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閑話休題 -次に向けての準備期間-
閑話休題 -63話-[剣聖の軌跡③]
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「瘴気精霊が日に日に増えていく状況は不味い事はわかっていましたが、
斬っても魔法で攻撃してもするりと通り抜けてしまい、
結果的にゆっくりとですが確実にその総数は増えて行きました。
そこからさらに季節が1度廻る頃には加階する個体が出てきました」
『それがノイ姉様くらいの瘴気精霊ですか?』
「そうだな。ちょうど君くらいの大きさの精霊だ。
まぁ見た目は全く違うし彼らは皆が同じ容姿をしていた」
下位瘴鬼はあの丸くて無害な瘴気精霊の加階版で確定か。
生物の中には確かに子供の頃は大人しく無害で愛らしいのに成長すると狂暴というのは存在する。
しかし、落ちていた黒い欠片の素材になりそうな爪や角を彼らは持っていなかった。
あくまで幼体レベルなのだろう。
今なら何でも怖がってくれそうな村長一家は一瞬不安そうな顔でノイに目を向けたが、
すぐに似ても似つかないと説明が挟まったことで気を持ち直した様だ。
「形勢が変わったのはその後です。
水無月殿が言う下位瘴鬼よりも高位の存在が大きく広がった空間の割れ目から姿を現しました。
下位瘴鬼は攻撃が通り過ぎてしまいましたが、
高位の存在はちゃんとした肉体を持っていたので撃退することが出来たのです。
おそらく下位瘴鬼は受肉していないから成長を優先し、
高位の存在は受肉している故に私と戦う事を優先したのだと考えています」
『高位の瘴鬼の姿はどのようなものです?
ボク達が戦った時の貴方はこんな姿だったですけど』
話に出て来た高位の存在。
これが純粋な成長をした瘴鬼なのか、
それとも人間に寄生して成長した瘴鬼なのか…。
その情報を引き出すためにノイに念話で伝え、
セプテマ氏寄生体のフィギュアを創造してもらい確認を行う。
「体高はどの程度だったかな?」
『洞窟の天井には届いていたと思うです。
出てくる際に少し屈んでいた様に見えたですから。でも、ほんの少しです』
「ならば、やはり違う種だな。
私の様な中途半端な姿ではなく筋肉量も多くガッシリしていた。
動きだけでもランク9の魔物と近く、魔法で視界を覆い、瘴気の触手を複数操り強かった……」
彼の契約精霊であるファレーノが起きていれば、モグモグ。
どんな姿でどんな攻撃をするのかもっとわかるのになぁ。モグモグ。
今の話だけではタコっぽい奴からクトゥルフまで警戒しないといけないじゃないか。
『話は出来なかったのですか?』
「呼びかけても気味の悪い薄ら笑いを浮かべるばかりで全く意思疎通は出来なかったな」
「そ、そいつらは全て倒したのか?」
再びベルの口を通して会話を進めると、
ソニューザが不安そうな声でセプテマ氏に問いかけた。
「いや、すみません。
私は度重なる戦いの間に知らぬうちに奴らの寄生を許してしまい、
ファレーノもそんな私を支えながら頑張ってくれましたが最後は寄生されて最後は自分が何をしていたのかも記憶が定かではありません。
なので、大型の上位個体がいないのであれば無意識に退けていた……、と思いたいですが……」
「確実ではない、ですか…」
『敵意を強く発する気配はありませんから、
セプテマ氏が退けたのか自ら空間が閉じる前に帰ったのかは判断が尽きませんね。
とりあえず道中の目に付く下位瘴鬼は浄化したので残っていたとしても明日で片付くでしょう』
「旅の方にそこまでしていただくのは心苦しいですな。
しかし、我らに対抗手段がないのも事実…。エルダードワーフを代表して改めてよろしくお願いします」
ゴクリンコ。
村長と奥方、次期村長のソニューザに頭を下げられては飯を食べる手を止めざるを得ない。
「任せてください。
友人の家族も仲間も出来る限りの手助け致しますよ。
ドラゴドワーフとの橋渡しになってもらった恩もありますし」
「いや、あれは宗八が勝手に来て話が勝手に進んだだけだろ」
「貴方の息子は優秀ですよ。エルダードワーフの未来は明るいですな!」
「言葉と顔が一致してないぞ!宗八!真顔は止めろ!」
画して楽しい食事は再開された。
まぁ話を整理すれば、島に流れ着いたセプテマ氏と土精ファレーノは恩返しに空間から現れる瘴気精霊?と戦って居た。
その戦いの間に寄生を許してしまい、晴れてギリギリ意識が残っている所を俺に救われた。
10年行方不明の間に世界を守っていたとは、流石は剣聖か。
「さて、じゃあセプテマ氏の行動もわかったところで問題の解決をどうするかですね」
「え?問題?」
「彼らは亜空間から現れる敵を倒していたに過ぎないだろ。
その亜空間が何故発生し何故敵が出てくるのか解決しないといつまで経っても解決はしないし、
何より亜空間の入り口が広がっているならもっと高位の個体や数も流れ込んでくる可能性が残る」
「水無月殿の言う通りです。
私も剣聖の称号を手にするだけの力を持っているにも関わらず屈しました。
それだけ敵は強大と認識して手を打たなければなりません」
以前メリーが集めた噂にあったのはポルタフォールの話かと考えていたけれど、
確かあの時の噂には続きがあったよな…。
空間に亀裂が入っていて全く見たこともないモンスターの群れが出てくるとかとかとか。
え? ここが煙の火元? アスペラルダと関係ないぞここ。
「根本を叩かないと状況は悪化するだけってことだ」
「どうすればいいのだ?」
「島の外から来たばかりの奴に言われるのは癪と理解した上で言わせてもらうと……。
エルダードワーフもドラゴドワーフも力不足だ。もちろん黄竜も例に漏れず浄化が出来ない以上役に立たない」
結局のところ敵は瘴気を根源にする奴らって事は確定だ。
ならば、俺や勇者のように浄化する力を持たなければただの的になり下がる。
囮として使うよりもどこかに避難させて、その間に亜空間の向こうを浄化し尽くすくらいの方がまだ楽だろう。
「この島は元来我々エルダードワーフと黄竜が住んでいる土地だ!
何もしないなんて事は許されない!」
「いいか、ソニューザ。はっきり言えばセプテマ氏も含めて浄化が出来ない奴は足手まといなんだ。
相手の正体は判断出来ずとも共通点は瘴気が関係している事となれば向こうのボスも瘴気関連。
だったらお前らは数を減らすだけで終わる。無駄死にがお望みなら勝手にしろ。
俺はお前らを守りながら事を解決出来るほど器用じゃあないっ!」
セプテマ氏の話と黒い欠片の落ちていた範囲を考えれば島のどこに出ていてもおかしくないほど広い。
一部を抑えても他の地点で精霊体の敵が出れば浄化以外が効かないとなれば完全に詰みだ。
人族は現在フォレストトーレの対策に当たっているから、
どの程度の危険度なのかも不明なこの島の状況の観察は必須事項だ。
瘴気が関わっている以上は楽観視していい案件じゃない。
「水無月宗八。
改めて問おう。貴方は何者なのか?」
声を荒げたソニューザに比べずいぶんと冷静な村長が問う。
島に来たばかりであるはずなのに自分達が把握していない情報を持ちすぎだと、
言葉の端々から理解したであろう賢い村長はソニューザも手で制し俺へ問うて来た。
「私はアスペラルダ王国、アスペラルダの至宝、アルカンシェ=シヴァ=アスペラルダ様の護衛隊長。
水無月宗八。別の顔として聖女の予言を受けて破滅についても調査をしている諜報員になります」
辺境の土地に住む一族と予言があった事すら知らない剣聖には初耳な情報だろう。
しかし、実際侵攻している事実がある以上は空間の亀裂がどのような影響を及ぼすのかわからない以上、
最大限の警戒を持って対処に当たるべきと俺は判断していた。
斬っても魔法で攻撃してもするりと通り抜けてしまい、
結果的にゆっくりとですが確実にその総数は増えて行きました。
そこからさらに季節が1度廻る頃には加階する個体が出てきました」
『それがノイ姉様くらいの瘴気精霊ですか?』
「そうだな。ちょうど君くらいの大きさの精霊だ。
まぁ見た目は全く違うし彼らは皆が同じ容姿をしていた」
下位瘴鬼はあの丸くて無害な瘴気精霊の加階版で確定か。
生物の中には確かに子供の頃は大人しく無害で愛らしいのに成長すると狂暴というのは存在する。
しかし、落ちていた黒い欠片の素材になりそうな爪や角を彼らは持っていなかった。
あくまで幼体レベルなのだろう。
今なら何でも怖がってくれそうな村長一家は一瞬不安そうな顔でノイに目を向けたが、
すぐに似ても似つかないと説明が挟まったことで気を持ち直した様だ。
「形勢が変わったのはその後です。
水無月殿が言う下位瘴鬼よりも高位の存在が大きく広がった空間の割れ目から姿を現しました。
下位瘴鬼は攻撃が通り過ぎてしまいましたが、
高位の存在はちゃんとした肉体を持っていたので撃退することが出来たのです。
おそらく下位瘴鬼は受肉していないから成長を優先し、
高位の存在は受肉している故に私と戦う事を優先したのだと考えています」
『高位の瘴鬼の姿はどのようなものです?
ボク達が戦った時の貴方はこんな姿だったですけど』
話に出て来た高位の存在。
これが純粋な成長をした瘴鬼なのか、
それとも人間に寄生して成長した瘴鬼なのか…。
その情報を引き出すためにノイに念話で伝え、
セプテマ氏寄生体のフィギュアを創造してもらい確認を行う。
「体高はどの程度だったかな?」
『洞窟の天井には届いていたと思うです。
出てくる際に少し屈んでいた様に見えたですから。でも、ほんの少しです』
「ならば、やはり違う種だな。
私の様な中途半端な姿ではなく筋肉量も多くガッシリしていた。
動きだけでもランク9の魔物と近く、魔法で視界を覆い、瘴気の触手を複数操り強かった……」
彼の契約精霊であるファレーノが起きていれば、モグモグ。
どんな姿でどんな攻撃をするのかもっとわかるのになぁ。モグモグ。
今の話だけではタコっぽい奴からクトゥルフまで警戒しないといけないじゃないか。
『話は出来なかったのですか?』
「呼びかけても気味の悪い薄ら笑いを浮かべるばかりで全く意思疎通は出来なかったな」
「そ、そいつらは全て倒したのか?」
再びベルの口を通して会話を進めると、
ソニューザが不安そうな声でセプテマ氏に問いかけた。
「いや、すみません。
私は度重なる戦いの間に知らぬうちに奴らの寄生を許してしまい、
ファレーノもそんな私を支えながら頑張ってくれましたが最後は寄生されて最後は自分が何をしていたのかも記憶が定かではありません。
なので、大型の上位個体がいないのであれば無意識に退けていた……、と思いたいですが……」
「確実ではない、ですか…」
『敵意を強く発する気配はありませんから、
セプテマ氏が退けたのか自ら空間が閉じる前に帰ったのかは判断が尽きませんね。
とりあえず道中の目に付く下位瘴鬼は浄化したので残っていたとしても明日で片付くでしょう』
「旅の方にそこまでしていただくのは心苦しいですな。
しかし、我らに対抗手段がないのも事実…。エルダードワーフを代表して改めてよろしくお願いします」
ゴクリンコ。
村長と奥方、次期村長のソニューザに頭を下げられては飯を食べる手を止めざるを得ない。
「任せてください。
友人の家族も仲間も出来る限りの手助け致しますよ。
ドラゴドワーフとの橋渡しになってもらった恩もありますし」
「いや、あれは宗八が勝手に来て話が勝手に進んだだけだろ」
「貴方の息子は優秀ですよ。エルダードワーフの未来は明るいですな!」
「言葉と顔が一致してないぞ!宗八!真顔は止めろ!」
画して楽しい食事は再開された。
まぁ話を整理すれば、島に流れ着いたセプテマ氏と土精ファレーノは恩返しに空間から現れる瘴気精霊?と戦って居た。
その戦いの間に寄生を許してしまい、晴れてギリギリ意識が残っている所を俺に救われた。
10年行方不明の間に世界を守っていたとは、流石は剣聖か。
「さて、じゃあセプテマ氏の行動もわかったところで問題の解決をどうするかですね」
「え?問題?」
「彼らは亜空間から現れる敵を倒していたに過ぎないだろ。
その亜空間が何故発生し何故敵が出てくるのか解決しないといつまで経っても解決はしないし、
何より亜空間の入り口が広がっているならもっと高位の個体や数も流れ込んでくる可能性が残る」
「水無月殿の言う通りです。
私も剣聖の称号を手にするだけの力を持っているにも関わらず屈しました。
それだけ敵は強大と認識して手を打たなければなりません」
以前メリーが集めた噂にあったのはポルタフォールの話かと考えていたけれど、
確かあの時の噂には続きがあったよな…。
空間に亀裂が入っていて全く見たこともないモンスターの群れが出てくるとかとかとか。
え? ここが煙の火元? アスペラルダと関係ないぞここ。
「根本を叩かないと状況は悪化するだけってことだ」
「どうすればいいのだ?」
「島の外から来たばかりの奴に言われるのは癪と理解した上で言わせてもらうと……。
エルダードワーフもドラゴドワーフも力不足だ。もちろん黄竜も例に漏れず浄化が出来ない以上役に立たない」
結局のところ敵は瘴気を根源にする奴らって事は確定だ。
ならば、俺や勇者のように浄化する力を持たなければただの的になり下がる。
囮として使うよりもどこかに避難させて、その間に亜空間の向こうを浄化し尽くすくらいの方がまだ楽だろう。
「この島は元来我々エルダードワーフと黄竜が住んでいる土地だ!
何もしないなんて事は許されない!」
「いいか、ソニューザ。はっきり言えばセプテマ氏も含めて浄化が出来ない奴は足手まといなんだ。
相手の正体は判断出来ずとも共通点は瘴気が関係している事となれば向こうのボスも瘴気関連。
だったらお前らは数を減らすだけで終わる。無駄死にがお望みなら勝手にしろ。
俺はお前らを守りながら事を解決出来るほど器用じゃあないっ!」
セプテマ氏の話と黒い欠片の落ちていた範囲を考えれば島のどこに出ていてもおかしくないほど広い。
一部を抑えても他の地点で精霊体の敵が出れば浄化以外が効かないとなれば完全に詰みだ。
人族は現在フォレストトーレの対策に当たっているから、
どの程度の危険度なのかも不明なこの島の状況の観察は必須事項だ。
瘴気が関わっている以上は楽観視していい案件じゃない。
「水無月宗八。
改めて問おう。貴方は何者なのか?」
声を荒げたソニューザに比べずいぶんと冷静な村長が問う。
島に来たばかりであるはずなのに自分達が把握していない情報を持ちすぎだと、
言葉の端々から理解したであろう賢い村長はソニューザも手で制し俺へ問うて来た。
「私はアスペラルダ王国、アスペラルダの至宝、アルカンシェ=シヴァ=アスペラルダ様の護衛隊長。
水無月宗八。別の顔として聖女の予言を受けて破滅についても調査をしている諜報員になります」
辺境の土地に住む一族と予言があった事すら知らない剣聖には初耳な情報だろう。
しかし、実際侵攻している事実がある以上は空間の亀裂がどのような影響を及ぼすのかわからない以上、
最大限の警戒を持って対処に当たるべきと俺は判断していた。
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