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クリスマスパーティー③
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田原さんは美琴さんの微笑みに青ざめていた。
「……今のどういう意味なのか説明してもらえる?泰仁?」
「えっ!?俺に聞かれれても分かんねぇよ!?」
「おいおい~!しらばっくれんなよ~!ヤス~!」
「そうだぞ~!守里ちゃん、お前にすっげぇアプローチしてただろ~?」
「はっ!?えっ!?まもりちゃん、俺に気があったのか!?」
「……まもりちゃん……?」
「えっ?あ!い、いや!ほ、ほら!みんな下の名前で呼んでるから俺だけ苗字は変かなって……」
田原さんが不憫になってくる。
「(どうしてわざわざそんな人を呼ぶの?美琴さんと田原さんはすごく仲良しなのに!二人の関係崩して楽しいのかしら……すっごく不愉快だわ……)」
私が嫌悪感を抱いていると美琴さんが口を開く。
「……なーんて、冗談。大虎くんからぜーんぶ聞いてるから彼女のことも知ってる。せっかくのクリスマスパーティーなんだからみんなで楽しみましょう?」
そういって美琴さんは大虎くんの肩にポンッと手を置き私たちにしか聞こえない小さい声で呟いた。
「今日、帰れないと思って」
その言葉を聞いた大虎くんは驚いた顔で美琴さんを見る。
美琴さんはにっこり微笑んで今度はみんなにも聞こえる声で口を開いた。
「悪いんだけど、大虎くんと栗山さんは私の手伝いしてもらえる?流石に一人でこの人数の料理やら飲み物は運べないから」
最後に有無を言わさないような笑顔でね?といわれて大虎くんはしぶしぶ了承した。
「……分かった。でも、莉恵さんはお客だし大丈夫だよね?」
大虎くんは私だけでも先に帰そうとしてくれているのか美琴さんにそう尋ねる。
「……そうだね。栗山さんが大変なら大丈夫だよ」
そういってくれた美琴さんに私は答えた。
「ううん。大丈夫よ。大虎くんの気持ちは嬉しいけれど私にも手伝わせて?いつもお世話になっているのに私にはそれくらいしかできないもの。だから、良いでしょう?」
ね?と首を傾げれば大虎くんは深いため息と共に顔を覆う。
「……莉恵さんがいいならいいよ。それじゃあ、運ぼうか」
そういって三人で一度会場を出た。
美琴さん曰く料理は別のところに用意してあるとのことでそこまで取りに行く。
そこに向かっている途中、大虎くんは美琴さんに質問ばかりしていた。
「なぁ、美琴。それって今日じゃないとだめ?別に俺と莉恵さんがいなくても解決出来るだろ?」
「喧嘩になって終わるだけでしょ?それにあの女、自分のところに来たら冷める性悪女だと思う。今も絶対泰仁にベタベタ触ってるよ。田原さーん、このあと空いてますぅ?良かったら二人で抜けませんかぁ?私、良いところ知ってるんです……みたいなこと言いながら。考えるだけで腸が煮えくり返るね」
「……よくそれで離れられたな?」
「良い彼女に見られるためにしょうがなくだよ。トラたちがいなかったら修羅場だったと思うけど。あー……本当に女って嫌い。栗山さんは嫌いじゃないです」
「えっ?あ、ありがとう……?」
「でも、栗山さんの友達のながえって人は嫌い。男漁りに来てる感じ」
「あ、え、えっと……否定しないわ。聖来、今、絶賛募集中らしいから……ごめんなさい……」
私が謝ると美琴さんは首を横に振る。
「いや、別に栗山さんが悪い訳じゃないし謝らなくて良いですよ。文化祭で会ったときから好感持てなかったし。あの人、トラになんて言ったか知ってます?」
「美琴!」
「え?」
「あれ?言ってないの?」
「……馬鹿美琴」
「あ、あれー?てっきり、話したもんだと思ってたから……ごめん」
「え、えっと……何のことなの?大虎くん」
大虎くんは困ったように考え込んだ。
私は黙って大虎くんが口を開くのを待つ。
しばらくして大虎くんが口を開いた。
「まぁ、簡潔にいえば、莉恵さんと別れてって言われたかな」
「えぇっ!?聖来、大虎くんにそんなこと言ったの!?」
流石に数回しか会っていないのにそんなこと言われたら誰だって怒ると思う。
でも、きっと、大虎くんは優しいから私の友達って言い聞かせて我慢したんだろなと思うと悲しい気持ちになった。
私が俯くと大虎くんは慌てたように口を開く。
「あ!いや!でも!俺も結構思ったことそのまま言っちゃったからお互い様っていうか!莉恵さんがそこまで気に病む必要はないよ!」
「……」
私は大虎くんをジッと見つめた。
大虎くんは困った顔で笑っている。
これ以上、この話をするのは良くない気がして口を開いた。
「……分かったわ。気にしない」
私がそう言うと大虎くんはホッとしたようで胸を撫で下ろす。
料理が置いてある場所に着いて私たちは手分けして会場に料理や飲み物を運んだ。
会場に入ると美琴さんの予想通り金村と名乗った女性は田原さんの腕にくっついている。
田原さんは困ったように笑いながら離そうと努力はしていたがなかなか離れてもらえないらしい。
その光景を見ながら美琴さんは大きな声で呼びかける。
「みなさーん!お料理持ってきましたよー!並べるの手伝ってくださーい!」
料理を運ぶのに使っていたカートの持ち手は少しだけ凹んでいた。
それに気づいた田原さんの顔は再び青ざめる。
視線で大虎くんに助けを求めていたけど大虎くんは首を横に振るだけだった。
何とかクリスマスパーティーが始まる。
形式は立食パーティーで各自好きな飲み物や食べ物を手に談笑していた。
特に問題は起きないまま時間がすぎていく。
最後のプレゼント交換になってそれは起きた。
「……今のどういう意味なのか説明してもらえる?泰仁?」
「えっ!?俺に聞かれれても分かんねぇよ!?」
「おいおい~!しらばっくれんなよ~!ヤス~!」
「そうだぞ~!守里ちゃん、お前にすっげぇアプローチしてただろ~?」
「はっ!?えっ!?まもりちゃん、俺に気があったのか!?」
「……まもりちゃん……?」
「えっ?あ!い、いや!ほ、ほら!みんな下の名前で呼んでるから俺だけ苗字は変かなって……」
田原さんが不憫になってくる。
「(どうしてわざわざそんな人を呼ぶの?美琴さんと田原さんはすごく仲良しなのに!二人の関係崩して楽しいのかしら……すっごく不愉快だわ……)」
私が嫌悪感を抱いていると美琴さんが口を開く。
「……なーんて、冗談。大虎くんからぜーんぶ聞いてるから彼女のことも知ってる。せっかくのクリスマスパーティーなんだからみんなで楽しみましょう?」
そういって美琴さんは大虎くんの肩にポンッと手を置き私たちにしか聞こえない小さい声で呟いた。
「今日、帰れないと思って」
その言葉を聞いた大虎くんは驚いた顔で美琴さんを見る。
美琴さんはにっこり微笑んで今度はみんなにも聞こえる声で口を開いた。
「悪いんだけど、大虎くんと栗山さんは私の手伝いしてもらえる?流石に一人でこの人数の料理やら飲み物は運べないから」
最後に有無を言わさないような笑顔でね?といわれて大虎くんはしぶしぶ了承した。
「……分かった。でも、莉恵さんはお客だし大丈夫だよね?」
大虎くんは私だけでも先に帰そうとしてくれているのか美琴さんにそう尋ねる。
「……そうだね。栗山さんが大変なら大丈夫だよ」
そういってくれた美琴さんに私は答えた。
「ううん。大丈夫よ。大虎くんの気持ちは嬉しいけれど私にも手伝わせて?いつもお世話になっているのに私にはそれくらいしかできないもの。だから、良いでしょう?」
ね?と首を傾げれば大虎くんは深いため息と共に顔を覆う。
「……莉恵さんがいいならいいよ。それじゃあ、運ぼうか」
そういって三人で一度会場を出た。
美琴さん曰く料理は別のところに用意してあるとのことでそこまで取りに行く。
そこに向かっている途中、大虎くんは美琴さんに質問ばかりしていた。
「なぁ、美琴。それって今日じゃないとだめ?別に俺と莉恵さんがいなくても解決出来るだろ?」
「喧嘩になって終わるだけでしょ?それにあの女、自分のところに来たら冷める性悪女だと思う。今も絶対泰仁にベタベタ触ってるよ。田原さーん、このあと空いてますぅ?良かったら二人で抜けませんかぁ?私、良いところ知ってるんです……みたいなこと言いながら。考えるだけで腸が煮えくり返るね」
「……よくそれで離れられたな?」
「良い彼女に見られるためにしょうがなくだよ。トラたちがいなかったら修羅場だったと思うけど。あー……本当に女って嫌い。栗山さんは嫌いじゃないです」
「えっ?あ、ありがとう……?」
「でも、栗山さんの友達のながえって人は嫌い。男漁りに来てる感じ」
「あ、え、えっと……否定しないわ。聖来、今、絶賛募集中らしいから……ごめんなさい……」
私が謝ると美琴さんは首を横に振る。
「いや、別に栗山さんが悪い訳じゃないし謝らなくて良いですよ。文化祭で会ったときから好感持てなかったし。あの人、トラになんて言ったか知ってます?」
「美琴!」
「え?」
「あれ?言ってないの?」
「……馬鹿美琴」
「あ、あれー?てっきり、話したもんだと思ってたから……ごめん」
「え、えっと……何のことなの?大虎くん」
大虎くんは困ったように考え込んだ。
私は黙って大虎くんが口を開くのを待つ。
しばらくして大虎くんが口を開いた。
「まぁ、簡潔にいえば、莉恵さんと別れてって言われたかな」
「えぇっ!?聖来、大虎くんにそんなこと言ったの!?」
流石に数回しか会っていないのにそんなこと言われたら誰だって怒ると思う。
でも、きっと、大虎くんは優しいから私の友達って言い聞かせて我慢したんだろなと思うと悲しい気持ちになった。
私が俯くと大虎くんは慌てたように口を開く。
「あ!いや!でも!俺も結構思ったことそのまま言っちゃったからお互い様っていうか!莉恵さんがそこまで気に病む必要はないよ!」
「……」
私は大虎くんをジッと見つめた。
大虎くんは困った顔で笑っている。
これ以上、この話をするのは良くない気がして口を開いた。
「……分かったわ。気にしない」
私がそう言うと大虎くんはホッとしたようで胸を撫で下ろす。
料理が置いてある場所に着いて私たちは手分けして会場に料理や飲み物を運んだ。
会場に入ると美琴さんの予想通り金村と名乗った女性は田原さんの腕にくっついている。
田原さんは困ったように笑いながら離そうと努力はしていたがなかなか離れてもらえないらしい。
その光景を見ながら美琴さんは大きな声で呼びかける。
「みなさーん!お料理持ってきましたよー!並べるの手伝ってくださーい!」
料理を運ぶのに使っていたカートの持ち手は少しだけ凹んでいた。
それに気づいた田原さんの顔は再び青ざめる。
視線で大虎くんに助けを求めていたけど大虎くんは首を横に振るだけだった。
何とかクリスマスパーティーが始まる。
形式は立食パーティーで各自好きな飲み物や食べ物を手に談笑していた。
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