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従魔VSアルフォンス
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アルにエスコートされ2階から降りると、リビングのソファーで身を縮こませた3人が、白銀、緑葉、蒼貴と対面していた。私たちの姿が目の端に写ったのか、3人が勢いよくこちらを向いた。
「あれ、紅蓮は?」
「外でリンハルトの相手をしておるぞ」
「シェリア、私たちを締め出すとはどういう了見だ?」
「えっと、事情がありまして・・・・?」
「護衛を締め出すほどの事情とやらを話してもらえぬか」
怒ってる。滅茶苦茶怒ってる。
「えっと、あのね。・・・・。あっ、アルが挨拶の前に確認したいことがあるって。その時に話してくれるよ。その間に私は、お昼の準備をするね」
ごめんね、アル。私の代わりに叱られてね。
わたしは、唖然とするアルを差し出して、さっさとキッチンへ退散した。
「それで、お主が代わりに説明するんだな。さて、聞かれたくないことのようだ。場所を移すとしよう」
くそぅ!やられた!シェリアめ、押し付けたなぁ!・・そういえば、そういう奴だったな・・・・。ガックリだ。
「いえ、我々が移動します!」
「団長、ご武運を!」
「我々は、これにて!」
部下たちもさっと、離脱していった。どうやら、表の庭に行くようだ。引き留めたい、切実に引き留めたい。だが、まだ知られるわけにはいかない。ちらりとシェリアを見るが、背中を向けたままだ。覚悟を決めた。
「では、ここでいいな?」
「念のため、結界を張るかの」
「お待たせ~。なんか、話し合いだって?3人の騎士が呼びに来たよ」
「お主も座らんか」
「はっ!失礼します」
緊張する。圧倒的な存在に蛇にでも睨まれたようだ。シェリアは、よく平気だな。
「さて、シェリアさんからお主の匂いが強烈にするんじゃが、何もしとらんよなぁ?」
「あ、え、番の儀式はしましたが、大したことは何も・・・・。」
「番の儀式をした、だと?」
不味い。その威圧は、非常に不味い。背中を冷や汗が流れた。
「え、あ、と、シェリアの話を聞く限り、かなり危険だと判断しました。それに、シェリアに危機管理能力は、望めません!」
早口で何とか、言い訳を口にする。すっと、威圧が収まった。
「ハァ。おまえ、よく分かってるじゃないか」
「うんうん。シェリアにそれは皆無だよねぇ」
「いいだろう」
理由は分からんが、どうやら、少しは認められたらしい。
「では、話を聞こうかの。鍵を握る者よ」
「何故それを・・・・」
あっちで話し合いが始まったようだ。目が合わないように後ろを向いていたし、防音の結界も張っているから、見ないとわからないが、視線を感じなくなった。腹を括ったんだろうね。お詫びも兼ねて、アルのリクエストを作ることにした。なんと、この世界にはパスタがないそうだ!パンがあるからパスタがないとは思わなかった。アルは、厨房に入ることはできないし、麺は作ってもらえてもソースを教えるのはさすがに難しいと諦めたんだって。
早速、アルの大好物、カルボナーラを作る。他の人たちには、カルボナーラは少しだけ。他にはトリ肉の香草焼き、パン、野菜サラダ、コーンスープ。デザートは、ガトーショコラとコーヒーかコーヒー牛乳。カフェオーレよりも甘くしたからコーヒー牛乳。
お昼が出来上がる頃、アルたちの話し合いが終わった。それを見計らったように、外で遊んでいたリン君たちも戻ってきた。
「団長、ここの遊具、すげーよ!」
「ほんと。思わず、夢中になった」
「あれは訓練に取り入れたいですね」
アルと一緒にここへ来た3人は、興奮したようにリン君用のアスレチックのことを話している。元気だな。
「そうか。だが、まずは、挨拶だな」
3人は、ハッとして姿勢を正した。
「失礼致しました!私は、ローゼンタール王国騎士団の副団長、エドガー・マッケーンリー。この度は、我が国の者を保護していただき、感謝致します」
「おなじく、王国騎士団第一部隊のシュバルツ・ホスレーと申します」
「おなじく、フェルナン・バーグマンです」
「先程は、失礼致しました。わたくしは、シェリア。後ろにいるのはわたくしの護衛です。赤い髪は紅蓮。青い髪は蒼貴。緑の髪は緑葉。銀の髪は白銀」
「こちらこそ、我らの団長が失礼致しました」
3人ともがきっちりと45°に頭を下げてくれる。
「失礼なことなんて、してないだろう?」
「「「・・・・」」」
アルをじと目で見るのは、止めてあげて。本人はまったく気に留めてないけどね。
「あの、お昼に致しましょう?皆さんもここまで来るのにお疲れになったでしょう。大したものはありませんが、どうぞ召し上がってください」
「シェリアお姉ちゃんのご飯は、どれも美味しいんだよ。みんな、早く座りなよ」
3人は、顔を見合わせている。何か問題でも?
「ああ、そういうことか。同じ席で構わないぞ」
「いいのですか?」
「別にする方が迷惑だろう?」
後で、3人がなかなか座らなかった訳をアルが教えてくれた。王族と一緒の席は不敬か。私、そのうち不敬罪になりそうだな。
やっと全員が座ったので、配膳していく。ここの料理が初めての3人は、出されたものに驚いたり、興味深そうにしている。アルは、カルボナーラに目を輝かせていた。
本当に食べたかったんだね。
「まだありますから、おかわりはご自分でなさってください」
アルとジルベルト様がさっと食べ出したのを見て、3人も慌てて食べ出した。一口食べたあとは、みんな、優雅に早かった。誰もが無言で食べ進めている。時折、カチャカチャとカトラリーのぶつかる音が聴こえるだけだ。おかわりは、あっという間に無くなった。
さて、お茶も終わり、リン君はおやつにドーナツをねだった後、お昼寝にいった。ジルベルト様は、いつも通りリン君についている。
ここから、大人の時間が始まる。
あれ?ソファーが大きくなった?
それぞれの辺に4人掛けのソファーが用意されていた。私の従魔以外は私も含めてみんな驚いている。が、気づかなかったことにしたようだ。誰も何も言わなかった。
「改めて、この度は、我が国の王子並びに護衛騎士を保護頂いたこと、ローゼンタール王家を代表し、私、アルフォンス・ローゼンタールより、お礼申し上げます」
正式な挨拶と共に4人から最敬礼を貰った。
「ふむ、まあ、ええじゃろ。ギリギリ及第点じゃな」
えっと、そこで緑葉なの?私じゃないの?なんか、アルもほっとしてる?
「シェリアさんや」
「はい」
「2日後にここを離れて、ローゼンタールに向かうことになったからの。準備をしておくのじゃぞ。特に、料理は大量にな」
「明日は1日、それに費やすがよいぞ、シェリア」
げ、どんだけ作ればいいのよ・・・・。
「おまえたちもそのように準備だ。ジルベルトにも伝えておけ」
「「「はっ」」」
「ほれ、座らんかい」
私とアル、シュバルツ様・エドガー様・フェルナン様がその向かい側に、それを挟むように、白銀と緑葉、紅蓮と蒼貴が座った。
それから、リン君が魔獣に襲われた件、ビジュー王国の動向と魔獣の動きなど、情報の刷り合わせが行われた。いちいちに態度の大きい従魔達だったが、力の差を感じているのか、アルの従魔たちへの丁重な物腰に何か感じるものがあるのか、咎められることはなかった。
アルたちが予定より早くこれたのは、残った護衛や侍女から緊急救助信号が出され、街道で落ち合ったときにジルベルト様の信号が出たからだそうだ。魔獣から命からがら逃げてきた護衛や侍女は、満身創痍ながらも、無事だった。その場に駆けつけた騎士団の8割りを魔獣討伐に差し向け、残りは護衛や侍女を王宮へ連れ帰らせた。ここに大勢で来なかったのは、この事を公にしたくないからだ。
「あの、それで、団長とシェリア嬢は、どういう関係なのでしょう?お伺いしても?」
副団長としては、把握しておきたのだろう。従魔たちの態度は追求しなくても、これは聞きたいようだ。他の2人も興味津々だ。
「・・・・、番だ」
「いやいやいや。さすがにそれは、みんなわかってますよ。それだけじゃないですよね?あれだけ女性にブリザードな対応をしていた団長が、あんなに優しいなん・・・・」
ゴキッ!
「ぐはっ!」
フェルナン様の顔が後ろに仰け反っている。
今何か飛んでったような?額が赤いよ?
「痛っ!何するんだよ、団長!魔法禁止!」
「ふん!シェリアについても、詮索無用だ。番の儀式も終えている。すべては、帰ってからだ。関係者にまとめて説明する。何度も説明できるか!」
「「「えー!!!」」」
「早えー」
「うわー」
「なんと言うか・・・・、さすがですね」
ゴキッ!ゴキッ!パシッ。
「グハッ!」「グハッ!」「・・・・」
「受け止めるなよ」
「当たったら痛いでしょう」
どうしたらいいんだろう、これ。従魔たちは、知らん顔してるし、止めどころがわからない。腰には太い腕がガッチリと回っているから、席をはずすこともできない。
「そろそろ、リンハルトが起きてくるの」
おっと、ドーナツの用意がまだだった。
「リン君のおやつ作ってくるね。みんなを部屋に案内してあげてくれる?」
たぶん、客間が増設されているはずだ、たぶん・・・・。どうにかリン君が起きてきたときには、ドーナツが全員分出来上がった。時短、素晴らしい♪飲み物は紅茶かコーヒー。リン君は、木に生っている牛乳だ。
おやつの後は、まったりのんびり・・・・出来るはずもなく。従魔たちとそこにアルまで加わって、ずっとリクエストの料理を作り続けた。
「お主は先程作ってもらったであろう!今度は我の番だ」
「シェリアさんや、おかきを食べたいのぉ」
「あっ!緑葉抜け駆けしないでよ。僕は、苺のパイがいいな」
「貴殿方はずっとシェリアの料理を食べてたんでしょう!少しは譲ろうと思わないのかよ!」
「「「「番風情が!」」」」
リクエストの順番程度で喧嘩しない!
「さすが団長だ。シェリア嬢の飯は確かに旨かったが・・・・」
「ああ、あの中に入る勇気はないな」
「食えるなら何でもいいと仰っていた方が・・・・」
「さあ、殿下。夕食まではお勉強ですよ。お部屋へ行きましょう」
「う、うん」
「もー!うるさい!!!全員、外で食料調達!さっさと行く!!!材料がなくなったら、作らないよ!肉も野菜もキノコも果物もご覧の通り」
食料庫の中を見せると、従魔たちは青くなって、白銀を残してさっと出掛けて行った。
「あの、俺たちも?」
「当たり前だ。さっさと行くぞ!」
やっと静かになった。はぁ、休憩~♪裏庭で収穫しないとなぁ。
「あれ、紅蓮は?」
「外でリンハルトの相手をしておるぞ」
「シェリア、私たちを締め出すとはどういう了見だ?」
「えっと、事情がありまして・・・・?」
「護衛を締め出すほどの事情とやらを話してもらえぬか」
怒ってる。滅茶苦茶怒ってる。
「えっと、あのね。・・・・。あっ、アルが挨拶の前に確認したいことがあるって。その時に話してくれるよ。その間に私は、お昼の準備をするね」
ごめんね、アル。私の代わりに叱られてね。
わたしは、唖然とするアルを差し出して、さっさとキッチンへ退散した。
「それで、お主が代わりに説明するんだな。さて、聞かれたくないことのようだ。場所を移すとしよう」
くそぅ!やられた!シェリアめ、押し付けたなぁ!・・そういえば、そういう奴だったな・・・・。ガックリだ。
「いえ、我々が移動します!」
「団長、ご武運を!」
「我々は、これにて!」
部下たちもさっと、離脱していった。どうやら、表の庭に行くようだ。引き留めたい、切実に引き留めたい。だが、まだ知られるわけにはいかない。ちらりとシェリアを見るが、背中を向けたままだ。覚悟を決めた。
「では、ここでいいな?」
「念のため、結界を張るかの」
「お待たせ~。なんか、話し合いだって?3人の騎士が呼びに来たよ」
「お主も座らんか」
「はっ!失礼します」
緊張する。圧倒的な存在に蛇にでも睨まれたようだ。シェリアは、よく平気だな。
「さて、シェリアさんからお主の匂いが強烈にするんじゃが、何もしとらんよなぁ?」
「あ、え、番の儀式はしましたが、大したことは何も・・・・。」
「番の儀式をした、だと?」
不味い。その威圧は、非常に不味い。背中を冷や汗が流れた。
「え、あ、と、シェリアの話を聞く限り、かなり危険だと判断しました。それに、シェリアに危機管理能力は、望めません!」
早口で何とか、言い訳を口にする。すっと、威圧が収まった。
「ハァ。おまえ、よく分かってるじゃないか」
「うんうん。シェリアにそれは皆無だよねぇ」
「いいだろう」
理由は分からんが、どうやら、少しは認められたらしい。
「では、話を聞こうかの。鍵を握る者よ」
「何故それを・・・・」
あっちで話し合いが始まったようだ。目が合わないように後ろを向いていたし、防音の結界も張っているから、見ないとわからないが、視線を感じなくなった。腹を括ったんだろうね。お詫びも兼ねて、アルのリクエストを作ることにした。なんと、この世界にはパスタがないそうだ!パンがあるからパスタがないとは思わなかった。アルは、厨房に入ることはできないし、麺は作ってもらえてもソースを教えるのはさすがに難しいと諦めたんだって。
早速、アルの大好物、カルボナーラを作る。他の人たちには、カルボナーラは少しだけ。他にはトリ肉の香草焼き、パン、野菜サラダ、コーンスープ。デザートは、ガトーショコラとコーヒーかコーヒー牛乳。カフェオーレよりも甘くしたからコーヒー牛乳。
お昼が出来上がる頃、アルたちの話し合いが終わった。それを見計らったように、外で遊んでいたリン君たちも戻ってきた。
「団長、ここの遊具、すげーよ!」
「ほんと。思わず、夢中になった」
「あれは訓練に取り入れたいですね」
アルと一緒にここへ来た3人は、興奮したようにリン君用のアスレチックのことを話している。元気だな。
「そうか。だが、まずは、挨拶だな」
3人は、ハッとして姿勢を正した。
「失礼致しました!私は、ローゼンタール王国騎士団の副団長、エドガー・マッケーンリー。この度は、我が国の者を保護していただき、感謝致します」
「おなじく、王国騎士団第一部隊のシュバルツ・ホスレーと申します」
「おなじく、フェルナン・バーグマンです」
「先程は、失礼致しました。わたくしは、シェリア。後ろにいるのはわたくしの護衛です。赤い髪は紅蓮。青い髪は蒼貴。緑の髪は緑葉。銀の髪は白銀」
「こちらこそ、我らの団長が失礼致しました」
3人ともがきっちりと45°に頭を下げてくれる。
「失礼なことなんて、してないだろう?」
「「「・・・・」」」
アルをじと目で見るのは、止めてあげて。本人はまったく気に留めてないけどね。
「あの、お昼に致しましょう?皆さんもここまで来るのにお疲れになったでしょう。大したものはありませんが、どうぞ召し上がってください」
「シェリアお姉ちゃんのご飯は、どれも美味しいんだよ。みんな、早く座りなよ」
3人は、顔を見合わせている。何か問題でも?
「ああ、そういうことか。同じ席で構わないぞ」
「いいのですか?」
「別にする方が迷惑だろう?」
後で、3人がなかなか座らなかった訳をアルが教えてくれた。王族と一緒の席は不敬か。私、そのうち不敬罪になりそうだな。
やっと全員が座ったので、配膳していく。ここの料理が初めての3人は、出されたものに驚いたり、興味深そうにしている。アルは、カルボナーラに目を輝かせていた。
本当に食べたかったんだね。
「まだありますから、おかわりはご自分でなさってください」
アルとジルベルト様がさっと食べ出したのを見て、3人も慌てて食べ出した。一口食べたあとは、みんな、優雅に早かった。誰もが無言で食べ進めている。時折、カチャカチャとカトラリーのぶつかる音が聴こえるだけだ。おかわりは、あっという間に無くなった。
さて、お茶も終わり、リン君はおやつにドーナツをねだった後、お昼寝にいった。ジルベルト様は、いつも通りリン君についている。
ここから、大人の時間が始まる。
あれ?ソファーが大きくなった?
それぞれの辺に4人掛けのソファーが用意されていた。私の従魔以外は私も含めてみんな驚いている。が、気づかなかったことにしたようだ。誰も何も言わなかった。
「改めて、この度は、我が国の王子並びに護衛騎士を保護頂いたこと、ローゼンタール王家を代表し、私、アルフォンス・ローゼンタールより、お礼申し上げます」
正式な挨拶と共に4人から最敬礼を貰った。
「ふむ、まあ、ええじゃろ。ギリギリ及第点じゃな」
えっと、そこで緑葉なの?私じゃないの?なんか、アルもほっとしてる?
「シェリアさんや」
「はい」
「2日後にここを離れて、ローゼンタールに向かうことになったからの。準備をしておくのじゃぞ。特に、料理は大量にな」
「明日は1日、それに費やすがよいぞ、シェリア」
げ、どんだけ作ればいいのよ・・・・。
「おまえたちもそのように準備だ。ジルベルトにも伝えておけ」
「「「はっ」」」
「ほれ、座らんかい」
私とアル、シュバルツ様・エドガー様・フェルナン様がその向かい側に、それを挟むように、白銀と緑葉、紅蓮と蒼貴が座った。
それから、リン君が魔獣に襲われた件、ビジュー王国の動向と魔獣の動きなど、情報の刷り合わせが行われた。いちいちに態度の大きい従魔達だったが、力の差を感じているのか、アルの従魔たちへの丁重な物腰に何か感じるものがあるのか、咎められることはなかった。
アルたちが予定より早くこれたのは、残った護衛や侍女から緊急救助信号が出され、街道で落ち合ったときにジルベルト様の信号が出たからだそうだ。魔獣から命からがら逃げてきた護衛や侍女は、満身創痍ながらも、無事だった。その場に駆けつけた騎士団の8割りを魔獣討伐に差し向け、残りは護衛や侍女を王宮へ連れ帰らせた。ここに大勢で来なかったのは、この事を公にしたくないからだ。
「あの、それで、団長とシェリア嬢は、どういう関係なのでしょう?お伺いしても?」
副団長としては、把握しておきたのだろう。従魔たちの態度は追求しなくても、これは聞きたいようだ。他の2人も興味津々だ。
「・・・・、番だ」
「いやいやいや。さすがにそれは、みんなわかってますよ。それだけじゃないですよね?あれだけ女性にブリザードな対応をしていた団長が、あんなに優しいなん・・・・」
ゴキッ!
「ぐはっ!」
フェルナン様の顔が後ろに仰け反っている。
今何か飛んでったような?額が赤いよ?
「痛っ!何するんだよ、団長!魔法禁止!」
「ふん!シェリアについても、詮索無用だ。番の儀式も終えている。すべては、帰ってからだ。関係者にまとめて説明する。何度も説明できるか!」
「「「えー!!!」」」
「早えー」
「うわー」
「なんと言うか・・・・、さすがですね」
ゴキッ!ゴキッ!パシッ。
「グハッ!」「グハッ!」「・・・・」
「受け止めるなよ」
「当たったら痛いでしょう」
どうしたらいいんだろう、これ。従魔たちは、知らん顔してるし、止めどころがわからない。腰には太い腕がガッチリと回っているから、席をはずすこともできない。
「そろそろ、リンハルトが起きてくるの」
おっと、ドーナツの用意がまだだった。
「リン君のおやつ作ってくるね。みんなを部屋に案内してあげてくれる?」
たぶん、客間が増設されているはずだ、たぶん・・・・。どうにかリン君が起きてきたときには、ドーナツが全員分出来上がった。時短、素晴らしい♪飲み物は紅茶かコーヒー。リン君は、木に生っている牛乳だ。
おやつの後は、まったりのんびり・・・・出来るはずもなく。従魔たちとそこにアルまで加わって、ずっとリクエストの料理を作り続けた。
「お主は先程作ってもらったであろう!今度は我の番だ」
「シェリアさんや、おかきを食べたいのぉ」
「あっ!緑葉抜け駆けしないでよ。僕は、苺のパイがいいな」
「貴殿方はずっとシェリアの料理を食べてたんでしょう!少しは譲ろうと思わないのかよ!」
「「「「番風情が!」」」」
リクエストの順番程度で喧嘩しない!
「さすが団長だ。シェリア嬢の飯は確かに旨かったが・・・・」
「ああ、あの中に入る勇気はないな」
「食えるなら何でもいいと仰っていた方が・・・・」
「さあ、殿下。夕食まではお勉強ですよ。お部屋へ行きましょう」
「う、うん」
「もー!うるさい!!!全員、外で食料調達!さっさと行く!!!材料がなくなったら、作らないよ!肉も野菜もキノコも果物もご覧の通り」
食料庫の中を見せると、従魔たちは青くなって、白銀を残してさっと出掛けて行った。
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