特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重

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第13章 -1st_Wナユタの世界-

†第13章† -02話-[火精王サラマンダーとの謁見①]

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「≪アスペラルダの至宝。アルカンシェ王女殿下の近衛が一人、リッカ=ニカイドウが乞う。主契約者マスター水無月みなづきの許可を得、今新たな契約を求む≫」
『≪主契約者マスター水無月みなづきの契約精霊たるフラムキエ=メギドールが乞う。アルカンシェの近衛、リッカの下位契約を求む≫』
「≪契約精霊フラムキエの主契約者マスターたる水無月みなづき宗八そうはちが許可をする≫」
「『≪その身その体は彼かのために……!共に歩まん!精霊契約っ!≫』」

 話し合いが終わりリッカが正式にアスペラルダ諸族が決まった事でご両親とクレチアさんの前で副契約の魔力花が咲き誇る。
 俺とフラム以外が原初の赤とも評される神々しい魔力色で構成された花に視線を奪われ恍惚とした表情をしている中、無事に花は霧散していき二人の副契約は成立した。
 正式とはいえこの後の流れとしてはクレチアさんが教皇へ報告。俺がギュンター王へ報告。双方が文面にて所属変更の手続きが必要になるが時間がどれほど残っているかもわからないので本人に念のため再確認を取ってから契約を先にすることとした。

「不束ですがこれからよろしくお願いします。フラムキエ様」
『こっちも姉様たち程の力はまだ出せないけど、よろしく。リッカ』

 起こされたと思いきや自分の副契約者が決まっていたというのにフラムは何も気にしていないかのようにすんなり契約が成立した理由は、互いが尊重し認め合えていれば成功すると今までの経験上わかっていたからだけど、少しずつ二人には交流を持たせていたとはいえ成功して一安心だ。
 残るは末娘の光精ベルの副契約者だけか……。

「それでは私はこのままオルヘルム教皇様へ報告に向かいますね」
「俺たちもこのままお暇させていただきます。リッカを連れて来るかはその時次第ですが装備品の強化と夏の避暑の件でまた顔を出します」
「リッカの事、改めてよろしくお願いします。リッカも体に気を付けて頑張ってきなさい」

 予想よりも早く面談が終わった事もありアルシェ達と合流して次の予定に進む為ゲートを開いてエルダードワーフの里へと移動する。
 俺はクーを、リッカはフラムを抱えて乾いた土地に降り立ったわけだが、出迎えの為に控えていたのはフォレストトーレ奪還戦で救助された名も無き火精と青龍フリューアネイシアと世話役のフロスト・ドラゴンエルレイニアの三名だけ。

「火精の。サラマンダー様にはいつ面会出来そうだ?」
『いつでも良いとの回答を預かっております。それとアルカンシェにも礼を直接伝えたいとの事です』
「属性相性的に連れて行かないでおこうと思ってたんだけど、それでも連れて行った方が良いか?」
『サラマンダー様はそう望んでおります』

 マリエルは今のうちに暇を出させて実家で羽を伸ばしており、アルシェとアクアは一時的に地竜の島に来てはいるから声を掛ければ付いてくることに異を唱えはしないだろう。ただフリューネ達はお呼びじゃないから置いていくしかない。変に刺激してヘソを曲げられたらたまったものでは無いからな。

「クー。ミリエステをこちらに呼び出してくれ」
『かしこまりました』
「(アクア。アルシェと一緒にサラマンダー様が会いたいらしいからこっちにおいで)」
『(あ~い。アルに伝えてすぐに合流するねぇ~)』

 勇者PTの魔法使いミリエステには謁見の目途が立った時点で近日中に呼び出す旨は伝えていたからクーの声掛けですぐに準備してこちらに合流してくれるだろう。土精の加護を得た守護騎士マクラインの硬さに驚きつつも羨望の眼差しで見つめていたくらいだからな。

「あっちに行く前にリッカの武器について説明しておくな」
「私の武器という事は[龍宮ノ大太刀]のですよね?」
「そそ。親父さんが造った武器だからかギルドで正確な情報が出なかったって聞いたけど…」
「その通りです。要求ステータスは分かりましたがステータスの増減や特殊効果は不明でした」

 ギルドで管理している鬼レアアーティファクトでダンジョンさんのドロップ品や鍛冶師が打つレア度普通までの装備品は鑑定できるそうだが、一点物の武具に関してはお手上げて事らしい。一応籠手の件もあるからギルマスのアインスさんに確認を取ったところ、鎧装備に籠手まで含まれていればステータスから装備した時点で勝手に腕にも装備されるが、ステータスからではなく直接装備した場合は要求ステータスに関わらず装備は出来ても装備品ごとに色んなデメリットが出るからギルドカードの制限解除を行う必要があるとの事。
 この事はアインスさんからギルド上層部へ申請をすでにしていて承諾をいただけ次第すぐに装備制限解除手続きを取ってくれるように取り計らってもらっている。

「親父さんが言うにはリクオウの高難度ダンジョン産のドロップ品で造った武器だから素材的に火属性が扱える可能性があるらしい」
「で、でも以前試した時は制御出来ず相性が悪いと隊長も判断していましたよね?」
「俺がその[龍宮ノ大太刀]を装備出来れば検証も出来たんだけどリッカしか何故か装備出来なかったからなぁ……。
 可能性としては武器と相性が良すぎてリッカの未熟な制御力じゃ扱いきれなかったってところなのかもしれない。以前に試してから訓練も重ねているしもう一度試してくれ」
「わ、わかりました!被害が出ても困るので少し離れた所でやりますね!」

 以前に試した際は剣身から吹き荒れる炎の勢いに振り回されて危うく怪我人が出るところだったしちょっとトラウマになってるのかも…。今は加護も無いけど無精と契約させた兵士の中でも下から数えるラインの制御力を見せているから才能はある方だと思っている。フラムとシンクロ出来れば簡単なんだろうけどね。

「いきます!《ヴァーンレイド!》《セット:龍宮ノ大太刀!》」

 赤く発光し始めた剣身からボボボッ!と多少炎が漏れてリッカは慌てていたけれど以前に比べればやはり制御出来ている。今回の謁見で真なる祝福をもらう予定なのはミリエステで流石にリッカへの祝福は半年後になってしまうからナユタの世界へは連れて行けないかなぁ……。

「制御に必死で戦闘には使えないけど良いじゃないか。もう解除していいぞ」
「は、はい!《解除パージ》」
『お父様、迎えに行くので少し離れます』
「あぁ、すまんな。いってらっしゃい」

 ミリエステを迎えに行くと声を掛けてゲートで出掛けるクーを送り出すと早くもアルシェとアクアがこちらに向かって来ている姿が見えた。まぁメンバーはこれで十分だな、戦いに行くわけでもないし。

「ちなみにお前達はお留守番な」
『え~、僕は宗八そうはちとなるべく離れたくはないよぉ』
「ナユタの世界は瘴気で支配されている。人と合体出来ないと瘴気に取り込まれる可能性がある以上精霊や竜単体で連れていく事は出来ないんだ。だから不安だろうけど皆が居る今のうちに少しだけ離れる事を意識しておいてくれ」
『我は理解を示す。フリューアネイシアが精霊使いと常に一緒だから我の仕事が無い。
 理由も説明してくれているのだから少しは我に世話をさせてほしい』

 フロスト・ドラゴンエルレイニアが最近威厳も何もない状態だったのはお目付け役として付いて来たのにフリューネが俺にべったりな事が原因だったか…。人種の仲間ばかりに目が行っていてフロスト・ドラゴンエルレイニアが二の次になっていたことは本当に申し訳ないと思う。だが、説明した通りフリューネをあちらに連れていく事が出来ない以上俺以外の仲間やそれこそお目付け役のフロスト・ドラゴンエルレイニアを頼ってもらわないといけない。

『ぐぬぬ……。なら、連れて行っても問題ないような手を考えないとだね……。
 それが思い付くまでは宗八そうはちとエルの言う通りにするよ』
「ありがとう」
『お父様、お連れしました』
『パパ~!アル連れて来たよぉ~!』

 何やら企んでいる様子のフリューネがひとまず納得してくれてところで丁度良くクーがミリエステを、アクアがアルシェを連れて合流して来た。これで訪問メンバーは揃ったし軽く説明だけ再度行ってからサラマンダー様のところへ案内してもらうとしよう。
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