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妄想編
51話【off duty】佐々木 楓:「フラれました」(藍原編)④
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アパートの一室は、何だかものすごい湿度と異様な空気が充満して、何が何だかわからない大騒ぎのあと、突然静かになった。
「はあっ、はあっ……」
大橋くんが汗だくになって楓ちゃんの上に倒れ込み、大きく肩で息をしている。楓ちゃんは……完全に昇天状態。定まらない目をあらぬ方向に向けて、もう抜け殻みたいになってる……。
ずっと背伸びしてるのもしんどくなってきたので、あたしはそっと新條くんから手を離した。楓ちゃんの体は、一応真っ裸の大橋くんがかぶさって隠れてるから……まあいっか。やっと視界を解放され、状況を目の当たりにした新條くんは、一瞬固まったあと、頭を抱えた。
「う……ウソだろー!! マジかよ、マジでヤッたのかよ、大橋……」
新條くんのベッドは、シーツもずれてしわしわ、ふたりの汗でじっとりと湿り、何より……えっと、正体不明の液体が、飛び散ってるというか……。
「と……とにかく、やっと静かになったことだし、あたしは楓ちゃんを連れて撤収しますっ! ほらっ、楓ちゃん、行くわよ! ……か、楓ちゃん?」
反応がない。楓ちゃんどころか、大橋くんも動かない。……え、まさかこのふたり……寝てる!?
あたしは新條くんの顔を見た。
「あの……寝てるっぽいんですけど」
「はあ!? マジか、さっきまであんなにデカい声でヤリまくってたのに!?」
「……疲れちゃったんじゃない? 何だか、ふたりとも、すごく全力だったから……お酒も入ってたし……」
なんていうかね、もう、エロいとかいうより、途中から、ある種のスポーツみたいになってたわよ?
「とにかく、楓ちゃんを……」
楓ちゃんを下敷きにしてスイッチが切れたように爆睡している大橋くんをどかそうとする。でも、完全に脱力している男の人って、全然動かない。
「新條くん、ちょっと、手伝って……!」
ふたりで大橋くんを横に転がす。ごろん、と転がった拍子に、しぼみかけた大橋くんのモノがつるんと抜けた。
「あっ、新條くん、あっち向いてて!」
すかさず指示して、新條くんが目を背けてる間に楓ちゃんにパンツとセーターを着せ……あああっ、やだ、楓ちゃんのアソコから、何やら白いものが……ああダメっ、シーツにこぼれちゃう!
「新條くん、ティッシュどこ!?」
「あっ、テーブルの下に……」
すかさずティッシュを数枚引き抜いて楓ちゃんのお股に充てる。ああもうっ、何であたしがっ、楓ちゃんの股から漏れ出てくる他人の精液をティッシュ越しにキャッチしなきゃなんないの!? なんなのよ、もうっ! 最悪なんですけど! ほら、ティッシュから染みて、もう湿り気だけじゃない感触が……! 楓ちゃんっ、この貸しは必ず返してもらうんだからね!?
「せ、先生? 大丈夫ですか?」
明後日の方向を向いたままの新條くんが声をかける。
「ああっ、たぶん、大丈夫……かしら? もう手遅れかしら……」
一通り出るのを待ってから、ティッシュを何重にも丸めてゴミ箱に捨てる。楓ちゃんに服を着せたあと、新條くんに声をかけた。
「お、おまたせ、もう見ていいわよ。ちょっと、楓ちゃんをあたしの部屋まで運びたいんだけど……」
「あっ、俺に任せてくださいっ」
新條くんが、楓ちゃんをお姫様抱っこして、あたしの部屋まで連れてきてくれた。ああもう、楓ちゃんてば、2度も意識を失って男の子に運ばれるって、どういうことよ? しかも、2回とも、何であたしの部屋なの!?
「ふぅ。新條くん、今夜は本当にごめんなさい。シーツのクリーニング代、払うから……」
「ああいや、そんなの大橋に請求するから大丈夫ですよ。ていうか、俺たちふたりとも、被害者だし」
「……そうよね、考えてみたら、そうなのよね」
お互いに顔を見合わせる。興奮なのか羞恥なのかよくわからない雰囲気で、お互い顔を赤らめる。何だか妙な雰囲気になりそう……なところで、新條くんがビシッと姿勢を正した。
「あっ、じゃあっ、俺はこれで失礼しますっ! ほんとすみませんでした、大橋にはよーくいっておきますんで、あの、楓さんに、くれぐれも、よろしくお伝えください」
「あ、はい、伝えます」
新條くんが出ていき、あたしは鍵を閉めた。振り返ると、あたしのベッドの上で、楓ちゃんが気持ちよさそうに眠ってる。
……はあ……。いったい、なんだったの?
もう、ため息しかでない……。
「はあっ、はあっ……」
大橋くんが汗だくになって楓ちゃんの上に倒れ込み、大きく肩で息をしている。楓ちゃんは……完全に昇天状態。定まらない目をあらぬ方向に向けて、もう抜け殻みたいになってる……。
ずっと背伸びしてるのもしんどくなってきたので、あたしはそっと新條くんから手を離した。楓ちゃんの体は、一応真っ裸の大橋くんがかぶさって隠れてるから……まあいっか。やっと視界を解放され、状況を目の当たりにした新條くんは、一瞬固まったあと、頭を抱えた。
「う……ウソだろー!! マジかよ、マジでヤッたのかよ、大橋……」
新條くんのベッドは、シーツもずれてしわしわ、ふたりの汗でじっとりと湿り、何より……えっと、正体不明の液体が、飛び散ってるというか……。
「と……とにかく、やっと静かになったことだし、あたしは楓ちゃんを連れて撤収しますっ! ほらっ、楓ちゃん、行くわよ! ……か、楓ちゃん?」
反応がない。楓ちゃんどころか、大橋くんも動かない。……え、まさかこのふたり……寝てる!?
あたしは新條くんの顔を見た。
「あの……寝てるっぽいんですけど」
「はあ!? マジか、さっきまであんなにデカい声でヤリまくってたのに!?」
「……疲れちゃったんじゃない? 何だか、ふたりとも、すごく全力だったから……お酒も入ってたし……」
なんていうかね、もう、エロいとかいうより、途中から、ある種のスポーツみたいになってたわよ?
「とにかく、楓ちゃんを……」
楓ちゃんを下敷きにしてスイッチが切れたように爆睡している大橋くんをどかそうとする。でも、完全に脱力している男の人って、全然動かない。
「新條くん、ちょっと、手伝って……!」
ふたりで大橋くんを横に転がす。ごろん、と転がった拍子に、しぼみかけた大橋くんのモノがつるんと抜けた。
「あっ、新條くん、あっち向いてて!」
すかさず指示して、新條くんが目を背けてる間に楓ちゃんにパンツとセーターを着せ……あああっ、やだ、楓ちゃんのアソコから、何やら白いものが……ああダメっ、シーツにこぼれちゃう!
「新條くん、ティッシュどこ!?」
「あっ、テーブルの下に……」
すかさずティッシュを数枚引き抜いて楓ちゃんのお股に充てる。ああもうっ、何であたしがっ、楓ちゃんの股から漏れ出てくる他人の精液をティッシュ越しにキャッチしなきゃなんないの!? なんなのよ、もうっ! 最悪なんですけど! ほら、ティッシュから染みて、もう湿り気だけじゃない感触が……! 楓ちゃんっ、この貸しは必ず返してもらうんだからね!?
「せ、先生? 大丈夫ですか?」
明後日の方向を向いたままの新條くんが声をかける。
「ああっ、たぶん、大丈夫……かしら? もう手遅れかしら……」
一通り出るのを待ってから、ティッシュを何重にも丸めてゴミ箱に捨てる。楓ちゃんに服を着せたあと、新條くんに声をかけた。
「お、おまたせ、もう見ていいわよ。ちょっと、楓ちゃんをあたしの部屋まで運びたいんだけど……」
「あっ、俺に任せてくださいっ」
新條くんが、楓ちゃんをお姫様抱っこして、あたしの部屋まで連れてきてくれた。ああもう、楓ちゃんてば、2度も意識を失って男の子に運ばれるって、どういうことよ? しかも、2回とも、何であたしの部屋なの!?
「ふぅ。新條くん、今夜は本当にごめんなさい。シーツのクリーニング代、払うから……」
「ああいや、そんなの大橋に請求するから大丈夫ですよ。ていうか、俺たちふたりとも、被害者だし」
「……そうよね、考えてみたら、そうなのよね」
お互いに顔を見合わせる。興奮なのか羞恥なのかよくわからない雰囲気で、お互い顔を赤らめる。何だか妙な雰囲気になりそう……なところで、新條くんがビシッと姿勢を正した。
「あっ、じゃあっ、俺はこれで失礼しますっ! ほんとすみませんでした、大橋にはよーくいっておきますんで、あの、楓さんに、くれぐれも、よろしくお伝えください」
「あ、はい、伝えます」
新條くんが出ていき、あたしは鍵を閉めた。振り返ると、あたしのベッドの上で、楓ちゃんが気持ちよさそうに眠ってる。
……はあ……。いったい、なんだったの?
もう、ため息しかでない……。
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