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閑話休題 -フォレストトーレ奪還戦争までの1か月-
閑話休題 -30話-[闇精王の真なる加護]
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「お久しぶりです」
ユレイアルド神聖教国から帰った俺は翌日には別の場所にいた。
「えぇ、水無月君こそ久しぶりですわね。
それにわざわざこんなところまで迎えに来てもらってしまい申し訳ないですわ」
相変わらずの口調をニル以外から聞いて懐かしくなる。
アルシェも城で再会出来るのを楽しみにしているのだ。
差し出した手を向こうも握ってくださる。
「約1年振りですね、セリア先生」
「水無月君はもう精霊使いとして魔法は私より上なのでは?」
「全体的に中途半端なだけですよ。
水氷属性はアルシェに負けますし風雷属性はセリア先生に負けるでしょうから」
「ならばまだ私もお役に立てそうですわ」
「では、こちらのゲートを通ってアスペラルダの城に帰りましょう」
「話には聞いていたから存在は知っていても、
便利な魔法ですわね・・・」
ほえぇ~、と頬に手を添え尚且つ顔も傾けた上品な驚き方。
ニルも驚いた時は「ビックリですわー!」じゃなくて同じように成長してくれるだろうか。
「謁見の間の正面に繋がっています」
「わかりました、ありがとう水無月君」
ゲートの向こうは見えている為セリア先生は躊躇せずに足を進める。
あちらからは早速キャーキャーと声が聞こえ、
兵士たちも再開を喜ぶ声を短く交わしている。
あまり長引くと王族を待たせる事も分かっているが為に皆が短めに済ませていた。
セリア先生と入れ替わりにこちらに出てきたのはクーとメリー。
これから王族とセリア先生の謁見が終わる前にやることがあるのよ。
『《施錠》』
「ご主人様、やはり失礼ではありませんか?」
「話は通しているから大丈夫だよ。
時々クーの顔を出してご機嫌伺いはしていたし、
精霊使いに興味を持って貰えているからな」
これから行く先はアスペラルダが所有するランク1ダンジョン[死霊王の呼び声]。
懐かしいね。
そしてお会いする予定である人物の名前は[アルカトラズ様]。
「しかし、真なる加護ですよ?」
「メリーに亜神の加護を施す意味が無いだろ。
クーとしか契約してないんだから・・・」
「それはそうですが・・・」
『お父さま、メリーさん。
時間もありませんのでそろそろゲートを開きましょう。
それとお爺さまはクーに甘いので大丈夫ですよ』
自然発生する浮遊精霊から成長する精霊に血縁は無い。
それでも大精霊は長老であり頼りになる。
さらに幼いクーが顔を出すことで大喜びする。
祖父が孫に甘いのは異世界でも変わらない。
「《解錠》:死霊王の呼び声」
いやぁマジで王様方には感謝だな。
闇の剣と光の剣を用意してくれたおかげで移動が楽になって、
瘴気相手に対応出来るんだもんな。
「おら、行くぞ」
「『はい』」
ゲートを超えた先は木で出来た小屋のどこか。
どこかというかBOSS部屋の横にある休憩所だな。
ここはその物置だ。
「先に受付に挨拶してくる。
お前等は下に降りてろ」
「かしこまりました」
『お茶の準備を進めておきます』
コッコッ、ココッコッ!
『水無月さんですか?』
「アルカトラズ様に会いに来ました。お土産は残しておきますので」
『いつもありがとうございます。
今日は下にクロエが居ますよ』
「初顔会わせですね。では、失礼します」
ノックした扉の先は休憩所のカウンター裏。
あまり俺はここまで顔を出さないけど来たときはこうやって挨拶をしている。
ただ、他の冒険者が向こうには居るので扉越しの対話になっちゃうんだがね。
小屋の物置に繋がる相変わらず長い螺旋空洞を進んで行くと、
やがて老人の声と聞き馴染みの無い声がクーの容姿を褒める声が聞こえてくる。
たぶんこっちが噂のクロエさんかな?
『おぉぉ!クーは可愛いのぉ!
綺麗な毛並みとピンと立った耳がグッドじゃ!』
『ありがとうございます、お爺さま』
『メイド服も改造した方がいいんじゃない?
そっちの人間と同じだと味気ないわ』
「も、申し訳ありません・・・」
身内が可愛いのは分かるけど、
メリーにとってどんな地獄だこりゃ。
クーを囲み褒めちぎる老人と上のクロワさんに似た容姿だけど気の強そうな女性が1人。
メリーは居場所が無さそうな佇まいだった。
「お久しぶりです、アルカトラズ様」
メリーの可哀想な姿は見てられない。
片手を胸に、反対の手を腰に回してアルカトラズ様に見える位置から挨拶する。
『おぉ精霊使いか、久しいな。息災だったか』
「クーが元気なら俺も元気ですよ。
それで貴女がクロエさんですか?」
『そうよ、初めまして。クーデルカのマスター?
私、精霊使いに会うの初めてだわ。よろしくね』
「どうも」
う~ん気さくだ。
普通に黒い服も似合っている。
流石は闇精霊だな。
「久しぶりの談話をしたいところですが、
時間もあまり無いので進めてもいいでしょうか?」
『相変わらずあちこち動き回って居るのぉ。
クーデルカや、ちゃんと愛情を注いでもらっておるのか?』
『お父さまはクーだけではなく姉妹全員に愛情を注いでくださっていますよ。
メリーさんもこちらに来てお茶の準備をお願いします』
「かしこまりました」
そして始まるクーとメリーの茶会準備。
それをニコニコと気分良さそうに見守る爺さんと姉さんは放っておいて、
俺も最後のゲストを呼ぶとしましょうか。
「《コール》:カティナ」
ピリリリリリリリ、ピリリリリリリリ、ピリリ、ピロン♪
[はいは~い、アニキおはようデェ~スカラァ!]
うるせぇ。
なんでコイツこんな朝から元気なの?徹夜明けなの?
「もうこっちはアルカトラズ様と合流してるぞ。
お前そろそろこっちに着けるか?」
[OH!もうこんな時間デスカラァ!すぐ行きマスデスヨ!]
「クーも進化したから報告と一緒に楽しみにしとけ」
[そりゃ楽しみデスカラァ!
爺ぃと顔を会わせるのは面倒でもクーの為にあちしは胃薬と共に行くデスカラァ!]
お前とアルカトラズ様の間に何があったんだ・・・。
さて、上位精霊のカティナも呼んだ。
あの場にいるのは大精霊のアルカトラズ様とこっちも上位精霊のクロエさん。
今は受付をしているクロワさんも同じく上位精霊だけど、
カティナより下の位階らしい。
精霊も上下関係が面倒だね。
「ご主人様、整いました」
「ありがとう。
カティナもこれからだし先に加護の話をしようか」
「お任せ致します」
精霊談話に加われなかったメリーが避難してきた。
でも、こっちも話は済んだし一緒に戻ろうか。
目的のブツをいただきましょう。
「アルカトラズ様よろしいでしょうか?」
『うむ、アレじゃな?』
「はい、アレです。
ゲストも少し遅れますので先に進めたいと思いまして」
『相変わらずじゃな・・・』
『爺様、ゲストって誰です?』
『内緒じゃ。さて、これより面接を開始する!』
あ、教えてないんだ。
アルカトラズ様にはカティナも呼ぶと伝えていたんだけど、
なんか楽しそうに指を揺りながら隠してる。
カティナとクロエさんの関係性が気になるな。
そんなことよりも始まった面接とやら。
指をチョイチョイと動かしてメリーを近寄らせるアルカトラズ様。
『お主がクーデルカのサブマスターじゃな?名を』
「お初にお目に掛かりますアルカトラズ様。
私はメリー=ソルヴァと申します」
『クーデルカと契約してどのくらいになる?』
「土の月20日頃に契約をさせていただきました。
おおよそ5ヶ月ほどになります」
アルカトラズ様は何が知りたいんだろう。
事前連絡の時は二つ返事でOKをくれたけどメリーを知る必要もあるとか言っていた。
『クーデルカはメリーにとってどのような存在か?』
「烏滸がましいとは理解しておりますが、
弟子であり師でもあります。
侍従の仕事は私が手本となり導いておりますが、
魔法や戦闘となればクーデルカ様が手本となり私を導いてくださいます」
『それだけか?』
「いえ・・・いいえ、違います。
いつもひたむきに、ただただ家族を想う優しい女の子です。
戦闘もサポートもこなすには幼すぎると思うこともございますが、
それでも戦う事からも逃げず自分のやりたい事にも全力で取り組む姿に尊敬しております」
メリーは基本的に無口な方だ。
あまり自分の想いを吐露しない。
いや、そもそも俺が聞きたいと口にしたことがないんだけど。
それにしてもクーは愛されてるなぁ。
他のメイド達にも可愛がられているし、
流石は俺の娘だな!
『うむうむ、確かにクーデルカは勤勉だ。
アスペラルダに滞在している間に何度もここへ足を運んでおった。
それにお茶の準備をいつもしてくれているが、
クロエやカティナでは出来ない洗練された優雅な動きであった』
アルカトラズ様は相変わらず孫に甘い。
めっちゃ褒めるやん。
うちのクーを見てみなさいよ。
メリーの後に爺様に褒められてはわわ~ってなっていらっしゃるぞ。
両手で顔を覆ってもう止めてください~と言いたげだ。
「クロエさん」
『あ、や、え~と。
カティナ様と懇意なら私のこともクロエでいいですよ』
さっきまでの勢いがなくなっているな。
見た目年齢はカティナの5つくらい下に見えなくも無い。
それに俺との距離感も掴みかねている・・・流石は引き籠もりの闇精霊一族よ。
「あれはアルカトラズ様の知り合いと知って、
カティナが勝手にアニキと呼び始めただけです。
流れでタメ口を利いていますけど上位精霊ですから凄いんですよね?」
『それはもう!
私たち闇精霊は数も少ないですし外にも出ません!
ですがカティナ様は外に出て!色んな研究で成果を出した!
我ら闇精霊の出世頭なのですよ!』
お、おう。
コミュ障でも好きなモノや尊敬している人の話ならここまでの熱量が持てるのか。
まぁ俺達も出会ってから色々と協力してもらってるもんな。
有能なのは間違いない。
それにあのテンションも闇精霊らしくないよな。
『そろそろ魔法適正をみせてもらおうかのぉ。
ここで才能が無いと判断すれば・・・わかっておるな?』
「かしこまりました。どのように致しますか?」
『足下の影を広げられるだけ広げよ。
それでお主の制御力がわかるからのぉ』
背後ではやっとクーを褒めちぎるターンが終わり、
次のステージに進んだところだ。
もともとメリーに魔法の才能は無い。
だから訓練なども無理矢理やらせて闇魔法の扱いに慣れさせていたのだ。
この儀式はずっと前から予定されていた事だからだ。
『あれ?魔法の反応?こんな場所に誰が・・・』
自分の故郷をこんな場所とはひどいお嬢さんだ。
爺さんの悪戯に付き合った結果が今お披露目されようとしている。
チラリ。
あ、爺さんもちゃんとこっちを横目で見てる。
『はぁ~ただいま~懐かしき故郷よ!
さぁクーはどこデスカラァ!
あ、アニキ!アニ・・・』
『ああああああ貴女はぁぁぁぁぁ!?
かかかかかかかか、か、か、カティナ様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
どど、どうしてこちらに・・・おあ、お、お会い出来て光栄でございます!』
どどどど、どうしたんですか!?
俺に対するきょどり方とは雲泥の差ですけど!?
はっ!?爺さん!?そういうこと!?
手の届かない憧れのカティナ様と私会っちゃった!会っちゃったよ!!って事!?
『うるさい奴デスカラァ!
アニキの隣にいるお前は・・・まだここに居たデスケドォ?』
『わわわわ私の事を覚えておいでなのですか!?』
『ワワワワ=ワタシという名前になったデスカ!?
爺は本当にセンスが無いデスケドォ!?』
『いいいいいえ、ももも申し訳ありません!
ちょっと、カティナ様のお会い出来た感動で少々その・・・、
口の回りが悪くなっておりまして』
そうだね、かなり悪いね。
本当の名前も伝えられてないもんね。
「カティナ、クロエさんの事知ってたのか?」
『お~アニキ!久しぶりデスカラァ!
知っているも何もあちしがここに居た時から浮遊精霊として産まれていたデスカラァ!』
「浮遊精霊の区別なんてつくのか?」
『魔力の差違での認識デスケドォ、
その時の娘で間違いないと思うデスカラァ!』
『その通りです!私はカティナ様が居られた頃はまだ浮遊精霊でしたので!
覚えておいていただけたのは光栄です!
改めて、私の名前はクロエと申します。以後お見知りおきを』
『名前は覚えたデスカラァ!』
ようやっと自己紹介を終えられたか。
爺さんも大満足の様だ。
面接もそっちのけで後ろ見てガタガタ震えている。
「あ」
『もう、クロエ何を騒いでいるのですか。
上にまで声が聞こえていm・・・えええええええ!?
かかかかかかかか、カティナ様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
こっちもか・・・。
* * * * *
『いいじゃろう!お主を加護を授ける者として認めよう!』
「あ、ありがとうございます」
ずいぶんと長い面接も終わった。
横で聞いていたけど、
内容は闇魔法と時空魔法の知識がどれほどあるかの試験に、
現在の魔法制御力。
そして戦闘に魔法をどのように使っているのか等。
そして今アルカトラズ様からやっとのこと許可をいただけたわけだ。
アルシェ達はセリア先生との謁見を終えて待ちぼうけしてるだろうな。
『では始まるぞ』
「はい、よろしくお願い致します」
加護の授与が行われようとしていた。
アルカトラズ様の体から黒いオーラが発生し始めた。
しかし、あれは俺達がシンクロして発生するオーラとは違う。
なんというか、純度が数段上だ。
普通の魔力と高濃度魔力のような違いかな?
体の表面を高純度オーラが満ちると次に詠唱が始まった。
だが、こっちもフリューネ達が体の大きさを調整するときの詠唱と同じで何を言ってるいるのかわからない。
勇者とは違って古代語とかそんな感じだろう。
『それ』
「・・・・・・?」
詠唱が終わったと思えば次は何かを払うような動きをした。
その途端にアルカトラズ様の体を覆っていたオーラが消失し、
空気感も軽くなった。
でも、メリーが普通は気づかない程度の困惑顔をするのもわかる。
何がどうなった?
『精霊使いよ、終わったぞ』
「終わりですか?
以前に亜神の加護を頂いた時はオーラが俺に移って付与されたという表示が出たのですが」
『真なる加護は体に溶け込むまでに時間が掛かるんじゃ。
まぁ数日中に交わるから安心せい』
「わかりました、この度はありがとうございました」
「ありがとうございました」
『アルカトラズ様、クーからもありがとうございました』
とりあえずこれで目的の一つは完了したわけだ。
クーのお礼からはただの爺さんに戻って「いいんじゃよ、クーデルカ~」とデレデレになっているし。
「お疲れさん」
「いえ、必要なことでしたので。
ですが、これでアルシェ様と同じようにスキルが使えます」
「だな。俺達とは違うタイプだし早いとこ慣れていきたいな」
「それぞれが存在する必要がないので、
ご主人様がもっとも欲しいスキルだったのですよね?」
「欲しかったなぁ。
でも取得出来なかった理由は、
亜神の加護を複数付与されているからってわかるからな。
アルシェは真なる加護を持ってるしメリーは何も加護がないけど他の条件は満たしていたってことなんだと思う」
欲しいスキルが出ない。
ガチャと同じだよ。
俺達が行うシンクロは精々70%程度だが、
アルシェとメリーが取得したスキル[ユニゾン]はフルシンクロとも呼ぶべきものだ。
俺は[精霊の呼吸]を取得した。
それは複数属性に適性があり亜神の加護を持っているからだと推測した。
しかし、問題はマリエルだ。
あいつのスキルの表示がおかしい。
精霊の呼吸とユニゾンの両方表示されているのに取得出来ていない。
しかも文字が半透明と来ている。
水氷系統のカエル妖精でパートナーが風精霊のニル。
加護は何も持っていないけど、契約精霊が居ることで複数属性の適正も擦っている。
だからマリエルはもちろん俺もアルシェも彼女を預かっている立場として方向性に悩んでいるところだ。
『お主等、早うこちらへ座れ。
クーデルカがお茶会の準備をして持っておるぞ』
「すぐ参ります」
『デレデレな爺ぃが気持ち悪いデスカラァ!』
『カティナ様、とと、隣失礼します!』
さて、闇精霊と情報の共有をする為のお茶会を始めますか。
と、その前に念話で遅れるから何かしとけって伝えておかないとな。
すでに兵士の移動は始まっていて、
アスペラルダからは6万の兵士が向かう事になる。
教国は4万だったか。
土の国も4万で合計は14万。
さらに風の国の生き残った兵士と各国の冒険者が2万。
敵の数を考えるともっと欲しいところだけど流石に国を空には出来ないからな。
1日で終わるならいいけど体験したことの無い大戦になるだろう事は想像に難くない。
交代での昼夜問わず継続する戦闘。
寝ている間も続いている戦闘なぞ今まで経験したことが無いから不安だ。
もう全体の指揮や戦闘は将軍達にまかせて俺達は俺達で勝手に動くことになるのだが、
それでも本当に好き勝手に動いては邪魔になる。
よく戦況をみてからの動き出しになるから、
数日は俺達護衛隊の活躍はないのも理解している。
『では、状況を聞こうかのぉ。
せっかくクーデルカが淹れてくれたというのに楽しい話が出来ずすまんのぉ』
『いえ、お父さまの話をよく聞いて判断ください。
お茶もお菓子もまたいつでも淹れさせて頂きますので』
『クー、爺ぃだけでなくあちしも直接聞くのは始めてデスカラァ!
あちしにも淹れて欲しいデスケドォ!』
『はい、アネゴ。
お時間が合えばいつでもお淹れしますので』
クーデルカはモテモテだね。
身内に大事にされていて良いことだ。
俺はいつも淹れてもらっているから羨ましくは無いよ。
「おい、カティナ。
そっちで保管しているアーティファクトも物によっては使いたいから、
その話もするから全部聞いといてくれよ」
『わかってるデスケドォ!
研究が終わっていて放置された物、
もしくは何かわからず放置している物で研究意味のない物に限られるデスカラァ!』
「それでいい。じゃあ始めますよ」
ユレイアルド神聖教国から帰った俺は翌日には別の場所にいた。
「えぇ、水無月君こそ久しぶりですわね。
それにわざわざこんなところまで迎えに来てもらってしまい申し訳ないですわ」
相変わらずの口調をニル以外から聞いて懐かしくなる。
アルシェも城で再会出来るのを楽しみにしているのだ。
差し出した手を向こうも握ってくださる。
「約1年振りですね、セリア先生」
「水無月君はもう精霊使いとして魔法は私より上なのでは?」
「全体的に中途半端なだけですよ。
水氷属性はアルシェに負けますし風雷属性はセリア先生に負けるでしょうから」
「ならばまだ私もお役に立てそうですわ」
「では、こちらのゲートを通ってアスペラルダの城に帰りましょう」
「話には聞いていたから存在は知っていても、
便利な魔法ですわね・・・」
ほえぇ~、と頬に手を添え尚且つ顔も傾けた上品な驚き方。
ニルも驚いた時は「ビックリですわー!」じゃなくて同じように成長してくれるだろうか。
「謁見の間の正面に繋がっています」
「わかりました、ありがとう水無月君」
ゲートの向こうは見えている為セリア先生は躊躇せずに足を進める。
あちらからは早速キャーキャーと声が聞こえ、
兵士たちも再開を喜ぶ声を短く交わしている。
あまり長引くと王族を待たせる事も分かっているが為に皆が短めに済ませていた。
セリア先生と入れ替わりにこちらに出てきたのはクーとメリー。
これから王族とセリア先生の謁見が終わる前にやることがあるのよ。
『《施錠》』
「ご主人様、やはり失礼ではありませんか?」
「話は通しているから大丈夫だよ。
時々クーの顔を出してご機嫌伺いはしていたし、
精霊使いに興味を持って貰えているからな」
これから行く先はアスペラルダが所有するランク1ダンジョン[死霊王の呼び声]。
懐かしいね。
そしてお会いする予定である人物の名前は[アルカトラズ様]。
「しかし、真なる加護ですよ?」
「メリーに亜神の加護を施す意味が無いだろ。
クーとしか契約してないんだから・・・」
「それはそうですが・・・」
『お父さま、メリーさん。
時間もありませんのでそろそろゲートを開きましょう。
それとお爺さまはクーに甘いので大丈夫ですよ』
自然発生する浮遊精霊から成長する精霊に血縁は無い。
それでも大精霊は長老であり頼りになる。
さらに幼いクーが顔を出すことで大喜びする。
祖父が孫に甘いのは異世界でも変わらない。
「《解錠》:死霊王の呼び声」
いやぁマジで王様方には感謝だな。
闇の剣と光の剣を用意してくれたおかげで移動が楽になって、
瘴気相手に対応出来るんだもんな。
「おら、行くぞ」
「『はい』」
ゲートを超えた先は木で出来た小屋のどこか。
どこかというかBOSS部屋の横にある休憩所だな。
ここはその物置だ。
「先に受付に挨拶してくる。
お前等は下に降りてろ」
「かしこまりました」
『お茶の準備を進めておきます』
コッコッ、ココッコッ!
『水無月さんですか?』
「アルカトラズ様に会いに来ました。お土産は残しておきますので」
『いつもありがとうございます。
今日は下にクロエが居ますよ』
「初顔会わせですね。では、失礼します」
ノックした扉の先は休憩所のカウンター裏。
あまり俺はここまで顔を出さないけど来たときはこうやって挨拶をしている。
ただ、他の冒険者が向こうには居るので扉越しの対話になっちゃうんだがね。
小屋の物置に繋がる相変わらず長い螺旋空洞を進んで行くと、
やがて老人の声と聞き馴染みの無い声がクーの容姿を褒める声が聞こえてくる。
たぶんこっちが噂のクロエさんかな?
『おぉぉ!クーは可愛いのぉ!
綺麗な毛並みとピンと立った耳がグッドじゃ!』
『ありがとうございます、お爺さま』
『メイド服も改造した方がいいんじゃない?
そっちの人間と同じだと味気ないわ』
「も、申し訳ありません・・・」
身内が可愛いのは分かるけど、
メリーにとってどんな地獄だこりゃ。
クーを囲み褒めちぎる老人と上のクロワさんに似た容姿だけど気の強そうな女性が1人。
メリーは居場所が無さそうな佇まいだった。
「お久しぶりです、アルカトラズ様」
メリーの可哀想な姿は見てられない。
片手を胸に、反対の手を腰に回してアルカトラズ様に見える位置から挨拶する。
『おぉ精霊使いか、久しいな。息災だったか』
「クーが元気なら俺も元気ですよ。
それで貴女がクロエさんですか?」
『そうよ、初めまして。クーデルカのマスター?
私、精霊使いに会うの初めてだわ。よろしくね』
「どうも」
う~ん気さくだ。
普通に黒い服も似合っている。
流石は闇精霊だな。
「久しぶりの談話をしたいところですが、
時間もあまり無いので進めてもいいでしょうか?」
『相変わらずあちこち動き回って居るのぉ。
クーデルカや、ちゃんと愛情を注いでもらっておるのか?』
『お父さまはクーだけではなく姉妹全員に愛情を注いでくださっていますよ。
メリーさんもこちらに来てお茶の準備をお願いします』
「かしこまりました」
そして始まるクーとメリーの茶会準備。
それをニコニコと気分良さそうに見守る爺さんと姉さんは放っておいて、
俺も最後のゲストを呼ぶとしましょうか。
「《コール》:カティナ」
ピリリリリリリリ、ピリリリリリリリ、ピリリ、ピロン♪
[はいは~い、アニキおはようデェ~スカラァ!]
うるせぇ。
なんでコイツこんな朝から元気なの?徹夜明けなの?
「もうこっちはアルカトラズ様と合流してるぞ。
お前そろそろこっちに着けるか?」
[OH!もうこんな時間デスカラァ!すぐ行きマスデスヨ!]
「クーも進化したから報告と一緒に楽しみにしとけ」
[そりゃ楽しみデスカラァ!
爺ぃと顔を会わせるのは面倒でもクーの為にあちしは胃薬と共に行くデスカラァ!]
お前とアルカトラズ様の間に何があったんだ・・・。
さて、上位精霊のカティナも呼んだ。
あの場にいるのは大精霊のアルカトラズ様とこっちも上位精霊のクロエさん。
今は受付をしているクロワさんも同じく上位精霊だけど、
カティナより下の位階らしい。
精霊も上下関係が面倒だね。
「ご主人様、整いました」
「ありがとう。
カティナもこれからだし先に加護の話をしようか」
「お任せ致します」
精霊談話に加われなかったメリーが避難してきた。
でも、こっちも話は済んだし一緒に戻ろうか。
目的のブツをいただきましょう。
「アルカトラズ様よろしいでしょうか?」
『うむ、アレじゃな?』
「はい、アレです。
ゲストも少し遅れますので先に進めたいと思いまして」
『相変わらずじゃな・・・』
『爺様、ゲストって誰です?』
『内緒じゃ。さて、これより面接を開始する!』
あ、教えてないんだ。
アルカトラズ様にはカティナも呼ぶと伝えていたんだけど、
なんか楽しそうに指を揺りながら隠してる。
カティナとクロエさんの関係性が気になるな。
そんなことよりも始まった面接とやら。
指をチョイチョイと動かしてメリーを近寄らせるアルカトラズ様。
『お主がクーデルカのサブマスターじゃな?名を』
「お初にお目に掛かりますアルカトラズ様。
私はメリー=ソルヴァと申します」
『クーデルカと契約してどのくらいになる?』
「土の月20日頃に契約をさせていただきました。
おおよそ5ヶ月ほどになります」
アルカトラズ様は何が知りたいんだろう。
事前連絡の時は二つ返事でOKをくれたけどメリーを知る必要もあるとか言っていた。
『クーデルカはメリーにとってどのような存在か?』
「烏滸がましいとは理解しておりますが、
弟子であり師でもあります。
侍従の仕事は私が手本となり導いておりますが、
魔法や戦闘となればクーデルカ様が手本となり私を導いてくださいます」
『それだけか?』
「いえ・・・いいえ、違います。
いつもひたむきに、ただただ家族を想う優しい女の子です。
戦闘もサポートもこなすには幼すぎると思うこともございますが、
それでも戦う事からも逃げず自分のやりたい事にも全力で取り組む姿に尊敬しております」
メリーは基本的に無口な方だ。
あまり自分の想いを吐露しない。
いや、そもそも俺が聞きたいと口にしたことがないんだけど。
それにしてもクーは愛されてるなぁ。
他のメイド達にも可愛がられているし、
流石は俺の娘だな!
『うむうむ、確かにクーデルカは勤勉だ。
アスペラルダに滞在している間に何度もここへ足を運んでおった。
それにお茶の準備をいつもしてくれているが、
クロエやカティナでは出来ない洗練された優雅な動きであった』
アルカトラズ様は相変わらず孫に甘い。
めっちゃ褒めるやん。
うちのクーを見てみなさいよ。
メリーの後に爺様に褒められてはわわ~ってなっていらっしゃるぞ。
両手で顔を覆ってもう止めてください~と言いたげだ。
「クロエさん」
『あ、や、え~と。
カティナ様と懇意なら私のこともクロエでいいですよ』
さっきまでの勢いがなくなっているな。
見た目年齢はカティナの5つくらい下に見えなくも無い。
それに俺との距離感も掴みかねている・・・流石は引き籠もりの闇精霊一族よ。
「あれはアルカトラズ様の知り合いと知って、
カティナが勝手にアニキと呼び始めただけです。
流れでタメ口を利いていますけど上位精霊ですから凄いんですよね?」
『それはもう!
私たち闇精霊は数も少ないですし外にも出ません!
ですがカティナ様は外に出て!色んな研究で成果を出した!
我ら闇精霊の出世頭なのですよ!』
お、おう。
コミュ障でも好きなモノや尊敬している人の話ならここまでの熱量が持てるのか。
まぁ俺達も出会ってから色々と協力してもらってるもんな。
有能なのは間違いない。
それにあのテンションも闇精霊らしくないよな。
『そろそろ魔法適正をみせてもらおうかのぉ。
ここで才能が無いと判断すれば・・・わかっておるな?』
「かしこまりました。どのように致しますか?」
『足下の影を広げられるだけ広げよ。
それでお主の制御力がわかるからのぉ』
背後ではやっとクーを褒めちぎるターンが終わり、
次のステージに進んだところだ。
もともとメリーに魔法の才能は無い。
だから訓練なども無理矢理やらせて闇魔法の扱いに慣れさせていたのだ。
この儀式はずっと前から予定されていた事だからだ。
『あれ?魔法の反応?こんな場所に誰が・・・』
自分の故郷をこんな場所とはひどいお嬢さんだ。
爺さんの悪戯に付き合った結果が今お披露目されようとしている。
チラリ。
あ、爺さんもちゃんとこっちを横目で見てる。
『はぁ~ただいま~懐かしき故郷よ!
さぁクーはどこデスカラァ!
あ、アニキ!アニ・・・』
『ああああああ貴女はぁぁぁぁぁ!?
かかかかかかかか、か、か、カティナ様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
どど、どうしてこちらに・・・おあ、お、お会い出来て光栄でございます!』
どどどど、どうしたんですか!?
俺に対するきょどり方とは雲泥の差ですけど!?
はっ!?爺さん!?そういうこと!?
手の届かない憧れのカティナ様と私会っちゃった!会っちゃったよ!!って事!?
『うるさい奴デスカラァ!
アニキの隣にいるお前は・・・まだここに居たデスケドォ?』
『わわわわ私の事を覚えておいでなのですか!?』
『ワワワワ=ワタシという名前になったデスカ!?
爺は本当にセンスが無いデスケドォ!?』
『いいいいいえ、ももも申し訳ありません!
ちょっと、カティナ様のお会い出来た感動で少々その・・・、
口の回りが悪くなっておりまして』
そうだね、かなり悪いね。
本当の名前も伝えられてないもんね。
「カティナ、クロエさんの事知ってたのか?」
『お~アニキ!久しぶりデスカラァ!
知っているも何もあちしがここに居た時から浮遊精霊として産まれていたデスカラァ!』
「浮遊精霊の区別なんてつくのか?」
『魔力の差違での認識デスケドォ、
その時の娘で間違いないと思うデスカラァ!』
『その通りです!私はカティナ様が居られた頃はまだ浮遊精霊でしたので!
覚えておいていただけたのは光栄です!
改めて、私の名前はクロエと申します。以後お見知りおきを』
『名前は覚えたデスカラァ!』
ようやっと自己紹介を終えられたか。
爺さんも大満足の様だ。
面接もそっちのけで後ろ見てガタガタ震えている。
「あ」
『もう、クロエ何を騒いでいるのですか。
上にまで声が聞こえていm・・・えええええええ!?
かかかかかかかか、カティナ様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
こっちもか・・・。
* * * * *
『いいじゃろう!お主を加護を授ける者として認めよう!』
「あ、ありがとうございます」
ずいぶんと長い面接も終わった。
横で聞いていたけど、
内容は闇魔法と時空魔法の知識がどれほどあるかの試験に、
現在の魔法制御力。
そして戦闘に魔法をどのように使っているのか等。
そして今アルカトラズ様からやっとのこと許可をいただけたわけだ。
アルシェ達はセリア先生との謁見を終えて待ちぼうけしてるだろうな。
『では始まるぞ』
「はい、よろしくお願い致します」
加護の授与が行われようとしていた。
アルカトラズ様の体から黒いオーラが発生し始めた。
しかし、あれは俺達がシンクロして発生するオーラとは違う。
なんというか、純度が数段上だ。
普通の魔力と高濃度魔力のような違いかな?
体の表面を高純度オーラが満ちると次に詠唱が始まった。
だが、こっちもフリューネ達が体の大きさを調整するときの詠唱と同じで何を言ってるいるのかわからない。
勇者とは違って古代語とかそんな感じだろう。
『それ』
「・・・・・・?」
詠唱が終わったと思えば次は何かを払うような動きをした。
その途端にアルカトラズ様の体を覆っていたオーラが消失し、
空気感も軽くなった。
でも、メリーが普通は気づかない程度の困惑顔をするのもわかる。
何がどうなった?
『精霊使いよ、終わったぞ』
「終わりですか?
以前に亜神の加護を頂いた時はオーラが俺に移って付与されたという表示が出たのですが」
『真なる加護は体に溶け込むまでに時間が掛かるんじゃ。
まぁ数日中に交わるから安心せい』
「わかりました、この度はありがとうございました」
「ありがとうございました」
『アルカトラズ様、クーからもありがとうございました』
とりあえずこれで目的の一つは完了したわけだ。
クーのお礼からはただの爺さんに戻って「いいんじゃよ、クーデルカ~」とデレデレになっているし。
「お疲れさん」
「いえ、必要なことでしたので。
ですが、これでアルシェ様と同じようにスキルが使えます」
「だな。俺達とは違うタイプだし早いとこ慣れていきたいな」
「それぞれが存在する必要がないので、
ご主人様がもっとも欲しいスキルだったのですよね?」
「欲しかったなぁ。
でも取得出来なかった理由は、
亜神の加護を複数付与されているからってわかるからな。
アルシェは真なる加護を持ってるしメリーは何も加護がないけど他の条件は満たしていたってことなんだと思う」
欲しいスキルが出ない。
ガチャと同じだよ。
俺達が行うシンクロは精々70%程度だが、
アルシェとメリーが取得したスキル[ユニゾン]はフルシンクロとも呼ぶべきものだ。
俺は[精霊の呼吸]を取得した。
それは複数属性に適性があり亜神の加護を持っているからだと推測した。
しかし、問題はマリエルだ。
あいつのスキルの表示がおかしい。
精霊の呼吸とユニゾンの両方表示されているのに取得出来ていない。
しかも文字が半透明と来ている。
水氷系統のカエル妖精でパートナーが風精霊のニル。
加護は何も持っていないけど、契約精霊が居ることで複数属性の適正も擦っている。
だからマリエルはもちろん俺もアルシェも彼女を預かっている立場として方向性に悩んでいるところだ。
『お主等、早うこちらへ座れ。
クーデルカがお茶会の準備をして持っておるぞ』
「すぐ参ります」
『デレデレな爺ぃが気持ち悪いデスカラァ!』
『カティナ様、とと、隣失礼します!』
さて、闇精霊と情報の共有をする為のお茶会を始めますか。
と、その前に念話で遅れるから何かしとけって伝えておかないとな。
すでに兵士の移動は始まっていて、
アスペラルダからは6万の兵士が向かう事になる。
教国は4万だったか。
土の国も4万で合計は14万。
さらに風の国の生き残った兵士と各国の冒険者が2万。
敵の数を考えるともっと欲しいところだけど流石に国を空には出来ないからな。
1日で終わるならいいけど体験したことの無い大戦になるだろう事は想像に難くない。
交代での昼夜問わず継続する戦闘。
寝ている間も続いている戦闘なぞ今まで経験したことが無いから不安だ。
もう全体の指揮や戦闘は将軍達にまかせて俺達は俺達で勝手に動くことになるのだが、
それでも本当に好き勝手に動いては邪魔になる。
よく戦況をみてからの動き出しになるから、
数日は俺達護衛隊の活躍はないのも理解している。
『では、状況を聞こうかのぉ。
せっかくクーデルカが淹れてくれたというのに楽しい話が出来ずすまんのぉ』
『いえ、お父さまの話をよく聞いて判断ください。
お茶もお菓子もまたいつでも淹れさせて頂きますので』
『クー、爺ぃだけでなくあちしも直接聞くのは始めてデスカラァ!
あちしにも淹れて欲しいデスケドォ!』
『はい、アネゴ。
お時間が合えばいつでもお淹れしますので』
クーデルカはモテモテだね。
身内に大事にされていて良いことだ。
俺はいつも淹れてもらっているから羨ましくは無いよ。
「おい、カティナ。
そっちで保管しているアーティファクトも物によっては使いたいから、
その話もするから全部聞いといてくれよ」
『わかってるデスケドォ!
研究が終わっていて放置された物、
もしくは何かわからず放置している物で研究意味のない物に限られるデスカラァ!』
「それでいい。じゃあ始めますよ」
10
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