私、これからいきます。

蓮ヶ崎 漣

文字の大きさ
52 / 77

クリスマスパーティー②

翌日。
目が覚めると私はベッドで寝ていて大虎くんはもういなかった。
リビングに行くと置手紙が置いてありそこには地図と開始時間、プレゼント交換をやるからプレゼント買ってなかったら買ってきてねと書かれていて。
私は慌てて着替え聖来にメッセージを送り地図を持って外に出た。
目的地はショッピングモール。
クリスマスプレゼントを買いに。
よくよく考えたら大虎くんは早めのクリスマスプレゼントを私専用に買っておいてくれたんだと気づいた。
 
「(私も大虎くん用と今回のパーティー用のプレゼントを買わないと……パーティー用のプレゼントは田原さんとかに当たった場合も考えないといけないわね……大虎くんは何が良いかしら?誕生日にはお財布をあげたからクリスマスプレゼントはパスケース?それとも、キーケースにしようかしら……あぁ、でも、田原さんや美琴さんがもう渡しているかも……うーん……)」
 
そう思って色々な店を回る。
何とか開始時間前には両方のプレゼントを買えた。
一度家に帰り大虎くん用のプレゼントを自分の部屋に置いておく。
 
「(よし!これで準備完了!)」
 
私は聖来に電話をかけて待ち合わせをし地図の場所に向かった。
地図の目的地に着くと綺麗なドレスを着た美琴さんがいて声をかける。
 
「美琴さん!」
 
「あぁ、どうも。栗山さん。そちらの方がお連れ様ですね。文化祭のときも一緒にいたながえさん」
 
「あら、覚えてたのね。女装くん」
 
聖来がそういうと美琴さんは冷ややかな視線を送った。
 
「……トラに頼まれたから許可しましたけど決定権は僕にあるんですよ。今ここで覆して差し上げましょうか?」
 
「い、嫌だなぁ!冗談よ!冗談」
 
美琴さんは冷ややかな視線を外し会場のドアを開ける。
 
「どうぞ。数人、知らない人もいるでしょうけど気にしなくて良いですから」
 
そういわれ恐る恐る中に入った。
中は思っていたほど広くはない。
それでも、社交パーティーと勘違いしそうになるほど華やかで、その中心には大虎くんと田原さん、そして知らない男が二人いて談笑している。
大虎くんは私に気づくと一声かけて私のところに駆け寄ってきた。
 
「莉恵さん!良かった、迷わず来れたんだね」
 
「えぇ、大虎くんが書いておいてくれた分かりやすい地図のお陰で」
 
「そっか。永江さんもご無沙汰してます」
 
「そうね。今日は一応、感謝してる。ありがとう」
 
「いえ、莉恵さんの頼みでしたから。美琴!これで全員?」
 
「いや、もう一人来るらしいから好きにしてて」
 
「分かった。ってことだけど莉恵さんどうする?永江さんと二人で話してる?」
 
「え?えぇっと……」
 
私が返答に困っていると聖来が口を開く。
 
「じゃあ、さっき君が話してた人を紹介してよ~」
 
「え?あぁ、あの人たち、俺の知り合いじゃないんですよね。まぁ、良いですけど。じゃあ、行きましょうか」
 
そういって大虎くんは私たちを田原さんたちのところへ連れて行ってくれた。
田原さんは私たちを笑顔で迎えてくれる。
 
「あ、栗山さん。どうも!今日は来れて良かったっすね!お隣の方が栗山さんのお連れさんっすか?」
 
「えぇ、そうなの。高校からの同級生で」
 
私がそういうと聖来が口を開いた。
 
「永江聖来って言います!よろしく!」
 
「どうも。大虎の友達で栗山さんとも顔見知りの田原泰仁って言います」
 
田原さんが挨拶をすると田原さんと一緒にいた男二人が口を挟む。
 
「おいおい~!ヤス!お前の知り合いどうなってんだよ?イケメン童顔に美人って!あ。ちなみに俺、オバタケイゴって言いま~す!」
 
「やっぱり、イケメンの周りにはイケメン、美女しかいないのか~?俺はミナトコウヘイ!よろしく~!」
 
「乙幡先輩!水門先輩!変なこというの止めてください……って!もう酒飲んでんすか!?早いっすよ!」
 
「あぁ~?固いこというなよ~」
 
「そーだそーだ!今日はお前の噂の美人な恋人が見れるっていうからわざわざ来てやったんだからな~!」
 
「いやいや……勝手についてきたんでしょうが。っていうか、先輩方、もう一人呼んでましたよね?誰呼んだんすか?」
 
「それは~」
 
「来てからのお楽しみだろ~?」
 
何となくあまり関わりたくなくて後退ると大虎くんがさり気なく間に入ってくれた。
聖来は気にせず話に割って入る。
 
「あのあの~!質問良いですか~?」
 
「おう!良いぜ~!」
 
乙幡と名乗った人が答えた。
 
「皆さんってどういうお仕事されてるんですか~?サラリーマン?あ、でも、田原くんは莉恵の年下彼氏くんと同い年だからまだ皆さん学生さん?」
 
「え~?俺ら学生に見える?」
 
「嬉しいなぁ!俺たちこう見えて警察官なんだよね~」
 
「警察!わぁ~!お若く見えますね~!おいくつなんですか~?」
 
気がつけば聖来と乙幡さん、水門さんが合コンのような流れを作っている。
ふと美琴さんが視界に入った。
美琴さんは怪訝そうな顔をして三人を見ている。
その美琴さんに気づいた田原さんは苦笑を浮かべ大虎くんは小さくため息を吐いて私を連れてそっと遠ざかった。
しばらくすると最後の一人が到着し視線を集める。
 
「遅れてしまってすみません。金村守里かねむらまもりです。今日は誘ってくださりありがとうございます。田原さんとイブを過ごせるなんて……私、幸せです!」
 
その言葉を聞いて田原さんがゲッという顔をした。
乙幡さんと水門さんはニヤニヤしながら田原さんたちを見ている。
大虎くんも複雑な顔をしていた。
聖来はワクワクしたような目で見ている。
美琴さんはにっこり微笑みながら口を開いた。
感想 1

あなたにおすすめの小説

ソツのない彼氏とスキのない彼女

吉野 那生
恋愛
特別目立つ訳ではない。 どちらかといえば地味だし、バリキャリという風でもない。 だけど…何故か気になってしまう。 気がつくと、彼女の姿を目で追っている。 *** 社内でも知らない者はいないという程、有名な彼。 爽やかな見た目、人懐っこく相手の懐にスルリと入り込む手腕。 そして、華やかな噂。 あまり得意なタイプではない。 どちらかといえば敬遠するタイプなのに…。

フローライト

藤谷 郁
恋愛
彩子(さいこ)は恋愛経験のない24歳。 ある日、友人の婚約話をきっかけに自分の未来を考えるようになる。 結婚するのか、それとも独身で過ごすのか? 「……そもそも私に、恋愛なんてできるのかな」 そんな時、伯母が見合い話を持ってきた。 写真を見れば、スーツを着た青年が、穏やかに微笑んでいる。 「趣味はこうぶつ?」 釣書を見ながら迷う彩子だが、不思議と、その青年には会いたいと思うのだった… ※他サイトにも掲載

一億円の花嫁

藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。 父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。 もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。 「きっと、素晴らしい旅になる」 ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが…… 幸か不幸か!? 思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。 ※エブリスタさまにも掲載

大好きな背中

詩織
恋愛
4年付き合ってた彼氏に振られて、同僚に合コンに誘われた。 あまり合コンなんか参加したことないから何話したらいいのか… 同じように困ってる男性が1人いた

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と… 「Ninagawa Queen's Hotel」 若きホテル王 蜷川朱鷺  妹     蜷川美鳥 人気美容家 佐井友理奈 「オークワイナリー」 国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介 血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…? 華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。

結婚する事に決めたから

KONAN
恋愛
私は既婚者です。 新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。 まずは、離婚してから行動を起こします。 主な登場人物 東條なお 似ている芸能人 ○原隼人さん 32歳既婚。 中学、高校はテニス部 電気工事の資格と実務経験あり。 車、バイク、船の免許を持っている。 現在、新聞販売店所長代理。 趣味はイカ釣り。 竹田みさき 似ている芸能人 ○野芽衣さん 32歳未婚、シングルマザー 医療事務 息子1人 親分(大島) 似ている芸能人 ○田新太さん 70代 施設の送迎運転手 板金屋(大倉) 似ている芸能人 ○藤大樹さん 23歳 介護助手 理学療法士になる為、勉強中 よっしー課長(吉本) 似ている芸能人 ○倉涼子さん 施設医療事務課長 登山が趣味 o谷事務長 ○重豊さん 施設医療事務事務長 腰痛持ち 池さん 似ている芸能人 ○田あき子さん 居宅部門管理者 看護師 下山さん(ともさん) 似ている芸能人 ○地真央さん 医療事務 息子と娘はテニス選手 t助 似ている芸能人 ○ツオくん(アニメ) 施設医療事務事務長 o谷事務長異動後の事務長 雄一郎 ゆういちろう 似ている芸能人 ○鹿央士さん 弟の同級生 中学テニス部 高校陸上部 大学帰宅部 髪の赤い看護師(川木えみ) 似ている芸能人 ○田來未さん 准看護師 ヤンキー 怖い

【完結】僕ら二度目のはじめまして ~オフィスで再会した、心に残ったままの初恋~

葉影
恋愛
高校の頃、誰よりも大切だった人。 「さ、最近はあんまり好きじゃないから…!」――あの言葉が、最後になった。 小島久遠は、新たな職場で、元カレとまさかの再会を果たす。 若くしてプロジェクトチームを任される彼は、 かつて自分だけに愛を囁いてくれていたことが信じられないほど、 遠く、眩しい存在になっていた。 優しかったあの声は、もう久遠の名前を呼んでくれない。 もう一度“はじめまして”からやり直せたら――そんなこと、願ってはいけないのに。 それでも—— 8年越しのすれ違いは、再会から静かに動き出す。 これは、終わった恋を「もう一度はじめる」までの物語。