特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重

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第13章 -1st_Wナユタの世界-

†第13章† -27話-[魔神族復活の刻③]

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 代表3人組が離れてから少しすればアクアとクーが合流して来たから満足するまで撫で繰り回してからアニマが[無精霊纏エレメンタライズ]を発動し、他の子供達は[混交精霊纏クロスエレメンタライズ]で俺と一体となった。

「さらにバリアは縮んだけどここまでは縮小しなさそうだな。もう1時間くらいになるけどそろそろ復活しねぇかな……」
「隊長。私、姫様の所に行ってもいいですか?」
「護衛が必要とも思えないからコールで伺い立てたら言ってもいいぞ」
「りょ~かいでっす!」

 さっきまで戦っていたのに急に暇になったから手持無沙汰なんだな…。相棒も今や俺と一緒だしな。
 マリエルはさっそくアルシェに連絡を取り始める一方、化け物さんの一行は順々にゲートを通って地竜の島へと移転を始めている。ゲートは大きめに開いているからか通る前から青い空と青い海に目を奪われ皆が皆棒立ちをしている姿に何とも言えない感傷が湧く。
 産まれてからずっと空は黒く、太陽や月の光もまともに大地に届かず、周囲は瘴気に囲まれているような小さな世界で生活して来た彼ら世代は心の底から感動しているのだろう。

「フランザ、アルシェのフォローはお前たちに任せるぞ。避難関連も何か問題があれば上手く調整してくれ」
「わかりました。隊長はもう空へ戻るのですか?」
「うん。脈動がゆっくりになって来たからもうそろそろだと思うんだよね」
「では程々でゼノウ達にも戻る様に指示を回しておきます。お気をつけて」

 指示役であったノイが俺と行動を共にするのでとりあえずフランザに引継ぎを頼み俺はそのままバリアを抜けて空へと戻る。
 魔力と似た別の何かが世界樹に溜まり続けている事は理解しているからその高まりからもそろそろだと考えている。

『(あれはおそらくわたくし達が扱う魔力マナではなく神力エーテルですね)』

 アニマがはっきりと言葉にしたおかげで世界樹に溜まり続ける力は神力エーテルであると仮定できた。
 世界樹が生み出す守護者しゅごしゃはナユタの世界の住人からすれば[神人]というらしい。俺たちの世界でも四神と呼ばれ大陸の守護の役割を持つ大精霊でも魔力マナで身体が構成されているから上位互換となれば当然魔力マナではなく神力エーテルで身体を構成するのだろう。

 俺も近い力は扱えているはずだけどまだあの域には達していない。
 神力エーテルを扱い切るのは今後の課題として現時点では魔神族にダメージを与えられる及第点に達していることで満足するとしよう。

 って言うか世界樹ってどういう存在なんだろう?
 普通の樹と一緒で生きていて微かな意思の下、バリア展開や聖水の精製、果て神人の復活まで意識的にやっているのか。
 それとも機械みたいにシステムで動いているだけなのか?

「アクア、アルシェに念話で世界樹に語り掛けてほしいって伝えて」
『(あいあ~い♪)』

 これで会話でも出来ればめっけもん……かもしれない。
 自殺してくださいと願って枯れてくれればナユタも一緒に消せて一石二鳥だし、終わらせる為に正しい手順があった場合は聞き出したい所だ。最悪、世界樹に雑にトドメを刺した瞬間に一瞬にして空間ごと道連れにされる可能性もある。
 ………、………避難が済んだらアルシェ達も全員元の世界に帰しておこう……。

 ゴロゴロゴロ……バァァァァァンッ!バァァァンッ!バァァァンッ!バアアアァァァァァァァァンッ!
 なんかやたらめったら各地で雷が活発に活動し始めてないか? 復活の予兆かな?

「GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!」

 雷が直撃した魔物が強化されて活動的になっていらっしゃる…。それが各地で……。

『(ナユタ復活後に邪魔になるかもしれませんよ、お父様。今のうちに掃除しておきませんか?)』
「それもそうだな。デカブツなんかは丁度邪魔になりそうだし周囲を回って倒しておこう」


 * * * * *
「(世界樹に意思があるか…ですね。わかりました。アクアちゃんもお兄さんのお手伝い頑張ってね)」
『(あい!アルも頑張ってね~♪)』

 アクアちゃんからの念話でお兄さんの考えを聞いてなるほどと腑に落ちました。
 先に戦った[キュクレウス=ヌイ]も本来は自然界に居た場合、意志ある魔物として存在するはず。それに精霊樹となった[グランハイリア]も意思がある存在だったわけで。世界樹なら尚更対話が出来る可能性も高いですね。

「メリー、お兄さんの指示で世界樹に声を掛けてみます。気にしないで様子見に徹していてね」
「かしこまりました」

 報連相は大事よね。
 メリーは気にしないでくれるだろうと信頼しているけれど、念の為頭がおかしくなったわけでは無いと声を上げる前に伝えておいた。

「世界樹よ!私の声は貴方に届いているでしょうかっ!
 貴方が選び贄となったナユタは今や世界を守護する立場に無く、他の世界へ攻め込む破滅の尖兵として利用されています!」

 私とメリーは周囲を見渡しながら反応を確かめる。

「自身の異常を理解しているのであれば私の声にお答えください!
 どうすれば救えるのですかっ!?どうすれば終わらせることが出来るのですかっ!? 魔神族復活を止める正しい手順があればお教えください!」

 私の声は現在いる中央部だけでなく3つに分かれた通路へも響き抜けて行く。
 エネルギーの集中に些かの変化もなく、既に次の段階に移っているのか脈動の音はもう聞こえない。
 それに内部に居るからか精霊樹グランハイリアとはどこか違うという感覚がある。意識が希薄な様な……そんな感覚を世界樹からは感じ取れた。

「………」
「………反応、ありません」

 メリーも同じ感想なのか耳を澄ませ気配を探ったもののすべてが空振りに終わった。
 まぁ実際に意識があったところで現在は世界樹の一部が瘴気に犯されているのだから自由が利かないという可能性もなくはない。

「っ! アルシェ様っ!」
「うっ!」

 世界樹に声掛けをしていた為に意識が分散していて反応が遅れた私にメリーが覆いかぶさって来た瞬間に視界は光と影に二分された。
 どうやら中心部のナユタ周りに溜まったエネルギーが一気に天井へと放出された際に強烈な光が私達を襲った様だ。それでも攻撃性のある光ではなかったのでメリーに護られながらも辛うじて確認が出来たのは天井に展開されていた魔方陣が光が通過する際に幹を貫通するほどに巨大に広がっている事だけだった。

「《ALL/コール!》 ナユタ復活の最終工程に入ったと思われます!全員警戒を強めてください!」
〔フランザです!世界樹の下部から魔方陣が順々に広がっています。幹の中心部に復活するのに必要な魔方陣が埋蔵されているのではないかと……〕
〔セーバーです。タレア族という見た目が変わっている一族の避難は完了〕

 外でもフェーズが進行した事を視認したのでしょう。続々と仲間から報告が続きます。

〔ゼノウです。男がリーダーを務めるグループは避難を開始しましたが迷いを抱きつつ動いているので鈍いです。復活までに完了しないと思われます〕
〔トワインです。女性リーダーの所は2割ほどが足早に移動を開始。3割が鈍い動きで避難に動き、残り半数が世界樹に向かって祈りを捧げております〕

 残り2グループにゼノウとトワインが張り付いていたのですね。諜報侍女を数名回してもらった方がいいのかしら?
 状況が逼迫するようであれば無理やりにでもゲートに投げ込む気概を見せた方がいいかもしれませんね。

「姫様ぁ~、マリエル到着しました!メリーさんもお疲れ様です!」
「来たわね。状況が動くまでしばらくはここに留まるからお互いをカバー出来るように意識しておいてね」
「りょ~かいです!」
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