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第三章 魔王の真実
第144話 S級魔族の正体
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「…ロック?」
ティナが呼びかけたロックの名に、魔族が反応する。
「お前、ロックって名前なのか?」
分裂体を相手にしながら、魔族がロックに語りかける。
「それがどうした!?」
なかなか階段への道を空けられず焦るロックが、強い口調で聞き返す。
魔族が分裂体の攻撃をいなしながら階段の前から大きく移動し、こう言い放った。
「行け。」
「…どういうつもりだ!?」
行きたいのはやまやまだが、あまりにも不自然な行動にファルクも動けない。
「いいから行け。
…ロックとやら、お前と話がしたい。」
「…みんな、行って。
何か企んでたとしても、そこから階段へは近づけさせないから。」
分裂体の配置を階段よりに偏らせ、魔族の進路を塞ぐロック。
「…悪いな、ロック。」
「先に行ってるよ。」
「ロック、気を付けてね!」
「死なないでね、ロック…。」
ロックを除く4人は階段を駆け上っていった。
4人が登ったことを確認して、ロックは分裂体を自分のところへ引き戻した。
「それで、話ってなんだ?」
「お、敵なのに素直に聞いてくれるのか。
悪いが、ちょっと顔をじっくり見せてくれねえか?
分裂体で構わねえから。」
「…?
一体何がしたいんだ?」
「頼むよ。」
(冒険者の時の記憶が何か戻ったのか?
デルベルトもファルクと話して記憶の一部が戻っていたようだし…。)
仮に分裂体が攻撃されたとしても、大きな影響はない。
ロックは警戒心を持ったまま分裂体を魔族の元へ近づけた。
分裂体をじっ…と見つめる魔族。
「…ぐっ。」
突然、魔族が頭を押さえてうずくまってしまった。
(ど、どうしたんだ…?)
困惑するロック。
本来ならばこの隙をついて倒してしまうべき状況だ。
しかし、なぜかロックにはできない。
本人は気づいていないが、そもそもこの魔族を本気で攻めることができていなかった。
いかに相手が強かろうと、ステータスで上回っている分裂体10体で攻めきれないはずがない。
その理由は、魔族の口から語られた。
「…そうか。
…こんなことが…、あるんだな…。」
魔族は手を頭から下ろし、うずくまったままボソッと呟いた。
そして、スッと立ち上がりロックを見据えた。
その目にはうっすらと涙が溜まっていた。
魔族の様子に動揺するロック。
「ロック、お前、この国の出身だろ?」
お構いなしにロックに語りかけてくる魔族。
「そうだ。
僕を知ってるのか?」
「ああ。
魔族になる前にな。
名前と顔を見て、さっき思い出したよ。」
「あなたは…、誰なんだ?
僕にはこの国での記憶がないんだ。
だから、知ってる人もいない。」
「そうだよな。
あんなに小さかったんだからな。
…大きくなったな、ロック。」
赤子だったロックには魔族が誰なのか、わかる術はない。
ないはずなのだが、ロックの本能が、何かを訴えかけてくる。
「あなたは…?」
「俺はこの国の王、だった者だ。」
「この国の…、王様!?」
「ああ。
そして…
お前の父親だよ。
ロック・クラルヴァイン。」
ティナが呼びかけたロックの名に、魔族が反応する。
「お前、ロックって名前なのか?」
分裂体を相手にしながら、魔族がロックに語りかける。
「それがどうした!?」
なかなか階段への道を空けられず焦るロックが、強い口調で聞き返す。
魔族が分裂体の攻撃をいなしながら階段の前から大きく移動し、こう言い放った。
「行け。」
「…どういうつもりだ!?」
行きたいのはやまやまだが、あまりにも不自然な行動にファルクも動けない。
「いいから行け。
…ロックとやら、お前と話がしたい。」
「…みんな、行って。
何か企んでたとしても、そこから階段へは近づけさせないから。」
分裂体の配置を階段よりに偏らせ、魔族の進路を塞ぐロック。
「…悪いな、ロック。」
「先に行ってるよ。」
「ロック、気を付けてね!」
「死なないでね、ロック…。」
ロックを除く4人は階段を駆け上っていった。
4人が登ったことを確認して、ロックは分裂体を自分のところへ引き戻した。
「それで、話ってなんだ?」
「お、敵なのに素直に聞いてくれるのか。
悪いが、ちょっと顔をじっくり見せてくれねえか?
分裂体で構わねえから。」
「…?
一体何がしたいんだ?」
「頼むよ。」
(冒険者の時の記憶が何か戻ったのか?
デルベルトもファルクと話して記憶の一部が戻っていたようだし…。)
仮に分裂体が攻撃されたとしても、大きな影響はない。
ロックは警戒心を持ったまま分裂体を魔族の元へ近づけた。
分裂体をじっ…と見つめる魔族。
「…ぐっ。」
突然、魔族が頭を押さえてうずくまってしまった。
(ど、どうしたんだ…?)
困惑するロック。
本来ならばこの隙をついて倒してしまうべき状況だ。
しかし、なぜかロックにはできない。
本人は気づいていないが、そもそもこの魔族を本気で攻めることができていなかった。
いかに相手が強かろうと、ステータスで上回っている分裂体10体で攻めきれないはずがない。
その理由は、魔族の口から語られた。
「…そうか。
…こんなことが…、あるんだな…。」
魔族は手を頭から下ろし、うずくまったままボソッと呟いた。
そして、スッと立ち上がりロックを見据えた。
その目にはうっすらと涙が溜まっていた。
魔族の様子に動揺するロック。
「ロック、お前、この国の出身だろ?」
お構いなしにロックに語りかけてくる魔族。
「そうだ。
僕を知ってるのか?」
「ああ。
魔族になる前にな。
名前と顔を見て、さっき思い出したよ。」
「あなたは…、誰なんだ?
僕にはこの国での記憶がないんだ。
だから、知ってる人もいない。」
「そうだよな。
あんなに小さかったんだからな。
…大きくなったな、ロック。」
赤子だったロックには魔族が誰なのか、わかる術はない。
ないはずなのだが、ロックの本能が、何かを訴えかけてくる。
「あなたは…?」
「俺はこの国の王、だった者だ。」
「この国の…、王様!?」
「ああ。
そして…
お前の父親だよ。
ロック・クラルヴァイン。」
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