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閑話休題 -|霹靂《へきれき》のナユタ討伐祝い休暇-
閑話休題 -95話-[再会+対策+事後報告③]
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翌日。アルシェとトワインとディテウスの3人を連れて再びハルカナムへとやって来た。
3人には改めて目的を説明済みでアクアを通して武器の構想はアルシェにもきちんと伝わっている。
街の外へゲートでやって来た後は普通に門番にギルドカードで身分証明してから街へと入ったが、門番も俺の訪問が多い事からかアルシェが一般人に紛れて身分を明かして来ても表情に出さず俺を一瞥してから通してくれた。
雑談にフォレストトーレの現状や復興進行度合いなどを3人に説明しつつ、その足は街中をまっすぐにグランハイリアへ向けて進められた。その中で皆が不思議に思い口にした疑問は「朝の時間帯にしては人が多すぎる」という点だった。
仕事の為に動き出している人は当然多いだろう時間帯にやって来たとはいえグループでテラスでお茶を飲みながら雑談して居たり、長椅子にぎゅうぎゅうに座って井戸端会議するおばちゃん達や眺めの良い場所に集まる子供達。老若男女全員が何かをしているわけではないのにとにかく家の外に出ている状況に俺達は混乱しながらグランハイリアへと辿り着いた。
『今日も朝からいらっしゃいませ。歓迎しますわ』
「お久しぶりですファウナ様。本日はお姿を拝めることが出来て嬉しいです」
グランハイリアの前に立つと待ち受けていたかの様に木精ファウナは姿を現した。
アルシェ達は約一か月振りの再会を喜びつつアルシェの主導の元改めて二人をファウナに紹介している。
「こちら、お兄さんが力を入れて教育している精霊使いです」
『あらあら。確かトワインと……ディテウスと言ったかしら? トワインが無精・水精・闇精、ディテウスが無精のみという事はトワインの方が兄弟子と見て良いのでしょうか?』
「はい。改めてトワイン=パウエルと申します。
水無月宗八に師事して師と同じく七精霊使いを目指しております。よろしくお願いします」
「お、同じく水無月宗八に師事しておりますディテウス=マレマールと申します。よろしくお願いします」
トワインと出会ったのはフォレストトーレ国領に入ってすぐの町[マリーブパリア]だった。
去年の土の月80日前後だから俺の世界で言う秋の末。冬の初旬頃だな。あれから半年ほど経った時点で三属性の精霊と契約出来ているのはかなり順調と見て良い。
ディテウスと出会ったのはトワイン達と一旦分かれて1カ月以内の道中だったかな。
弟子として育て始めたのは最近の事だし無精のみの契約は仕方のない事だ。ただ、セーバーPTの中ではまだ十代という事もあってかどんどんと技術や魔力制御を身に付けていく為、すぐに活躍のし始めるだろうと考えている。
『うふふ、こちらこそよろしくお願いいたしますわ。
早速アルカンシェの武器創成を行いましょうか。その間にお弟子さんの素質などを見させていただきますわ』
訪問目的をはっきりと理解しているファウナは早々にグループを2つに分けた。
一つがアルシェと俺達の武器創成グループ。もう一つがファウナと弟子達の今後に期待グループ。
おそらく俺達の考えているよりも精霊樹の武器というのはハードルが高い一品なのだろう。レベルなりステータスなり、もしくは称号関連も条件があるのかもしれない。その辺りを見て判断する為に木精ファウナが測ってくれるのだ。
俺達とアルシェがグランハイリアへ近付くと足元から根が一本、地表に顔を出した。
「俺の時にも見ただろうけど、これにイメージを持ちながら魔力を込めれば武器を創ってくれる。
あと今回は新たな試みで魔糸も合成してもらうから手に持ちながらやってみてくれ」
「わかりました。——ふぅ。行きますよ、アクアちゃん」
『一緒に頑張ろ~♪』
「『《シンクロ!》』」
一方その頃。ファウナは<万彩>の弟子を名乗る二人の手を握り意識を集中させていた。
彼女の脳裏には二人のステータス、並びに経歴や精霊との親和性などが浮かんでは消え浮かんでは消え……。まさしく精霊樹の武器を託すに相応しい力量があるかどうかを見極める為に隅々まで覗いて行く。
精霊樹グランハイリアを材料に用いた武器は言ってしまえば成長する武器である。意思がある。故にファウナと精霊樹それぞれが認めた相手でなければ武器を創ったところで握る事すら出来ない。
『ありがとうございましたわ。お二人共鍛錬は十二分に行ってきた事が良く分かりましたわ。
まずはトワイン。レベルは合格点、精霊との親和性も<万彩>の下でしっかりジョブレベルと魔法制御共に育っていましたわ。ただ、<万彩>の様に七属性の亜人の加護と精霊が揃っていないので同じレベルの物は与えられませんわ。無属性の武器で今は十分でしょう』
「ありがとうございます!」
『続けてディテウス。レベルは今一歩届いていません。ステータスもALL100が最低ラインですので余らせているジェムで不足分は早めに補っておいてくださいな。精霊との親和性も<万彩>への師事が最近な事もあってまだジョブレベルが育っていませんわね。魔法制御も同じく集中力が足りていない。迷いは捨て、師事するならば彼を追う人々の姿をきちんと見なさい。貴方に足りない覚悟を皆持っています。貴方にはまだ精霊樹の武器は早いですわね』
「はい…っ!精進致します!」
風魔法[エコー]でこの時の会話を俺は盗み聞いていた。
ファウナが判断するとは聞いていたけどここまで方向性を定めてくれる様なアドバイスをくれるとは思っていなかった。
現状考え得る限り最も強力な精霊樹製の武器はただの人間には扱えない。精霊と縁のある樹が材料になるので必然的に魔法の扱いにも精通しておく必要はあるので、そうなってくると職業は精霊使いほぼ一択だ。おそらく勇者もエクスカリバーとの繋がりがあるから扱えるとは思うけどそれは後々に予定している。
ともかくトワインが無属性限定でも精霊樹の武器を手に出来るなら嬉しい限りだ。武器と属性が一致するわけでは無いので本来の力は出せずとも全属性を扱うことが出来るわけだから今まで同様の戦闘方法を出力を上げて行えるようになるわけだ。
ディテウスは残念だけど1カ月や2カ月では認められなかったらしい。最終的に手にして欲しい七属性武器がカレイドハイリアと同ランクの武器なら最大でINTとMENは300超えなければならない。不足分は休暇中にでも敵を倒しまくって称号ボーナスを得るしかないだろう。
やがてアルシェとアクアの魔力を得たグランハイリアの幹が蒼天色へと輝き始めると共にハルカナムの住民たちも盛り上がり始めた。どうやらファウナとラフィートが催しとしてグランハイリアが輝く事を事前に周知していたらしい。
フォレストトーレは金を回して外貨を稼がないと旧王都復興も遅々として進まないし、こういう多くの人の目に付く機会を活かすならご自由にという感じ。さりげに近づき過ぎない様に兵士も配置してあったのは後で気が付いた。
メキメキメキッ……!
『アルカンシェの武器創りが始まりますわよ』
「私の……ハイリア武器……」
『わくわく~♪』
俺の時と同じく樹頂に近い枝が音を立てながら自然と折れていく様が目に入る。
落ち葉が降ってくる中で微かに聞こえた枝が折れる音。折れた枝は蒼天色の光量を増しながら落下を始め、光量が限界に達した時。細かな光の粒となってグランハイリアへと吸い込まれて行った。
精樹界へと素材の枝が吸収されてから数分待てば今度はグランハイリアから光の粒子が噴き出て中空に武器の形を形成していく。
光が集まり形成を進める中で光は槍に近い形を取り始めた。実際には槍剣になるわけだが……。
その形成が進むにつれてグランハイリアの蒼天色の発光は失われて行き、逆に形成される槍剣は輝きを増していく。幹の発光が収まるにつれて槍剣の輝くは強まる。すでに手で光を遮らないと眩しくて見ていられないくらいだ。
『さあ、アルカンシェ。そろそろ完成しそうですわ。受け取る準備は出来ていて?』
「はい、今すぐにでも。いつでも受け取る準備は万端です」
ファウナの言葉にアルシェは興奮を抑えながら応えた。
ほぼ真上にあった蒼白い光がその輝きを失いながらゆっくりとアルシェの前に降って来る。光量は直視出来る程に失せており、アルシェは「さあ受け取れ!」と言わんばかりに目の前にやって来た槍剣をその手に握る。
素材は精霊樹。属性は水氷。純白に蒼天を混ぜた神聖で神秘的な色合いをした槍剣。その美しさも相まって俺達は誰もが見惚れるほどで、誰も声を発することを忘れていたほどだ。
アルシェが槍剣を手にした段階で槍剣の発光は治まっていた。
アクアもすぐ側で感無量な様子のアルシェを満足げに眺めてニヤニヤしていた。
「アルシェ。おめでとう」
『ありがとうございます!大切に使わせてもらいますね!』
3人には改めて目的を説明済みでアクアを通して武器の構想はアルシェにもきちんと伝わっている。
街の外へゲートでやって来た後は普通に門番にギルドカードで身分証明してから街へと入ったが、門番も俺の訪問が多い事からかアルシェが一般人に紛れて身分を明かして来ても表情に出さず俺を一瞥してから通してくれた。
雑談にフォレストトーレの現状や復興進行度合いなどを3人に説明しつつ、その足は街中をまっすぐにグランハイリアへ向けて進められた。その中で皆が不思議に思い口にした疑問は「朝の時間帯にしては人が多すぎる」という点だった。
仕事の為に動き出している人は当然多いだろう時間帯にやって来たとはいえグループでテラスでお茶を飲みながら雑談して居たり、長椅子にぎゅうぎゅうに座って井戸端会議するおばちゃん達や眺めの良い場所に集まる子供達。老若男女全員が何かをしているわけではないのにとにかく家の外に出ている状況に俺達は混乱しながらグランハイリアへと辿り着いた。
『今日も朝からいらっしゃいませ。歓迎しますわ』
「お久しぶりですファウナ様。本日はお姿を拝めることが出来て嬉しいです」
グランハイリアの前に立つと待ち受けていたかの様に木精ファウナは姿を現した。
アルシェ達は約一か月振りの再会を喜びつつアルシェの主導の元改めて二人をファウナに紹介している。
「こちら、お兄さんが力を入れて教育している精霊使いです」
『あらあら。確かトワインと……ディテウスと言ったかしら? トワインが無精・水精・闇精、ディテウスが無精のみという事はトワインの方が兄弟子と見て良いのでしょうか?』
「はい。改めてトワイン=パウエルと申します。
水無月宗八に師事して師と同じく七精霊使いを目指しております。よろしくお願いします」
「お、同じく水無月宗八に師事しておりますディテウス=マレマールと申します。よろしくお願いします」
トワインと出会ったのはフォレストトーレ国領に入ってすぐの町[マリーブパリア]だった。
去年の土の月80日前後だから俺の世界で言う秋の末。冬の初旬頃だな。あれから半年ほど経った時点で三属性の精霊と契約出来ているのはかなり順調と見て良い。
ディテウスと出会ったのはトワイン達と一旦分かれて1カ月以内の道中だったかな。
弟子として育て始めたのは最近の事だし無精のみの契約は仕方のない事だ。ただ、セーバーPTの中ではまだ十代という事もあってかどんどんと技術や魔力制御を身に付けていく為、すぐに活躍のし始めるだろうと考えている。
『うふふ、こちらこそよろしくお願いいたしますわ。
早速アルカンシェの武器創成を行いましょうか。その間にお弟子さんの素質などを見させていただきますわ』
訪問目的をはっきりと理解しているファウナは早々にグループを2つに分けた。
一つがアルシェと俺達の武器創成グループ。もう一つがファウナと弟子達の今後に期待グループ。
おそらく俺達の考えているよりも精霊樹の武器というのはハードルが高い一品なのだろう。レベルなりステータスなり、もしくは称号関連も条件があるのかもしれない。その辺りを見て判断する為に木精ファウナが測ってくれるのだ。
俺達とアルシェがグランハイリアへ近付くと足元から根が一本、地表に顔を出した。
「俺の時にも見ただろうけど、これにイメージを持ちながら魔力を込めれば武器を創ってくれる。
あと今回は新たな試みで魔糸も合成してもらうから手に持ちながらやってみてくれ」
「わかりました。——ふぅ。行きますよ、アクアちゃん」
『一緒に頑張ろ~♪』
「『《シンクロ!》』」
一方その頃。ファウナは<万彩>の弟子を名乗る二人の手を握り意識を集中させていた。
彼女の脳裏には二人のステータス、並びに経歴や精霊との親和性などが浮かんでは消え浮かんでは消え……。まさしく精霊樹の武器を託すに相応しい力量があるかどうかを見極める為に隅々まで覗いて行く。
精霊樹グランハイリアを材料に用いた武器は言ってしまえば成長する武器である。意思がある。故にファウナと精霊樹それぞれが認めた相手でなければ武器を創ったところで握る事すら出来ない。
『ありがとうございましたわ。お二人共鍛錬は十二分に行ってきた事が良く分かりましたわ。
まずはトワイン。レベルは合格点、精霊との親和性も<万彩>の下でしっかりジョブレベルと魔法制御共に育っていましたわ。ただ、<万彩>の様に七属性の亜人の加護と精霊が揃っていないので同じレベルの物は与えられませんわ。無属性の武器で今は十分でしょう』
「ありがとうございます!」
『続けてディテウス。レベルは今一歩届いていません。ステータスもALL100が最低ラインですので余らせているジェムで不足分は早めに補っておいてくださいな。精霊との親和性も<万彩>への師事が最近な事もあってまだジョブレベルが育っていませんわね。魔法制御も同じく集中力が足りていない。迷いは捨て、師事するならば彼を追う人々の姿をきちんと見なさい。貴方に足りない覚悟を皆持っています。貴方にはまだ精霊樹の武器は早いですわね』
「はい…っ!精進致します!」
風魔法[エコー]でこの時の会話を俺は盗み聞いていた。
ファウナが判断するとは聞いていたけどここまで方向性を定めてくれる様なアドバイスをくれるとは思っていなかった。
現状考え得る限り最も強力な精霊樹製の武器はただの人間には扱えない。精霊と縁のある樹が材料になるので必然的に魔法の扱いにも精通しておく必要はあるので、そうなってくると職業は精霊使いほぼ一択だ。おそらく勇者もエクスカリバーとの繋がりがあるから扱えるとは思うけどそれは後々に予定している。
ともかくトワインが無属性限定でも精霊樹の武器を手に出来るなら嬉しい限りだ。武器と属性が一致するわけでは無いので本来の力は出せずとも全属性を扱うことが出来るわけだから今まで同様の戦闘方法を出力を上げて行えるようになるわけだ。
ディテウスは残念だけど1カ月や2カ月では認められなかったらしい。最終的に手にして欲しい七属性武器がカレイドハイリアと同ランクの武器なら最大でINTとMENは300超えなければならない。不足分は休暇中にでも敵を倒しまくって称号ボーナスを得るしかないだろう。
やがてアルシェとアクアの魔力を得たグランハイリアの幹が蒼天色へと輝き始めると共にハルカナムの住民たちも盛り上がり始めた。どうやらファウナとラフィートが催しとしてグランハイリアが輝く事を事前に周知していたらしい。
フォレストトーレは金を回して外貨を稼がないと旧王都復興も遅々として進まないし、こういう多くの人の目に付く機会を活かすならご自由にという感じ。さりげに近づき過ぎない様に兵士も配置してあったのは後で気が付いた。
メキメキメキッ……!
『アルカンシェの武器創りが始まりますわよ』
「私の……ハイリア武器……」
『わくわく~♪』
俺の時と同じく樹頂に近い枝が音を立てながら自然と折れていく様が目に入る。
落ち葉が降ってくる中で微かに聞こえた枝が折れる音。折れた枝は蒼天色の光量を増しながら落下を始め、光量が限界に達した時。細かな光の粒となってグランハイリアへと吸い込まれて行った。
精樹界へと素材の枝が吸収されてから数分待てば今度はグランハイリアから光の粒子が噴き出て中空に武器の形を形成していく。
光が集まり形成を進める中で光は槍に近い形を取り始めた。実際には槍剣になるわけだが……。
その形成が進むにつれてグランハイリアの蒼天色の発光は失われて行き、逆に形成される槍剣は輝きを増していく。幹の発光が収まるにつれて槍剣の輝くは強まる。すでに手で光を遮らないと眩しくて見ていられないくらいだ。
『さあ、アルカンシェ。そろそろ完成しそうですわ。受け取る準備は出来ていて?』
「はい、今すぐにでも。いつでも受け取る準備は万端です」
ファウナの言葉にアルシェは興奮を抑えながら応えた。
ほぼ真上にあった蒼白い光がその輝きを失いながらゆっくりとアルシェの前に降って来る。光量は直視出来る程に失せており、アルシェは「さあ受け取れ!」と言わんばかりに目の前にやって来た槍剣をその手に握る。
素材は精霊樹。属性は水氷。純白に蒼天を混ぜた神聖で神秘的な色合いをした槍剣。その美しさも相まって俺達は誰もが見惚れるほどで、誰も声を発することを忘れていたほどだ。
アルシェが槍剣を手にした段階で槍剣の発光は治まっていた。
アクアもすぐ側で感無量な様子のアルシェを満足げに眺めてニヤニヤしていた。
「アルシェ。おめでとう」
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