レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第四章 世界中が敵

第171話 【パンドラ】

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「「「「大賢者…さま!?」」」」

「チッ。
 …まあな。」

「マジか…。
 実在してたのか…。」

「学校で教えてもらった内容では、ずっと昔から生き続けていて、世界の全てを知ってると…。」

「あ~、そりゃ違うぞ。

 寿命は普通の人間と変わらん。
 世界のことも全て知ってるわけじゃねえ。」

「そうなんですか?
 そうすると、大賢者って一体…?」

「大賢者はな、…スキルだ。」

「スキル?」

「ああ、【大賢者】っつうスキルだな。」

「そのまんまだね!」

「ミラ!」

ロックがミラをたしなめる。

「はっはっ!
 こういう思ったことそのまま言っちまうやつは嫌いじゃねえぞ。

 【大賢者】はな、過去このスキルを持ってた者の記憶を受け継ぐんだ。
 過去には【神託】ってユニークスキルも持ってた大賢者が何人かいてな。
 そのスキルは神の声を聞くことができたそうだ。
 もっとも、人格のある神がいるわけじゃねえ。
 世界の意思…、真理ともいえるものにアクセスできるスキルだったみてえだ。
 だからかなり知識量は多いのに違いはねえ。
 だが、全部知ってるかというと、そうじゃねえ。」

「先ほど話した黒いローブの男について、心当たりはありませんか?」

「…ある。」

「本当ですか!?」

「『魔王はボスモンスターの1体』…そう言ってたんだろ?」

「はい。」

「なら、その黒いローブの男は、【パンドラ】ってスキルの持ち主だな。」

「【パンドラ】!?
 ユニークスキルですか?」

「そうだ。
 モンスターを生み出すスキルだな。」

「モンスターを…、生み出す!?」

「ああ。
 そして、ボスモンスターの強さを自分に上乗せすることができる。」

「そんな!?
 ボスモンスターって世界に十数体はいますよね!?
 しかも間違いなくS級…。
 それが上乗せされたら…。」

「丸々上乗せされるわけじゃねえがな。
 それでも、別次元の強さになるはずだ。
 それは対峙したお前たちがよくわかってると思うが。」

「確かに…そうでした。」

「【パンドラ】の使い手は昔からずっといたのかしら?」

「いつの時代も必ずいる。
 モンスターが人類にとって必要なことは説明はいらねえな。
 今までの使い手はどちらかというと生み出したモンスターの暴走を止める時にその力をふるっていた。
 だが、今の使い手は違うようだな。」

「そうですね。
 目的は…、わかりませんが。」

「そうだな。
 それに、今までの記憶では魔王の存在はない。
 確か倒したら世界中のモンスターはいなくなるってことだったんだよな。」

「はい。
 それが実際は違ったようですが…。」

「お前たちはその魔王や【パンドラ】の使い手をどうにかしようとしているわけか…。」

「はい。」

「…引き継いだ記憶の中の大多数の人間はだな。
 自分の欲望のために大賢者に接触してきていた。
 上辺だけ媚びへつらってくるが、腹ん中は真っ黒なやつばっかりだ。
 醜い争いもたくさん見てきた。
 だからジョセのように歯に衣を着せないやつが俺は好きでな。
 お前らは…、その誰とも違うようだな。」

「大賢者様…。」

「ティルマンだ。」

「え?」

「俺の名は、ティルマンだ。」

「あ、ティルマン様ですね。」

「様なんてつけなくていい。
 むず痒いわ。」

「わ、わかりました。」

そして、ロックたちも自分の名を告げた。
 
「しかしだな、モンスターの存在は人間にとって恵みでもあるんだ。
 それに、魔王がいることで国同士の争いがなくなっていることも事実。
 魔王を倒すことがいいことだとは限らないぞ。」

「…その平和の裏で、犠牲になっている冒険者、悲しんでいる人がいます。
 そしてこれは実際に対峙した時の直感でしかないですが、黒いローブの男は世界平和のために、魔王を生み出しているわけではないと思います。
 ギルドも操っているあいつがその気になれば世界を滅ぼすこともできてしまうでしょう。
 それを黙って見ていることは…、できません。」

「…倒すだけじゃ、犠牲や悲しみの連鎖はなくならんぞ。」

「それも…、わかっています。
 正直今はどうしていいかわかりませんが、それでも前に進まなきゃ答えは見えない。
 そう考えています。」

「まあ人ってのは争う生き物だからな。
 その相手が誰かってだけの話だな。
 人同士で争うよりは、魔族と争ってた方が…っていうのが今の状況だ。
 だが誰かの手の上で転がされてる状況ってのは確かに危ねえな。」

「はい。」

「なら、やることは見えてるだろ。
 世界には魔王を入れて20体のボスモンスターがいる。
 それを全部やっつけちまえよ。」

「そうですね、って簡単に言えることじゃないですけど…。
 そうすれば倒すことができますね!」

「でも、相手も黙って見てるとは思えないわ…。」

「ボスモンスターが倒され始めたら、あの黒いローブの男が出てくるかもしんねえな。
 俺らが指名手配されたスピード考えると、なんらかの通信手段持ってるみたいだしな。」

「バラバラに別れて倒す!?」

「それは難しいだろうね…。
 おそらくボスモンスターも ”涅槃珠” で強化されてるだろうし、魔族もいるはずだ。」

「もっと仲間がいれば…。」

「そもそもお前らはパーティならボスモンスター倒せるくらいの強さは持ってんのか?」

「魔王と同格と考えると厳しい戦いにはなると思いますが、頑張れば倒せると思います。」

「すげー自信だな。
 まあレベルも相当高いみたいだしな。」
 
「なんでわかるんですか?」

「実はな、【鑑定】スキルで覗こうとしたら、お前らのレベルが上で見れなかったんだ。」

「勝手に見ようとしたの!?
 エッチ!!」

「べ、別に裸見ようとしたわけじゃないだろ!
 レベルが高くても同意があれば見れるんだ。
 この流れで言うのはなんか嫌だが、【鑑定】で見させろ。」

ジト目で睨む女子が1人いたが、ロックたちは同意した。



「は!?」

【鑑定】を使ったティルマンは呆然としている。

(久しぶりだな、このリアクション…。)

ロックがそんなことを思っていると、ティルマンから驚きの提案が。


「…よし、【大賢者】くれてやる。」
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