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25話
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(辺境伯エリック視点)
今日は街の視察に出ていた。
半年ものあいだ砦に詰めていた間に、新しい商店が驚くほど増えていた。隣の領地からは今まで見たことのない食材が入ってくるようになり、この辺境でも店先が以前より華やかになっているようだ。
この領地は気温が低すぎて育たない作物が多く、どうしても特産品と言える物がない。
それでも珍しい香辛料が棚に並ぶ光景を見ると、領民たちの生活が少しは豊かになっているようで嬉しくもある。
国境沿いの街はどうしても紛争への備えを優先せざるを得ないのが現実だが、この街の特産品を何か考えなければと頭を悩ます。
馬車に揺られながらそんなことを考えていると、ふと窓外に見覚えのある姿が映った。
レカンで働いているあの女性とそして隣にはレカンの店主がいる。今日は定休日なのか、二人並んで楽しげに歩いていた。手には大きな荷物。どうやら買い物に来ているようだ。
……そうか、二人はそういう関係なのだろうか。
何気ないはずの光景に、胸の奥が小さく軋むのを感じた。
それを自覚した瞬間、私は自分自身に呆れる。
まだ会ったことすらない、書類上だけの妻がいる身で、抱いていいはずのない感情だ。
分かってはいるのだが、どうしようもなく、ため息がこぼれた。
今日は街の視察に出ていた。
半年ものあいだ砦に詰めていた間に、新しい商店が驚くほど増えていた。隣の領地からは今まで見たことのない食材が入ってくるようになり、この辺境でも店先が以前より華やかになっているようだ。
この領地は気温が低すぎて育たない作物が多く、どうしても特産品と言える物がない。
それでも珍しい香辛料が棚に並ぶ光景を見ると、領民たちの生活が少しは豊かになっているようで嬉しくもある。
国境沿いの街はどうしても紛争への備えを優先せざるを得ないのが現実だが、この街の特産品を何か考えなければと頭を悩ます。
馬車に揺られながらそんなことを考えていると、ふと窓外に見覚えのある姿が映った。
レカンで働いているあの女性とそして隣にはレカンの店主がいる。今日は定休日なのか、二人並んで楽しげに歩いていた。手には大きな荷物。どうやら買い物に来ているようだ。
……そうか、二人はそういう関係なのだろうか。
何気ないはずの光景に、胸の奥が小さく軋むのを感じた。
それを自覚した瞬間、私は自分自身に呆れる。
まだ会ったことすらない、書類上だけの妻がいる身で、抱いていいはずのない感情だ。
分かってはいるのだが、どうしようもなく、ため息がこぼれた。
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