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番外編 闘技大会 前編
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「もう隠す必要がなくなったんだからさ、今年は出てみなよ、カダージュ」
第三皇子ラウェージュがそう言うと、カダージュは嫌そうな顔をした。
「うーん、確かに、実際どこまでカダージュがいけるのか見てみたいですね」
第二皇子セダージュも、ラウェージュの発言に乗り気だ。
「そうだな。今年は兄弟全員で出場しよう」
第一皇子レヴェージュは、決定事項だとニッコリ笑った。
カダージュが終始嫌そうな顔をしていると、
「メリオラーザ殿にも、カダージュの勇士を見せてあげられるではないか」
「カダ様、武芸もお出来になるのですね、素敵ですわ、なんて新たなカダージュの一面に惚れ直すかもしれないよ?」
「カダージュを一生懸命応援するメリオラーザ殿が見られるかもしれませんね」
レヴェージュ、ラウェージュ、セダージュが、メリオラーザをだしにカダージュを乗せようとしてくる。カダージュは溜め息を吐いた。
「本音は?」
「「「カダージュの剣が見たい」」」
*~*~*~*~*
ヒオニアリア帝国は、年に一度、闘技大会が行われる。
広大なコロシアムに観客は収まりきらず、立ち見の者も大勢出る、国で一、二を争う人気の祭典だ。
貴族平民かかわらず、一定の基準を満たした者が参加出来、軍部を司る者の目に止まると、城の兵士や騎士、果ては近衛に抜擢されることもある、平民にとっての大出世街道の舞台でもあった。
「え?カダ様が闘技大会に出場なさるのですか?」
「兄様たちに懇願された」
「そう、ですか」
少し困ったように笑うメリオラーザに、カダージュは焦る。
「リオ?リオが嫌ならもちろん出ないよ。僕はリオの望みがすべてだ」
「あ、あの、いえ、すみません、違うのです」
「リオ?」
メリオラーザの顔を覗き込む。
「あ、あ、すみません、あの、お怪我をされたらと心配なのですが」
尚も続きそうな言葉をカダージュは待つ。
「あの、わたくし、カダ様の、その、わたくしも、カダ様の、剣を、見てみたい、な、と」
恥ずかしそうに俯くメリオラーザに、カダージュは何も言わない。
「す、すみません、やはりお怪我をされる方が嫌ですので」
そこまで言って、強く抱き締められた。
「嬉しい」
「へぇ?」
予想外の言葉に、メリオラーザは奇妙な返事をしてしまう。
「リオ、言って。もう一度。僕に、望みを」
「か、カダ様の、剣が、見たい、です」
唇を塞がれた。
「うん、うん。頑張る。僕、頑張る」
「ん、ん、でも、怪我、だけは、んんっ」
「うん、約束する」
*~*~*~*~*
今年の闘技大会は、別の意味でも賑わいを見せた。
多くの蔑称で嗤われていた元第四皇子、現リシアンサス大公カダージュが、この大会に参加するというからだ。
第一皇子レヴェージュの生誕祭で見たもの聞いたことが、夢だったのではないかと思っている者も多い。それ程までに、カダージュの変貌は信じ難いものだったのだ。
それが今度は闘技大会。
強さは一朝一夕で手に入れられるものではない。
まさか、生誕祭のデジャヴを見るなんてことは、ない、はず。
*中編につづく*
第三皇子ラウェージュがそう言うと、カダージュは嫌そうな顔をした。
「うーん、確かに、実際どこまでカダージュがいけるのか見てみたいですね」
第二皇子セダージュも、ラウェージュの発言に乗り気だ。
「そうだな。今年は兄弟全員で出場しよう」
第一皇子レヴェージュは、決定事項だとニッコリ笑った。
カダージュが終始嫌そうな顔をしていると、
「メリオラーザ殿にも、カダージュの勇士を見せてあげられるではないか」
「カダ様、武芸もお出来になるのですね、素敵ですわ、なんて新たなカダージュの一面に惚れ直すかもしれないよ?」
「カダージュを一生懸命応援するメリオラーザ殿が見られるかもしれませんね」
レヴェージュ、ラウェージュ、セダージュが、メリオラーザをだしにカダージュを乗せようとしてくる。カダージュは溜め息を吐いた。
「本音は?」
「「「カダージュの剣が見たい」」」
*~*~*~*~*
ヒオニアリア帝国は、年に一度、闘技大会が行われる。
広大なコロシアムに観客は収まりきらず、立ち見の者も大勢出る、国で一、二を争う人気の祭典だ。
貴族平民かかわらず、一定の基準を満たした者が参加出来、軍部を司る者の目に止まると、城の兵士や騎士、果ては近衛に抜擢されることもある、平民にとっての大出世街道の舞台でもあった。
「え?カダ様が闘技大会に出場なさるのですか?」
「兄様たちに懇願された」
「そう、ですか」
少し困ったように笑うメリオラーザに、カダージュは焦る。
「リオ?リオが嫌ならもちろん出ないよ。僕はリオの望みがすべてだ」
「あ、あの、いえ、すみません、違うのです」
「リオ?」
メリオラーザの顔を覗き込む。
「あ、あ、すみません、あの、お怪我をされたらと心配なのですが」
尚も続きそうな言葉をカダージュは待つ。
「あの、わたくし、カダ様の、その、わたくしも、カダ様の、剣を、見てみたい、な、と」
恥ずかしそうに俯くメリオラーザに、カダージュは何も言わない。
「す、すみません、やはりお怪我をされる方が嫌ですので」
そこまで言って、強く抱き締められた。
「嬉しい」
「へぇ?」
予想外の言葉に、メリオラーザは奇妙な返事をしてしまう。
「リオ、言って。もう一度。僕に、望みを」
「か、カダ様の、剣が、見たい、です」
唇を塞がれた。
「うん、うん。頑張る。僕、頑張る」
「ん、ん、でも、怪我、だけは、んんっ」
「うん、約束する」
*~*~*~*~*
今年の闘技大会は、別の意味でも賑わいを見せた。
多くの蔑称で嗤われていた元第四皇子、現リシアンサス大公カダージュが、この大会に参加するというからだ。
第一皇子レヴェージュの生誕祭で見たもの聞いたことが、夢だったのではないかと思っている者も多い。それ程までに、カダージュの変貌は信じ難いものだったのだ。
それが今度は闘技大会。
強さは一朝一夕で手に入れられるものではない。
まさか、生誕祭のデジャヴを見るなんてことは、ない、はず。
*中編につづく*
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