特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重

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第02章 -大滝の都ポルタフォール編-

†第2章† -02話-[汚染核回収とセリア捜索:1日目後編]

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 ー15:25

「・・・なんですか?コレ」

 某受付嬢ミミカさんが指を差して、
 俺とアクアが目印に残していった、
 極大剣の刀身のように聳(そび)える氷のオブジェクトを見て唖然としている。
 周囲の木に紛れてしまうと目印にならないから気合を入れて特別大きく生やしたのだ。

「知り合いと合流したいので、
 目印になるかと思って建てたんですけどね。まだ戻らないみたいです」
「これも貴方が?」
「いやいや、俺とアクアですよ」
『ちからあわせたのだー』
『いつかはクーも・・・お父様ぁ!クーも!クーもぉ!』
「話には聞きましたが、これはすごいですね」

 俺とアクアの成果を始めて目の当りにした面々が各々の反応を返す。
 クーはアクアより言葉ははっきりしているけれど、
 まだまだ子供なので精神が高ぶると振り回されてしまう。
 いまも感極まって俺に飛びついてくる。

「お兄さん、シンクロはいまどれ位出来るようになったんですか?」
「戦闘で試してないから正確な事は言えないけど、
 これ1回分ならなんとかって具合だよ。
 よーしよし、クーはまず進化を目指そうな。さぁ、作業に取り掛かろう!」
「先に説明した通り影倉庫シャドーインベントリに用意された粉を振り掛けて、
 コレで混ぜると核が簡単に回収出来ます!分担して片っ端から取りましょう!」
「「『『応!』』」」
「お、応・・・」

 ー17:11

 氷剣のオブジェから徐々に水源方向に進みつつ、
 回収作戦は順調に進行していく。
 合計でいくつ回収出来たのかわからないけど、迷子にならない程度にバラけている。
 時々魔力が回復したアクアと氷剣を建てるようにしたので、
 最終的には合流できるだろう。
 ちなみに俺が回収した粉は小分けにしていないから大袋のまま持ち歩いて適量を振り掛けている。

『お父様、影倉庫シャドーインベントリの粉が残り60個を切りました』
「了解。じゃあ、ここいらの回収はメリーとミミカさんに任せて水源に向かおう。
 アクアはアルシェに連絡して、
 今から氷剣を建ててアイシクルエッジで道を作っておくから追いかけるようにって。
 近くにいるメリーにも伝えるように言っといて」
『はい、よろこんで~』

 連絡が終わるまでの間を走って少しでも距離を稼ぐ。
 自分で思っている以上に内心は焦っているのかもしれない。
 あの街の惨状からいつ街が水面から切り離されて、
 街が孤島になるのかわからないからな。
 あれほどの啖呵を切っておいて無理でしたテヘペロじゃ最悪だしね。

『おっけー』
「じゃあ氷剣建てるぞ」

「『シンクロ!』」
『はくしゅっ!』(゜∀゜ノノ"☆パン
「追加武装!《アイシクルエッジ!》」
『せっと:あわだてき!』
「《蒼天(そうてん)を穿(うが)て!氷刃剣戟(ひょうじんけんげき)!》」
「『蒼天(そうてん)氷覇斬(ひょうはざん)!」』

 斬ッ!!!泡立て器を振り下ろし、新しいオブジェを突き建てる。
 え?いま泡立て器で蒼天(そうてん)氷覇斬(ひょうはざん)した!?
 これって装備出来るならアイテムなら何でもいいのか!?
 作業の延長でそのまま手に持ってて・・・え?マジか。
 この剣技は制限があるけれど、
 単体の敵に即死級のダメージを与えることが出来るし、
 装備品が壊れることもない。

 剣技     :○竜一閃りゅういっせん 範囲:前方全体
 特性     :武器属性が一致していなければ武器破壊

 剣技     :蒼天(そうてん)氷覇斬(ひょうはざん) 範囲:単体
 特性     :現在シンクロ時のみ発動可

『≪あいしくるえっじ≫』

 向かう方向を示す氷の道が出来上がったので水源に向かって滑り始める。
 セリア先生が水源を目指していると聞いてからさらに3時間・・・、
 もう空も暗くなり始めている。
 計5時間でどこまでセリア先生が動けたのかは分からないけれど、
 1時間30分くらい先に進めば徒歩である先生に追いつけるんじゃないかな?


 * * * * *
 ー17:41

 30分進んだ辺りでアクアの魔力が全快したので氷刃を建てる。
 所々に冒険者が居り、篝火や松明で明るくしてくれているから視界は悪くない。
 建て終えて息抜きに周りを見渡している間にアルシェが合流してきた。

「結構早かったな」
「魔力は余ってますからね。精霊達に分け与えて頑張ってもらいました」
「そっか。残念ながらまだセリア先生とは合流できていないよ。
 あと1時間くらい同じ速度で進めば水源に着く前に追いつけそうなんだけど・・・」
「なんだけど・・・なんですか?」
「多分1人で水源まで行ってるんじゃないかな?
 ここから上り坂になっているのに明かりが見えないんだよね。
 進むにしても視界が悪いからなかなかね・・・」
「なるほど・・・。では、もう30分気をつけて進んでみて、
 合流できなければ一度みんなの所に帰りましょう」
「そうだな。クー、魔力はどのくらいある?」
『街道時に比べると量も軽いので、まだまだあります。60%くらいですね』
「じゃあ、サーチを頼むな。人とモンスターの違いは分かるか?」
『はい、大丈夫です』
『あくあは?』
「温存」
「私は?」
「温存」

 森で視界も悪いので滑って行こうとすると確実に事故になるので、
 歩きながら進む。
 冒険者の彼等も頑張っていると思うが、
 元凶を知らない現在はスライムを潰す事が、
 街を守る事に繋がると考えて奮闘していたようだ。
 辺りが暗いので一箇所に集まり、交代で睡眠を取るらしい。
 これさ、エクソダスのこと知らないのかな?
 やっぱり、あのギルドの職員は無能なのかもしれないな。

 ー18:15

 だいたい予定の30分を歩いたが特に何も見つからなかった。
 クーのサーチにも人間が引っかからないし、そろそろ帰ろうとアルシェに声を掛ける。

「アルシェ、そろそろ帰r・・・『範囲内に人間の反応あり!こちらへ走ってくるようです!』」

 声を掛けようとしたところで緊急事態を伝えるクーの声が響く。

『続けてモンスターの群れの反応!
 人間を追いかけてきているようです。
 数は不明!その後方からひと際大型の反応があります!』
「お兄さんっ!!」
「人間はセリア先生の可能性が高い!方向は!?指が向いた時に声を掛けろ!」

 指を立てて前方90度をゆっくり動かす。

『そこです!
 その指の先から走ってきます!距離はおおよそ70Mを切りました!』
「アルシェ、剣を一本!」「≪アイシクルウェポン!≫シフト:セイバー!」
「アクア!後方氷刃に向けてアイシクルエッジ!」『≪あいしくるえっじ!≫』
「クーは強化!急いで先行して追われている人をこちらへ誘導!」
『≪闇纏(マテリアライズ)!≫』

 指示を次々と出して、みんなが応えてくれたおかげで準備は出来る。
 あとは逃走中の人物を救出するだけ。

『(お父様、人間はセリアという方で当たっていました。
  いまそちらへ誘導しています。もうすぐです!)』
「(足元を走る冷気を飛ばすから過ぎた瞬間に教えてくれ!
  あと、俺の背中が見えたらおんぶの要領でしがみ付く様に伝えて!)」
『(はい!)』
「≪アイシクルエッジ!≫セット:ショートソード!」

 アルシェが造り出した氷剣はショートソード。
 氷属性が付与されているので俺だけでも制御が出来る。

「アクア!」『はぁーい!』
「『シンクロ!」』
「氷竜一閃(ひょうりゅういっせん)『流(ながれ)!』」

 いつもは飛ばすだけの一閃のエネルギーが気体となり地面を走り抜けていく。
 タイミングはセリア先生の足元を通り過ぎて、
 スライムの群れに入った瞬間が理想的だが、
 どれくらい先生と距離があるのかわからないから仕方ないな。
 もう使わない剣を地面に刺す。あとは逃げることだけを考えよう。

『(いまです!)』
「『結!」』

 グッと拳を握ると、すぐ先で氷が爆発するように結晶化する音が聞こえた。
 暗いので確認は出来ないけど、あとは逃げるだけだ。
 後方の氷刃を目標に森を突っ切るための魔法を発動させる。

「イメージは分かるか!?」
『もーまんたいー』
「『≪アイシクルエッジ!≫シフト:氷鮫の刃ブレイドシャーク!」』

 鋭角な三角形のヒレは硬度と速度に魔力を込めた為に高さはないが、
 最後まで道を切り開いてくれるだろう。
 すでに道中の木々をバキバキと折ったり斬ったりしつつ、
 速度を徐々に上げながら進んでいく。

「アルシェ!先にあれを追いかけて退け!すぐに追いかける!」
「わかりました、先に失礼します!≪アイシクルチャージ!≫」

 あとは待つだけ。おんぶの体勢で構えて待つ。
 ドキ、ドキ、ドキ。っ!!
 誰かがしがみ付くのを確認した!

『「アクアチャージ!!』」

 次々を目の端を森が駆け抜けていく。
 そういえばシンクロしたままチャージは使ったことがなかったな、
 予想以上に速度が出ていてアルシェに追いつきそうだ。

「クー!バインドで先生を押さえて!
 アルシェ!お姫様抱っこするぞ!飛べ!」
影縛りシャドーバインド!』
「っ!!」
「ひゃあ!なんですのこれっ!?」

 俺の影からいくつもの手が伸びてきて俺とセリア先生を縛り付ける。
 見事滑りながらお姫様体勢のアルシェをキャッチに成功して、そのまま進む。

「あ、アルシェ様、と、水無月(みなづき)君で、すかっ??」
「はい、お、おひさし、ぶりです!せり、あ先生!」

 時々がたつく地面の影響で言葉を途切れさせつつだが、
 再開を果たせたことをやっと認識できた。
 何せ顔を見る余裕もなかったからな!
 すぐ横に美人の顔があるはずなんだけどなぁ!

「敵との距離はどれくらいだ!?大型の正体はなんだ!?」
『距離は10Mまで引き離しています、
 正体は大きく膨らんだスライムですが、
 核は比較にならないほど大きいです、お父様!』
「よし、2人はオブジェに着いたらすぐ避難して!」
「はい!」
「わかりましたわ!」
「クーは氷刃の前に降りて、大型スライムの位置を良く見て!
 核が真正面に来たらバインドで足止め!」
『クーだけでは1秒も止まりません!』
「なら、私もバインドを合わせます!いいですか!?」
「それで行こう!アルシェはしっかりタイミングを合わせてくれ!」
「はい!」

 程なくして氷刃に辿り着くと3人は予定通りに俺から離れ、
 俺達はまず氷鮫の刃ブレイドシャークの制御を切ってその場で砕く。
 じゃないとそのまま突き進んで行き、
 休んでいる冒険者を殺戮するかもしれないからな。
 次に氷刃の後ろに立ちタイミングを合わせる。
 クーとアルシェの足止めが成功した瞬間に、
 この氷刃を先ほどと同じく前方に走らせる準備をする。







『≪闇縛りシャドーバインド!≫』
「≪アイシクルバインド!≫」
氷鮫の刃ブレイドシャーク!『蒼天(そうてん)氷覇刃(ひょうはじん)!!』」

 斬っ!!!!!






 綺麗に真っ二つに核を斬られた大型スライムは、
 突進してくる勢いそのままに体を水を変え、地面に飛び散った。
 周りにいた小さいスライムは未だに残っているものの、
 先ほどまでの凶暴さはなりを潜め、近くの河川へじりじりと大移動を始める。
 シンクロも解除されて体から水色のオーラが抜けていくにつれて、
 疲れに襲われる。

「改めて、助けてくださりありがとうございましたわ。
 それから、お久し振りですわ3人とも。それから黒猫さんもありがとう」
「セリア先生が無事でよかったです。
 こちらへいらしている事はわかっていたので、
 合流は明日になるかと思っていました」
「先生がこっちに向かって来てくれたから良かったです」
「大量のモンスター付でしたけれどね。
 まさか無事に逃げ切れるとは思いませんでしたわ。
 いくら弱いスライムでもあの数は死を覚悟しましたわ」
「ひとまず、セリア先生・・・これを」
「・・・なんですの?これ・・・」
「泡立て器と魔法の粉です。
 そこいらにいるスライムの核をひとつ回収してきてください。
 俺は疲れてしまったので」
「まぁ、その程度いいですわよ。スライムの様子から確認は必要ですし」
「私もご一緒します」
「お願いしますわ、アルシェ様」


 * * * * *
 ー18:28

 汚染から開放された[スライムの核]と生きたスライムを連れて、
 冒険者が集まっている場所へ向かう。
 そこまで離れていないのでもしかしたら見ていた冒険者がいて、
 話が通っているかもしれないが俺達だけでは人手不足なので、
 動いてもらう為に情報の提供をしに向かっている。

「じゃあノイはいま、街にいるんですか?」
「えぇ、戦場に連れて行くと良くないと思いますし、
 何より最近疲れやすいのか寝てばかりなんですのよ」
「そっか、ノイも召喚してからひと月くらい経つもんな。
 それは核が劣化したからですので、心配ないですよ。
 新しく核で加階すれば元気になりますよ」
「そうなのね、良かったですわ。で、あの子猫ちゃんはどちら様ですの?」
「ダンジョンの最下層で預かる事になった契約精霊で、
 [クーデルカ]と言います。クー、おいで」
『はい、お父様』
「お父様・・・?」
「気にしないでください、家庭の事情です」
「え、えぇ・・・。あら、やっぱり先ほどの姿と少し違うのですわね」
『初めましてセリア先生さん、クーとお呼び下さい。
 先ほどまでの姿は[闇纏(マテリアライズ)]と言いまして、
 お父様と一緒に編み出した身体強化魔法です』
「あらあらご丁寧に、私はセリア=シルフェイドと申します。
 テンペスト様直属の配下精霊ですわ。
 私の事は貴方のお父様と同じでいいですわよ」
「この娘は闇属性の精霊でして、
 アクアが進化した際に[アルカトラス]様から託されたんです」
「アクアが進化!?早すぎですわ!なぜそんな早さで・・・」
「アルシェの横を飛んでいるのが進化して受肉したアクアですよ。
 色々精霊歴の長いセリア先生には納得のできない話かもしれませんが、
 詳しくは時間があるときでお願いします。いまは解決に集中してください」
「わかりましたわ。ひとまずはこちらに集中いたしますわ。
 私もこの街に着いてから色々調べましたが、
 解決するには水源を調べたほうがいいと思ってこちらへ来たのですわ。
 ただ、情報収集にお買い物、
 周囲のスライム討伐をしていたらかなりの日数を過ぎていましたわ」
「俺達は今日ここに辿り着いたんですけどね、
 街は寂れているし、町長はいない、民とギルドがかみ合っていないしで、
 まぁ状況整理が運良く出来ましてね。
 街の治安回復と汚染核・・・禍津核(まがつかく)の解明、
 セリア先生の捜索を始めたところです。
 結論として水源の4ヶ所の浄化が解決のカギであると分かったので、
 明日近場の水源の浄化に行くつもりで捜索しながら進んだら、
 思ったより好転したって感じですかね」
「一日でよくもまぁ、そこまで動けましたわね」
「情報収集はメリーとアクアが民と精霊から。
 ギルドではアインスさんと偶々(たまたま)その場にいた、
 町長の秘書をしている男から頂けましたから。
 あとは汚染の原因は魔法ギルドに研究させるように手配して、
 材料の禍津核(まがつかく)を大量に回収してます。
 今後もあれば同じような事件に対処しやすくなるでしょう」
「お兄さん、セリア先生。お話は終わりましたか?」
『くー、そろそろそこかわってー』

 お互いが情報共有が済んだところで少し離れて歩いていた2人が近づいてくる。
 アルシェはともかくアクア・・・。お姉ちゃんなら我慢しなさいな。

「えぇ、私が欲しかった情報まで回収しているとは・・・、
 流石はアスペラルダの英雄達ですわね。
 水無月(みなづき)君とはいずれ再会すると思っていましたが、
 アルシェ様はよくアスペラルダを出ることが出来ましたわね」
「色々ありましたので。
 積もる話はこの街を救ってからゆっくりお話しましょう、セリア先生!」
「そうですわね」
「そろそろ冒険者と接触だな。
 情報提供が終わればエクソダスで帰って宿で休みましょう。
 あ、セリア先生にパーティ申請しますね」
「はい、参加いたしますわ」
「矢面は私が出ましょうか?」
「いや、今更王族が出張ってきたとあっては、
 ポルタフォールを故郷に持つ冒険者の反感を買うかもしれない。
 事情を知らないとはいえ、いらぬ波風は立てないほうが良い」
「ですわね。ここは私が出ましょう。
 情報の補足は水無月(みなづき)君にお願いいたしますわ」
「了解です。よろしくおねがいします」

 ー18:46

 程なくして、冒険者が集まる場所へ辿り着いた。
 全部で6パーティと個人参加が4人居り、
 リーダーと参謀役を集めてもらえるようにセリア先生を通して話を通し、
 説明を開始した。
 街の内部問題の回復、外部問題の攻め所の3箇所、
 禍津核(まがつかく)と汚染されていない核と、
 生きたスライムという物的証拠からの説得を試みて、
 話し合いは1時間にも及びはしたが、
 概ね皆が納得して明日からの動きを決めることが出来た。

 ー20:04

「私達は一番遠い水源なのは移動力があるからですね?」
「えぇ、お2人の移動力は他の冒険者にはありませんから、
 必然的にそうなりましたわね」
「戦力的にはうちのメンバーはバラけた方がいいと思うんだけど」
「それでは他の冒険者達の立場を奪いかねませんから仕方ありませんわ。
 担当の水源の浄化をしたら急いで近い水源に移動すれば格好はつくでしょう?」
「なるほどね、わかりました。メリー!!!」
「はい、ここに」
「な、なんでメリーがここにいるんですか!?
 まだ遠くに待機していると思ってました!」
「粉がなくなり生かして放置していたスライムが大人しくなったので、
 原因を倒したのだと判断、ミミカさんを連れてこちらへ移動してきました」
「じゃあ、ミミカさんもいるんですか?」
「えぇ、向かっている途中で呼ばれたので私だけ急いでこちらへ参上しました。
 ミミカさんならあちらの藪から・・・ほら出てきました」
「あら、あの子はギルドで見かけた・・・なんで戦場に?」
「色々あったんですよ。じゃあ、ミミカさんを回収して宿に帰ろう」
「メ、メリーさぁん!なんで置いていくんですかぁ!!」


 * * * * *
 ー20:08

「では、一番近い水源の浄化は終わったんですか・・・、
 運が良いと言うか流石は英雄が集うパーティですね」

 ギルドでミミカさんの返却と報告をする。
 夜もそれなりに遅いはずなのに誰も帰っていないらしい。
 仲間には恵まれているということなのか、
 アインスさんが帰らないから帰れなかったのかどちらかな?

「ミミカさんは頑張ってくれましたので労ってあげて下さい」
「わかりました。例の汚染された核は回収されましたか?」
「はい、回収は大量に出来てます。
 あ、呼び方は禍津核(まがつかく)と呼ぶようにしました。
 こちらにもう納品した方がいいですかね?」
「禍津核(まがつかく)ですね。
 アイテム名として登録しておきます。
 そうですね、魔法ギルドへはこちらでお送りしておきますので、
 こちらの箱に入れてもらえますか?」
「わかりました。では、この箱をあと1つお願いします」
「そんなにですか・・・相変わらず、
 やるからには容赦がありませんね!」
「ほら早く」
『お父様、この箱に流し込めばいいんですか?』
「うん、零れないように入れてね。すぐにもうひと箱持ってくるから」
『はい』

 ギルドへの納品も済ませて宿へ・・・・。

 ー20:33

「私はチェックインしてないから部屋の用意ができていないのではないのでは・・・」
「いや、合流前提で用意してますから大丈夫です。みんなご飯は食べるか?」
「私は先に寝てしまいたいですね・・・」
「正直に言えば私もですわ」
「私は前線で戦っておりませんので食事も取れます」
『たべるー』
『・・・・』(チリィン)
「俺も寝て、朝ごはんをいっぱい食べたいから。
 ごめんけどメリー、アクアの食事に付き合ってくれ。
 食べ終わったら俺の部屋に届けて頂戴」
「かしこまりました」

 ポルタフォール到着初日はこうして怒涛の幕開けを果たした。
 いつになったら観光が出来るんだろうなぁ。
 じゃあ、おやすみなさい・・・・Zzzzzz。
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