ダンジョン菌にまみれた、様々なクエストが提示されるこの現実世界で、【クエスト簡略化】スキルを手にした俺は最強のスレイヤーを目指す

名無し

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第27回 使用武器

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「「「「「止まれっ!」」」」」

 規制線が張られた学校ダンジョンの表口、そこに近づいた俺と風間に対し、警官たちが怒号を上げてきた。

「わ、わしはな、こういう者だ」

 それに対し、風間が動揺した様子を見せたので俺は一抹の不安を覚えたものの、彼が懐からスッと取り出したカードを見せた瞬間、警官たちが青ざめた様子で敬礼してきたので安堵した。

 あれは、スレイヤー専用の名刺みたいなもので、偽造ができないように様々な仕掛けが施されており、そういうプログラムを持っている警官ならすぐに偽物かどうか判断できるのだ。

 お、まもなく警官の中でも階級の高そうな男がやってきた。階級についてはよくわからないが、雰囲気でわかる。多分巡査部長とかそんなんだろう。

「スレイヤーの風間様ですね、どうぞお入りください」

「そ、それがだな、、ここにおる若いモンを入れたいんだが……」

「……は? その方もスレイヤーなのですか?」

「こ、こいつは、あれだ、まだ一般人だが、わしの弟子みたいなもんでなあ」

「弟子? 一般人の?」

「「「「「ブハッ……!」」」」」

 風間の発言が余程おかしかったのか、警官たちが俺のほうを一瞥したあと一斉に噴き出してしまった。

「スレイヤーの風間様、またまたご冗談を――」

「――残念ながら冗談じゃないんですよ……」

「「「「「っ!?」」」」」

 俺は警官たちの帽子を、ほぼ同時に奪い取ってやった。レベル0の彼らからしてみたら、目に見えないレベルの速度だろう。

「……さ、佐嶋よ、今のはスレイヤー並みのスピードだったが、もしや、速度に全振りしおったのか……?」

「はい。今のところ、ほぼ全部ですね」

 風間はさすがにスレイヤーだから、俺の一連の動きが見えたらしい。

「これで、俺が風間さんの弟子だってことがわかってもらえたでしょうか?」

「「「「「……」」」」」

 呆然とする警官らに俺は帽子を返しつつそう言い放ったわけだが、もう誰も俺たちを止めようとはしなかった。

「さて、ダンジョンへ入る前に武器を出すとするかの」

「えっ……」

 風間昇が両手で何かを持つ仕草になったかと思うと、そこに2メートルはある巨大な剣が出現した。これは、凄いな。丸太並みのサイズだ……。

「そ、それは……?」

「これはな、スレイヤーになるとき、協会になりたいタイプを伝えるだけで貰えるものだ。特殊かつ希少な金属で作られていて極めて丈夫らしい!」

 スレイヤー協会、か。なるほど。転職のお祝い品みたいなもんか。見れば見るほど羨ましくなるが、俺も近いうちになれるわけだしな。

「佐嶋よ、興味があるならこの剣、ちょっと持ってみるか?」

「え、いいんですか?」

「もちろんだ。むしろ、お前さんが使ってもいいぞ?」

「えぇ……?」

 やたらと気前がいいなと思って剣を持とうとしたとき、俺はデンジャーという文字が視界に浮かび上がったのを見て、はっとなって手放した途端、剣が落ちて周囲にズシンという重い音が周囲に響き渡った。おいおい、一体何キロあるんだ、この剣……。

「さすが、最近の若いモン――いや、佐嶋は勘がいいのう……」

「風間さん、知っててやったんですね……?」

「はっはっは! 実際に持とうとしたらわしが咄嗟にカバーするつもりだったから心配せんでいい!」

「……パーティー抜けましょうか?」

「あ、いや、それだけはやめてぇんっ」

「無駄に可愛い声……で、その剣は何キロなんです?」

「かなり重いぞ。およそ500キロだ」

「うあ……」

 風間が笑いながらそう言いつつ、石ころを拾うような感覚で剣を拾ったので、俺が受けた衝撃は倍増だった。そういや、今思うと電柱も元に戻してたし今更かもしれないが……。

「凄い力……ってことは、風間さんは物理アタッカータイプなんですね」

 確か、物理アタッカーは主に腕力、技巧、体力、速度にステータスポイントを振るんだったか。戦いやすいってことでスレイヤーでは一番多いタイプらしい。当然、どれを中心に振るかでタイプも分かれるし、武器は色んな種類があるみたいだから戦い方も多種多様だ。

「そりゃもう、年齢に抗うためにも、こういうパワー溢れるスタイルを選んだのだ。まだまだ現役で頑張るぞという意思表明というわけだっ!」

「…………」

 この人が言うと別の意味も込められてそうだと感じる。女子高生の黒坂の手を舐めていたのを見ているだけに。

「どれくらい腕力に振れば扱えるんですかね、それ……」

「ん-、そうだな、わしの腕力の数値は100だから棒切れ並みの軽さだが、最低でも30くらいなければ扱えんよ。それでも抱えたままフラフラするだけだろうがな」

「なるほど……」

 中途半端に腕力にポイントを振っても役に立ちそうにないし、しばらくは様子見だな。

「それじゃ、風間さん、そろそろ行きましょうか」

「そ、そ、そうだなっ!」

「…………」

 風間はそれまでの余裕な態度から一転して青ざめてしまった。おいおい、どっちがスレイヤーだって何度心の中で突っ込ませる気だ。

 まもなく俺たちが規制線を越えた途端、大型のウィンドウが視界に表示される。

 クエスト【学校ダンジョン】が解放されました。

 クエストランク:E

 クリア条件:ダンジョンのどこかにいるボスを倒すこと。

 成功報酬:レア装備獲得 ※最初に倒した人限定

 注意事項:仮面をつけた者に気をつけましょう。

「…………」

 レア装備が貰えるのか、これは欲しいな……。なんせ、俺が武器として持っているのは工事用のツルハシだから心許ない。それでも、前回は素手だっただけにこれでも大分進歩したほうだ。
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