思った。ミッシェルのような魔法が使えない自分はただひたすら、鍛錬するしかないのだ。
「レオ、調子がいいな」
鍛錬が終わると、ミッシェルはレオの元へ再びやって来た。これもいつも通りだ。レオはなんだか、納得した。
「もしかして、ミッシェルも俺のこと、好きなの?」
「ばーか」
ミッシェルはちょっと微笑んで続けた。
「お前は鈍すぎるんだよ」
「それってどういう意味?」
「だから、バカなんだ。答えなんて一つしかないだろ」
レオは自分に都合のよいように解釈することにした。
「ミッシェルも俺と同じなんだね」
ふん、とミッシェルは横を向いた。少し頬が赤い。レオはなんだかほわほわと胸が温かい。
「騎士になったらさ、結婚しよ」
「ばーか」
レオのプロポーズは失敗に終わる。ように見えた。
「約束したからな」
ミッシェルは、そう言って、ウインクしてみせた。
「ばかじゃ、返事にならないよ」
「でも、レオがバカなのは本当だろ?そういうのもいいんだから、いいだろ?」
ミッシェルはこれ以上の言葉をくれる気はなさそうだった。レオは思う。騎士になって活躍してかっこいいって言わせる。そしたら、プロポーズをやり直す。レオの夢だ。
89
あなたにおすすめの小説
おにょれ王子め!
こもろう
恋愛
レティジアは公爵令嬢で、王子フリードの婚約者。しかし現在、フリードとの関係はこじれまくっている。
見た目は気が強そうだが実は泣き虫なレティジアは人知れず毎日涙を流し、フリードはなんだかイライラしている。
そんな二人の前に現れるのは……!
冷徹公に嫁いだ可哀想なお姫様
さくたろう
恋愛
役立たずだと家族から虐げられている半身不随の姫アンジェリカ。味方になってくれるのは従兄弟のノースだけだった。
ある日、姉のジュリエッタの代わりに大陸の覇者、冷徹公の異名を持つ王マイロ・カースに嫁ぐことになる。
恐ろしくて震えるアンジェリカだが、マイロは想像よりもはるかに優しい人だった。アンジェリカはマイロに心を開いていき、マイロもまた、心が美しいアンジェリカに癒されていく。
※小説家になろう様にも掲載しています
いつか設定を少し変えて、長編にしたいなぁと思っているお話ですが、ひとまず短編のまま投稿しました。
【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから
よどら文鳥
恋愛
私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。
五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。
私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。
だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。
「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」
この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。
あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。
婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。
両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。
だが、それでも私の心の中には……。
※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。
※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。
僕の婚約者は今日も麗しい
蒼あかり
恋愛
公爵家嫡男のクラウスは王命により、隣国の王女と婚約を結ぶことになった。王家の血を引く者として、政略結婚も厭わないと覚悟を決めていたのに、それなのに。まさか相手が子供だとは......。
婚約相手の王女ローザもまた、国の安定のためにその身を使う事を使命としていたが、早い婚約に戸惑っていた。
そんなふたりが色々あって、少しづつ関係を深めていく。そんなお話。
変わり者の作者が、頑張ってハッピーエンドを目指します。
たぶん。きっと。幸せにしたい、です。
※予想外に多くの皆様に読んでいただき、驚いております。
心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
ご覧いただいた皆様に幸せの光が降り注ぎますように。
ありがとうございました。
疑惑のタッセル
翠月 瑠々奈
恋愛
今、未婚の貴族の令嬢・令息の中で、王国の騎士たちにタッセルを渡すことが流行っていた。
目当ての相手に渡すタッセル。「房飾り」とも呼ばれ、糸や紐を束ねて作られた装飾品。様々な色やデザインで形作られている。
それは、騎士団炎の隊の隊長であるフリージアの剣にもついていた。
でもそれは──?
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
俺の婚約者は悪役令嬢を辞めたかもしれない
ちくわ食べます
恋愛
王子である俺の婚約者は、打算的で、冷徹で、計算高い女だった。彼女は俗に言う悪役令嬢だ。言っておくけど、べつに好きで婚約したわけじゃない。伯爵令嬢だった彼女は、いつの間にか俺の婚約者になっていたのだ。
正直言って、俺は彼女が怖い。彼女と婚約破棄できないか策を巡らせているくらいだ。なのに、突然彼女は豹変した。一体、彼女に何があったのか?
俺はこっそり彼女を観察することにした
【完結】地味令嬢の願いが叶う刻
白雨 音
恋愛
男爵令嬢クラリスは、地味で平凡な娘だ。
幼い頃より、両親から溺愛される、美しい姉ディオールと後継ぎである弟フィリップを羨ましく思っていた。
家族から愛されたい、認められたいと努めるも、都合良く使われるだけで、
いつしか、「家を出て愛する人と家庭を持ちたい」と願うようになっていた。
ある夜、伯爵家のパーティに出席する事が認められたが、意地悪な姉に笑い者にされてしまう。
庭でパーティが終わるのを待つクラリスに、思い掛けず、素敵な出会いがあった。
レオナール=ヴェルレーヌ伯爵子息___一目で恋に落ちるも、分不相応と諦めるしか無かった。
だが、一月後、驚く事に彼の方からクラリスに縁談の打診が来た。
喜ぶクラリスだったが、姉は「自分の方が相応しい」と言い出して…
異世界恋愛:短編(全16話) ※魔法要素無し。
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる