レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第四章 世界中が敵

第172話 賢者の石

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「…よし、【大賢者】くれてやる。」


「だ、【大賢者】スキルを!?」

「そんな受け継がれてきた重いスキルいらないよ!」

「こら、ミラ!」

ミラの暴言をティナがたしなめる。

「いらないとか言うなよ…。
 【大賢者】はな、ただ知識を受け継ぐだけじゃない。」

「そ、そうなんですか?」


「ああ。
 
 上級までの全ての魔法を使うことができるんだ。」


「え!?」

「そうなの!?
 欲しい!!」

「はっは!
 本当に面白え嬢ちゃんだな。」

「でも、記憶も受け継いだ大事なスキルを…。」

「大事なのは記憶じゃねえ。
 今だよな。
 受け継いだ記憶があんまりにも重くて、記憶に囚われてたけどよ。
 お前らと話して気が楽になったっつーか。
 今やるべきことは記憶を守ることじゃねえと思ったんだ。」

「ティルマンさん…。」

「それに、【大賢者】がなくなるわけじゃねえからな。
 森に閉じこもってる俺よりも、お前らの方が有意義な記憶を次に引き継げるだろう。」

「【鑑定】でわかったと思うんですが、僕のスキル【スキルスナッチ】はスキルを奪うことができます。
 ユニークスキルは相手を倒すか同意を得ることで奪えるので、ティルマンさんが譲ってくれるという意思があれば僕がもらうことは可能です。
 ただ…、ミラ。
 【スキルギフト】はユニークスキルを与えることはできないから、ミラに【大賢者】を渡すことはできないんだ…。」

「あ!
 そうだったね…!
 でも、ロックは魔力もMPもすんごいから、全部の上級魔法使えたらめっちゃ強いじゃん!」

「そうなんだけど、【分裂】もかなり使えるからな…。」

「…ちょっと待ってろ。」


そう言うとティルマンは奥の部屋に入っていった。

戻ってきたティルマンの手には、手のひらサイズの石が握られていた。


「これがなんだかわかるか?」

「…いえ、わかりません…。
 ただの石、ではないですよね?」


「ああ。
 これはな、『賢者の石』だ。」


「賢者の石!?」

「それも名前は聞いたことあるけど…。」

「実物が存在するなんてな…。」

「一体、どんな石なんですか!?」


「これはな、【大賢者】に代々受け継がれてきた石なんだ。
 記憶によると、あるスキルの能力の一部が封じ込められているらしい。」

「スキルの能力が!?」

「ああ。
 そのスキルをもった者は不幸な目にばかり合っていてな。
 それを不憫に思った【信託】を持った大賢者が祈り続けたところ、この石ができたらしい。」

「そのスキルって…?」

「【スキルギフト】だ。」

「【スキルギフト】!?」

「ああ。
 もともとそのスキルはユニークスキルも与えることができたんだ。
 そうするとどんなことが起きたか想像できるか?」

「想像というか…、もともと【スキルギフト】を持っていたミラが酷い目に遭わされましたから…。
 スキルを奪われ、【スキルギフト】もなんとか他の冒険者に与えられないか拷問のようなことを…。」

「何!?
 ユニークスキルは与えられないとはっきり説明されているはずだぞ!?」

「はい。
 それでも無理矢理どうにかできないかと、洗脳されて監禁されていたんです。」
 
「どうしようもねえ奴がいるもんだ…!」

「それを主導していたのがガウス将軍です…。」

「クソッタレだな!
 ミラ…、大変だったな…。」

「うん…。
 でも、ロックたちが助けてくれたから大丈夫!」

「よかったな…。
 …話を戻すぞ?
 もともとユニークスキルを与えることができていたときは、権力を持った奴にたくさんのスキル持ちがスキルを奪われた。」

「ギフトするはずのスキルを、奪うために使ってやがったのか…。」

「ああ、皮肉なもんだ。
 だが、お前らならそのスキルを本当の意味で使いこなすことができるはずだ。」

ティルマンは賢者の石をロックに手渡した。


ロックが受け取ると、賢者の石は強く輝き出した。

輝きはどんどん強くなり、ついには皆目が開けていられないほどになった。


カッ!


そして一段と光が強くなったと思った、次の瞬間。

光とともに石は消えて無くなっていた。

「い、石が…。」

「ロック、スキルを見てみろ。」

「は、はい。」
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