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子にゃんこ、安堵する
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私は、当然のようにザムが怒るものと思っていた。
「怒ってなんかないさ。フィーが看取ってくれると言ってくれたのは、嬉しかったからな」
ザムは耳をぺたんと垂らした私を見上げる掌に乗せると、撫で撫でし始めた。ザムも撫で加減を覚えてきたから、撫でられるのは気持ちがいい。
「だが、フィーは勢いで言っただけなんだろう?」
うん。あまりにも不憫で。
でもねぇ、ザム。言葉から私を気遣ってくれているんだと分かるけど、あまりにも真顔過ぎて怖いよ?
「うん。でもね、ザムを看取りたいなぁと思ったのは本当だし、魔女に片翼は絶体に必要なの。それにね。1度契約すると無かったことにはできないんだって。だから、ザムがどうしても嫌なら私が消えればいいから、子ネコでいられるうちに言って?今なら私の能力は制限されてるし、簡単なの」
「消えるとはどう言うことだ?フィーが俺のところからいなくなるということか?どこに行くんだ?」
「違う違う。この世界から消えてなくなるの。暫くしたら新しい魔女が発生するから心配しないで」
あからさまにザムの顔つきが変わった。凶悪な顔が更に凶悪になり、般若を通り越して泣き出してしまった。
え?泣くことなんてあった?
「・・・・消えるとか簡単に言うもんじゃないだろ!」
私を乗せた手が震えている。
握り潰されそうでちょっと怖い。
「あの・・・・えっと・・ザム。大丈夫?」
「フィーが消えたら、誰が俺を看取るんだ?!」
そんなにダバダバ涙を流しながら言われても・・・・。私以外にも家族が看取ってくれるよ?お兄さんも弟さんもいるでしょう。
「だ、大丈夫だよ。ザムの家族がいるでしょう?それにね、消えた魔女のことは記憶から消されるから寂しくもないよ?」
「!!!そんなのダメだ!フィーがいなくなるなんてダメだ!フィーを忘れるくらいなら、片翼だろうと悪魔だろうと構わん。なる!」
ポタポタと私のふわふわな毛並みに滴が落ちてくる。ザムは泣くと凶悪な顔から小汚い顔になるのかと私は、冷静にザムの顔を見つめながらどうでもいいことを考えていた。
仕方ない。泣かせたのは私だ。責任はとろうじゃないか。
丁度いいことに項垂れたザムの顔は私のすぐ目の前にある。顔を近づけてペロペロと流れてくる涙を舐め取った。始めこそビクッとしたが、ザムは抵抗もせず私に舐められた。
「ザム、今日のところはもう寝よう?」
私はいつのまにか魔女の姿に戻っていたのだが、私もザムも気付くことなく、ふたりで野営のテントの中で横になった。私は、野営地全体に結界を張った後、ザムにくっついて朝までぐっすりと眠った。
「なあ、フィー。昨日の夜、魔女に戻らなかったか?」
「え?」
そう言えば・・・・戻ったような?何でだろう?
「何か原因があるのか?だが、ここにはこれといって何もないぞ?」
「そうだよね。野営のテントだし。魔道具なんて置いてないし」
むーん。魔女に戻れる原因が判れば、子ネコと魔女を使い分けできるのに!!!・・・・・・・・。あれ?私が魔女に戻った時って2回ともザムが居た?他には?・・・・魔力を貰った・・・・昨日は・・涙か!
「ザム!ちょっと泣いてみてよ!」
「はあ?!無理なことを言うな!早々泣けるか!」
だよね。じゃあ・・・・。
「口開けて」
「何故?」
頭の上に???を浮かべて、恫喝するような顔をしないで!
「いいから!そこに転がって口開けて」
ザムは訳がわからないながらも、渋々と私の言うとおりにしてくれた。
よし!試してみよう!
転がったザムの喉から顎に手を置いて、口の中に顔を突っ込んだ。
「ふが、がごご、ごー・・・・」
ザムが何か叫んで、私を喉元から退けようとするから、魔法で拘束した。これくらいなら力を弱くされてても使える。私は、ペロペロとザムの魔力を啜った。私だって、人の魔力が魔女とは違うことくらい知ってる。人の魔力を啜ったところで私にはなんの影響もない。だが・・・・。
一瞬にして魔女に戻った。
ぱっとザムから身を起こして、自分を見回す。私だ。子ネコじゃない!
「ザム!戻ったよ!」
ザムは真っ赤な顔で目を見開いていた。
おっと!私、脅されてますか?
あ、拘束を解けばいいのね?
「・・・・フィー。俺以外にはするなよ?」
ザムはこれ以上ないくらい首まで真っ赤になりながら起き上がり、酷いことを言う。ニコニコと上機嫌な私の気分は、いっきに冷静になった。
「しないよ!人の魔力は魔女には使えないもん!ザムは片翼だから、特別なの!」
「そ、そうか。フィー、もう消えるなんて言うな?」
反対にザムはなんと言うか、上機嫌だ。私を自分の膝に乗せてぎゅうっと抱き締めてくる。髪に頬をすりすりしてくる辺り、子ネコと勘違いしていると思う。今の私は魔女だ!
「言わないよ。でもこれ、どうしよう?どれくらいで戻るかな?」
もうすぐ、ランツが呼びに来る時間だ。何事かと大騒ぎになるんじゃない?
「俺が吸い取ることはできないのか?」
「あ、出来ると思う。はい」
私はパカッと口を開けた。
「え?」
ザムは目をしばたいて私を凝視している。喰われそうだ。
「魔力、吸うんでしょ?」
「あ、ああ・・・・」
ザムは、獲物をいたぶるような顔をゆっくりと近づけてきた。いや、本人としては、ただ、緊張して顔が引きつっているだけなんだと思う。私はその顔に恐怖心が込み上げてきて、思わず目を閉じた。
「チュ、ジュウ、ジュ・・・・」
魔力が吸い上げられていく。ある程度吸われたところで、子ネコに戻・・・・。
「団長ぉ。起きてる?」
バサッ
呼び掛ける声と同時にテントの入り口が開いた。慌てたザムが口を開けた。頭をザムに押さえられていたことで、子ネコに戻った私の顔がザムの口の中に入り込んでしまった。
「!!!子ネコを、食べるなあ!!!」
ガツン!!!
ランツの叫び声が木霊した。座っていたザムはランツの膝蹴りをくらい悶絶している。私はその勢いで口の中から飛び出した。
「びみゃ!みゃー?」
ザム!大丈夫?
「大丈夫だ。これのお蔭だ」
ああ。そう言えば、回復付きの指輪を渡してあった。
「俺がフィーを食べるわけないだろ?!!!勢い余ったフィーがたまたま口の中に入っただけだ!」
「紛らわしいことすんな!!!」
ランツの叫び声は、騎士たちに筒抜けだったらしく、一時、ザムは“生肉を啜る獣”という恐ろしい噂が流れ、今以上に怖がられるようになってしまった。
ごめんちゃい♪
「怒ってなんかないさ。フィーが看取ってくれると言ってくれたのは、嬉しかったからな」
ザムは耳をぺたんと垂らした私を見上げる掌に乗せると、撫で撫でし始めた。ザムも撫で加減を覚えてきたから、撫でられるのは気持ちがいい。
「だが、フィーは勢いで言っただけなんだろう?」
うん。あまりにも不憫で。
でもねぇ、ザム。言葉から私を気遣ってくれているんだと分かるけど、あまりにも真顔過ぎて怖いよ?
「うん。でもね、ザムを看取りたいなぁと思ったのは本当だし、魔女に片翼は絶体に必要なの。それにね。1度契約すると無かったことにはできないんだって。だから、ザムがどうしても嫌なら私が消えればいいから、子ネコでいられるうちに言って?今なら私の能力は制限されてるし、簡単なの」
「消えるとはどう言うことだ?フィーが俺のところからいなくなるということか?どこに行くんだ?」
「違う違う。この世界から消えてなくなるの。暫くしたら新しい魔女が発生するから心配しないで」
あからさまにザムの顔つきが変わった。凶悪な顔が更に凶悪になり、般若を通り越して泣き出してしまった。
え?泣くことなんてあった?
「・・・・消えるとか簡単に言うもんじゃないだろ!」
私を乗せた手が震えている。
握り潰されそうでちょっと怖い。
「あの・・・・えっと・・ザム。大丈夫?」
「フィーが消えたら、誰が俺を看取るんだ?!」
そんなにダバダバ涙を流しながら言われても・・・・。私以外にも家族が看取ってくれるよ?お兄さんも弟さんもいるでしょう。
「だ、大丈夫だよ。ザムの家族がいるでしょう?それにね、消えた魔女のことは記憶から消されるから寂しくもないよ?」
「!!!そんなのダメだ!フィーがいなくなるなんてダメだ!フィーを忘れるくらいなら、片翼だろうと悪魔だろうと構わん。なる!」
ポタポタと私のふわふわな毛並みに滴が落ちてくる。ザムは泣くと凶悪な顔から小汚い顔になるのかと私は、冷静にザムの顔を見つめながらどうでもいいことを考えていた。
仕方ない。泣かせたのは私だ。責任はとろうじゃないか。
丁度いいことに項垂れたザムの顔は私のすぐ目の前にある。顔を近づけてペロペロと流れてくる涙を舐め取った。始めこそビクッとしたが、ザムは抵抗もせず私に舐められた。
「ザム、今日のところはもう寝よう?」
私はいつのまにか魔女の姿に戻っていたのだが、私もザムも気付くことなく、ふたりで野営のテントの中で横になった。私は、野営地全体に結界を張った後、ザムにくっついて朝までぐっすりと眠った。
「なあ、フィー。昨日の夜、魔女に戻らなかったか?」
「え?」
そう言えば・・・・戻ったような?何でだろう?
「何か原因があるのか?だが、ここにはこれといって何もないぞ?」
「そうだよね。野営のテントだし。魔道具なんて置いてないし」
むーん。魔女に戻れる原因が判れば、子ネコと魔女を使い分けできるのに!!!・・・・・・・・。あれ?私が魔女に戻った時って2回ともザムが居た?他には?・・・・魔力を貰った・・・・昨日は・・涙か!
「ザム!ちょっと泣いてみてよ!」
「はあ?!無理なことを言うな!早々泣けるか!」
だよね。じゃあ・・・・。
「口開けて」
「何故?」
頭の上に???を浮かべて、恫喝するような顔をしないで!
「いいから!そこに転がって口開けて」
ザムは訳がわからないながらも、渋々と私の言うとおりにしてくれた。
よし!試してみよう!
転がったザムの喉から顎に手を置いて、口の中に顔を突っ込んだ。
「ふが、がごご、ごー・・・・」
ザムが何か叫んで、私を喉元から退けようとするから、魔法で拘束した。これくらいなら力を弱くされてても使える。私は、ペロペロとザムの魔力を啜った。私だって、人の魔力が魔女とは違うことくらい知ってる。人の魔力を啜ったところで私にはなんの影響もない。だが・・・・。
一瞬にして魔女に戻った。
ぱっとザムから身を起こして、自分を見回す。私だ。子ネコじゃない!
「ザム!戻ったよ!」
ザムは真っ赤な顔で目を見開いていた。
おっと!私、脅されてますか?
あ、拘束を解けばいいのね?
「・・・・フィー。俺以外にはするなよ?」
ザムはこれ以上ないくらい首まで真っ赤になりながら起き上がり、酷いことを言う。ニコニコと上機嫌な私の気分は、いっきに冷静になった。
「しないよ!人の魔力は魔女には使えないもん!ザムは片翼だから、特別なの!」
「そ、そうか。フィー、もう消えるなんて言うな?」
反対にザムはなんと言うか、上機嫌だ。私を自分の膝に乗せてぎゅうっと抱き締めてくる。髪に頬をすりすりしてくる辺り、子ネコと勘違いしていると思う。今の私は魔女だ!
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バサッ
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ザム!大丈夫?
「大丈夫だ。これのお蔭だ」
ああ。そう言えば、回復付きの指輪を渡してあった。
「俺がフィーを食べるわけないだろ?!!!勢い余ったフィーがたまたま口の中に入っただけだ!」
「紛らわしいことすんな!!!」
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