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82 横取り犯になってしまった
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調子に乗ってゴブリン狩りをした。
目的は「等価交換」の素材集め。
397匹のゴブリンを倒して収納。だけど、この討伐に依頼が出ていた。
それを知っていた。
私はEランクパーティー「シャイニング」の依頼を横取りした。
私は森の開けた場所で正座。前にはグラン、バル、メアリ、タルン、コリーヌが立ってる。
「私は冒険者としてあるまじき行為をしてしまったわ。私もオルシマの冒険者でユリナ」
「鎖かたびら1枚。貧乏そうだけど、許したら俺らも稼ぎゼロになっちまう」
「・・ごめんなさい」
「私達、この依頼で一攫千金も狙ってたのに・・。討伐証明もないし、マイナスかも」
「ああ、それなら私が倒した分を、収納指輪に入れてるから渡すわ」
ゴブリンを渡す。
それでも許してもらえなければ、冒険者ギルドに自首する。
我ながら迂闊である。
「ええと、ゴブリンの討伐証明ってどこ?」
私はあの日を境に、高ランク魔物を倒せるようになった。
レベル70オークをカナワギルドで換金したのに、ゴブリン討伐の依頼を受けたことがない。
ゴブリンをどうすれば、依頼達成なのか知らない。
「耳だよ。両耳で1匹討伐の計算。最低20匹で、追加はボーナスなんだよね」
「良かった。20匹以上あるよ」
◇◇オルシマEランク冒険者コリーヌ◇◇
私コリーヌ16歳。「魔力感知」と「疾風」を持つ弓使いだ。
幼なじみ5人でパーティーを組んで1年2ヶ月。
今日はゴブリンの多数発見報告を聞いて、依頼を受けた。
依頼料は安いが、これで全員がDランクになれる。
現地の村へ行って1時間。
1匹のゴブリンもいない。昨日、粗末な格好をした女冒険者が支援食料を持って来て、そのまま森に消えたという。
まさか、依頼を横取りされた?
そのとき、森の中から女の人が現れた。
私の感知にも引っ掛からない。魔力ゼロの「劣等人」だ。
いきなり正座して、依頼の横取りを謝られた。そして倒した素材を渡すと言う。
収納指輪なんて高価な物を持っている。なのに、穴が空いた鎖かたびら1枚の貧乏装備。
・・乳首が透けている。
「同じオルシマの冒険者。ユリナ。聞いたことがあるような・・」
この人、収納指輪から100体のゴブリンを出した。
「え?」5人そろって驚いた。
「悪いけど、耳を切って」と言われた。
依頼の横取りに怒っていたグランとバルも素直に従った。
呆気に取られたのだ。
これで今回の依頼、十分に儲けもある。
100匹クラスなら巣がある。
ギルドへ報告すると、その情報に対し、追加ボーナスも出る。
しかし、ユリナさんは斜め上を行っていた。
100匹の耳を切り終わるのを待って、追加で100匹出した。
「え?」またも5人そろってハモった。
また追加。300匹だ。厄災レベルの巣?
ボーナスがどうこうと言ってる場合なのか。
「大変だったでしょ。ごめんね。次の82匹と15匹で最後だから」
私も混乱した。合計397匹。
倒したんだよね。けど、この人無傷。魔力ゼロだよ。
もう逆らう気も起こらず、82匹の耳を切った。
彼女は382匹の耳なしゴブリンを収納した。聞くと「食料?」と答えた・・
それを終えると、最後の15匹を出した。
「うわあ!」
一番強気だったグランがへたり込んだ。
ホフゴブリン6匹、ゴブリンマジシャン6匹、ゴブリンジェネラルが2匹。
「コリーヌ、アレって・・」
「メアリ、おとといギルドの図鑑で見たアレに見える・・」
背の丈3メートルのひときわ大きな1匹。
「ゴブリンキング?」
「ごめん、依頼を横取りして倒しちゃった。残しておけば、良かったよね・・」
苦笑いするユリナさん。そうじゃないよ。
「な、な、な、何なのこの人・・」
「この大きい奴、討伐証明部位はどこ?」
Eランク冒険者に、上位種やキングの討伐証明部位なんて分からない。
そもそもキングの討伐依頼なんて、受けた覚えはない。
ユリナさんは、ゴブリンの巣で拾った10メートルサイズの収納指輪にゴブリン上位種を入れて、私に渡した。
「ごめん、ランクダウンを避けたいの。卑怯だけど、これで見逃してくれない?」
てへぺろ、・・じゃないです!
この人は何を言ってるのだろうか。
もし、ユリナさんが先に来てなかったら、私達はゴブリン上位種に遭遇してた。
男2人は殺され、女3人は蹂躙して食われている。
みんな私と同じことを考えていて、青ざめている。
結果的に、この人に命を救われた。
「ユリナ・・ルナさんが、言ってた人だ」
ずっと思案してしたタルンが声を出した。
思い出した。
私と似たスキルタイプが縁で、仲良くなったルナ先輩が熱く語っていた。
オーク100匹の巣のど真ん中にとらわれ絶望したとき、「ユリナ様」に救われた話だ。
いくら何でも脚色しすぎだろうと思っていた。
本物はそれを上回っていた。無自覚でも災害を止めたのだ。
なのに、私達の前で正座していたが・・。
一攫千金を狙っていたと文句を言った。だけどこれは、桁が違う。
ギルド情報で見た概算では、キングを含む巣の討伐報酬、素材売却金、領主からの特別報償金などなど。
金銭だけで3千万ゴールド越え。
そして冒険者ランクも、登録丸一年を過ぎた私達はCに跳ね上がる。
プラスBランク昇格試験の権利も得る。高額の指名依頼も来てしまう。
「これって、逆に不味いよね」
「実力も伴ってないし・・」
「そもそもゴブリン1匹も倒してない」
「領主になんて会いたくない」
私達が混乱してユリナさんに返事をし忘れてると、ユリナさんが、しゅんとなった。
「分かった。オルシマギルドに出頭する」
良かった。
いえいえ、私達5人はユリナさんを訴える気なんてない。
一緒に来てくれないと困るのだ。
私達では、冒険者ギルドにゴブリンキングのことを説明が出来ない。
15キロの道のりを大急ぎで帰って、ギルドに飛び込んだ。
ギルド内が騒然としたけど、副ギルマスのジェフリーさんが何とか収めてくれた。
3日後、私達のランクに変動なし、領主との会見なしで沈静化した。
だけと私達5人のギルドカードに1人620万ゴールドも振り込まれていた。
ユリナさんに渡された収納指輪と、中の物資も手元にある。
ユリナさんの姿も見えず、困ってルナさんに相談した。
「仲間を亡くしたユリナ様は、関わった人間に死なれるのが嫌なの。装備を揃えて強くなりなよ」
元気な姿を見せること。それが恩返し。
そう言われた。
目的は「等価交換」の素材集め。
397匹のゴブリンを倒して収納。だけど、この討伐に依頼が出ていた。
それを知っていた。
私はEランクパーティー「シャイニング」の依頼を横取りした。
私は森の開けた場所で正座。前にはグラン、バル、メアリ、タルン、コリーヌが立ってる。
「私は冒険者としてあるまじき行為をしてしまったわ。私もオルシマの冒険者でユリナ」
「鎖かたびら1枚。貧乏そうだけど、許したら俺らも稼ぎゼロになっちまう」
「・・ごめんなさい」
「私達、この依頼で一攫千金も狙ってたのに・・。討伐証明もないし、マイナスかも」
「ああ、それなら私が倒した分を、収納指輪に入れてるから渡すわ」
ゴブリンを渡す。
それでも許してもらえなければ、冒険者ギルドに自首する。
我ながら迂闊である。
「ええと、ゴブリンの討伐証明ってどこ?」
私はあの日を境に、高ランク魔物を倒せるようになった。
レベル70オークをカナワギルドで換金したのに、ゴブリン討伐の依頼を受けたことがない。
ゴブリンをどうすれば、依頼達成なのか知らない。
「耳だよ。両耳で1匹討伐の計算。最低20匹で、追加はボーナスなんだよね」
「良かった。20匹以上あるよ」
◇◇オルシマEランク冒険者コリーヌ◇◇
私コリーヌ16歳。「魔力感知」と「疾風」を持つ弓使いだ。
幼なじみ5人でパーティーを組んで1年2ヶ月。
今日はゴブリンの多数発見報告を聞いて、依頼を受けた。
依頼料は安いが、これで全員がDランクになれる。
現地の村へ行って1時間。
1匹のゴブリンもいない。昨日、粗末な格好をした女冒険者が支援食料を持って来て、そのまま森に消えたという。
まさか、依頼を横取りされた?
そのとき、森の中から女の人が現れた。
私の感知にも引っ掛からない。魔力ゼロの「劣等人」だ。
いきなり正座して、依頼の横取りを謝られた。そして倒した素材を渡すと言う。
収納指輪なんて高価な物を持っている。なのに、穴が空いた鎖かたびら1枚の貧乏装備。
・・乳首が透けている。
「同じオルシマの冒険者。ユリナ。聞いたことがあるような・・」
この人、収納指輪から100体のゴブリンを出した。
「え?」5人そろって驚いた。
「悪いけど、耳を切って」と言われた。
依頼の横取りに怒っていたグランとバルも素直に従った。
呆気に取られたのだ。
これで今回の依頼、十分に儲けもある。
100匹クラスなら巣がある。
ギルドへ報告すると、その情報に対し、追加ボーナスも出る。
しかし、ユリナさんは斜め上を行っていた。
100匹の耳を切り終わるのを待って、追加で100匹出した。
「え?」またも5人そろってハモった。
また追加。300匹だ。厄災レベルの巣?
ボーナスがどうこうと言ってる場合なのか。
「大変だったでしょ。ごめんね。次の82匹と15匹で最後だから」
私も混乱した。合計397匹。
倒したんだよね。けど、この人無傷。魔力ゼロだよ。
もう逆らう気も起こらず、82匹の耳を切った。
彼女は382匹の耳なしゴブリンを収納した。聞くと「食料?」と答えた・・
それを終えると、最後の15匹を出した。
「うわあ!」
一番強気だったグランがへたり込んだ。
ホフゴブリン6匹、ゴブリンマジシャン6匹、ゴブリンジェネラルが2匹。
「コリーヌ、アレって・・」
「メアリ、おとといギルドの図鑑で見たアレに見える・・」
背の丈3メートルのひときわ大きな1匹。
「ゴブリンキング?」
「ごめん、依頼を横取りして倒しちゃった。残しておけば、良かったよね・・」
苦笑いするユリナさん。そうじゃないよ。
「な、な、な、何なのこの人・・」
「この大きい奴、討伐証明部位はどこ?」
Eランク冒険者に、上位種やキングの討伐証明部位なんて分からない。
そもそもキングの討伐依頼なんて、受けた覚えはない。
ユリナさんは、ゴブリンの巣で拾った10メートルサイズの収納指輪にゴブリン上位種を入れて、私に渡した。
「ごめん、ランクダウンを避けたいの。卑怯だけど、これで見逃してくれない?」
てへぺろ、・・じゃないです!
この人は何を言ってるのだろうか。
もし、ユリナさんが先に来てなかったら、私達はゴブリン上位種に遭遇してた。
男2人は殺され、女3人は蹂躙して食われている。
みんな私と同じことを考えていて、青ざめている。
結果的に、この人に命を救われた。
「ユリナ・・ルナさんが、言ってた人だ」
ずっと思案してしたタルンが声を出した。
思い出した。
私と似たスキルタイプが縁で、仲良くなったルナ先輩が熱く語っていた。
オーク100匹の巣のど真ん中にとらわれ絶望したとき、「ユリナ様」に救われた話だ。
いくら何でも脚色しすぎだろうと思っていた。
本物はそれを上回っていた。無自覚でも災害を止めたのだ。
なのに、私達の前で正座していたが・・。
一攫千金を狙っていたと文句を言った。だけどこれは、桁が違う。
ギルド情報で見た概算では、キングを含む巣の討伐報酬、素材売却金、領主からの特別報償金などなど。
金銭だけで3千万ゴールド越え。
そして冒険者ランクも、登録丸一年を過ぎた私達はCに跳ね上がる。
プラスBランク昇格試験の権利も得る。高額の指名依頼も来てしまう。
「これって、逆に不味いよね」
「実力も伴ってないし・・」
「そもそもゴブリン1匹も倒してない」
「領主になんて会いたくない」
私達が混乱してユリナさんに返事をし忘れてると、ユリナさんが、しゅんとなった。
「分かった。オルシマギルドに出頭する」
良かった。
いえいえ、私達5人はユリナさんを訴える気なんてない。
一緒に来てくれないと困るのだ。
私達では、冒険者ギルドにゴブリンキングのことを説明が出来ない。
15キロの道のりを大急ぎで帰って、ギルドに飛び込んだ。
ギルド内が騒然としたけど、副ギルマスのジェフリーさんが何とか収めてくれた。
3日後、私達のランクに変動なし、領主との会見なしで沈静化した。
だけと私達5人のギルドカードに1人620万ゴールドも振り込まれていた。
ユリナさんに渡された収納指輪と、中の物資も手元にある。
ユリナさんの姿も見えず、困ってルナさんに相談した。
「仲間を亡くしたユリナ様は、関わった人間に死なれるのが嫌なの。装備を揃えて強くなりなよ」
元気な姿を見せること。それが恩返し。
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