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最終話 モブがヒロインに・・こんなラストで読者は満足しますか?
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そして、セドリックはリーナの首筋へ顔を埋める。チクリとした痛みがすると、リーナの口から自然と「ぁっん・・・」と色っぽい声が漏れる。セドリックが顔を上げると、赤い花びらがいくつも散らされていた。
そしてセドリックは、リーナの肩と頬を包んでいた手を胸元へ移す。両手で制服の上から胸の膨らみを下から持ち上げるようにして優しく揉む。直接触れられているわけではないのに、リーナの快感は増す。
(どうしよう・・触れられたことろが、怖いくらいに熱くなる。彼に囚われたら、心がめちゃくちゃになりそうで怖い・・・)
リーナは、今更ながらセドリックとの恋に溺れそうな予感に心を震わせた。しかし、そんなリーナの心を見透かしたようにセドリックは耳元で囁いた。
「もう手遅れだぞ。君が転生してきた時に、私たちの運命は決まったんだ。君の身体は正直だぞ」
リーナは、自覚していた。お腹の奥がジンジンと熱を持ち、下半身が疼いていることを・・
そして顔を真っ赤にしたリーナは、顔を腕で隠して白状する。その胸にはまさか前世でそれなりに経験のあった三十路手前の自分が、年下の王子に翻弄され、こんな言葉をいうなんてという嘆きがあった。
「意地悪いばかりしないでください。殿下に触れられると、心臓はうるさいくらいに早くなって、体中が熱くなるんです。これでいいでしょう?」
「まだまだだ。言っただろう?“大胆に私を求めるようになるまで調教することに決めた”と・・・」
この言葉を聞いたリーナは、ビクトリアが逃げ出した選択が間違いでなかったことを思い知った。
セドリックの手が顕になったリーナの太腿へ触れると、リーナの鼓動は更に早くなる。足に触れる手とは反対の腕でリーナの腕を頭上で拘束すると、真っ赤になったリーナの顔が彼の前にさらされる。
「かわいいな」
まるで翻弄されるリーナを楽しむかのようなセドリックの声に、リーナはゾクゾクする。そして、この先を期待している自分に戸惑っていた。しかし、その期待に反してセドリックは太腿に触れていた手を離すと、今度は首筋から鎖骨へと指を這わせ始めた。
てっきりこのままリーナの十分に潤っている秘めた部分に触れるのかと思っていたリーナは、思わず目を見開く。そんなリーナの様子を見て、セドリックは「クックッ・・」と笑いを漏らした。
胸元に這わせていた手で制服の胸元をあらわにすると、首筋に残したような花をひとつ咲かせる。
そして彼女の耳元へ唇を寄せた。吐息交じりの低い声が、熱い息と共に耳にかかる。
「今日はここまでだ」
ゾクゾクとした感覚にリーナは身体の中から震わせるが、そんな彼女を弄ぶかのようにセドリックは手を離すと、横たわるリーナの身体を起こした。あまりの変わり身の早さにリーナは呆気にとられたが、これも彼の作戦のうちだと気づいた彼女は、疼く身体を必死になだめる。
「続きが欲しければ、君の方から迫ってみろ」
謎の勝負の主導権を握られたリーナは、悔しさから心に誓う。
(悔しい・・絶対に殿下のほうから、折れさせてやる・・・それまで指一本触れさせてやらないんだから・・)
「あら、殿下の方こそそうやって余裕を構えていられるのも、今のうちですわ。これくらいの焦らし、前世ではいくらでもありましたもの」
そう強気なセリフを残して、リーナはセドリックを部屋に置き去りにした。
廊下を歩くリーナの胸にはこの物語を締めくくる想いが・・・
(まさか自分がヒーローの手に落ちるなんて、思わなかったわ。終わってみれば、ヒロインが悪役令嬢、悪役令嬢は友人そして・・・)
「モブが、ヒロインに昇格したってことね」
リーナの呟きは、誰もいない廊下の静寂に染み込んでいった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ここで完結となります。
すでに白旗を上げたリーナがこの後、表立ってセドリックに陥落するまでは、もう少しだけピンクな展開になりそうなので、ご要望があればアップします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
そしてセドリックは、リーナの肩と頬を包んでいた手を胸元へ移す。両手で制服の上から胸の膨らみを下から持ち上げるようにして優しく揉む。直接触れられているわけではないのに、リーナの快感は増す。
(どうしよう・・触れられたことろが、怖いくらいに熱くなる。彼に囚われたら、心がめちゃくちゃになりそうで怖い・・・)
リーナは、今更ながらセドリックとの恋に溺れそうな予感に心を震わせた。しかし、そんなリーナの心を見透かしたようにセドリックは耳元で囁いた。
「もう手遅れだぞ。君が転生してきた時に、私たちの運命は決まったんだ。君の身体は正直だぞ」
リーナは、自覚していた。お腹の奥がジンジンと熱を持ち、下半身が疼いていることを・・
そして顔を真っ赤にしたリーナは、顔を腕で隠して白状する。その胸にはまさか前世でそれなりに経験のあった三十路手前の自分が、年下の王子に翻弄され、こんな言葉をいうなんてという嘆きがあった。
「意地悪いばかりしないでください。殿下に触れられると、心臓はうるさいくらいに早くなって、体中が熱くなるんです。これでいいでしょう?」
「まだまだだ。言っただろう?“大胆に私を求めるようになるまで調教することに決めた”と・・・」
この言葉を聞いたリーナは、ビクトリアが逃げ出した選択が間違いでなかったことを思い知った。
セドリックの手が顕になったリーナの太腿へ触れると、リーナの鼓動は更に早くなる。足に触れる手とは反対の腕でリーナの腕を頭上で拘束すると、真っ赤になったリーナの顔が彼の前にさらされる。
「かわいいな」
まるで翻弄されるリーナを楽しむかのようなセドリックの声に、リーナはゾクゾクする。そして、この先を期待している自分に戸惑っていた。しかし、その期待に反してセドリックは太腿に触れていた手を離すと、今度は首筋から鎖骨へと指を這わせ始めた。
てっきりこのままリーナの十分に潤っている秘めた部分に触れるのかと思っていたリーナは、思わず目を見開く。そんなリーナの様子を見て、セドリックは「クックッ・・」と笑いを漏らした。
胸元に這わせていた手で制服の胸元をあらわにすると、首筋に残したような花をひとつ咲かせる。
そして彼女の耳元へ唇を寄せた。吐息交じりの低い声が、熱い息と共に耳にかかる。
「今日はここまでだ」
ゾクゾクとした感覚にリーナは身体の中から震わせるが、そんな彼女を弄ぶかのようにセドリックは手を離すと、横たわるリーナの身体を起こした。あまりの変わり身の早さにリーナは呆気にとられたが、これも彼の作戦のうちだと気づいた彼女は、疼く身体を必死になだめる。
「続きが欲しければ、君の方から迫ってみろ」
謎の勝負の主導権を握られたリーナは、悔しさから心に誓う。
(悔しい・・絶対に殿下のほうから、折れさせてやる・・・それまで指一本触れさせてやらないんだから・・)
「あら、殿下の方こそそうやって余裕を構えていられるのも、今のうちですわ。これくらいの焦らし、前世ではいくらでもありましたもの」
そう強気なセリフを残して、リーナはセドリックを部屋に置き去りにした。
廊下を歩くリーナの胸にはこの物語を締めくくる想いが・・・
(まさか自分がヒーローの手に落ちるなんて、思わなかったわ。終わってみれば、ヒロインが悪役令嬢、悪役令嬢は友人そして・・・)
「モブが、ヒロインに昇格したってことね」
リーナの呟きは、誰もいない廊下の静寂に染み込んでいった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ここで完結となります。
すでに白旗を上げたリーナがこの後、表立ってセドリックに陥落するまでは、もう少しだけピンクな展開になりそうなので、ご要望があればアップします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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